このSSはメンアットトライアングルの第二部です。

そのため、一部の設定を全部引き継いでいます。

あとメンアットワーク!4のキャラ等も出る予定です。(といっても静穂(子供)くらいなものだと思いますが)

上記のことを了解した上でお読みになる方のみお進みください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メンアットトライアングル!〜対なる心、継承せし二刀の剣〜

 

【第二部】プロローグ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

信じられない。

目の前に映る光景が、私は信じられない。

闇夜が支配する学園の中庭。

そこに一人静かに、でも圧倒的な存在感を放つそれを私は信じられないものを見るような感覚に襲われる。

 

「そん……な」

 

いつも離さず、大事に持っている小太刀―八景をさらに強く抱きしめて。

私は目の前の光景を見て呆然と呟く。

 

「……」

 

それは私の呟きを待っていたかのように、私に視線を向けながら動き出す。

ゆっくり、ゆっくりと、私のほうへ向けて歩き出す。

 

「なんで……」

 

信じられない。

目の前の惨状も、何もかもが信じられない。

いつもは夜の月に照らされて綺麗に見えるそこは地面を抉られ、草木は枯れ、無残なほどに荒れ果てている。

そして、夜になると星々が散りばめられたかのように綺麗に映る空は、雲に覆われたように一片の光すらもない。

だが、何よりも信じられないのは、私に近づいてくる目の前の“彼”。

 

「なんで……なの」

 

“彼”は何も言わずに、ゆっくりと近づいてくる。

よく似た別人かとも思った。

でも、“彼”から発する雰囲気はとてもよく知っているもの。

だから余計に信じられない。

だって、“彼”は……

 

「……恭也」

 

死んだはずなのだから……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は五日前に遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

賢者の石を巡る事件から数年が経ったある日のことだった。

いつも通り授業を終えたミラとレイ(ミラの横で補佐、のようなことをしている)は食堂で美由希、スレイの三人と落ち合う。

合流した四人は食堂で昼食を取りながら会話に花を咲かせる。

それがここ最近ではいつもの光景となった。

たまにその輪にフィリスやら、ジャスティン(実は女性だと知ったと気は皆驚いた)やらが混じることはあるが基本的にはこの四人。

会話の内容はその日その日でいろいろと違う。

それは自分の授業を受けていた生徒の話だったり、最近の自分の身の回りのことだったり。

そしてその日はレイの失敗談を題に話は成されていた。

 

「それでレイったら、その生徒に対して本気で魔法を放とうとしたのよ……」

 

「あ、あははは、大変でしたね」

 

呆れるような口調で話すミラに美由希は乾いた笑いをしながら返す。

なんでもミラが受け持つ黒魔法の授業にて、出たにも関わらず真面目に授業を受けず居眠りをかましている生徒がいたらしい。

それを見たミラがいつものように最低限の加減をした電撃を放とうとしたのだが、

それよりも早く横から膨大な魔力が湧き上がっているのを感じた。

その魔力はミラの授業で居眠りをしているその生徒に対してのレイの怒りの魔力だった。

湧き上がらせるだけならまだ放置していてもいいのだが、あろうことかその魔力を限界まで込めた魔法を放とうとしたのにはさすがのミラも放置できず、なんとか宥めることで止めた。

ちなみにその生徒は魔力を湧き上がらせた時点で目を覚まし、その矛先が自分であると知って青褪めていたのは言うまでもないだろう。

 

「うぅ……だってムカついたんだもん。 ミラお姉ちゃんが一生懸命教えてるのに居眠りなんてしてるから」

 

「はぁ……私のために怒ってくれるのは嬉しいけど、もうちょっと限度を考えてね」

 

「はぁい……」

 

しゅんと俯きながらレイは返事をする。

それを見てミラはもう一度小さく溜め息をついてレイの頭に手を乗せ優しく撫でる。

愛していた人がいつもそうしていたように、優しく、優しく。

 

「〜♪」

 

撫でていくうちに機嫌が戻ったのか気持ち良さそうに目を細める。

そのいつもの光景を見て、美由希とスレイは苦笑する。

そこまでは……そこまではいつもの光景だった。

 

『ミラ……』

 

その声が聞こえるまでは……。

 

「え……」

 

声が聞こえた瞬間、ミラは撫でていた手を止め上を見上げる。

だが、そこには何も無い。

 

「ミラお姉ちゃん?」

 

撫でていた手が止まり、呆然と上を見ているミラを不思議に思ったレイは声をかける。

レイの声に我に帰ったミラは微笑を浮かべて、なんでもない、と言う。

美由希もスレイも突然呆然としだしたミラに首を傾げていた。

だが、ミラの言葉を聞いてしばし不思議には思っていたものの再び話に花を咲かせ始める。

 

(あの声は、恭也? ……ううん、そんなはずない。 恭也が生きてるはずなんて……ないもの)

 

もしかしたらという考えが浮かんだがミラはそれを自身で否定する。

恭也は確かにあの時、死んだのだと……自分に言い聞かせながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それが、後に起こる事件の始まりの合図だった。

だが、このときにはミラも、美由希も、スレイも、レイも、誰もがそれを知ることはなかった。

 

 


あとがき

 

 

プロローグで〜す。

【咲】 予想以上に早くできたわね。

がんばったから。

【咲】 そう。じゃあご褒美に撫でてあげましょう。

いや、いらんし。

【咲】 ……私の褒美は受け取れないと?

え、あ、いや、そういうわけじゃなくてですね……。

【咲】 ふふふふ……。

か、顔は笑ってるのに、なんか怖いよ?

【咲】 てやっ!!

へぶっ!!

【咲】 うりゃ!!

ぶばっ!!

【咲】 ラストォ!!

あが!!

【咲】 制裁完了。じゃ、今回はこの辺でね〜♪

…………(ぴくぴく

【咲】 挨拶しなさいよ。

ひぎゃ!!

【咲】 まったく……ほら、さっさとしなさい。

ま……また……次回(がく




第二部のスタート。
美姫 「いきなり、ミラの前に姿を現した人物は」
何と死んだはずの恭也!?
美姫 「これは一体どうしたことなの!?」
何が始まろうとしているのか。いよいよ、様々な謎が分かるのか!?
美姫 「とっても気になる次回は…」
この後すぐ!



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