長髪を靡かせ、上から下まで全身赤黒いと言える格好をした男。

名を、ホグニというその男は、腰に携える剣の柄を軽く叩きながら地下水路を歩く。

目指す場所は、地下水路と学園外を繋ぐ階段……ただそれ一点のみ。

上から感じる多数の魔力を、まるで小気味良い物と感じているように、ホグニの口元は若干の笑みが浮かべられている。

 

「エインヘリアル、そしてベルセルク……刻は満ちてはおらぬが、これはこれで良い」

 

誰に言うでもなく、ホグニは呟きながらコツコツと一定のリズムを刻みつつ歩く。

そしてどのくらい歩いたかはわからないながらも、着実に出口へと近づいていく感覚を感じていた。

 

「今一度始めよう、我らの戦を。 今一度始めよう、世界の創造を。 穢れた大地に浄化の業火を……古の争いの、再来を」

 

そう呟きながら歩き続けるホグニの足は、そこから少し進んだところで止まる。

止めた足と共に、僅かに浮かべていた笑みは消え、歩みを止めた自身の先に視線をゆっくりと向ける。

 

「ここより先へは通しませんよ……ダーインスレイヴ」

 

「ほう……人より作られし魔剣の精か。 名を、なんと言ったか」

 

「あんなたんかに名乗る名前はないわよ、ば〜か!」

 

「……」

 

目の前に現れた少女、アーティはセリナのその言葉に頭が痛いとばかりに額を押さえる。

だがまあ、アーティ自身もセリナと同じなのか、言葉を発することなくホグニへと睨むような視線を向ける。

しかし、その視線にも、答えにも、ホグニは特に気にした風もなく、感情の篭らぬ瞳で見返す。

 

「なるほど……不完全ではあるが、汝らも世界に選ばれしエインヘリアルということか。 我の存在を知ることができたのも、納得がいく」

 

「……ねぇ、アーティ。 こいつ、さっきから何言ってんの?」

 

「私にもわかりませんよ……というより、なんで私に聞くんですか」

 

ホグニの言葉がまったく理解できないセリナは、アーティに聞いて呆れられる。

そんな二人の様子も、ホグニはまるで観察するように見続け、そして不意に腰の剣を抜き放つ。

それに二人はふざけた雰囲気を振り払い、真剣な顔となって警戒を浮かべ始める。

 

「確かめさせてもらおう……汝らが、世界の要となる者かを。 古の大地に、立つ資格があるのかを」

 

「……相変わらず何を言ってるのかわかんないけど、戦うっていうなら望むところだよ! こっちだってあんたの再封印のために来たんだから!」

 

「そういうことです、ダーインスレイヴ。 お父様が危険を冒してまで封印したあなたを、再び世に出すわけにはいきません!」

 

二人は言うや否や、同時に魔法の術式を構成し、魔法陣を展開する。

だがその光景を見ても、ホグニは焦りの表情を浮かべることなく、慌てた様子を見せることもない。

それどころか、何が可笑しいのか、口元に再び楽しいと言わんばかりの笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メンアットトライアングル!2〜永久に語り継がれし戦士たち〜

 

【第二部】第八話 呪われし兄妹の邂逅

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兄、ティルオスが口にした言葉は、リエルの記憶の中に残る昔の兄を打ち砕くには十分だった。

復讐……その一言が、打ち砕かれた記憶の代わりに頭の中をグルグルと回り続ける。

信じたくはない、理解したくはない、先ほどからまったく変わることなくそう思い続けても、現実を理解して信じてしまう自分がいる。

あれだけの仕打ちを受けたのだ、復讐をしようとしないほうがどうかしている、そう考える自分がいる。

 

「別たれたんだ……お前を捨て、修羅へと走ったあのときから。 そしてその道はもう、交わることはない」

 

「……」

 

自身を見据えながら、はっきりと口にされた言葉はショックを大きくさせる。

そして、改めて兄が変わってしまったと認識させられたことで、言葉さえも紡ぐことはできなくなっていた。

そんな様子で黙り込んでしまったリエルに、ティルオスは不意に少しだけ表情を和らげて呟く。

 

「よかったよ……お前が、私とは違う道を歩んでくれていたことは」

 

「え……」

 

消え入りそうな声、ほんとに消えてしまいそうなほどの声で呟かれたため、リエルにはそれが聞こえることはなかった。

不意な表情の変化、そして呟かれた言葉……それは一体なんだったのか、リエルは聞き返すように声を漏らす。

しかし、ティルオスは同じ言葉を二度口にすることはなく、和らげた表情さえも元の敵意のあるものへと変えてしまった。

 

「お前が俺を、俺たちを止めようと思うのなら……構えろ。 相手をしてやる」

 

「っ……」

 

言葉と同時に、ティルオスは拳を構える。

ティルオスの口にした言葉にリエルは明らかな動揺を浮かべるが、数秒後に同じく構えを取る。

正直戦いたくはないが、復讐に走ろうとする兄を止めたいと思う気持ちはある。

だから、戦う意志を見せるように、リエルは拳を構えたのだ。

 

「そうか……ならば、妹であろうとも容赦はしない。 我らの敵は、消すのみだ」

 

最後の部分をゾクッとするほどの低い声で呟き、ティルオスはリエルとの間合いを瞬時に詰める。

それにリエルは若干の驚きを浮かべるも、ティルオスが行ってくるであろう攻撃を予測して防御を取る。

 

「読みが甘い……」

 

しかし予測は外れ、ティルオスの蹴りがリエルの脇腹に直撃する。

身に受けた蹴りの威力にリエルは顔を顰め、蹴りの放たれた軌道上に吹き飛ぶ。

 

「けほっ、けほっ……」

 

地面に背がつく前になんとか受身を取ったが、蹴りそのものの威力がリエルを苦しめる。

その痛みに、苦しみにリエルは若干咳き込みながらも立ち上がり、再び構えを取ろうとする。

だが、それよりも早くティルオスは間合いを詰め、右拳を腹部に向けて鋭く放つ。

その拳をリエルはなんとか左足の膝で受け止めるが、やはり咄嗟の防御であったため若干体がぐらついてしまう。

そのぐらつきは大きな隙を生むため、リエルはティルオスがすぐに次の攻撃を仕掛けてくると警戒していた。

しかし、拳を受け止められた体勢のままティルオスは動かず、次の攻撃を仕掛けてくる気配もない。

それにリエルは不思議に思い顔を向けると、ティルオスはその体勢のままリエルを睨みつけるように見ていた。

 

「なぜ……力を使わない」

 

睨みつけたまま低い声で短くそう尋ねる。

その言葉に、リエルは何も返すことが出来ず、ただ黙してしまっていた。

黙り込んだまま答えを口にしないリエルに、ティルオスは失望したとでも言うかのように溜め息をつく。

そして、突き出したままの拳を下ろし、瞬時に後方へと数歩下がって距離を取る。

 

「最初に私が攻めたときも、今の拳を防御したときも……力を使えば、私に傷を負わせることぐらいできたはずだ」

 

「……」

 

「俺たちを止めるということは……傷つけ、殺すということでもある。 その覚悟が、あるんじゃないのか?」

 

紡がれ続ける言葉に、やはりリエルは答えることができずに口を噤む。

それにティルオスは再度溜め息をつき、拳を下ろしてリエルに背を向ける。

 

「とんだ茶番だな……覚悟もなしに戦おうなど」

 

「っ……私、は」

 

噤んでいた口を僅かに開き、言葉を紡ごうとする。

しかし、開いた口からはそれ以降言葉が出ず、再び口を閉じてリエルは俯く。

そんなリエルにティルオスは振り向くことさえもせず、バッと右手をまっすぐ右に伸ばす。

するとティルオスの背中には、夜であってもはっきりと分かるほどの真っ白な翼が広げられる。

 

「もう会うこともないだろう……だから私自身のけじめとして、言っておく」

 

その言葉にリエルが俯いていた顔を上げたと同時に、ポタッ、ポタッと水滴が落ちる音がする。

そしてその音がこの後に何を引き起こすのかを理解するよりも早く、ティルオスは言葉の続きを口にした。

 

「さよなら……リエル」

 

言葉が響くと共に、リエルの視界に眩い光が広がる。

その瞬間、僅かに止まった時間の中で、リエルが向ける視線の先には歩き出そうとするティルオスの姿があった。

その去り行くティルオスの背中にリエルが手を伸ばそうとすると同時に止まっていた時間は動き出し、その姿は光に阻まれる。

そして、リエルの立つ場所を中心に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凄まじい轟音が響き、大爆発が起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ……な、なんだ、今の爆発は?」

 

学園門前の広場で、裂夜は突如響いた爆発と言える轟音に驚きを浮かべる。

そして同時に爆発の起こった場所を特定しようとするが、その暇もなく戦斧による一撃が頭上より降り注ぐ。

それに裂夜は思考を瞬時に中断し、横に身をずらしてその一撃を避け、戦斧の所持者―フェリスタへと右の小太刀を振るう。

しかし、フェリスタはその一撃を瞬時に戻した戦斧の柄で受け止め、同時に左側からはグリスが三叉槍を縦に振りかぶっていた。

 

「楽しんでる最中に他所のこと考えてんじゃねえよっ!」

 

「ぐっ……」

 

接近に気づかなかったため予想外だったが、振り下ろされた三叉槍をなんとか左の小太刀で受け止める。

そしてそのまま競り合っても押し負けると考え、目一杯の力で両者の武器を弾き返して飛針を投げつつ後方へと下がる。

飛来した飛針を両者はなんなく弾き返し、再び互いとも得物を構えて裂夜へと攻め入る。

しかし攻めようとした二人の足は突如飛来した複数の矢によって止まり、瞬時に矢の軌道上から左右へと分かれるように退避する。

そこから、退避した二人へと更に追い討ちをかけるように複数の火の球が飛来するが、それはヴェルグより放たれた氷の刃によって相殺した。

 

「へ〜、威力も同等かぁ……お嬢ちゃん、やるねぇ♪」

 

「くっ……舐めるんじゃ、ないわよっ!」

 

余裕とさえ取れるヴェルグの態度にミラは苛立ちを隠そうともせず、今度は先ほどの二倍の量の火球を放つ。

しかし、ヴェルグは飛来する火球の量を見ても尚、笑みを浮かべたままほぼ同じ量の氷の刃を放つ。

そして互いに放たれた火球と氷の刃は、互いの中央でぶつかって相殺する。

それにミラは苛立ち故に小さく舌打ちをし、先ほどとは違う魔法の術式を構成し始める。

 

「ふ〜ん、今度は別の魔法でってわけだね……その勝負、受けて立っちゃうよ♪」

 

ミラが術式構成と詠唱を始めたのを見てヴェルグはそう口にし、同じく術式を構成をし、詠唱を始める。

そして、詠唱が終わると同時に構成された術式は魔法陣となって足元へと浮かび上がり、その上で二人は互いに魔法の名を叫ぶ。

 

「グラビティ!」

 

「ダークマター!」

 

叫んだ言霊は大気の魔力を収束させ、互いに望んだ形となって互いの中央にてぶつかり合う。

一個の大玉ぐらいの重力球と、複数のボールくらいの黒球が中央にて鬩ぎ合い、間もなくして小規模な爆発を起こす。

爆発によって起こった爆風と巻き上がった土煙はすぐに収まり、互いに元の位置にて立っていることに苛立ちと笑みという別々の表情を浮かべる。

 

「あはっ、あれも相殺かぁ。 さっすが『冥界の帰還者』……保有魔力も、魔法の腕も桁外れだね」

 

「……その桁外れの魔法を相殺しておいて余裕な顔してるあなたのほうが、私は驚きね」

 

「そりゃそうだよ〜。 そっちが『冥界の帰還者』なら、僕たちはアルナ・ベルツの『代行者』だからね♪」

 

「代行者? 何よ、それ? それにアルナ・ベルツっていうのは一体……」

 

その言葉は最後まで言われることなく、不意をついたかのようにヴェルグより魔法が放たれる。

それにミラは言葉を切り、瞬時に障壁を張ると共に火球をヴェルグへと放つ。

放たれた火球に対して、ヴェルグも同じく障壁を張り、互いに放った魔法は互いの障壁にてぶつかり黙散する。

 

「う〜ん、不意をついたと思ったんだけど……やっぱり簡単にはいかないね」

 

「こんなの、不意をついたの内にも入らないわよ」

 

「あはは、言うねぇ〜……じゃ、そういうのも不意をついたにはならないのかな?」

 

「え……っ!」

 

ヴェルグの述べた言葉と視線が捉えている方向に、ミラは瞬時になんなのかを理解して振り向く。

するとそこにはいつの間に回りこんだのか、今まさに振り上げた短剣を振り下ろそうとするクローズの姿があった。

それにミラは障壁を張っている時間がないため、振り下ろされた刃の線上から大きく動いて回避する。

そして短剣故に軌道を変えることがすぐにできると知っているため、攻撃が来る前に自分の正面に障壁を張る。

張られた障壁にクローズはミラの予想通り、振り下ろしかけの短剣の軌道を瞬時に変えて横に振り、障壁へと刃がぶつかる。

 

「む……やるじゃねえか、嬢ちゃん」

 

まさか防がれるとは思わなかったのか、クローズは口元に笑みを浮かべて呟く。

障壁で刃を防ぎつつミラはそれを聞くや否や、火球を生成してクローズへと放つ。

しかし、それを見てクローズは何を思ったのか、放たれる寸前で軌道上にまっすぐ下がりながら短剣を持っていないほうの腕を引く。

そして放たれた火球を、あろうことか引くと同時にまっすぐ突き出した拳にて相殺してしまった。

 

「なっ……」

 

「ほらほら、驚いてる暇なんてないよ!」

 

クローズのやってのけたことに驚いている暇もなく、複数の氷の刃がミラへと飛来する。

それにミラはそちらを向くと同時に障壁を張り、氷の刃をすべて障壁にて受け止める。

 

「あは、やっぱり止められちゃったかぁ……でもさ、いいのかな?」

 

「っ……何が、よ」

 

「だからさぁ……僕たちばっかりに構ってて、いいのかなってね」

 

その一言に、ミラは弾かれたようにバッと裂夜たちのほうを向く。

視線を向けた先では、裂夜が後衛であるフィリスを護りつつ、援護されながら戦い続けていた。

二対二、この数字だけ見れば戦力差も均衡しているように見えるが、実際は異なっていた。

フィリスを護りながら戦わなければならない裂夜に対して、フェリスタとグリスはどちらも前衛であるため遠慮なく攻めることができる。

それが自分より実力下ならば苦でもないが、相手は見た感じ裂夜と実力が均衡しているように見える。

故に、いくら弓による援護があったとて、それを裂夜一人で抑えなければならないというのは正直辛いものがある。

つまりは、少しでも隙を見せれば裂夜だけでなくフィリスも危うい、そんな状況なのである。

しかし……

 

「まあ、気に掛けて援護しようとしても、僕たちが邪魔しちゃうけどね♪」

 

「っ!」

 

ヴェルグの言葉で裂夜たちへと視線を向けていたミラの耳にその言葉が響き、同時に魔法がミラへと放たれた。

迫り来るその魔法にミラはギリギリのところで障壁を張って防ぎ、そして先ほどの言葉について考える。

ヴェルグの言うとおり、こちらもこちらで一対二という圧倒的不利な状況であることに変わりはなく、援護しようにも邪魔をされてしまう。

故にどう援護しようにも考えは浮かばず、あちらはあちらでどうにかしてもらうのを祈りながら戦う以外の選択肢が、ミラにはないのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面を戻して、地下水路の通路にて。

ホグニは僅かに血の付着した剣の刀身を、静かに眺めていた。

そして剣を眺めるホグニのすぐそばの地面には、所々に切り傷を作り、ぐったりとした様子で倒れる二人の少女の姿。

見た感じでは死んでいるようにも見えるが、僅かに息をしていることから、気絶しているということがわかる。

そんな地面に倒れる二人の少女、セリナとアーティをホグニは見ることもなく、ただまっすぐ剣の刀身に付着する血を見続ける。

 

「不完全な身でありながら……よくぞここまで抗った。 流石の我も、ここまでとは思わなかったぞ」

 

言葉を返してはこないことが分かっていても、ホグニは二人に向けて呟く。

そしてそう口にした後、ホグニは刀身に付着する二人の物と思われる血を、ゆっくりと舐め上げる。

 

「ふむ……魔剣の精に流るる血というものは、中々に美味なものよ」

 

呟きながら、ホグニはもう二、三度舐めると、血を付着したまま剣を腰へと戻す。

腰に戻した剣の柄を数回軽く叩き、ホグニは最後まで地面に倒れる二人に目を向けぬまま、ゆっくりと歩き出した。

そして、再び歩き出してから間もなく、ホグニの進行上の通路に一人の男の姿が見えてくる。

その男は、ホグニの姿をその目で確認するや否や、ゆっくりと傍まで歩み寄って片膝をつき、頭を下げる。

 

「ホグニ様、ですね? アルナ・ベルツ『代行者』が一人、ティルオス……スヴァフルラーメ様の命により、お出迎え上がりました」

 

「ふむ、出迎えとはな……あ奴の考えそうなことよ」

 

男―ティルオスの言葉にホグニはそう呟き、まるで無視するようにティルオスの脇を通って再び歩き出す。

しかし、ティルオスはホグニが再び歩き出しても立ち上がらず、一度閉じた口を再び開いた。

 

「この者、如何致しましょうか? ご命令とあらば、この場で――」

 

「やめよ。 その者たちは我に力を示した……如何に汝がベルセルクとはいえ、今この場での殺生は我が許さぬ」

 

「……了解致しました、ホグニ様」

 

ティルオスはそう返すと今度こそ下げていた頭を上げて立ち上がり、ホグニの後を追うように歩き出す。

そしてホグニの斜め後ろを維持するように歩みを調節しつつ、二人は地下水路と外を繋ぐ出口を目指す。

その後、地面に倒れるセリナとアーティの姿が見えなくなってからしばしして、出口へと続くと思われる階段を見つける。

見つけた階段を視線に捉えつつ、コツコツと地下水路に足音を響かせながら歩み寄り……

 

「終焉の戦を駆け抜けし戦士が、再び現世に舞い戻る。 エインヘリアルとベルセルク……此度の戦は、一体どちらが生き残るのであろうな」

 

分かり辛いといえるほどの小さな笑みを浮かべながら、階段をゆっくりと歩み、出口へと足を掛けていくのだった。

 

 


あとがき

 

 

さて、八話冒頭で始まった戦いは早々にケリがついてしまいましたな。

【咲】 早すぎでしょ……ていうか、あっさり負けすぎじゃない?

む、そんなことはないぞ。 場面がなかっただけで、あの二人は結構粘ったし。

【葉那】 場面がなかったらあっさりって思ってもおかしくないと思うよ〜。

まあ、それは確かにな。

【咲】 にしても、ホグニっていうのが言ってた不完全っていうのはどういう意味なわけ?

う〜ん、言ってもいいけど……1から見てたら少し考えるとわかることだぞ?

【咲】 見ててわかんないから聞いてんのよ。

ふむ……じゃあヒントだ。 魔剣の精霊はあるものがないと力を最大限に発揮できない。

【葉那】 あるもの?

ああ。 それが分かれば不完全の意味がすぐわかる。

【咲】 あ、なるほど……そういう意味ね、不完全って。

わかったみたいだな。 ま、二人がホグニに負けたのはそれが最大の理由ってことだ。

【葉那】 ふ〜ん……でもさ、ホグニだって二人と同じでしょ? なのにそれより劣るってどういうわけなの?

それはまあ、ホグニもそれがあれば今以上に強くなるけど、現状ではなくても問題はないっつうことだな。

【咲】 だから、それはなんでかって聞いてるんだけど……。

む……まあ、簡単に言えば、存在し続けた年数の違い、かな

【葉那】 へ〜……つまり、ホグニは二人よりも長く存在してるってことなんだ?

そゆこと。 まあ、二人も魔剣の精であると同時に大樹の精霊の娘だから、あるものさえあれば今のホグニとも十分に戦える。

【咲】 そ。 じゃあ次に、リエルとティルオスが戦うとは言ってたけど、短すぎじゃない?

【葉那】 だよね〜。 しかも、戦う前からほとんど戦意喪失状態だし。

む……ま、まあ、それは相手が実の兄だったから、と言う理由じゃ駄目?

【咲】 ちょっと苦しいわね。 そもそも、戦う覚悟があるから構えたんじゃないわけ?

う〜ん……まあ、覚悟がちゃんとできてなかった、ということかな。

【葉那】 それと文章が短いのは関係ないと思うけどなぁ〜。

うぅ……そこはまあ、申し訳ございませんでした。

【咲】 はぁ……じゃあ馬鹿を落ち込ませたところで、次回予告いってみましょうか。

……次回はだな、恭也と少女の戦いの決着、そして目的を果たしたことで代行者たちがどう動くか、これが注目点かな。

【葉那】 ふ〜ん……ところでぇ、前回避難所を飛び出したカールたちはどうなるわけ?

それはまあ、次回出てくる予定かな。

【咲】 そう……じゃ、今回はこの辺でね♪

【葉那】 また次回会おうね〜♪

では〜ノシ




うわー、かなりの苦戦を強いられているな。
美姫 「魔剣対決は、向こう側に軍配が上がったしね」
とってもピンチ?
美姫 「ああ、このままどうなってしまうの」
ハラハラしつつ、次回を待ってます。
美姫 「待ってますね〜」



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