《何で……何でそんな事になってるんスか!!?》

 

《そ、そんな事言われても私に分かるわけありませんでしょ!! 知ったのだってついさっきの話なんですから!!》

 

通信ではなく念話でブリッジにいるラーレに話しかけられ、何事かと問うて見ればそれは予想外過ぎる内容だった。

何者かによって彼女――カルラの封じた力が呼び起こされた。言葉的にはそれだけだが、何より焦る内容には変わりない。

彼女があの力を使った場合、本人の理性等が無くなり暴走状態になる。そうなれば、味方と識別出来る自分たち以外は無差別に攻撃する。

だが、アドルファが焦る部分はそこじゃない。何より心配すべき部分は――――

 

 

 

――彼女があの力を使った際に発生する副作用。

 

 

 

過去に一度、あの力を使った彼女は副作用で失ったものに苦しんだ。自身が多くの者を殺した事に対して精神面さえも。

今でこそ罪悪感のようなものを抱えてはいるが、振っ切れてはいた。だというのにまた、それが繰り返されようとしてる。

放っておくわけにはいかない……話によれば、力はまだ目覚めたばかり。それなら、すぐに止めれば副作用は発生しない。

 

《今現在、カルラがいるであろう場所に急行できるのは誰がいるっスか?》

 

《私は無理ですわね。後ギーゼも現在非常用通路でジェド・アグエイアスを脱出用艇に案内してる最中みたいですし……まあ、開いてるとしたらヒルデくらいですわね》

 

《というか、ヒルデにはカルラを見てるよう頼んでたはずなんスけど……あの子、今どこで何やってるんスか?》

 

《何やってるのかは分かりませんけど、現在地に関してはカルラのいる位置とは真逆の第四区画ですわね》

 

呆れるというか、それを聞いたら怒りさえ抱いてしまう。見ておくよう頼んだ人間が、まるで別の場所にいるのだから。

何か理由があるのだとしたら、連絡ぐらいしてもいいもの。それがないという事はそれが出来ない状況なのか、もしくは忘れてるのか。

アドルファ的考察からして彼女の場合は後者。それ故、再び湧いた苛立ちを隠す事もなくラーレに指示する。

 

《大至急ヒルデにカルラの現在地を伝えて急行するよう伝えるっス。それとギーゼにも博士を脱出艇に収容次第、その場所に急行しろと》

 

《はいはい、分かりましたわよ。ところで、貴方は何をしてるんですの?》

 

《ウチは『レメゲトン』を回収しないといけないんで今、動力室で作業中っス。コレ、動力と直結してるっスから外すの時間掛かるんスよ》

 

答えに納得したとラーレは返事を返し、早々に念話を切った。おそらく、アドルファの指示をすぐ実行するためだろう。

彼女も意地悪な部分はあるが、彼女なりにカルラを可愛がっていた。だから彼女自身も心配であるのには変わりないのかもしれない。

ともあれ、これで後はヒルデかギーゼがカルラを早くに抑えるのを祈るばかり。それ故、カルラの身を案じつつも彼女は彼女の為すべき事へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法少女リリカルなのはB.N

 

【第二章】第三十六話 生誕するは盾の守護者

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

壁を蹴り、天井を蹴り、四方八方から攻めてくるカルラの動きには翻弄されざるを得ない。

全てを避けるなど不可能故に防御が必然的に多い。辛うじて避けれたとしても、ほぼ勘による回避ばかり。

そのため、回避しても掠る事がほとんどでそのたびに切り傷を作り、尚且つ回避と防御の繰り返しで体力ばかり持っていかれる。

フェイトにとって幸いなのは、なのはが必然的に防御のみになるため、傷らしい傷がほとんど彼女にはない事だろう。

といっても結局は魔力を消費して疲労してるのには変わりなく、こうやって保つ方法も言ってしまえば得策ではない。

 

《Sonic Move》

 

《…………》

 

フェイト自身の誇る瞬間高速移動魔法を行使して死角に回り込もうとしても、彼女相手ではそれも出来ない。

むしろ魔法を使用したフェイトの速度に追いついてくる。死角に回るどころか、魔法が切れた段階で攻撃される可能性すらあるのだ。

かといってこの魔法、現状で連発する事が出来ない。得意魔法故に行使は難しくはないのだが、発動プロセスがどうしても必要になるのだ。

もしそれを抜きで行おうとするならば、バリアジャケットを防御を捨てた完全速度重視のソニックフォームに換装しなければならない。

これが多少苦戦する程度の相手なら迷わず彼女は換装しただろう。けど、彼女相手にそれを行うのは自殺行為だとフェイト自身分かっていた。

ただでさえ避けきれない速度の攻撃。一撃一撃に重さもある故、武器での防御に加えて防護服の強度も含めなければまず致命傷を負っている。

それを捨てるというのだから、自ずと結果が見える。だから現状の装備でどうにかする以外、彼女には選択肢がないのだ。

 

《Accel Shooter》

 

反対に近接で辛うじて戦い続けてるフェイトの後方支援をするのはなのは。だが、それもやはり上手くはいかない。

高威力と長い射程を誇る砲撃が主であるなのはでは、ここでの戦闘は不利。そのため、自ずと使用する魔法が限定される。

その中で自身が使い勝手の良い魔法とするのが高い誘導性を持つアクセルシューター。威力も貫通力もそこそこある故、当たればそれなりのダメージになる。

しかし、やはり場所が狭いから一度に打てる数が限定されてしまう。本来が最大発射可能数十二発くらいだが、ここでは打てても三〜五発くらいだ。

しかも上手く操作して下手なところや、何よりフェイトに当たらないようにしなければならず、必要とする集中力は並大抵のものではない。

だけど彼女には操作に必要な集中力も技量もある。だがそれでも、飛び交う誘導弾はカルラの身体に掠りもしない。

フェイトの攻撃を避け、攻撃の手は緩めず、尚且つ飛び交う弾道の合間を縫うようにして避ける。正直こんなものを見せたれたら、自信を喪失しそうなものだ。

だが、それでもなのはは諦める事無く複数の魔力弾を操作し続け、彼女の動きを追い続ける。そしてそれが功を奏したのか――――

 

 

 

――彼女が地面を蹴って宙へと身体を浮かせたタイミングで、魔力弾による包囲に成功した。

 

 

 

状況から見てカルラは飛翔魔法を使っていない。むしろ、この場所での戦闘で使う意味はほとんどないだろう。

だから宙に身体を浮かせたタイミングでの魔力弾による包囲から一斉発射は普通に考えて避けようがない。

非殺傷にはしてある。全弾命中したとしても、死ぬ事も致命傷を負う事もない。だからなのははこれを逃さず、迷わず一斉発射を促した。

 

《…………》

 

数個の魔力弾が迫る光景。それは一瞬の出来事でもあり、何十秒も感じさせるスローでの光景にも映る。

そんな中で垣間見るカルラの表情はやはり変わらない。驚きも、焦りも……感情の変化と呼べるものが一切ない。

そんな風に彼女の表情に注目してしまったから分からなかった。全ての魔力弾を発射させた直後、彼女の右手の宝玉が光っていた事を。

気付かぬままに魔力弾は着弾したのか軽い爆発を引き起こし、そこを中心に巻き起こる煙を避けるようにフェイトはなのはの傍までバックステップで戻った。

 

「大丈夫、かな。一応非殺傷にはしてあるんだけど……」

 

「少なくとも致命傷とかはないと思う……でも、数個とはいえ直撃を受けたんだから、ある程度のダメージは――――」

 

フェイトが言葉を言い切る寸前で、それは起こった。煙の中から一直線に橙色の光弾が迫ってくるという想定外の状況が。

光弾はたった一つ。だけど油断をしていたためか反応が遅れ、避けるという行為にまでは及べなかった。

故にほぼ至近まで迫りつつある光弾に対して先頭に立つフェイトは自身となのはの身を守るために障壁を張ろうとする。

だが、障壁を張る前に光弾は至近少し手前のところで炸裂。たった一つの光弾は小さな十個以上の弾となって襲い掛かった。

分裂した光弾に対して障壁を張る寸前だったから張って防御するのは難なく出来た。しかし、それこそがこれを放った彼女の意図だった。

 

「あぐっ!!」

 

「っ――なのは!?」

 

驚愕と焦りから避けるという行為を封じて防御させる。防御対象物が突然分裂したら尚更それは確率大で促せる。

加えて高確率で光弾の迫ってきた前方のみの防御。その行動へ導く事こそが、光弾を放った彼女の意図だ。

それ以前の直撃したはずなぜという問いに関しては、一言で言ってしまえば周囲に同質の光弾を顕現、相殺している。

その際に発生した爆発程度は大したダメージにはならない。そしてその行動が二人に気付かれなかったのも、別のところに意識が向いていたからだ。

さすがに意識を別の方向に向けるというのは意図の中にはなかったが、実際のところ合っても無くても確率は対して変わらない。

総じて意図通りの言葉に運ぶ事に成功したカルラは煙の中から最大速度で抜け出してフェイトとなのはの間に移動し、なのはに蹴りを放ったのだ。

蹴りを直で受けたなのはが声を上げ、倒れるのとほぼ同時に気付いたフェイトは彼女の名を呼びながら振り向き様に戦斧を振るう。

しかしその一撃は軽く飛び上る事で難なく避けられ、それだけに留まらず飛び上ったと同時に放たれた蹴りを肩に受け、壁に叩きつけられてしまう。

 

「――っ!!」

 

肩を蹴られた拍子に得物を落とし、壁に叩きつけられたときの衝撃で声にならない声を上げて壁伝いに地面へ倒れこむ。

肩の鋭い痛みと身体全体の鈍い痛みに耐えながら視線をなのはに向ければ、案の定自身を退けたカルラが近づいていた。

なのはに近づいて何をする気なのかなんて明白。それ故、痛みが引くのを待つ事も無く立ち上がり、落した得物を拾ってカルラの進行を妨害しようとする。

 

Orage distrait》

 

だが、彼女が立ちあがった段階でカルラの右手はフェイトに向けられ、得物を拾う手前で光弾を放ち、直撃させる。

炸裂する前の光弾は威力もそれなりにある。そんな物の直撃を受けたためか、得物を拾う事も出来ずに後ろへと吹き飛び、今度は地面に背中をぶつけた。

 

「ぐ……っ……!」

 

息が詰まる感覚に今度こそ立ち上がれず、辛うじて動く頭だけを動かして自分が向かおうとしていた場所へと視線を向けた。

その先には進行を止めず歩み寄り、同じ立ち上がろうとしたのだろうなのはを足で抑えつけ、爪に雷を帯電しているカルラの後ろ姿。

あんな至近で見た限りでも高威力の一撃を受けたら、いくら障壁を張っても防ぐのは無理だ。そのままにすれば確実に直撃は免れない。

かといって自分は現状、動く事さえままならない。無理をすれば辛うじて立つ事は出来るが、距離もある事ですでに間に合わない領域。

 

「なの……は……っ!」

 

無理だと分かっているのに、逃げてという意味を込めて声を振り絞る。けど、それには返事さえ返されなかった。

おそらく抑えるために踏まれているせいで声を上げる事も儘ならないのだろう。必死に言葉を返そうとしたとしても。

だがフェイトにはそれも焦る原因となり、無理だ、意味はないと頭が訴えていても無理をして立ち上がる。

そこから歩き出すのも痛み故にゆっくり。絶対に間に合わない。だけどそれでも、助けるという思いから歩みは止めない。

しかし現実は無情と言うべきか……彼女の歩み足が対して前に進まずして――――

 

 

 

――帯電した爪を足で抑えるなのはに向けて振り上げる光景が目に映った。

 

 

 

もっと早くと命令しても足はそれ以上早く進んでくれない。止めてと声に出しても、意味を為しはしない。

結局何も変わらない、大切な人一人守れない。それを嘲笑うかの如く、カルラは腕を上げた段階で一目だけフェイトに視線を向けた。

それが悔しくて、自分が不甲斐なさに泣きそうになる。でも、早くはならずともそれでも歩み続けた……ただ、前へと向けて。

だからかもしれない。誰もが目の前の事ばかりしか見ていなかったから……気付かなかったのかもしれない――

 

 

 

――その場に駆け寄ってきていた、イレギュラーの存在に。

 

 

 

フェイトの目の前でなのはへと振り下ろされた雷の爪。彼女の死を告げる、死神の鎌とも呼べる一撃。

だが、それは彼女へ届く事はなかった。爪の進行上に張られた高密度の障壁により遮られて。

なのはは張った覚えもないし、そんな余裕もない。フェイトにしたって彼女と同様……ならば誰が張ったというのか。

当然として浮かぶ疑問であったが、それはすぐに答えとなって現れた。聞き覚えのある声と、見覚えのある魔法によって。

 

捕らえよ、蒼の棺」

 

なのはとカルラの僅かな間に出現した蒼い壁。それに嫌な予感を感じたのか、カルラは大きく飛び退く。

しかし飛び退いた彼女の後方にも同質の壁が張られ、その壁にぶつかった瞬間に左右の道も塞いだ。

そこからなのはの前にあった壁が起き上がり、瞬間的に前の道も塞ぎ、前後左右を塞いだ段階で上の道も塞いで完全にカルラを閉じ込めた。

彼女が閉じ込められるまでの光景を一部始終呆然と眺めるしかなかった二人。そんな中、彼女を閉じ込めた張本人が近寄って来た。

 

「大丈夫だった? なのはお姉ちゃん、フェイトお姉ちゃん?」

 

「「シェリス(ちゃん)……?」」

 

歩み寄ってなのはが起きるのを手助けしつつ、デバイスを拾ってようやくなのはの元に到着したフェイトにも声を掛けるシェリス。

以前とまるで変わらない邪気のない笑顔。姉との仲直りに関して助言して以来会わずだったが、変わりはないようだった。

ただ変わったと言えば着ている服。以前のゴスロリ調な服ではなく、少し複雑な上から下まで一貫している黒い衣服だ。

だけど所詮は変わったのなんてその程度。性格面で全く変わってない所はこの状況下で二人としても非常に嬉しい事でもあった。

 

「ところでさ、何となく危なそうだったから助けてたんだけど……さっきのってカルラお姉ちゃんじゃなかった?」

 

「う、うん。何かよく分からないけど会った途端、急に襲われちゃって……」

 

「そうなんだぁ。でも、もう大丈夫だよ♪ パンドラボックスは外側は脆いけど内側は堅い上に狭いから、一度閉じ込められたら簡単には出られな〜い♪」

 

シェリスの得意魔法であるパンドラボックス。今までその使い方はかく乱を主としたものだと二人は思っていた。

けどその説明で認識が若干変わる。おそらくこの魔法、箱同士の転移能力よりも対象の捕縛を重視して術式を編まれている。

転移能力はあくまでオマケ……シェリスはそのオマケの機能を主に使うから、二人がかく乱重視だと思ったのも仕方ないだろう。

だが、捕縛重視なら捕らえた段階でかなりの時間が稼げる。だから二人はシェリスの手を取り、急いでその場を後にしようとした。

 

 

 

――その瞬間、ズドンッという凄まじい音が箱のある方面から響いた。

 

 

 

歩き出そうとした三人は音に反応して振り向き、全員が全員唖然とした顔で真っ直ぐに蒼色の箱を見る。

その途端に再び先ほどと同じ轟音が響き、音が響いた直後に箱の側面に僅かな亀裂が入った。

 

「にゃ!? にゃにゃにゃ!?」

 

我に返るとシェリスは目に見えて焦り出す。自信があった手前、その箱に亀裂が入れられるなんて思わなかったのだろう。

だがそれが現実として目の前に現れている。それ故にいつもの猫語を口にしながら慌てるも、すぐに対処へと移った。

足元に魔法陣を浮かべ、新しく顕現させた壁を亀裂の入った箱の表面に重ね、亀裂のせいで脆くなった箱を補強する。

しかしそれは意味を成さず、どんどん頻度を多くしつつ衝撃音を大きくなり、補強した側面に早くも亀裂が入り始める。

 

「う、うにゅ……パンドラボックスに罅を入れるなんて、普通じゃないよぉ。あの人、ほんとにカルラお姉ちゃんなの?」

 

「それは間違いないと思うけど……と、とりあえず、補強するよりも壊れる前にここから離れたほうがいいんじゃ」

 

「無理だよぉ……パンドラボックスって一つでも維持が難しいから、今離れたら簡単に壊されちゃうもん」

 

「じゃ、じゃあもっと強く補強する事は? そうすれば離れる時間くらいは――――」

 

「うぅ……それをする方法もなくはないんだけど、今のシェリス一人じゃ無理だよ。なのはお姉ちゃんか、フェイトお姉ちゃんが手伝ってくれないと……」

 

こうして話してる間にも頻度も音も大きくなり、罅が大きくなるたびに何枚も何枚も補強のために障壁を重ねている。

けど破られるのは時間の問題なのは明白。となれば二人にとっても取れる道など、一つしかなかった。

 

「私が手伝って何とかなるなら協力する……だから教えて、シェリス。その方法っていうのを」

 

「私も、もちろん協力するよ。何をすればいいの、シェリスちゃん?」

 

協力する、その選択以外に道などない。だから了解を意味する言葉を返し、シェリスの考える方法というのが何かを尋ねる。

それにシェリスは答えようとするも、まるでこちらの意図に気付いたかのように一気に箱内から響く音が大きくなる。

そのせいか補強の速度も追いつかず、彼女の魔力的にも厳しくなってきたのか、苦悶の表情すら浮かべ始めていた。

このままでは破壊される。そうなれば再びの捕縛も難しく、如何にシェリスが加わっても負ける確率のほうが高くなってしまう。

それは避けないといけない……それ故にシェリスはその方法を説明する事を諦め、補強を打ち切って二人へと振り向いた。

そして協力するという意思の表れか、顔を逸らさず見つめ続ける二人を交互に見やり、フェイトへと視線を固定した途端――――

 

 

 

――何を思ったか、飛び込むようにして抱きついてきた。

 

 

 

抱きつかれた対象たるフェイトはもちろん、なのはも驚きが浮かびあがってしまう。

しかしただ抱きつく事が対処とは到底思えず、いつものじゃれ付きだと勘違いして非難しようとした。

だが、二人の口から言葉が放たれるより早く――――

 

 

 

――抱きついたシェリスを中心として、フェイトごと光で包みこんだ。

 

 

 

直後、罅が側面に広がり切っていた箱はガラスの割れるのと同種の音を立てて砕け散った。

それと同時に内部に閉じ込められていたカルラは標的を光の中にいるフェイトとシェリスとして攻め入ってくる。

一体何が起こっているのか分からない。でも、このまま二人が傷つくのを見てるだけというわけにはいかない。

それ故になのはは二人を守るために手を前に掲げ、障壁を展開しようとしたが――――

 

 

 

――ほんの一瞬早く二人を包み込んでいた光が晴れ、同時にカルラの進行上正面に障壁が展開された。

 

 

 

展開された障壁へカルラは帯電する爪をぶつける。そして凄まじい火花を散らせ、攻と守で鬩ぎ合う。

それは先ほどまでではなかった光景。多少鬩ぎ合った段階で罅を入れられ、破壊されていた今までとは明らかに違う。

それを張っているのは障壁の色からしてフェイト。だが、防御力が今までと違う故、本当にフェイトが張っているのかと疑ってしまう。

故になのはは隣に立つフェイトへと視線を向けた。そしてその目に映った彼女の姿に、再び驚愕の二文字を顔に浮かべる。

ツインテールだった髪が完全に下ろされ、色まで金から蒼に変わっている。そしてその瞳の色すら、蒼色へと変化していた。

何よりそれ以上に驚きだったのが、背中に備わる二枚の翼。鳥などのように整っているわけでもないが、形状からして翼と分かる代物。

光に包まれる前まではそんなものなかった。加えて光に包まれた後となる現在、今までそこにいたシェリスの姿も無くなっている。

 

「え、えっと……?」

 

《ボーっとしてないで防いでる間に攻撃なりしようよ、なのはお姉ちゃん。こっちの魔力も無制限じゃないんだよ?》

 

疑問符ばかり頭に浮かぶのだが、突如として聞こえた念話によるシェリスのちょっと辛口な一言によってなのはは現状を思い出す。

そして思い出したと同時に疑問をとりあえず振り切り、驚きにも未だ防ぎ続けているフェイトの横から杖の先端を前に突き出した。

その瞬間、障壁も壊せない上にその状況は不味いと思ったのか、カルラは攻めるのを止めてバックステップで距離を取った。

 

《にゃ〜……動き、速いねぇ。身体能力はある程度強化出来てるけど、あの速度には届かないかも》

 

「しょうがないよ、それは。少なくとも防御し切れるって分かっただけでも十分だから、今はそれで満足しておこ?」

 

《そうだね〜。避けれなくても防げばいいって事になるんだから、大丈夫と言えば大丈夫だよね》

 

その場にいないシェリスとフェイトとの会話。それがまた更になのはを混乱させ、追いやった疑問を全て呼び戻そうとする。

それを察したのかフェイトは顔こそ向けないながらも、念話にて後でちゃんと説明するからとなのはに告げた。

またもいきなりだったためか少し驚きつつも、フェイトの言葉に返事を返しながら頷き、再度正面へと集中した。

 

《…………》

 

対してカルラは先ほどの事が信じられなかったのか、自身の左手に備わる爪を無言で眺めていた。

しかしなのはが視線を戻した直後に爪から視線を外し、再び二人へと戻してゆっくりと歩み始めた。

その一連の光景はフェイトの変貌を抜かすと先ほどまでと同じ。彼女がそのままある一定の距離まで進んだなら、再び攻めてくるだろう。

そして二人はまた受け側へと回ってしまう。そうなると分かっていても攻め込む事が出来なかったのだから、仕方ないとも言えた事。

しかし、今は違う。肉体的にも精神的にも変化を遂げた彼女ならば、今のフェイトならばもう一つの選択だって取れる。

 

《防御面と補助面はシェリスが全部やるから、フェイトお姉ちゃんは攻める事だけ考えてね〜。あと、なのはお姉ちゃんも援護よろしく〜》

 

「「わかった(うん)!」」

 

先ほどまでは取れなかった選択肢……攻め込むという行為へとフェイトは魔力刃を形成し、戦斧を振り上げながら移る。

同時になのはも自分の周りにスフィアを展開。そこから数個の魔力弾を飛ばして各々操作しつつカルラへ向かわせる。

魔力弾が飛ばされた段階でカルラは駆け出し、驚異の速度で魔力弾を全て避けつつ、フェイトを迎え撃つ。

 

「っ!」

 

《……》

 

爪と戦斧が二人の中央で交わる。だが鬩ぎ合うという行為は見せず、フェイトは瞬発的な力で爪を弾く。

弾いてからは再び戦斧を振い、横薙ぎをカルラへと放つ。だが彼女はその一撃が到達する寸前で地面を蹴り、宙へと飛びあがった。

そこから宙を蹴るという芸当を見せ、一直線に爪先をフェイトへと向けて突撃した。それなりに至近からのこれは通常速度では避けれない。

 

Sonic Move》

 

故に高速移動魔法を瞬時に発動。本来発動プロセスが必要なこの魔法も、今なら何も無しで発動できる。

だから発動と同時に移動へと移る事が出来た。しかし、瞬間的な速度もかなりのものであるこの魔法を以ても、爪は避けきれず腕を掠める。

だけど負傷はその程度で彼女の背後へ回り込む事が出来た。それは今までにないチャンス……それを逃す事無く、フェイトは戦斧を振るう。

振われた戦斧はそのまま行けば直撃コース。加えて着地後で不安定な体勢の彼女へ背後から放った一撃。

完全に捉えたか見えたが、その一撃は彼女が突如視界から消えた事で空を斬る。それに驚きを走らせつつ、フェイトは探すため視線を巡らせようとした。

しかしその直後、何かに足を取られ、彼女の足は地面から離れて傾く。同時に何が起こったのかを理解するより早く、腹部に衝撃が伝わった。

突如として襲った衝撃に浮いていた彼女の身体は後方に飛ぶ。だが、途中で浮いていた足を地面に付け、急停止を掛ける事でさほど飛ばず止まる。

 

《大丈夫、フェイトお姉ちゃん?》

 

「だ、大丈夫。ちょっと痛いけど、このくらいなら……バリアジャケットの強度が強化されてたのに助けられたかな」

 

声を掛け合いつつ向けた視線の先では足を下ろすカルラの姿。先ほどの衝撃は、彼女の放った蹴りによる物のようだ。

加えて足を取られた原因も彼女が放った足払いなのだとすれば、消えたように見えたのはあの驚異の速度でしゃがんだからだろう。

分かっていた事ではあるが、強いと再認識せざるを得ない。速度と攻撃力を兼ね備え、かなり戦い慣れしてるのか先の一連の流れにも無駄がない。

自分も今の状態になった事で多少なりと強くなったと自覚はあるが、それでも同じタイプの魔導師として彼女は自身より遥か上だと分かる。

 

「今のままじゃ、まだかなり厳しいね……ソニックフォーム、いける?」

 

《駄目じゃないけど、それにするとさっきみたいなただの蹴りでもあんまり受けれなくなっちゃうよ?》

 

「そこは……何とかしてみるよ。それになのはの援護もあるし、シェリスだってそういう防御面ではフォローしてくれるでしょ?」

 

フェイトの問いにちゃんとした返事は無く、代わりに猫語の呻きが響く。だが、それは肯定という意味であると彼女は知っている。

現在、二人は繋がっているから。シェリスの考えは言葉に出なくともフェイトに伝わり、そしてそのまた逆も然り。

それ故にフェイトは即行動に出た。戦斧を水平に構え、術式を展開して自身のバリアジャケットの形状を変化させていく。

といっても非常に簡易なもの。身に付けていたマントやミニスカートへ消し、完全に薄いレオタードのみという装備へ変え、手足に光の羽を顕現する。

見た目はたったそれだけの変化。しかしバリアジャケット換装と同時に動き出したフェイトの速度は、今までとは一味も二味も違っていた。

 

《…………》

 

それでも迎え撃とうと同時に動き出したカルラの速度にはやはり及ばない。でも、それなりに近づけはした。

現状ではそれだけで十分だ。一人で戦っているならともかく、なのはとシェリスの援護がある今なら五分近くにはなる。

その証拠に換装してから再度攻め込み始めた現在、飛び交うなのはの魔力弾を避けながら速度が上がったフェイトの攻撃を避け切る余裕が彼女にはない。

彼女も基本を受けとして避けるのは余裕があるときのみ。かといって避けるときも全て無傷というわけにはいかず、掠ったりもする。

これは大きな進歩と言える。一撃すら入れられなかった前と比べ、こちらも余裕が無いのは変わりないが多少なり当たるようになっているのだから。

 

 

 

――だが、やはり決定打に欠けるのも事実と言う他ない。

 

 

 

魔力弾は一つも当たらない。フェイトの攻撃も掠りはするが、大したダメージにはなってない。

オマケにフェイトと同等以上に動いているカルラは彼女と違い、疲労したという様子が一切窺えない。

力が五分近くになっている現状、持久戦に持ち込まれたら不利だ。だから勝つにしても、逃げるにしても、決定打が欲しいところ。

とはいえ決定打になり得る魔法の大半は高威力広範囲。魔力弾ですら多く使えないこんなところで使えば、艦の寿命を更に縮まる。

つまり自ずと手段が限定されてしまい、どうするにしてもかなり難しいというのが現状だと言う他ないのだ。

 

「時間も無いし、多少の隙でも作れればいいんだけど……」

 

《ん〜……それって勝つのが一番じゃなくて、逃げるの一番で考えた上でだよね?》

 

「出来るの?」

 

《賭けに近いけど、方法はあるかなぁ。でも、この方法を使う場合ね、ちょっとなのはお姉ちゃんに頑張ってもらわないといけないけど》

 

なのはが頑張らないと成功しない方法とは一体どんなものなのか、という疑問はこの際どうしても挙がる。

だが、少しでも時間が惜しい今はそれを聞いている暇などない。それ故、今はシェリスの言う事を信じる他は無い。

だからフェイトはシェリスの言う方法というのを試そうと告げ、シェリスからなのはのする部分だけ聞いて彼女に念話で伝えた。

その内容は難しいというか、下手をすれば艦に大きなダメージを与えかねない。完全になのはの技量次第で決まるものだった。

今までので彼女もそれなりに疲労している。それ故に無理なら無理と言っても良かったが、なのははやってみると了承を口にした。

 

 

 

――そして即実行とばかりに再度杖の先端にスフィアを生成し、一気に十二発ほどの魔力弾を放った。

 

 

 

シェリスがなのはにやって欲しい事とは単純に一つ。カルラをなるべく多めの魔力弾で包囲して欲しいという物。

多少の疲労で操作するのも苦労する現状、凄まじい速さで動く彼女を包囲するのはかなり困難な内容。

少し間違えれば作戦失敗というだけでなく、艦にまで大きなダメージを与えかねない。それ故、全ては彼女の技量次第なのだ。

当然、フェイトもそれを手伝わないわけじゃない。なるべくカルラの動きを制限するよう、彼女自身もある程度攻め込む。

 

《…………》

 

カルラの動きを見る限り、先までと変わらず魔力弾を避けながらフェイトの攻撃を捌き、反撃や進攻をしてくるだけ。

こちら側の意図に気付いている様子は窺えない。その点に関しては幸いというべきだが、やはり困難なのには変わりない。

 

《大丈夫、なのは? 無理そうなら、他の作戦を考えても――》

 

《大丈夫だよ、フェイトちゃん。ちょっと辛い部分もあるけど、時間もない今はやらないといけないから》

 

別の方法を考えてる時間はない。辛くとも、無理をしてでも、この方法を成功させないといけない……だから、彼女は大丈夫だと言う。

つまりそれは現状で無理をしてるという意味を表す。だけど大丈夫だと言う彼女の意思を曲げる事はフェイトには出来ない。

あくまで彼女を信じるしかない。故にフェイトはそれ以上何も言う事は無く、少しでも彼女の負担を軽くするべく攻め続けた。

そして二人の連携が上手く転んだためか、魔力弾を発射してからおよそ一分程度の後、カルラの周囲に魔力弾を設置する事に成功した。

包囲するというには少し雑な部分もある……だが、指示を全うしたのには変わりなく、シェリスにとってもそれで十分だった。

 

《後はシェリスにお任せ♪ リフレクトシールド、展開!!》

 

カルラの包囲と同時に彼女が展開したのは鏡のような障壁。その数は魔力弾に合わせ、十二枚。

全てを魔力弾の進路上に瞬時に生成。途端、障壁にぶつかった魔力弾は全て反射し、そのまた先にある障壁にぶつかる。

反射して別の障壁にぶつかるまでの速さはなのはが操作していたときより上。単純な動き故、速さが増すのだ。

そして反射しては別の障壁にぶつかって再び反射を繰り返した結果、そこに出来るのは――――

 

 

 

――魔力弾を用いた格子による、脱出困難な牢獄。

 

 

 

これを可能としている魔法はシェリスの持つ得意魔法の一つ。過去になのはたちの前でも一度だけ使った魔法。

名称をリフレクトシールドというこの魔法、一番にして最大の特徴とされる部分は射撃、砲撃系の魔法を反射出来るという部分。

どうやって反射しているのかは若干複雑なので省くが、一度この障壁にぶつかった魔法は他者のなら完全に掌握できる。

反対に物理面の攻撃に対する防御力は皆無に近いのだが、それを補って余るほどの能力を持った障壁魔法であると言えよう。

だが、何より凄いと言えるのはシェリスの使い方。言ってしまえばただ反射するだけというこの魔法を彼女はかく乱に使ったりする。

以前、そして今この場で使っているような使い方で。これは簡単そうに見えて、角度や場所を計算して設置しないといけないため、かなり難しい。

普段は考えなしな子のように見せて意外とこういう部分が優れている。だからこそ、彼女を敵に回すのは怖いとも言えるだろう。

 

《…………》

 

シェリスが編んだ作戦通り、策に嵌ったカルラは檻の中で動けず、ただ立ち尽くしている。

やはり無表情だから顔から思考を読み取る事は出来ないが、おそらくどうやって抜けるか考えているのだろうと予測出来る。

だけどそうであってもなくても、この策に嵌った時点で勝ちが決まっている。なぜなら、檻に閉じ込めるだけが作戦じゃないからだ。

それを現実として表すようにシェリスは檻に捉えてすぐ、最初にしたように動けないカルラを蒼の箱に再度閉じ込めた。

閉じ込めただけならすぐに壊されて意味はない。しかしシェリスの意図は閉じ込める事ではなく、蒼の箱のもう一つの能力を使うため。

 

《えっと、座標は〜……うん、ここでいいや》

 

何やらブツブツ呟くと再び術式を展開。途端、カルラを閉じ込めた蒼の箱は罅も入る事無く砕け散った。

しかし、箱が消え去った檻の中には先ほどまでいた彼女の姿は無く、ただ魔力弾の飛び交う檻だけが存在していた。

突如として消えた彼女になのはだけでなくフェイトも驚く中、最後の処理とばかりに魔力弾を全て箱で包み、内部で消滅させ、鏡の盾を全て消した。

その全ての作業が終わるのを待っていたのか、なのはが途端に駆け寄り、彼女が至近に寄ったのをタイミングとしてフェイトは疑問を口にした。

 

「えっと……さっきのは、どういう事?」

 

《んっとね、パンドラボックスの転移能力を利用してカルラお姉ちゃんを別の場所に飛ばしたの。このまま戦ってもシェリスたちのほうが不利だって思ったし》

 

「あ、あの魔法って、そんな事も出来るんだね……」

 

《ぶぅ……シェリス、前にもお姉ちゃんたちの前で使ったよ? もしかして覚えてないの、なのはお姉ちゃん?》

 

言外に前に自分と会った事を覚えてないのかと若干憤慨気味に聞かれ、途端になのはは慌てて考え込む。

そして思い出したのかあっと声を上げ、忘れいていた事を弁解するようにごめんと言いつつ思い出したと答えた。

大体の人なら忘れていたというにちょっと怒ったり不機嫌になったりするかもしれないが、シェリスはそれらとは違う。

思い出したと告げたら途端に機嫌を直し、すぐに先ほどの憤慨など忘れてしまったかのような態度へと戻るのだ。

戦闘時は年上なんだなと思わせるような感じを窺わせていたのに、終わってみればこれ。正直、苦笑するのを禁じ得なかった。

 

「と、とりあえず先に進もう。どこに飛ばしたのか知らないけど、戻ってこられたら大変だし」

 

「そ、そうだね」

 

苦笑しながらも先を急ぐ事を推奨するフェイトになのはも苦笑しながら返事を返し頷いた。

そして互いに揃って駆け出し、自身らが来た道とは逆の進むべき道へと進んでいくのだった。

 

 


あとがき

 

 

盾の守護者とはすなわち、シェリスとユニゾンし得る者の事を示すのだ。

【咲】 ふ〜ん……でもさ、それってあの状況だとなのはでも良かったんじゃないの?

まあね。というか、むしろ砲撃魔導師であるなのはのほうがシェリスと相性は良かったかもしれん。

【咲】 じゃあ何でフェイトにしたわけ?

構想上の話でなら詳しくは言えんが、シェリスの心境で言うなら単にフェイトのほうに懐いてたからだよ。

【咲】 ああ、前に会ったときのアレ? でも、それだけで普通選ぶ?

普通の人は分からんが、少なくともシェリスにとって理由はそれだけで十分だったんだよ。

無論なのはに懐いてないわけじゃないが、この場合は姉と近しい物があるフェイトを選んだわけ。

【咲】 なるほどねぇ……にしても、ユニゾンしてすぐによくあれだけ立ち回れるわよね。

あの光の中で多少なりと話したからね、二人は。だからユニゾン後に驚きはなかったし、加算された力もある程度把握できた。

【咲】 でも、基本はユニゾン時の身体能力向上に頼ってたわよね。シェリス十八番のパンドラもあまり使ってなかったし。

ん〜……ぶっちゃけね、パンドラを捕縛以外で使わなかったのはフェイトにはまだ無理だからだよ。

【咲】 フェイトに無理なら、シェリスが代わりに使ってあげればいいんじゃない?

そうするとどこに転移するかもシェリスの意思次第になるだろ? さすがに思考が分かるわけじゃないんだから、そんなことしたら逆に動き辛いだろ。

【咲】 つまり、フェイトが自力であの使い方を出来るようにならなきゃ駄目だって事?

もしくは、シェリスの思考パターンを知り尽くすかだね。ただ、こちらの場合はかなりの信頼が必要になるが。

【咲】 まあ、そうなるわよねぇ。でもまあ、リフレクトのほうは最後のほうで使ってはいたみたいだけど。

あれもシェリスが使ってたけどね。最終的にはフェイトも使えるようにならなきゃ。

【咲】 適性があってユニゾン出来ても問題は山積みってわけね。

そういう事だ。もっとも、その全てが出来るようになったら段違いに強くなるだろうがね。

【咲】 いつになるか分からないけどね〜……で、次回はどんなお話になるわけ?

次回はだな……ん〜、まあ一言で言えば、もう片方の三人の戦闘部分だな。

【咲】 シグナムとヴィータ、それとアイラの事ね。

そうそう。でもまあ、あっちはあっちですぐに終わるから、もしかしたらもう少し話が進むかもしれんけどね。

【咲】 つまり次回は〜とか言いつつ、ほとんどが未定だって事ね。

そういう事。ただ一つだけ確定してる事を言うと、あの三人側にも助けの手が働くって部分かな。

【咲】 あと助けに来る人って言えば、恭也とリース以外にはいないと思うんだけど?

普通に考えるとね。まあ、そこも含めて次回をお楽しみにしててくれ。

【咲】 はいはい。じゃ、今回はこの辺でね♪

また次回会いましょう!!

【咲】 ばいば〜い♪




フェイトとユニゾンしたか〜。
美姫 「みたいね。その理由は既にあとがきで言われているわね」
納得。何とかカルラを撃退というか、何処かに飛ばして逃げの一手を打てたな。
美姫 「後は再び出会う前にさっさと目的だけを果たしてとんずらね」
そう上手くいくのか、それともまだ何かあるのか。
美姫 「ドキドキするわね」
ああ。次回はシグナムたちがどうなっているのか分かるし。
美姫 「そんな気になうる次回は……」
この後すぐ!



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