アースラに残った面々が気づいたとき、すでに海鳴には結界が展開されていた。
故に連れ戻しに行くにも救援に行くにもすでに間に合わず、ブリッジにて現在は結界術式の解析中。
そして解析を行うエイミィの横にて立つクロノは、目に見えて焦りと苛立ちを見せていた。
「くそ、あれほど挑戦は無視するよう言ったのに……なんたっていつもこんな無茶ばかりするんだ、彼女たちは」
「口で言われただけで止められるほど、助けたいって思いが弱くなかったって事だろ。ま、無茶って点ではアタシも同意だけどな」
クロノの立つ位置とは逆の位置に立つアイラより、そんな言葉が返ってくる。
だが、当のクロノにはその言葉が耳に入っておらず、今も焦りと苛立ち故にエイミィの座るシートの背凭れをコツコツと指で叩いていた。
それに見かねたアイラが落ち着けと注意はするのだが、それで一旦は止めてもまた無意識にやり出してしまう。
故に何度か注意した段階でアイラも諦め、エイミィの操作する画面から目を離して後ろへと向ける。
その先にいるのは、はやて……この件が発覚してから、彼女も当然の如くブリッジに呼び出されたのだ。
そして話を聞いてみれば、なのはたちがこうする事を知っていたなどと大した悪びれも無く言ってくる。
これにはクロノも何で止めなかったのかだとか、なぜ彼女たちを煽るような事をしたのかなどと若干怒鳴り気味に言った。
でも、煽った事に関してははやても素直に謝罪を口にしたが、もう一つのに関しては謝罪はせず、次の一言を告げた。
――家族を取り戻したいゆう思いを、ウチは無碍になんて出来へん。
家族の大切さをよく知るからこそ、止めるなんて真似は自分には出来ない。
煽った事に関しては確かに自分が悪いが、止めなかった事に関しては悪い事をしたなどと思ってはいない。
その意思が篭る言葉をはっきり告げられ、クロノもそれ以上怒る事は出来なかった。
確かに危険だからと何の手も打とうとしなかった自分にも非がある。何か手を打っていれば、こんな状況になってはいなかった。
だからその言葉を聞くと一方的に責めるなど出来るわけもなく、ある程度厳重な注意をしてその場は収まった。
だが、それが収まっても問題が解決したわけではない。だからこそ、現在もエイミィに術式の解析を急がせているのだ。
「? どないしたんですか、アイラさん?」
「ん、いや……はやては、妙に落ち着いてるなって思ってな。皆の事、心配じゃないのか?」
「そら、もちろん心配やけど……でも、ウチは大事にはならんって確信してるんです。相手、アドルファさんたちなんやし」
「いや、確かにリィンフォースを直す手伝いをしたのかもしれねえけど……かといってアイツらが良い奴ってわけじゃ――」
アイラが言葉を言い切るよりも早く、はやては首を横に振るって否定する。
そこまではっきり否定されたためか、どうしてはやてはそこまで彼女らを信じているのかが疑問として頭に浮かぶ。
だが、これは何度か聞いた事ではあり、聞いたときに返ってくる答えは――――
「あんな優しい目をする人が、酷い事するなんて思えへんです」
――決まって、たったその一言だけなのだ。
少なくとも、アイラはアドルファがそんな目をしたところを見た事は一度たりともなかった。
だからはやての言う事も家族と言える者を助けてもらった事から、そう見えてしまうのだと思った。
大きすぎる感謝の念が、その人を良い人だと映してしまう。これはある意味、よくある現象である。
それでなくとも八神はやてという少女はなのはやフェイトに負けず劣らず、優しい少女なのだと分かっている。
だから彼女たちを疑えず、信じてしまうのだと……これを聞いたこの場の誰もは、そう解釈していた。
魔法少女リリカルなのはB.N
【第二章】第二十話 夜空に響くは破滅を齎す鈴の音
先の砲撃をギリギリで避けた後、彼女――ラーレはビル内部からヴィータを追って飛び出てくる。
そして目視で彼女を捉えるや否や、アルフやザフィーラのとき同様の魔力弾を周囲に生成する。
それだけならば先ほどまでとまるで変わりなく、全く以って芸がないと思うだけで済む話であろう。
だが、問題なのはここから……魔力弾を生成した彼女は、それを飛ばすと共にデバイスの形状を変化させた。
杖の先にある十字架が組み変わり、少し複雑な形をした筒状へ。そして変形させるとすぐにヴィータへと先端を向ける。
《Meteorscatastrophe》
途端、弾丸が一発装填され、筒状となった杖の先端から閃光が放たれる。
さっきの砲撃と違ってかなり細い閃光ではあるが、速度は先ほどと同レベルかそれ以上。
加えて一発目から続け様に二発、三発と絶え間なく発射され、魔力弾に翻弄されるヴィータへと襲い掛かる。
アルフとザフィーラの二人に放たれていたときの魔力弾とは違い、追尾効果が付与された故に簡単には逃げ切れない。
更にはその進路上に絶え間ない閃光の嵐を放たれ続けられ、とてもじゃないが反撃の暇などない状況に陥る。
「あはははは、逃げるしか出来ないなんて正しく猿ですわね」
「くっ、好き放題言いやが――うおっ!?」
挑発に対して言い返す暇さえもない。それほどまでに魔力弾と閃光による攻めはキツイのだ。
高速移動魔法を使えば一時的に振り切れるだろうが、そこから攻め込めるかと聞かれれば答えはノー。
彼女とて一度見ているのだからヴィータが高速移動魔法を持ちえる事を知っている。それ故、その場合の対策も用意しているはずだ。
だから攻め込む事が出来ない、故に高速移動魔法で一時的に振り切るのはその場凌ぎでしかないからしない。
しかし、かといって他に状況を打開する手がヴィータにあるわけでもなく、未だ消えずに追ってくる魔力弾と放たれる閃光から逃れるのみ。
「ふぅ……猿なだけに、本当に逃げ足の速いこと」
そんなヴィータに対してラーレは一度だけ溜息をつき、そう呟きながら杖の先端を彼女から逸らす。
そして再び弾丸の装填音を響かせ、空薬莢を排出すると先端を向け直し、再度閃光の乱射を始めた。
この光景に対して、逃げ続けながらも閃光が一時止んだため視線を向けていたヴィータはある一つの事を思う。
(あの魔法、無限に撃ち続けれるわけじゃねえのか……いや、むしろそれが当たり前だよな)
カートリッジを使用して放たれるこの魔法が途切れた。それはつまり、弾丸の魔力を使い切ったという事。
そこから撃ち続けようとすると自身の魔力を中心に消費する事となる。だから、彼女は温存のために再び弾丸を再装填した。
つまり総じて言えるのは、ずっと撃ち続けられるわけじゃないという事。故にか、ヴィータはここから一つの策を思いつく。
確かに追尾してくる魔力弾と閃光の乱射を同時に相手にすれば反撃は出来ない。しかし、それが片方だけとなれば別だ。
魔力弾は一度破壊でもしない限りは消えないが、閃光の場合は弾丸の魔力切れから再装填まで僅かな間隔がある。
本当に僅かな間隔でしかないが、行動を起こすならばそこしか狙い目がない。それ故、ヴィータは次の装填まで逃げながら待つ。
「あら、また切れてしまいましたわね……ほんと、燃費の悪い魔法ですこと」
避けながら逃れ続けること数分後、狙い通りラーレは愚痴をこぼしながら再び杖の先端を逸らした。
これは先ほどと同じように、弾丸を装填するときの仕草。つまり狙うなら今、この瞬間しかないという事だ。
《Schwalbefliegen》
彼女が再装填を終えてから発射に至るまでの僅かな時間を利用し、ヴィータは四つの鉄球を顕現する。
そしてすぐさま鉄槌を振るって鉄球の全てを打ち、緩めのカーブを描かせて追ってくる魔力弾と相殺させる。
数的には魔力弾のほうが多いのだが、ある程度密集して追ってきていたためか、四つの爆発に巻き込まれて全てが爆砕する。
そこからヴィータは立ち止まる事なく、鉄槌を振りかぶりつつラーレへと一直線に向かっていく。
「猿のくせに、舐めた真似をしますわね」
「猿じゃねえっつってんだろうがぁぁぁ!!」
向かってくる彼女に対してラーレは再装填を終えた銃口を向け、閃光を放ちだす。
だが、先ほどまでならまだしも、魔力弾の脅威もない状態では追尾もない直線的なそれには当たらない。
故にヴィータの接近を遮ることが出来ず、瞬く間に至近まで寄った彼女に舌打ちをしつつラーレは左手を前に掲げる。
《Todlichschlag》
《Ripple Shield》
展開された障壁に振り下ろされた鉄槌が激突し、火花のような光が若干散る。
だが、張られた障壁を前に鉄槌を持つ手に力を込めていくヴィータに対して、ラーレは酷く余裕な表情を浮かべていた。
そしてその表情の違いが現実に出ているかの如く、いくら力を込めても障壁は皹すらも入る様子はない。
土壇場で張った障壁と力一杯振り下ろした鉄槌でこの差。つまり、これが二人の間にある力の差なのだ。
形式的にただ振り下ろしただけの一撃では傷一つ付けられない。それこそ、彼女の持ちうる最大の力を駆使しなければ。
そう現在の状況が物語っていたわけなのだが、負けん気の強いヴィータとしてはそんなもの納得など出来なかった。
だからこそ、意地でも一撃を入れてやると思い、力を込め続けながらどうすればそれが出来るかを考える。
幸い、相手は未だ自分を見下している様子が見られるため、この状況で突発的に何かをしてくるなど考えてないだろう。
だから現在張っている障壁にも最低限の魔力しか込めていない。そこを頭に浮かべると、突破口となる手段が一つ浮かんだ。
「アイゼン、カートリッジロード!!」
《Raketenform》
片側をスパイク、もう片側を推進剤噴射口に変化させる大威力突撃攻撃を行うための強襲形態。
本来は若干距離を置いた位置で変形させ、ロケットの噴射からその場で踏ん張りつつ回転して推進力を得る必要がある。
だが、それをさせてくれるわけもないし、させてくれたとして避けられるのは明白だろう。
だけど障壁に最低限の魔力しか込めず、スパイクへと変化する鉄槌の先端がぶつかっている今は好機。
すぐに推進力を得られなくても、スパイクに変形した先端がぶつかった状態で噴射口から火が噴出されたとしたらどうなるか。
それはもちろん、徐々に強くなっていく噴射口の火に比例してぶつかる力が強くなり、最大になれば最低限の魔力では防げない。
更には障壁にぶつかった状態からでのものだから障壁は消せない。そして消せないから逃れる事も出来ない。
「っ――!?」
予想したとおり、徐々に力を増していく鉄槌にラーレは驚愕を浮かべ、途端に魔力を込め始める。
彼女自身、まさかこのような強硬手段に出るとは思わなかったのだろう。だけど、込め始めたときにはすでに遅い。
魔力を込めていく速さよりも障壁に皹が広がるほうが速く、すでに破壊される寸でまで追い込まれていた。
だけどヴィータが考えた通りラーレは逃れられない。逃げるために障壁をここで消せば、確実に直撃するから。
しかし、だからといって打開策がない以上、このまま受け続けたら……そうラーレが考えた矢先――――
「ぶち破れええぇぇぇ!!」
――皹が完全に障壁全体へと回り、その直後に砕け散った。
障壁の破壊と同時に勢いの衰えない鉄槌は彼女へと直撃。途端、凄まじい勢いで吹き飛んで再度ビルへと激突した。
だが、そこでヴィータは先のように追ってはいかない。あれで沈んだとは思わないが、追っても先の二の舞になる。
故に煙の舞い上がるそこに飛び込む事はせず、いつでも動けるよう鉄槌を構えつつ警戒の態勢を取った。
そしてやはり思った通り……煙が晴れたそこ、壁が砕かれ目視できるようになったビル内部の床にて彼女の姿はあった。
しかし最初のときとは違って防護服は更にボロボロとなり、痛みから膝をつきつつ痛む箇所を手で押さえ、睨んできている。
先ほどのと加えて明らかにダメージは与える事に成功している。それと同時に、彼女の睨みには先ほどまでなかった――――
――殺意という感情が、明確に表れていた。
さっきまでは挑発などはしても、そんな目を向ける事はなかった。常に相手を見下しているような目をしていた。
だけど二度目の一撃を受けた段階で視線がそう変わり、遠目から見ただけでも纏う空気が変わっているのを感じる。
鉄槌の騎士ともあろうヴィータが怖気を感じ、抑えなければ震えてしまうほどのドス黒い空気が、彼女から発せられていた。
「猿が……ずいぶんとこの私を、コケにしてくれましたわね」
距離的には本来聞こえ辛いはず。なのに、ヴィータにははっきりと彼女の言葉が聞こえた。
それには視線に劣らず殺意が込められており、彼女は震えがくるのを抑えながら鉄槌を持つ手に力を込める。
ラーレがいつ動いても対応できるように、隙が出来ればいつでも攻め込めるように。
そんな彼女を視界に捉えながらラーレは立ち上がる。そして埃を払う事もなく、杖の形状を元へと戻した。
「アルは殺すなとおっしゃてましたけど、もう我慢も限界ですわ。そもそも、そんな生ぬるい考え自体が間違いでしたのよ」
言葉を言い切ると同時に魔法陣を展開。途端、ヴィータの周囲を魔力の刃が取り囲む。
その光景に驚きを浮かべるも、彼女はすぐに動き出して刃の合間を縫い、ギリギリで囲みから抜けた。
だが、そこでは終わらず、続けざまに魔力弾が放たれる。その数は先ほどまでと比べ物にならない。
加えて魔力弾の破壊をさせないかの如く、魔力の刃が再度顕現。それが今度は回転しつつブーメランのように襲い掛かる。
しかも魔力弾と回転する刃は互いにぶつかったりせず、どちらもヴィータを多種多様な軌道で追尾し続ける。
これだけの数の魔力弾と刃の操作。それは並みの魔導師では到底成し得ない、魔導師としての技量の凄まじさを示した。
しかし驚くことにそれだけでは留まらず、百以上になるそれらを操作しながら更に複雑な魔法陣を描き始めた。
「天壌を焦がすは漆黒の劫火。途絶えなき灼熱の檻にて己が罪をも焼き尽くす」
カートリッジ使用の様子は一切見えない。にも関わらず、彼女が練り始めた魔力は異常そのもの。
それはもう本人の持つ魔力としか言いようがないが、人一人が持つ魔力としてそれは余りにも大き過ぎた。
ここから行使されようとする魔法は確実に高威力。下手をすれば、ランク表記でS以上になるかもしれない魔法。
そんなものを放たれたら、はやてや皆の住む街が滅茶苦茶になる。だから、どうにかしてヴィータは止めたかった。
「天地の終焉、現世の破滅。炎神たる祖は世界に無明を齎し、再誕の礎と成す」
だけど止められない。百以上にも上る魔力弾と魔力刃の群れが阻止しようとする行動すら起こさせない。
ただ紡がれる詩を聞き、その魔法が放たれるのを避け続けながら見る事しか出来ない。
そしてとうとう、彼女の口より紡がれていた詩は終わりを告げ、練っていた魔力が安定し始める。
放たれるのは間近……それ故、もう無駄と分かっていても、自身が傷つくことを厭わず彼女は突撃を試みた。
それでも極力は避けている。でも、基本的には直線であるため全ては避けられず、彼女の身体の所々に傷を作っていく。
魔力弾か肩に当たって爆発し、魔力刃が頬や防護服を掠って傷をつける。でも、若干よろけても痛みを耐えて駆ける。
「来たれ獄炎――」
だがやはり、放たれる前に到達するには時間が決定的に足りない。
そしてそれでも尚諦めず駆ける彼女を前に後一言の言葉を紡ぐ事で魔法を完成させようとしたとき――――
「っ――!?」
――突如彼女の口は閉じられ、膨大な魔力は途端に黙散した。
時間を僅かに遡った別の地点にて、アドルファとフェイトは得物を交え合う。
状況を見てみるだけでもフェイトが圧倒的に押されているのが分かる。フェイト自身も、そう感じていた。
彼女は自身の力を強いと思ったはない。むしろ、自分はまだまだだと思って日々精進を絶やさない子だ。
だが少なくとも、自分の動きというのは速い方ではないかと思っていた。恭也などには劣るとも、それなりに速いほうだと。
だけどアドルファと戦ってみて、それは打ち砕かれた。速い方だと思っていた自分が、下手をすると彼女を見失う。
恭也と同等かそれ以上の速度。速いなんて言葉で片付けてもいいのかと思ってしまうほど、異常な速さを見せ付けられた。
そこにはもちろん得物の違いも出てくるだろう。短剣と戦斧……大きさも重さも、圧倒的に前者のほうが速い。
しかし自分と彼女の速さの違いはそれだけには思えない。武器の違いを抜いたとしても、余りあるほど違いがあった。
「ほらほら〜、受けてばかりじゃウチに一撃なんて入れられないっスよ〜♪」
「くっ……」
受けてばかりじゃ駄目だとは彼女とて分かっている。だけど攻める間がなく、呻く事で返すしかない。
少なくとも攻める手段があるとしたら近接では無理。距離を置いた状態から出なくては速さで負ける。
だからどうにかして策を考える。どうすればこの斬撃の嵐から逃れ、彼女と距離を空ける事が出来るのかを。
(こんなとき、恭也さんなら……)
その際に頭に浮かぶのは恭也。彼もアドルファと同じで、速さを主体とした戦い方をする。
若干の違いがあるにはあるが、それでも自分の目標とする人だ。彼ならどうするかで考えるのは無駄じゃない。
そして斬撃を受けながら恭也と模擬戦をしたときを思い返し、そこから間もなくして一つの手段が浮かんだ。
後はそれを実行するための機を待つだけ。彼女が今も嵐のように行っている斬撃の切れ目が訪れるまで。
二刀ならまだしも、一本の短剣だと如何な熟練者でも切れ目が存在する。腕があるほど些細なものだが、それでも確実に。
故にそれを待つ……彼女の斬撃を受け、避け、時には傷を付けられながらも、彼女はただ機を待つ。
そうして斬撃が続く中、それを意識して見ていたのが幸いしてか、それが訪れた事が彼女にもはっきりと分かった。
《Sonic Move》
それを視認した瞬間、彼女は高速移動魔法を駆使して瞬間的に彼女との距離を置いた。
これが恭也との模擬戦を思い出して浮かんだ手段。彼も距離を置くとき、同種類の魔法を駆使していた。
簡単な手段だと言ってしまえばそれまで。だが十分に通用する手段であるため、彼女との距離を置くのも成功した。
しかし、アドルファは距離を置かれた事に驚いてはいない。むしろ、それが当然だと思っている風にさえ見えた。
だけどフェイトからしたら距離を置いた事は反撃のチャンス。それ故、即座に環状魔法陣に包まれた光球を自身の周囲に生成する。
「プラズマランサー、ファイア!!」
彼女の声に応え、光球は槍状へと変化。直後、凄まじい速度でアドルファへと撃ち出されていく。
だけどそれらの軌道は全て直線的故、如何に速くてもアドルファにとっては避ける事など容易かった。
「ターン!!」
しかし避けた途端に口にされた彼女の言葉で後方に意識を向けると、その先から再び光の槍が襲ってきていた。
要するに今の一言は槍を反転させ、再発射するためのキー。それはつまり、キーを口にすれば何度でも反転できるという事。
如何に直線的な魔法であろうともそれでは避ける意味がない。加えてこのままそれに意識を向け続けるのも危険。
だとすればどうするか……そんな事は考えるまでもなく、一つしか手段は存在しなかった。
「スヴェントビート、カートリッジロード」
《White Klinge》
二度目の襲撃を避けた後、彼女の声で反転する槍を捉えながら弾丸の装填音を響かせる。
その途端、短剣の刀身が白き光に包まれ、刀身の全てを包んだ光はそのまま凄まじい長さの光の刃を成す。
それこそフェイトのザンバーフォーム以上の長さ。そんな光の刃を顕現した彼女はそのまま迫り来る槍を薙ぎ払う。
刃が直撃した直後に魔力の槍は全て爆砕してしまい、その後も刃が消える事はなく、そのまま振り被る。
《Annihilation Klinge》
振り被った瞬間に刃は更に伸び、伸びるのが止まった段階ですぐさま振り下ろした。
距離を空けているのだから攻め込まれなければ大丈夫。フェイトはそう考えていたが、正直甘かった。
デバイスの形状が短剣だからといって射撃がない、距離を空ければ大丈夫など本来あるわけがないのだ。
相手はただの剣士か何かではなく、魔導師なのだから。魔法を使えば、距離の差など正直無意味だろう。
距離を置けた事への安著からフェイトはそこを失念していた。しかし、高速移動魔法を使えば避けられない事はなかった。
だけど正直、頭上から迫り来る光の刃を前にして考えがそこに至らず、咄嗟に手を掲げて障壁を展開してしまう。
――それが実質二度目となる、彼女の失敗だった。
展開した障壁はそれを防ぐことが出来ずに容易に斬り裂かれ、そのままフェイトの肩へと直撃。
その瞬間、直撃の威力にて身体が一直線に地面へと叩きつけられ、痛みから一瞬だけ呼吸が出来ない状況に陥る。
速さ重視で防御力が低くとも防護服が僅かでも意味を成したのかそれとも非殺傷なのか、外傷は無くジャケットの肩の部分が裂けた程度。
だけどその程度でも肩に伝わった衝撃は激痛を伴い、更には地面に激突したときの衝撃も痛みへと変わる。
呼吸が出来ない状態から復帰して荒く息をつき、立ち上がろうとすればまた更に痛みが激しさを増す感じがあった。
だからかすぐに立ち上がる事が出来なかった。しかし、途端に感じた予感に彼女は目を薄く開け、同時に驚きを浮かべて動いた。
動くと言っても地面を転がる程度だが、それでも痛みは走る。それに顔を顰めつつ、痛みに耐えて彼女は立ち上がった。
そして今しがた自分がいた場所を見るとそこには、デバイスから伸びる魔力の刃を地面に深く突き刺すアドルファの姿。
要するに先ほどの予感とはアドルファの追撃の予感。そして予感通り、彼女は上空から急降下してきて彼女を串刺しにしようとした。
一歩遅ければ先ほどのダメージなど非ではない。非殺傷だとしても死んでいたかもしれないような、そんな威力の一撃。
その一撃を放った事が示す意味、それを考えると彼女もゾッと感じる。だが、そんな彼女に対して考えた事とは真逆の事を彼女は口にした。
「いやはや、全然立ち上がる様子がなかったっスからてっきりもう終わりかと思いましたけど、その様子だとまだまだ大丈夫そうっスね」
「……もしかして、さっきのはそれを確かめるためだけで?」
「もちろん。元々殺す気なんて更々ないっスから、ギリギリでも起きないようなら寸止めぐらいしたっスよ。まあ――」
「フェイトさんからしたら、殺されるかもしれない恐怖ってのを味わったでしょうっスけどね」
この一言によって、先ほどの一撃が戦闘不能かどうかを確かめるだけのものじゃないというのが分かった。
フェイトに一歩間違えば死んでいた、殺されていたかもしれないという恐怖を味わわせるために放ったのだと。
大体、戦闘不能かどうかを確かめるだけなら一番穏便な手段として声を掛ける。手荒でも殺さない程度の一撃を放つ程度だろう。
だが、あれは当たれば少なからず死んでいたかもしれない。人一倍薄い防護服を貫通し、心臓を貫かれて絶命していた。
肩を斬り付けられて容易にジャケットを裂いたほど威力だ。あのままいけばそうなるかもとは想像できる。
確かにそんな一撃を放たれれば避けた後に抱く恐怖は強い。だが、彼女曰く起きなければ寸止めするとのこと。
それは要するに殺す気はないという事。その言動が本当か嘘かも分からないが、戦闘前の会話を思い出すと嘘の可能性は低い。
だけど、その言動が本当だとして彼女は一体何がしたかったのだろうか。恐怖を感じさせて、戦いを棄権させたかったのだろうか。
いや、それは正直なところないと断言出来る。ゲーム自体を始める前から、彼女が行う全てにおいて楽しんでいるのが分かるから。
だったらその楽しみを自分から崩すような事はしないだろう。しかし、それ以外では彼女の意図となる事が浮かばなかった。
「さてと……じゃあ、そろそろ再開しましょうか。賭けの結果が決まる前にゲーム終了なんてなったら、笑えないっスからね」
彼女がそんな思考を巡らせているなど露とも知らず、当の本人は笑みを一切崩す事がなかった。
そんな様子のまま地面に突き刺さる魔力刃を消し、彼女と向き合って再びデバイスを回し始める。
対してフェイトはまだ痛みの引かぬ身体に鞭を打ち、デバイスの柄に両手を添えて構え、金色の魔力刃を生成する。
そこから大きく振り被り、彼女へと向けて力一杯振り切り、魔力刃を高速回転させて飛来させた。
先ほども見た魔法故に飛来する軌道も大体読める。そのため、軽く横に飛ぶことで彼女はいとも容易くそれを避けた。
《Sonic Move》
だが、それはあくまで次のための伏線。彼女にとっては次こそが本命となる一撃なのだ。
その一撃を放つべくフェイトは刃を飛来させて再生成した瞬間、高速移動魔法を行使して避ける方向に先回り。
避け終えた彼女の背後を取り、移動を終えたと同時に振り被ったデバイスを先と同様に力強く振るった。
しかし、彼女はまるでその一撃が背中越しで見えているかの如く、深くしゃがむ事で見事なまでに避けた。
そしてそこでは留まらず、しゃがんだ状態で素早く足払いをかまし、足を払われてフェイトは軽く宙を浮く形となる。
そこから一回転しつつ立ち上がり様にもう一蹴り放ち、彼女の右腕辺りに直撃させて軽く吹き飛ばした。
当たり前だが蹴りの威力はそれなりに高く、また振り切った状態から足払いまでされて彼女の体勢は酷く不安定。
それにより腕に走った痛みを感じる暇もなく吹き飛び、そんな体勢故にまともな受身も取れず再び地面へと転がった。
「――あ、ぐっ……」
先ほどの痛みもまだ引いていないのに加えて、重い蹴りをまともに受けてしまった。
それにより転がったデバイスをすぐに手に出来ず、腕を押さえながら悲痛の呻き声を漏らしていた。
それでも尚、立とうとする様子を窺わせるという事から、意思はまだ折れてはいないのが十分に分かる。
だけど、アドルファからしたら満身創痍にしか見えない。それ故、頭を掻きながら近づき、僅かに距離を置いた位置でしゃがみこむ。
「ギブアップ、するっスか? 見たところ本当に辛そうに見えますし、ウチはそうしたほうがいいと思うっスけど」
殺すことが目的じゃない。連れ去る事も嘘はつかないと口にした以上はしない。
彼女に今あるのは、戦いを楽しむという事。だから、痛みで辛そうにしているフェイトにそんな言葉を掛けた。
相手が楽しむ必要はないし、彼女もそれは求めない。だけど、辛いのに自身の楽しみに付き合わせようとも思わない。
だからギブアップする事を勧めたのだが、彼女は痛みで今は言葉が放てなくとも拒否の意味を込めて小さく首を振るった。
それにアドルファは再度頭を掻きつつ溜息をつき、続けて彼女に尋ねるような口調で言葉を放った。
「そんなに勝ちたいんスか? こう言っちゃなんスけど、なのはさんも恭也さんも、リースちゃんも他の方々も、友達や何やというだけで実際は赤の他人でしょう? 血の繋がりもない、家族でも何でもない人のためにどうしてそこまで頑張れるんスか?」
ゲームに負ければ自分が連れて行かれる。それも勝たなければならないという理由の中にあるだろう。
だが、その理由でさえも結局はこれ以上、なのはを悲しませたくないからという意味を持つ事が容易に分かった。
そして彼女自身がゲームに参戦した理由もなのはの心配と同時に、自分も恭也とリースを助けたいという思いからだ。
だからこそアドルファには分からない。どうして赤の他人のために、自身がそこまで傷ついても頑張ろうとするのか。
「いいじゃないっスか、もう諦めても。ここでフェイトさんが脱落しても、まだ他の方々がいるでしょう? それに負けたからといって誰もフェイトさんを責めたりなんてしないっスよ、きっと」
傷ついてまで頑張らなくてもいいじゃないか。痛くて辛いのなら、もう諦めればいいじゃないか。
ここで脱落したからといって誰もフェイトを責めたりはしない。あの人たちは、それを責めるような人じゃない。
だからもう立たなくてもいい、痛いならそのまま伏していればいい。そういった意味を込めて、諭すように彼女は告げる。
だけど、それでも彼女は首を横に振るって拒否を示す。そしてようやく痛みが若干落ち着いたとき、荒く息をつきつつ告げた。
「こんな、の……なのはの、痛みに……比べたら……全然、痛くなんて、ないっ」
「なのはさんの痛み? 何を言ってるんスか、フェイトさん……なのはさんは貴方が囮になって逃がしたんだから、怪我なんて一切」
「怪我の、痛みじゃない。恭也さんを、奪われて……大事な家族を、奪われて――」
「なのはの心は、凄く……痛がってる」
途切れ途切れでも、一つ一つの単語には彼女の意思による力が篭る。
そんな強い意思の言葉を口にしながら、若干落ち着いても未だ走る痛みに耐えながら、フェイトは立ち上がった。
そして立ち上がる過程で拾い上げたバルディッシュを杖のようにつき、睨むように彼女を見ていた。
「貴方たちには、分からないかもしれませんけど……家族を奪われる痛みは、こんな傷よりもずっと痛いんです」
過去、フェイト自身も家族を失った。どんなに虐げられても、自分にとって大切だった母を。
だからこそ、分かる。恭也を奪われたなのはがどんなに苦しんでるか、どんなに痛がっているかが。
彼女の言葉で言う、赤の他人であるフェイトでも恭也の損失は辛かった。だから彼女は、きっとそれ以上に辛い。
故に諦めるなんて出来ない。赤の他人でも……何よりも大事な親友が痛がっているのを無視は出来ない。
「他人の痛みのために……フェイトさんはそこまで頑張るって言うんスか? たかが友達だというだけの、他人のために」
「他人でも、なのはは私の初めての友達で……私の世界を、変えてくれた人です。そんな人の抱える痛みが、私の頑張りで和らぐなら……」
こんな痛みは、全然平気……そう告げて得物を構える彼女に、アドルファはもう何も返さなかった。
そしてそのまま訪れた静寂がしばらく続き、対峙する二人の間に一陣の風が僅かな音を立ててそよぐ。
それを合図にしたかのようにフェイトは痛みによる沈痛な面持ちのまま、彼女へと駆け出した。
速さは最初には劣るが、それでも十分に速い。でも、高速移動魔法でもないそれは避けることなど十分に容易かった。
だから、フェイトが至近まで寄って振り上げた戦斧を振り切るタイミングに合わせ、それを避けようとした。
「――っ!?」
だが、その途端にアドルファの表情に驚きが走る。そして避けようとする行動が、僅かに中途半端になる。
何に驚いたのかは分からない。フェイト自身、意表を突いた行動などこれっぽっちもしてはいなかった。
だけど理由はどうであれ、これは好機。故に中途半端でも事実上避けられた戦斧を返して今一度、一閃を放つ。
避けが中途半端だったから体勢も僅かに不安定。でも、本当ならそこからでも彼女なら避けれたはずだった。
しかし、どういうわけか二度目の避けも中途半端な動きとなり――――
――振るった戦斧に備わる魔力の刃は、彼女の右腕を僅かに掠めた。
ほとんどダメージになっていないと言ってもいい。だが、事実上それは一撃に分類する。
故にかアドルファは少しの驚きを示しつつ僅かに距離を取り、刃の掠った部分に目を向ける。
そして驚きからすぐに笑みへと変えると、フェイトのほうを見て静かに告げた。
「お見事っス……フェイトさんの一撃、確かにウチに届いたっスよ」
「はぁ、はぁ……じゃあ、この勝負は……」
「ええ、フェイトさんの勝ちっス。約束通り、ウチはなのはさんも貴方も、もう追いません……ま、ウチが標的としてたのは貴方たちだけっスから、事実上の脱落って感じでもあるっスけどね」
原因となる事が何であれ、最後の動きは明らかに本気ではなかった。
だが、それでもアドルファは自身の負けを認めた。油断してても、小さなものでも、一撃には変わりないからと。
そしてもう追わないと約束も交わす。嘘はつかないと言った手前、交わされたそれは信用してもいいだろう。
だからフェイトは未だ荒く息をつきつつ、早くなのはと合流したいがためか小さく一礼して背を向けようとする。
しかし、半身を後ろに向けた段階で彼女から静止の声が掛かり、フェイトはその体勢のまま顔だけを彼女に向けた。
「家族が失われる辛さ……それがウチには分からないかもと、フェイトさんは先ほど言ったっスよね」
「……はい」
「ん……それに関して、一応訂正しておくっス。ウチもギーゼも、ラーレも他の皆も――」
「十分に知ってるっスよ……大切な人が失われる辛さも、大切な人が失われるかもしれない恐怖も、ね」
そのとき浮かべていた彼女の表情は笑み。だけど窺える感情は先ほどまでとどこか違う。
例えるならそれは、悲しみといった表情。底知れない悲しみを抱いているかのような、寂しげな笑み。
言葉と加えてそんな表情を見せられ、フェイトは何を言っていいのかも、どんな顔をしていいのかも分からなくなる。
だけど言葉を言い終えた途端、窺えた感情は消え、先ほどまでと変わらぬ元の笑みへと戻った。
「ウチが追わなくても、ゲームはまだ終わってないっス。だから気を抜かず、頑張っちゃってください」
そう言って話を締めくくるとフェイトは頷き、今度こそ背を向けて彼女の元から飛び去っていった。
その後姿をアドルファは見えなくなるまで見送ると近くの建物に歩み寄り、その壁に背を預ける。
「一応、敵であるはずの子にあんな事を言った挙句、応援するような事まで言って……いやはやウチらしくないっスね、ほんと。これもやっぱり、あの子の雰囲気が原因……なんっスかねぇ」
ブツブツと独り言を呟き、ずっと浮かべている笑みを崩さず空を見上げる。
その先にあるのは結界の側面。連絡もないし解除されていない事から、まだ見つかっていない事が分かる。
それにちょっとだけ笑みを深めた後――――
「さてさて……フェイトさんも行った事ですし、ちょっとやりすぎの馬鹿にお説教でもするっスかね」
――視線を元の位置へと戻して呟き、ある者へと念話を飛ばした。
あとがき
フェイトVSアドルファはフェイトに軍配が上がったという結果で幕を閉じました。
【咲】 まあ、予期せぬ事が彼女に起きたっていうのが結果の強い理由よね。
うむ。しかしまあ、その予期せぬ事っていうのも最後のほうで大方予想がついたと思うがな。
【咲】 やりすぎの馬鹿……これって要するに、ラーレの事よね?
その通り。いくらなんでも広域S以上の魔法を使おうとすれば、遠かろうとアドルファには分かる。
【咲】 でもフェイトには分からない様子だったわね。普通なら分かるもんじゃないの?
フェイトの場合は目の前の事に集中してたし、満身創痍でそんな余裕はなかったのだよ。
【咲】 ふぅん……ところでさ、ラーレの防御力ってほんとに異常よね。
今度は障壁を破られてだったけど、実質的にはラケーテンハンマーを二度も受けた。
それでも尚立てるっていうのはまあ、確かに君の言う通り防御力の異常さを窺わせるね。
【咲】 ていうかさ、ラケーテンハンマーって非殺傷設定が利く魔法なのかしら?
ふむ、実際ベルカ式魔法はそこの辺が曖昧でな、そこの辺が明確になってないんだ。
だけど決めないと話にならないから、ここでは一応利くことにしてる。
【咲】 でも、非殺傷による一撃は魔力ダメージよね? 滅茶苦茶物理ダメージになってるように見えるけど?
いや、実際外傷はないし。痛がってるのは魔力ダメージでも、衝撃とかは普通に伝わるからだよ。
【咲】 ふ〜ん……にしても、ラーレってキレやすいのかしらね。あれだって、舐めてかかった自分の自業自得じゃない。
まあ、そう言っちゃそうだけど、ラーレからしたら見下していた奴に二度もダメージを与えられる事自体が苛立ちなんだよ。
【咲】 要するに、気位が高いって事?
気位っちゃそうかもしれんね。少なくとも、戦いに於いてはそういった感じだよ。
【咲】 なるほどねぇ……で、話は変わるけど、はやてってアドルファたちの事を信用し過ぎじゃない?
まあ、はやての性格っていうのもあるだろうけど、家族を助けてもらったっていうのはそれほど大きいんだよ。
【咲】 でもさ、それと彼女たちが良い人だっていうのは繋がらないでしょ。アイラも言ってたけどさ。
それでも、はやてはそう思いたいんだよ。さっきも言ったとおり、はやてはなのはやフェイトに劣らず優しい子だから。
【咲】 ま、それは否定しないけどねぇ……で、次回はどんなお話になるわけ?
次回も今回の続きだな……ただ、ようやくこのゲームにも終わりが見えてくる。
【咲】 つまり、まだ見ぬ者っていうのが誰かが判明するわけね。
そういうことだ。まあ、予想ついてる人はついてるだろうけどね。
【咲】 とりあえずは次回の楽しみにってわけね。んじゃ、今回はこの辺でね♪
また次回会いましょう!!
【咲】 ばいば〜い♪
フェイトは何とか勝利を収めれたな。
美姫 「運も味方したわね」
それでも良いさ。で、ラーレの方は。
美姫 「まあ、流石にやり過ぎね」
だからこそ、アドルファも止めたんだろうな。
美姫 「さてさて、ゲームも結構進んできて、いよいよ隠れているのが誰かって所ね」
次回が楽しみですよ。
美姫 「次回も待ってますね〜」
ではでは。