シェリスを送り出した後、なのはのみ一度だけ家へと帰ってから再び二人と合流してアースラに赴いた。

アースラ内では今回の一件について忙しなく動いている者たちがちらほらを見える。

ただそれらのほとんどはアドルファたちの情報検索や他所の次元世界での特定人物捜索をする者ばかり。

実際に戦闘になって出撃することが今はないため、その手の人員はまるで暇ではないがそれらよりは手が空く状態。

そんな斑な忙しさを眼にしながら揃ってブリッジへと向かい、到着するとそこにいたクロノらを合流して結果を話した。

 

「リース頼り、か……まあ、現状でそれが一番良い手なのは確かだわな」

 

「しかし、そのリースという者は本当に信用出来るのか? 話によれば、そちらもジェド・アグエイアスの娘だという事だが」

 

「ジェドの娘っても恭也と一緒にいる以上はアタシら側だよ、アイツは。ほら、アンタらも以前会った事があるだろ? あんときはオリウスって名乗ったけど」

 

オリウスというほうの名を聞き、守護騎士たち……特にシグナムは納得と頷き返す。

事態故に事情をよく聞いてはいないが、恭也がデバイスとして所有していたという事は十分に覚えている。

そして僅かだが会話も成した事がある。だから、アイラのいう事にも何となくだが納得する事は出来た。

だが結局のところ問題となるのは、成功するにしてもしないにしても結果を待つしか手段がないという事。

なのはたちが説得に赴いてから、クロノたちは無駄だと言われてもジェドの本拠地たる戦艦の所在を探した。

半透明化を齎す障壁を張っているからといっても、若干の魔力の揺らぎでもあればレーダーに引っ掛かる場合もある。

それを見つけるために近辺にレーダーを張り巡らせ、常時目を離さず捜索したのだが……結果はアイラに言われた通りだった。

だからか、可能性の話ではあってもなのはたちの知らせは解決の文字が浮かぶものであり、皆の表情にも若干の光が差す。

そんな中で三人はもう一つの報告事である手紙を取り出し、クロノへと差し出した。

 

「それとこれ……シェリスちゃんから預かったんやけど」

 

「手紙? ……差出人の名前がないようだけど、シェリスが渡したって事はリースか恭也さんからの手紙なのか?」

 

「ううん……シェリスからの話では、それを渡すよう指示してきたのはアドルファだって言ってた」

 

フェイトからその言葉が放たれた瞬間、誰一人の例外もなく驚きの色が表情に浮かぶ。

それもそうだろう……まさか接触してこないと踏んでいた彼女らが、自らこんな事をしてきたのだから。

今の状況下でアースラ側にて彼女らとの接触が危険性を伴うのと同様に、彼女らとて管理局と接触するには危険性がある。

自分らが不利に働く可能性もあるし、何より下手をしたら尻尾を掴まれかねない。だから接触はないものと考えていた。

だけど現実には彼女たち自ら手紙などという方法で接触してきた。正直これは、彼女たちが何を考えているのか更に分からなくなる事であった。

 

「ゲームをしよう、か……どういう意味でしょうか、これは?」

 

「アタシに聞かれてもねぇ……十年近く一緒にいたって言っても、アイツの思考回路はアタシでも理解出来ないんだよ。アタシらがいた頃からアイツは突拍子も無く変なことしてたし、少し前に見た指名手配に関してもそうだし……今回のに至っては想像すらもつかねえよ」

 

「そうですか……これを渡されたとき、シェリスは他に何か言ってなかったのか?」

 

手紙から目を離して再度三人に視線を向けて尋ねると、彼女らは小さく頷いてそれを話した。

指定してきた時間、指定してきた場所、指定してきた条件。全て話し終えると、クロノは考え込むような仕草を見せる。

そして顔を上げると一度だけ右隣の若干後ろにいるリンディに目を向け、彼女が頷いたのを見て目を向け直した。

 

「これはおそらく、彼女たちからの挑戦状だと思う。挑戦してくる理由は分からないけど……」

 

「やっぱり、そうなんだ……」

 

彼女たちとてそう思わなかったわけじゃない。むしろ、その可能性が高いと踏んでいた。

だけどもしクロノらが別の可能性を見出したのなら、そちらじゃないかと思えるという淡い期待を持っていた。

だが実際は彼らもなのはたちと同意見。そのため、この手紙の内容が挑戦だという事はほぼ確定だと言ってもいい。

しかし、確定するのはいいが問題となるのはこれをどうするか。挑戦を受けるのか、それとも受けずに無視するのか。

もし無視したとしても、おそらく彼女たちが腹を立てて何かをするということはない。そんな事をすれば、危険性を増すだけだから。

故に現状では危険な存在なために無視をしてもいいのだが、逆に考えれば情報を引き出すチャンスがここにはある。

手紙と伝言の通り、彼女らが指定してきた場所に現れるのなら、捕らえるのが無理でも情報を聞き出す事が出来るかもしれない。

それは同時に今の状況を一変させるチャンスだとも言える。もしかしたらそれで、待ちという状態から脱せられるかもしれないのだから。

だけど、少し悩んだ後にリンディとクロノが出した結論は――――

 

 

 

 

 

――誰もが予想した通り、挑戦を受けないというものであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法少女リリカルなのはB.N

 

【第二章】第十七話 無謀と知っても護りたいもの

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リンディとクロノが出した答えは、当然と言えば当然のものだったであろう。

確かに管理局という立場を考えれば、事件をより早く解決出来る方法を選びたいところだ。

だが、それが誰かを危険に晒す方法なら論外。それでなくても今回の場合は、なのはたちがその対象になる。

管理局と関わっていると言っても、フェイト以外は正式に入局したわけではない。言わば、立場は民間協力者。

ただでさえ同じ民間協力者である恭也を誘拐などされているのだ。体裁面も考えると、これ以上彼女らを危険に晒せない。

クロノ曰く本来なら今回の一件事態から手を引かせたいところでもある。だけど、彼女らはそれを良しとする子達ではない。

だから極力危険性のない方面での協力を考えている。今回のシェリスの説得に関してもそうだったと言えるだろう。

実質的に説得を持ち出したのはなのはたちだが、説得だけなら本来は三人も派遣する必要性はないだろう。

多くても二人程度、説得する人物と関わりのあるものがそのくらいいれば、説得という行為を行うのに大概は差し支えない。

だけど実際に派遣したのは三人。加えてもしものためといって守護騎士たちにも待機するよう指示している。

これらは全てその考えの下で下した指示。だから、今回の場合もなるべく戦闘行為を控える解決法を選んでいた。

しかし、この結論に対してただ一人、納得が出来ずに反論をする者がいた。

 

「でも、ここでアドルファさんたちと接触すれば、もしかしたらお兄ちゃんもリースちゃんも助けだせるかもしれないんだよ? なのにその可能性を切り捨てるなんて、なのはは……」

 

「何度も言うけど、彼女らとの接触はそれ以上の危険性が伴うんだ。下手をしたら怪我程度では済まない、彼女らの出方次第では命を落すかもしれないんだぞ?」

 

「それでも……それでもなのはは、お兄ちゃんを助けたいの!」

 

いくら理由を並べても、なのはが聞き分ける様子は見られなかった。

おそらく、今まで彼女も抑えていたのだろう。兄を助けたいと思う気持ちを、すぐにでも連れ戻したいという気持ちを。

だけど彼の所在が分からない、助け出す手段も今まではなかった。だから、なのはは今までずっと我慢してきた。

しかし、今回は以前と違って可能性がありながらも切り捨てるという事態。それ故、彼女の我慢ももう限界に達したのだろう。

今までになのはがリンディやクロノたちに対してここまで感情的になる事はほとんどなかったと言ってもいい。

そのためか、今のなのはにはどう説得していいのか分からない。分からないからただ、理由を並べるしか出来なかった。

そしてそんな状況が繰り広げられる中で、なのはの思いを汲み取った者たちも口々に加勢し始める。

 

「複数で出向いたらどうだろうか? 相手は何人で来てもいいと言っているのだから、なるべく多い人員を派遣すれば」

 

「……そこまで多い人員は出せませんよ。現在この件を担当しているのはアースラチームのみ……他の局員を派遣しようものなら、それこそ要請から承諾、派遣まで数日掛かってしまう。それにそういった条件を提示してきたという事は、向こうは何人で来ても退ける自信があるという事です。加えてアドルファ・ブランデスの手配データを見る限りは自信に見合うだけの実力がある……今の状況下でそんな相手とぶつかるなんて、とても承諾できません」

 

「それなら引き出せる情報を引き出して、戦わずに逃げるというのはどうかな? 多少の危険性は付き纏うけど、それなら戦うほど危険では――」

 

「それも考えた。でも、もし彼女たちが重要な情報を漏らしてしまったとして、こちらを逃がしてくれるとは到底思えない。逃げた全員が捕まるとは言わないけど、それでも数名は彼女らの手に落ちる可能性が高い。そうなれば、情報を手にしてもこちらが更に不利になるだけだよ」

 

だけど加勢に入った者たちの言葉は、全て彼の口から放たれる反論にて無駄となる。

人数を集めるにしても問題、集めても全うに渡り合えるかも問題。逃げるという手も逃げ切れないと断言される。

 

「クロノくんは……お兄ちゃんを見捨てろって、言うの?」

 

「そうは言ってない。僕はただ――」

 

「言ってるよ!! 何を言っても危険だ、危険だって……危険な目を見ないで、お兄ちゃんを助け出せるわけないよ!!」

 

そうして遂には、なのはの感情が爆発してしまう事となった。

クロノの言葉を遮って怒鳴り、目元に涙を溜めながらブリッジから駆け出て行ってしまう。

それを放っておけないフェイトはすぐに彼女の後を追い掛け、はやても車椅子故に少し遅れながらも後に続いた。

なのはの突然の怒鳴り声で彼女らの後ろ姿を茫然と見送る形となったクロノは、我に返ると小さく溜息をつく。

 

「もう少しソフトな言い方もあったろうに……クロノはもうちょい、女心を知るべきだな」

 

「あれ以上にソフトって、どんな言い方をしろって言うんですか……」

 

左隣にいたアイラに肩を叩かれつつ言われた一言に、クロノは再び溜息をつきながらそう返すのだった。

 

 

 

 

 

ブリッジから駆け出て行ったなのはにフェイトが追いつくのは、そんなに掛からなかった。

ブリッジを出てから廊下の少し先にある曲がり角を曲がり、そこから少し進んだ位置。

そこでフェイトはなのはに追いつき、彼女を止めて未だ涙を溜めている彼女と向き合った。

フェイトと向き合った彼女は溜めていた涙を腕で拭い、だけどいつものような笑顔は見せずに口を開いた。

 

「フェイトちゃんも、クロノくんと同じ考えなの……?」

 

「え……?」

 

一瞬、突然の質問であったためかなのはが何を言ってるのかが分からなかった。

だけどすぐに先ほどの事なのだと理解すると、フェイトは静かに笑みを浮かべて首を横に振るった。

 

「恭也さんを見捨てる気なんて、私にはないよ。もちろん、クロノや他の皆もそれは同じだと思う」

 

「……じゃあ、何で今回のチャンスを切り捨てるなんて言うの? 危険でも、お兄ちゃんを助けられるかもしれないんだよ?」

 

「それは……たぶん、クロノやリンディ提督の立場からしてそう言わざるを得ないんだよ。私はともかく、なのはは民間協力者なんだし、はやてや守護騎士の皆の処遇も今はまだ保留状態。そんな立場のなのはやはやてたちを、危険性の高い状況に飛び込ませる事は出来ないんじゃないかな」

 

リンディやクロノ自身の気持ちとしては、確かに恭也たちを助けようとしている。

だけどフェイトの言うように執務官や提督という立場からして、そんな立場のなのはたちを危険性の高い事には晒せない。

それにもし執務官とか提督とか、そういう立場を抜きにしたとしても、彼女らの身を案じて結局答えは変わらないだろう。

要するに全てはなのはたちの事を思っての事。局員でもないのに、危険な事をさせて怪我などしてほしくないという心配。

だが、フェイトからそれを聞いても尚、なのはは首を縦になど振らない。それどころか――――

 

 

 

「だったら、なのはだけでもアドルファさんの挑戦を受けるよ……」

 

――無謀だと知りつつも、助けたいという思いからそんな事を口にした。

 

 

 

だけどそれを聞いたとき、フェイトには驚きの表情が浮かばなかった。

むしろ分かっていた。これだけ駄目だと言っても、兄を助けるためならなのはがそう言うという事は。

会ってから一年経つか経たないかという関係でも、なのはが兄である恭也を慕っているのはとても良く分かる。

だからなのはの答えも予想でき、驚きも浮かばなかった。でも、だからといって止めないわけにはいかないのも事実であった。

 

「そんなの、駄目だよ……下手をしたら、なのはまで捕まっちゃうんだよ? ううん、捕まるだけならまだいい……もしかしたら、あの人たちはなのはを――」

 

「殺すかもしれない、でしょ? 分かってるよ、そんな事……でも、だからってこのまま見過ごすなんてなのはには出来ないもん」

 

「落ち着いて、なのは。恭也さんを助けたいからって急く気持ちは分かる。だけど、それでなのはまで失ったら、私は……」

 

恭也が攫われたという事実。それはなのはほどではないが、フェイトにも少なからずショックを齎した。

闇の書事件が終われば本格的に鍛錬も付けてもらえるはずだった。それでももっと、あの人に近づけるはずだった。

なのはだけでなく、フェイトにも分け隔てなく優しくしてくれた彼。リースやアイラと一緒に、自身を人間だと思わせてくれた彼。

そんな彼を奪われた。何度助けたいと思ったか、何度なのはと同じ気持ちを抱いたか……数なんてもう、数え切れない。

そんなときに今のなのはを見送って彼女を失おうものなら、きっと自身の心は今度こそ砕けてしまうかもしれない。

だから止めたかった……彼女の気持ちを痛いほど理解していても、失いたくないからと必死に止めようとした。

 

「ともかく、シェリスの返答を待とうよ。大丈夫……あの二人ならきっと仲直り出来る。そうすれば、それを伝に恭也さんたちを助け出せるよ」

 

「そんなの待てないよ!! 確かにリースちゃんとシェリスちゃんが仲直りするのも大事だけど、それが上手くいく確証なんてない!! もしかしたら、それがアドルファさんたちに知られて、もっと危ない事になる可能性だって――――」

 

再び爆発しかける感情が、負の方向へと考えを導かせる。

そんな考えは聞きたくない。彼女に考えさせたくない。だから、フェイトは彼女の言葉を抱きしめる事で止めた。

抵抗はなかった。ただ抱きとめられた彼女は、フェイトの腕の中で堰が切れたかのように泣き出してしまうだけ。

放とうとする言葉も言葉にならない。だけどそれ故に、彼女がどれだけ張り詰めていたのかがよく理解できた。

自分だって恭也とリースの件は悲しかった。でも、なのはは自身の非ではないほどの悲しみを内に抱いていたのだと、そこから分かる。

しかし、分かってもフェイトには彼女に掛ける言葉がもうなかった。止めたくても止められない、慰めたくても慰められない。

自分がどれだけ無力な存在なのか痛感してしまう。だからか、貰い泣きではないがフェイト自身も泣きたい気持ちになってきた。

 

 

 

「だったら、皆で挑戦に乗るっちゅうんはどうや?」

 

――そんなとき、二人の後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。

 

 

 

放たれた言葉にも、言ったのが誰かにも驚き、二人はすぐに後ろを振り向く。

そこにいたのは予想通り、はやて……だが予想通りだからこそ、驚きは更に強くなってしまう。

いつの間にいたのかとか、そういう驚きではない。驚きの対象は、先ほどの言葉を放ったのが彼女だという事。

彼女自身は恭也やリースと会った事はないが、なのはやフェイトの事を友達だと思っているのは間違いない。

なのにその二人を危険の渦に飛び込ませるような発言をするということ事態が、信じられる事ではなかった。

でも実際に彼女がそれを口にしたのは事実故、いつもなら向ける事の無い睨むような鋭い視線をフェイトは彼女に向けた。

 

「どうしてそんな事を……はやてだって、これがどれだけ危険な事か分かってるはずでしょ?」

 

「当然や。せやから、皆で行ったらどうやって言うてんよ。皆で行くんやったら、危険も少しは和らぐやろ?」

 

「……確かにこれが普通の事態なら、それでもいいよ。でも、今回の相手は皆で行っても勝てる見込みが凄く低い相手……クロノも言ったけど、複数で行けば行くほど犠牲者が――――」

 

「あの人たちはそんな事せえへんよ。捕まるっちゅうんは分からんけど、殺しなんてする人やあらへん」

 

何の根拠があってそんな事を言うのか。それは分からないが、ここまで断言されるとフェイトは言葉を返せなかった。

それでなくてもはやてと守護騎士の皆は唯一、アドルファ以外の者たちと接触して無事で帰ってきた人たちである。

だからこそ断言するだけあって言葉には説得力がある。だから反論を返せない……しかし、許容も出来る事ではない。

確かにはやての言うように殺されはしなくても、捕まる可能性が否定されたわけじゃない。

それ故、そこを考慮すると許容できないのも当然。だがフェイトの考えと反して、もう片方はすでにその気になっていた。

 

「皆でって事は、守護騎士の人たちも協力してくれるってことなの?」

 

「な、なのはっ!?」

 

「フェイトちゃんは黙ってて。それで……どうなの、はやてちゃん?」

 

「そこは大丈夫や。ウチはリィンフォースの修復が終わってへんから一緒に行けへんけど、守護騎士の皆ならウチから言うとく……たぶん、いや絶対、皆なら協力してくれるて」

 

フェイトの発言を一言で抑え、はやての語る言葉になのははお礼の言葉を口にする。

こうなるともう、フェイトでは手に負えない。だから本来なら、リンディかクロノに言って止めてもらうのが適切だ。

だけど、それは同時になのはの気持ちを無視する行為。危険だからと言って、無理矢理彼女を押さえ込む行動。

それがフェイトにはどうしても出来なかった。リンディやクロノと同じで、彼女を危険な目に合わせたくないと思っていても。

 

「なのは……どうしても、止まる気はない?」

 

「うん……ごめんね、フェイトちゃん。いくらフェイトちゃんの言葉でも、こればっかりはなのはも引けないの」

 

「そっか。なら、私ももう止めない……ううん、むしろ私も協力するよ」

 

「え……で、でも、フェイトちゃんがそんな事したら」

 

「嘱託魔導師であっても命令違反には変わりないから、厳しい罰があるかもしれないね。でも、私だって恭也さんを助けたいって思う気持ちはなのはと一緒だから。それに、なのはが危険に飛び込むのを見ているだけなんて私には出来ないよ」

 

なのはが止まらないのなら、せめて自分が彼女を護ろう。それが最終的に抱いたフェイトの考え。

それに彼女だって恭也を助けたい気持ちはなのはにも負けない。それだけでも同行する理由としては十分だった。

それらの思い故に発せられた言葉でなのははほんの一瞬だけ呆然としてしまうも、礼を言うと共に彼女の提案を受け入れた。

二人のそんな様子を口も挟む事なく見ていたはやては若干の苦笑を浮かべると、そろそろ戻ろうかと口にする。

先の事もあって顔は合わせ辛いだろうが、三人とも出たまま変に時間を掛けてはこの事を勘ぐられる恐れがある。

リンディやクロノには特に知られてはならない。だから二人もはやての言葉に頷いて彼女と並び、来た道を歩き出した。

 

「はやて……さっきはキツイ言い方しちゃって、その……ごめんね?」

 

「あはは、ウチは別に気にしてへんよ。ウチだって大事な人を失うかもしれない怖さは知ってるつもりやから、さっきのフェイトちゃんの気持ちもよう分かるんよ。せやから、フェイトちゃんも気にせんでええよ」

 

幼い頃に両親を失い、加えて極最近ではリィンフォースを失うかもしれないという事態に彼女は遭遇した。

結果的にはアドルファらの齎したデータによって事なきを得たが、後で考えてもそれは震えるほど怖いこと。

守護騎士と同様に、はやてはリィンフォースも家族だと思っている。彼女らの助けがなければ、その家族が失われていたのだから。

家族が失われるのも親しい友達が失われるのも、人によっては違うだろうがはやてとしては度合いが同じであると考えている。

だからなのはの思いを支持してあげたいと考えたのだし、フェイトがあのような態度を見せても仕方ないと思えたのだ。

彼女のその考えを聞いたフェイトはまだ少し申し訳なさそうな顔をしていたが、それでも若干の笑みを浮かべて礼を口にするのだった。

 

 

 

 

 

ブリッジへと戻ったなのはは、まず初めにリンディやクロノへと先ほどの事を謝った。

対して二人は気にしていない、自分たちも言い過ぎたと逆に謝罪を返し、この件はここで一旦幕を閉じた。

そこから二人も今後の事について話し出すのだが、ここでなのはたちの意図に気づかなかったのは失敗だっただろう。

そして粗方の事を話し終えた後、緊急時はまた連絡するとだけ言って今日の所は解散という事になった。

解散した後、はやてと守護騎士らは闇の書事件での事がある故、今のところはアースラに留まらなければならないためそこで別れる。

加えてクロノの話ではユーノも予定を変更して急遽本局の無限書庫に行ったためおらず、アイラもはやてや守護騎士らと同様の理由で留まる。

だから結果的に海鳴へ帰ったのはなのはとフェイト、アルフの三人のみ。そこで二人は、例の件についてアルフには話した。

話された内容に彼女はやはり驚き、止める姿勢を見せはしたものの、二人は折れる事なく結局彼女のほうが折れた。

そしてそれと同時刻のアースラの一室にて、守護騎士たちもはやてから例の話を聞き、協力してあげてと頼み込まれる。

もちろんこちらも本来は反対しなければいけない立場。あのとき加勢はしたが、二人を危険に晒せないという考えは同意であるから。

それでなくともなのはとフェイトは闇の書事件に於いて、最終的には彼女たちと助けてくれるという行動を取ってくれたのだ。

本当ならいくらはやての頼みでも断るべき内容。だけど二人と同様にはやても折れず、悪戦苦闘の末に結局彼女らは折れてしまった。

ただどちらに於いても提示された条件が二つある。一つは無茶はしない、させない事。もう一つは本当に危ないと判断したら逃げる事。

この二つを絶対条件として提示され、彼女らが頷くという形でこの件は予定通り進めるという感じで話は進んでいった。

そうしてリンディやクロノに内緒にしたまま話は進み、一日掛けて話し合い等を含む万全の準備を整え終えた所で――――

 

 

 

――彼女らの指定してきた時が、訪れた。

 

 

 

集まったのはなのはとフェイトに加え、シグナムとヴィータ、アルフとザフィーラの合計六名。

シャマルに関しては元来戦闘向きの魔導師ではないため、現地より離れた場所にて待機させてある。

もしも逃げる羽目になったとき、相手の注意が彼女らに向いている間に転移術式を組んで一斉転送をさせる。

もちろん封鎖結界が張られることを見越して案も考えてある。つまり、シャマルはもしものための補助要員だ。

そして六人の赴いた現地とは、海鳴にある山の一角。そこははやてらとアドルファらが対面した場所であった。

伝言によれば海鳴とは言っていたが、明確には指定してきていない。それ故、どこにいけばいいのか迷う羽目となった。

そこで一つだけ心当たりがあると言ったのが、はやて。彼女が指定するのなら、ここが可能性の高い場所ではないかと。

故にはやての言葉を信じて一同はそこへと赴き、以前の立ち位置にて止まると周りを見渡し始める。

 

「まだ、来ていないようだな……」

 

「嵌められただけだったりして……」

 

魔力も感じられない事からシグナムがそう言うのに対し、ヴィータはちゃかすように呟く。

それに反応するのは当然なのは。本当に騙されただけだったら……そう考え始め、表情が曇り始める。

いつもならはやて以外には反抗的なヴィータもそれを見ると慌て始め、普段はしないような弁解を口にする。

それによってなのはは気を取り戻すに至るが、逆にヴィータが普段しない事をした故に頬を染めつつ若干苛立っていた。

そして彼女らのそんな様子に苦笑する者、呆れる者、様々な様子を他の者が見せる中で――――

 

 

 

――目先の木々が生い茂る方面から、自分らへと近づく足音が聞こえ始めた。

 

 

 

雪はあのときと違って溶けている故、以前のときとは響く足音が異なる。

だが、足音が複数聞こえてくるというのは以前と同じ状況。加えて、魔力も途端に複数感じられ始める。

感じられる魔力からして数は、三人。あのときとは二人ほど少ないが、魔力の質は完全に以前と一致している。

つまりこれらが示す事は、自分たちに挑戦状を叩きつけてきた彼女らがようやくやってきたという事だった。

 

「ふむふむ、ちゃんと挑戦は受けてもらえたようっスね。無視されるかと思ったスけど、来てくれて安心したっスよ♪」

 

「でも、人数が少なすぎますわね……シェリスはちゃんと伝言を伝えたのかしら?」

 

「ここに来ているという辺り、伝えはしたのだろう。まあ、明確に伝えたかは分からんがな」

 

姿を見せるなり口々に言い合う三人。その内、二人はなのはやフェイト、アルフにも見覚えがある。

一人は当事者であるアドルファ・ブランデス。そしてもう一人は、砂漠の一件で遭遇したギーゼルベルト・ビアラス。

アドルファに関しては誰もに於いて関わりがあり、ギーゼルベルトも三人と直接関わりはないが守護騎士たちから聞いている。

だが残る一人……ウエーブの掛かった茶髪をした少女に関しては、三人も直接会った事はない者。

守護騎士たちは以前に一度だけ会ってはいるが、多少話した程度で人物像や魔導師としてなどは全く知らないに等しい。

故に分かっている事といえば、彼女がメンバーの一人であるという事のみ。そのためか、誰もの視線は自然とそちらへと向く。

その視線に気づき、視線の意図に気づいた少女は嘲笑うかのような笑みを僅かに浮かべ、彼女たちに対して口を開いた。

 

「初めて会う方はもちろん、一度お会いした方にも名乗った事はありませんでしたわね。実際、名乗る筋合いなどありませんけど、相手の名を知らないのは何かと不憫でしょうから一応、教えておいてさしあげますわ。『蒼き夜』の一人……『破滅の波紋』こと、ラーレ・バルテルスですわ。以後お見知りおきを、弱者の皆様」

 

「ぐ……弱者かどうかなんて、やってみなけりゃ分かんねえだろうが!」

 

「そうやって安い挑発にすぐ乗ってくるのが弱者の証拠ですわよ……そんな事も分かりませんの? 初めて会ったときから思ってましたけど、本当に馬鹿ですわね、貴方」

 

「てめえ……」

 

少女――ラーレは誰でも見下してすぐ挑発をかますタイプ。対してヴィータは挑発を受け流せないタイプ。

相性は明らかに最悪である。しかもどっちも言い出したら引かない性格なため、言葉の応酬は絶える事がない。

仕舞いには互いのデバイスを取り出して戦り合おうする。さすがにここまで来ると、どちら側も止めに入らざるを得ない。

最終的に相手と戦り合う可能性は極めて高いが、絶対ではない。なのはたち側からすれば、情報さえ引き出せれば戦う必要はない。

故にヴィータを何とかして落ち着かせ、とりあえずデバイスを仕舞わせる。それから再び視線を戻すと、ラーレも同様に窘められていた。

そうしてピリピリした空気を黙散させた後、一度だけ小さく息をつき、なのははアドルファへと視線を向けた。

その視線を話を進めてという意思と取ったアドルファはニッと笑みを浮かべ、話を再開するべく口を開いた。

 

「なのはさんたちがここに来たという事は挑戦を受けるという意思表示と同義……ですが、一応改めて聞かせて貰うっス。ウチらと貴方たちで一つ、ゲームをしませんか? 互いの大切な何かを賭けた……ゲームを」

 

「アドルファさんたちの挑戦は受けます……でも、ゲームって結局は何をするんですか? それに互いの大切な何かって……」

 

「まあまあ、そんなに急かさなくてもちゃんと話すっスから落ち着いて」

 

そう言われても、なのはからしたら本来落ち着けるような状況ではない。

だが、ここで変に急かしても事が進むわけではないのは分かっている。それ故、もう一度息をついて静かに説明を待った。

彼女のその様子を見てアドルファは先ほどからの笑みを浮かべたまま、同じく一息ついて説明を語りだした。

 

「まず、ウチら提示するゲームっスけど……まあ、一言で言うなら――」

 

 

 

 

 

「『鬼ごっこ』っスね」

 

 

 

 

 

鬼ごっこ……それは複数いる中で鬼を一人決め、鬼になった者が他の者を追いかける遊び。

ゲームといえば確かにゲームではある。だが、正直言ってしまえばあまりに馬鹿げていると思わざるを得ない。

これはそもそも小さな子供が行う一つの遊びだ。小さな子供が対象故、なのはやフェイトぐらいの子が集まってするなら分かる。

しかしその場には子供とは言えない年齢層の者もいる。加えて、今のような状況下でするようなものでもない。

結論を言えば、明らかに馬鹿にしているとしか思えない。だけど、それを告げたアドルファは冗談とは言わず、話を進めた。

その説明によると鬼役をやるのはアドルファたち、逃げる側がなのはたち。逃げる範囲は開始時に張る予定の結界内。

ここまでは普通の鬼ごっこだが、ここからが違う。何でも逃げる側のなのはたちはある二つの条件の内、一つを満たせば勝利との事。

一つは鬼側であるアドルファたちを戦闘にて全滅させる事。そしてもう一つは、目の前の三人以外で結界内にいる組織の一人を見つける事。

反対になのはたち全員がこのどちらも満たせぬまま、全員戦闘不能にされた場合はアドルファたちが勝利という事になる。

全員一斉に逃げるか、それとも特定の人物だけ捜索を行って残りはアドルファたちの邪魔をするか、それはなのはたちの作戦次第。

これがアドルファたちの提示してきた鬼ごっこの概要。それに最初こそは馬鹿にしているのかと思っていた面々も、各々納得の表情を見せた。

 

「次に賭けの内容、要するにさっき言った互いの大切な何かに関してっスけど……ウチらの場合はこの条件に合うものとして、貴方たちが提示するお願い事を一つだけ聞き入れるというものを提示するっス」

 

「それって……お兄ちゃんを返してって言えば、返してもらえるって事ですか?」

 

「もちろん♪ ああ、ただ複数のお願いを複合して言うのは無しっスから。それと当然の事っスけど、聞き入れるお願い事を増やしてとかは論外ですんで」

 

「んな事言うわけねえだろ……ガキじゃあるまいしよ」

 

「見た目はお子様のクセに……」

 

ボソッと呟かれた言葉をしっかりと聞き取り、ヴィータは言った本人であるラーレを睨みつける。

だがラーレはまるでどこ吹く風の如く、そっぽを向いて口笛などを吹く。これも要するに、彼女流の挑発である。

これにヴィータも抑えた怒りがまた沸きあがりそうになるが、説明途中故に何とか理性を効かせて抑えた。

その様子がラーレにとって面白かったのかクスクスと笑うのだが、別の方向から挑発に対する拳骨という名の制裁が下された。

 

「〜〜っ! な、なにしますのよ!!」

 

「何するじゃない……挑発するのは控えろとあれほど言われたのに懲りんのか、お前は」

 

「馬鹿な人を馬鹿にして何が悪いんですのよ! 大体、この程度の挑発に乗る方がわぐぅ!?」

 

「屁理屈をこくな」

 

今度は先ほどより強めの拳骨を落された上、喋っている途中だったので舌まで噛んでしまう。

それ故に頭を抑えながら二の句を繋げない状況でしゃがみ込み、しばらくの間沈黙する事となった。

だがそれはラーレの自業自得なため、ギーゼルベルトも特に気に掛けず逆にヴィータへと謝罪とばかりに軽く頭を下げた。

身内の失礼を止めるばかりか謝罪までする。それにヴィータは僅かに驚きつつも怒りを完全に納め、少しばかり認識を改めた。

そんな一連の流れの中、説明途中であったのにまたも邪魔されたアドルファはというと、笑ってはいるが青筋を立てていた。

 

「いいっスかねぇ……話、再開しても」

 

隠せない苛立ちが表にも出てしまい、今まで聞いたことのない若干ドスの効いた声となる。

それに皆もどうぞとばかりに黙りこくるが、若干一名は未だ頭を抱えてしゃがみ込んだままであった。

しかしアドルファもそこは無視する事にしたのか、皆が黙ったのを見て一度だけ咳払いをし、元の声質に戻して話を再開する。

 

「というわけでウチらは賭けの対象を提示したっス。次は貴方たちの番……貴方たちは、何を賭けの対象として提示するっスか?」

 

「…………」

 

なのはたちが提示する大切なもの。それはすぐには導き出せない問いであった。

大切なものと聞かれればたくさんあると言えばあるが、どれもが賭けに出すなど以ての外と言えるものばかり。

故に賭けに出す大切なものと言われると答えられない。それが何であれ、下手をすればそれさえも奪われるのだから。

そのため誰もが悩みだしてから数分後、さすがに時間が掛かりすぎだと見かねたアドルファは再度口を開いた。

 

「決められないようっスね……まあ、無理もないかもしれませんが。うし……ならウチが貴方たちの代わりにズバリ決めちゃいましょう」

 

そう告げると反論する暇も与えず、彼女はなのはたち全員を一通り見渡し始める。

そして全員を見渡し終えると――――

 

 

 

 

 

「決めたっス。ウチらが勝ったら、貴方を貰う事にするっスよ♪」

 

――フェイトを指差し、笑みを浮かべつつそう告げた。

 

 


あとがき

 

 

まあ要するに、なのはが恭也を奪われて平静でいられるわけがないんだよね。

【咲】 そりゃねぇ……で、今回のでそれが爆発しちゃったって事ね。

ふむ。なのはとしては確かにこの挑戦に乗るのは危険だと思ってたし、リンディとクロノがあの決断をする事も分かってた。

だけど、挑戦を受けなくても何かしこの手を打ってくれると思ってたんだよ。恭也とリースを取り戻すための手をね。

【咲】 でも実際は何の手も打たず、この挑戦自体から全面的に手を引こうとしたってわけね。

うむ。これにはさすがになのはも反論を返すだろうさ。

【咲】 でもさ、恭也を見捨てるってのはいくらなんでも考えすぎでしょ。

それは彼女が感情的になってたから口に出てしまっただけだよ。

【咲】 ふぅん……。

てなわけで、結果的にこういう形になった。もしあそこではやてがああ言わなかったら、本当に彼女は一人で出ただろうね。

【咲】 一人じゃないでしょ。なのはが絶対に止まらないって分かったら、フェイトも一緒に行くのは見えた結果じゃない。

ふむ、まあな。というわけでなのはとフェイトに加え、アルフと守護騎士たちで挑戦に赴いたわけだ。

【咲】 対して相手は三人……ああ、見つける対象も加えると四人かしらね。

まあ、実質は三人と考えてもいいよ。ただ、三人だけだからって侮れはせんけどな。

【咲】 相手が相手だしねぇ……ていうか、ゲームの内容が鬼ごっこってどうなのよ。内容はともかく、明らかに馬鹿にしてるじゃない。

実際は馬鹿にしてるわけじゃないけどな。まあ、鬼ごっこしようなんて言われたらそう思っても無理ないが。

【咲】 大体さ、こんな事をしてアドルファたちにメリットがあるわけ? 

ないわけじゃないが、そこに関してはなのはたち管理局側では明かされない。

アドルファたちがこのゲームを持ちかけた真の狙いは恭也&リース側で出てくるよ。

【咲】 ふ〜ん……って、賭けは彼女たちにとって真の狙いじゃないわけ?

あれはあくまで遊びだよ、彼女たちにとってはね。まあ、賭けの対象にフェイトを指定したのには意味があるけど。

【咲】 フェイトを手に入れてどうする気なのよ……調教でもするわけ?

しないけどな……まあ、それに関しては次回出てくる予定だから、それを楽しみにしててくれ。

【咲】 はいはい。で、次回は当然なのはたち管理局側だとして、一体どんなお話になるわけ?

ふむ、次回はだな……フェイトを賭けの対象として指定されたなのはたちは当然反対する。

だけどフェイト自身の意思によって賭けの対象に決定される事となり、それから少しの残りの説明の後に鬼ごっこが開始。

展開された結界は広い範囲を覆い、その中でなのはたちは一斉に駆け出す。後者の勝利条件を満たすためにね。

だが、それから少し経ってアドルファたちが行動を開始する。三人とも別々に動き、各々別々の対象を狙う。

彼女たちから逃げつつ探す事に専念する者、一人でも足止めしようと獲物を交える者。海鳴を舞台にして、異端の鬼ごっこが繰り広げられる。

……というのが次回のお話だな。

【咲】 これはさ、予定としてどのくらい続く予定なわけ?

さあ……ただ一、二話では終わらないのは確かだな。

【咲】 じゃあ、これが終わるまで恭也&リース側はお預けって事ね。

そういうことになるな。

【咲】 ていうか勝ち負けの想像がつきにくいわね。どっちが勝ってもさ、事態が大きく動くじゃない。

なのはたちなら良い方向へ、アドルファたちなら悪い方向へ……さてさて、どっちが勝つかな。

【咲】 ま、結局は今後を見れば分かる事だけどね。じゃ、今回はこの辺でね♪

また次回会いましょう!!

【咲】 ばいば〜い♪




うーん、てっきりフェイトが目的でゲームを持ち出したのかと思ったけれど。
美姫 「一体、何が目的なのか分からないわね」
だな。それでも、始まってしまう大切なものを賭けたゲーム。
美姫 「果たして勝者はどちらか!?」
そして、恭也たちは何をしているのか。
美姫 「案外、カルラ辺りとのんびりとお茶を啜ってそうな感じだけれどね」
さてさて、どうなるのかな。
美姫 「次回も待っていますね〜」
ではでは。



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