「見つからなかった、ですか……?」

 

男との戦闘から一夜明け、その件で報告に赴いた管理局員――クライドはその問いに頷いた。

管理局員といっても彼の立場は提督。本来ならば報告というだけで駆けつけたりなどしない。

だが、彼女は半ば事件の被害者であり、加えてクライドが今日休みだと聞いてジェドが彼に相談があると言ってきた。

そのためジェドとの話のついでにその件に関する報告をするため、彼はこの施設を訪れたというわけである。

 

「昨日通報があった後、局員の何名かが駆けつけたんだけど、そこには誰もいなかったよ。どんな大規模な戦闘があったのか検討もつかないほどのクレーターが存在しただけでね」

 

「そう、ですか……」

 

彼の報告には正直、落胆の色を隠せなかった。

ようやく見つけたアイラの両親を殺した犯人を、みすみす逃がしてしまったのだから。

こんな事ならあの声の指示に従わず、管理局が気づいて駆けつけるまで自分が足止めをすれば良かった。

そんな事さえも考え始めてしまう中、彼女の心情を察してクライドは元気付けるように彼女の肩に手を置いた。

 

「おぼろげだった犯人像も見えて、管理局もようやく捜査に本腰を入れ始めた。これは君の証言があったからこそだよ……だから、そんなに気を落とさないでくれ」

 

「……はい」

 

昨夜の内に通報した際、彼女は犯人の外見や特徴を語れる部分まで語っている。

それが捜査に大きく貢献したため、今まで半分雲を掴むようだった捜査も多大な進展を見せたのだ。

それはエティーナのお陰だと言ってもいい事。故に何も出来なかったと気を落す必要などない。

そう言って慰めるクライドにエティーナはまだ少し表情に陰りを残すも、若干の間を空けて頷き返した。

彼女が頷いた事でクライドは彼女の肩から手を下ろし、突如キョロキョロと周りを見渡し始める。

 

「そういえば話は変わるんだけど、今日はアイラちゃんという子はいないのかい? リンディからは君にベッタリだと聞いたんだけど……」

 

「えっと……アイラなら外へ遊びに行ってくるって、クライドさんが来る前に出掛けちゃいました。たぶん、後一時間くらいしたら帰ってくると思います」

 

「そっか。う〜ん、じゃあジェドとの話を先に済ませるとするかな」

 

ここに来た一番の目的はジェドの相談とやらを聞くため。故に彼はそう言って彼の部屋に向かうため踵を返す。

そんな彼に対してエティーナは自分もついていくと追いかけ、彼と並んでジェドのいる部屋を目指し歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法少女リリカルなのはB.N

 

【第二章】第七話 不可思議な通知、管理局の真意

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

およそ三十分前くらいに遊びに行くと出掛けたアイラ。

彼女は現在、通り魔事件の犯人とエティーナが交戦した場所と思われる所に来ていた。

といってもその場所は同じ場所かどうかも判別が付かないほど、酷い状況になっていた。

周りの木々は根こそぎ無くなっており、地面には凄まじいほどのクレーターが出来上がっている。

それはまるで隕石でも落ちたかのような有様。エティーナに連れられて去った後、この場所で一体何があったというのか。

遠目からの状況だけでは何も分からず、ならば近づいてみようと彼女はクレーターへと歩み寄る。

 

「はぁ〜……遠目からでも凄かったけど、近くで見るとまたすげえな。ほんと、何があったんだろ」

 

To stay a little magic(魔力の残留を僅かに感じますので), so perhaps the traces of a(、これはおそらく大規模な魔法) large-scale I think (による跡ではないかと)it is magic the master(思われます、主)

 

「そうなのか? じゃあ、犯人が今どこにいるかも辿れたりは……」

 

The Administration also(それが出来たら管理局も) would not be so hard(こんなに苦労はしないでしょうね)

 

「だよなぁ……」

 

相棒であるカールスナウトの指摘にアイラも溜息をつきながら呟いた。

実際、事件現場の残留魔力を辿る事で犯人が見つかるなんていう事は本当に稀である。

というのも大概の犯罪者はそんな証拠で足を掴ませるほど馬鹿ではないし、そもそも残留魔力自体が微量な物。

故に魔力を辿るだけでも中々に難しいため、総じて見つかる可能性が極めて低いのである。

そこが分かっているからこそ、アイラもカールスナウトの指摘に反論を返したりはせず納得したのだ。

 

「ん〜、もっと近づいてみっか。魔力以外で何か手がかりがあるかもしんねえし」

 

Perhaps the Administration is(おそらく管理局が立ち入りを) banned from doing so and(禁止していると思いますので、) is better atopped……(止めた方がいいかと……)

 

「まあ、気にすんなって。アタシは気にしないからさ」

 

《…………》

 

静止の言葉に耳を貸さず、我が道を行くとばかりに更にクレーターへと近づき始めるアイラ。

主を第一に考えるデバイスが主の発言と行動に呆れて物も言えなくなるなど、相当な事であると分かる。

だが、先も言ったとおり静止に聞く耳持たないアイラはそこも気にせず、そろりそろりと近づいていく。

犯人捜索の手がかりがないかを探すというのも少なからずあるだろうが、一番強いのはやはり好奇心だろう。

なんだかんだ言ってもやっぱり子供。目の前に普段は見ないものがあれば何だろうと興味が沸くのは仕方がない。

それ故にカールスナウトももう止めず、アイラはゆっくりとした足取りでクレーターの更に近場まで歩み寄っていく。

だが、彼女の足がそこに行き着くよりも早く――――

 

 

 

「……ふぇ?」

 

――突然、彼女の足が地面から離れ、身体が僅かに宙へと浮いた。

 

 

 

飛翔魔法を使った覚えはないのに、身体が突如宙へと浮いた。

そんな事態に一瞬何が起こったのか理解が出来ず、思わず間抜けな声が口から漏れてしまう。

しかし、宙に浮いた彼女の身体が続けて反転させられ、そのとき目に映った光景でようやく状況が把握できた。

 

「やっぱりこの辺じゃ見ない顔だなぁ。アリアは?」

 

「私も見たことがないわね。この辺って言ったらジェドくんの研究所くらいしかないから、てっきり彼の関係者かと思ったんだけど」

 

「だよねぇ。ほんと、どこから迷い込んだんだか、このお嬢ちゃんは」

 

髪の長さと雰囲気くらいの違いで、ほとんど外見が同じな二人の女性。

特に目立つのは猫の耳と尻尾が二人ともついている事。しかもどちらも本物のように動いている。

目に映ったその二人は一体誰だ……一瞬そんな考えが頭を過ぎるが、それよりも今の自身の状況が頭を一杯にする。

服の後ろ襟を掴まれて宙ぶらり状態。はっきり言って、子供と言えど初対面の相手には失礼な対応だった。

それ故、再び状況が頭を一杯にした途端、アイラは目の前の女性の手から逃れようと暴れだした。

 

「うわっ!? ちょ、こらっ、暴れるなって!」

 

「離せ! 離せよ、この野郎!!」

 

後ろ襟を掴んで持ち上げているのだから、二人の距離は非常に近い。

故にそんな距離で暴れられると彼女としても堪らないため、要望通り地面へと下ろした。

すると下ろすと同時にアイラは二人から僅かに距離を空け、怒り心頭で睨みつけてくる。

そんな彼女の様子に先ほどまで後ろ襟を掴んでいた女性は困り顔を浮かべながら、人差し指で頬を掻く。

そしてもう一人の方は同様に困り顔を僅かに浮かべつつ、数歩ほどアイラへと歩み寄って目線を合わせるようにしゃがみこんだ。

 

「お嬢ちゃん、どうしてこんな所にいたの? ここは管理局が立ち入りを禁止してるって誰かに聞かなかった?」

 

「聞いてねえし……つうか、立ち入り禁止ってんなら何でアンタらはここにいるんだよ」

 

「私たちは一応、管理局の局員だから」

 

アイラの言葉にそう返すと彼女がゆっくりと腰を上げ、後ろのもう一人と何かを話し出す。

内容は僅かに分からない所があるが、所々理解できる部分だけ摘み取るとおぼろげながら内容は見えてくる。

おそらく見つけてしまった以上無視も出来ないため、アイラの事をどうするかの相談をしているのだろう。

そしてそんな内容の会話が始まってから一分と経たず話し合いは終わり、再度目の前の女性はアイラに視線を向けてくる。

 

「このまま貴方を置いていくわけにもいかないから、良かったら家まで送ろうと思うんだけど」

 

「……別にいいよ。アタシの住んでる場所、ここから凄く近いし」

 

「近いって……もしかして貴方、アイラって名前じゃない?」

 

「そうだけど……」

 

返ってきた答えに二人の女性は互いに顔を見合わせる。

そして同時に納得というように頷き、共に再び顔を向け直してきた。

 

「そうだったの……お父様から聞いてはいたけど、思ってたのとちょっと違うわね」

 

「だねぇ。エティーナにベッタリなんて言うから、もうちょっと大人しいのを想像してたんだけど」

 

「……悪かったな、大人しくなくて。ていうか、そう言うアンタらは誰だよ? エティーナの友達かなんかか?」

 

「友達、と言えばそうかもしれないわね。私はお父様……グレアムお父様の使い魔のリーゼアリアよ」

 

「同じく、お父様の使い魔のリーゼロッテ。よろしくねぇ、アイラ」

 

微笑を浮かべながら名乗るアリアとは反して、気さくな感じを窺わせるロッテ。

少し対照的と言える二人の名乗りに対してアイラは少しばかり驚きを示し、だがすぐに納得する。

使い魔とかそういうのはアイラにはよく分からないが、グレアムと関係があるのなら彼伝で自分を知っていてもおかしくはない。

加えてエティーナの知り合いというのも納得出来るため、そこでようやく彼女は警戒心を若干解いた。

 

「とまあ自己紹介もした所で、ちょうどいいからこいつを送るついでにジェドくんのとこに顔でも出そっか」

 

「そうね。エティーナともずいぶん会ってないし」

 

アリアの同意を得るや否や、ロッテはアイラへと近づいていきなり彼女の身体を持ち上げる。

そしてまるで仕留めた獲物を持つかのように担ぎ、アリアと揃って事件現場から遠ざかり始めた。

 

「うがああぁ、下ろせぇーーー!!」

 

当然、ロッテのそんな行動を良しとしないアイラは担がれた状態で再び暴れだす。

だが今度は彼女も学習したのか、暴れても大丈夫な持ち方をしているために下ろすことはない。

そうして暴れ続けるアイラの叫びをその場に残し、三人はその場を後にしていった。

 

 

 

 

 

アイラがそんな目に合っていたおよそ三十分前、ジェドの部屋には異質な空気が立ち込めていた。

その空気を発しているのは主にクライド。一枚の書類を片手に顔を僅かに顰め、無言で立ち尽くしていた。

反対にジェドとエティーナは彼の様子に対して特に何も言わず、ただ彼が言葉を発するのを待つ。

そしてそんな状態が数分程度続いた後、手に持つ書類から目を離した彼はようやく口を開いた。

 

「これは、いつ届いた物なんだ……?」

 

「確か、一週間くらい前……だったか?」

 

「たぶん、そのくらいだったと思います」

 

曖昧な言葉にエティーナは小さく頷いて返し、その返事を聞いたクライドは今一度書類に目を戻す。

その書類に書かれている事。その内容こそがクライドに相談を持ちかけた理由となるものだった。

送ってきた先は時空管理局、書かれている内容は日時と僅かな文章のみ。

だけどそれらを大きく問題へと変えるのが、日時や文章よりも上のほうに書いてある書類の題。

 

 

 

――研究及び製作期間の変更

 

 

 

ジェドは管理局をスポンサーとし、多くのデバイスを今まで作ってきた。

そんな中で三年ほど前からある研究を始め、管理局の承認を得て研究資金を提供してもらっている。

その承認を得る際の条件として設けた期間内に形にする事。期間の最終日に公開発表をする事の二点が提示された。

提示されたその二つの条件を飲む事でジェドはおよそ三年前から現在まで、研究を続けているというわけだ。

だが、今回送られてきた書類は当初定められた期間の変更の知らせ。しかも、延長ではなく短縮である。

当初の定められた期間が五年。それから三年経った今は、当初通りに行けば後二年残っている事になる。

今回の期間短縮により残り二年という期間が半年近く切り詰められており、実質残り期間は約一年半となるのだ。

研究資金も高額というわけではないため、今更短縮する意味が分からない。だから、知り合いの一人であるクライドに相談を持ちかけた。

しかし、相談を持ちかけられたクライドも頭を捻る決定だったため、安易に答えを返す事が出来なかった。

 

「……研究の進行状況は? ちゃんと提出したりはしてるのかい?」

 

「もちろん。私が言うのもあれだが、進行状況自体はそこまで悪いものではない。少なくとも今のペースで進めば期間内で終わる見通しが出来るわけだしな」

 

「だったら余計におかしな決定だね。こんな決定を下せば研究そのものが未完で終わる可能性も考え付くはずなのに」

 

ジェドはデバイスマイスターとしても中々有名で、そんな彼の研究には管理局の大概の者が期待している。

それなのにここで研究完成の催促などすれば、研究が未完で終わってしまう事だって十分に考えられる。

期待しているのになぜその可能性を高める事をするのか。ジェドの返答を聞くと更にそんな疑問が増えてしまった。

 

「それで、その……どうにかなりませんか、クライドさん? ここまで期間を削られると、私たちとしてもちょっと不味いんですよ」

 

「ん……なんとかなるとは断言出来ないけど、上には問い合わせてみるよ。さすがに僕としても、この決定は不可解過ぎるからね」

 

「頼んだぞ。私としても、ここまで進めた研究を未完で終わらせるのは勘弁願いたいからな」

 

ジェドにもお願いされ、クライドは再度頷いて彼らの言葉に対し頷き返した。

彼としても納得が出来ない決定であり、それ以上に自身の友とリンディの友達の願いを無下には出来ない。

だからこの件に関しては了承を返し、二人は彼が引き受けてくれた事に揃って安著の溜息をついた。

 

「ふむ、ただお願いをするだけというのもさすがに気が引けるな……よし、見返りとしてお前のデバイスのメンテナンスをしてやろう」

 

「メンテナンス? それならこの間したばっかりだけど……」

 

「まあそう言うな。メンテナンスはマメにしておいた方がいいと言うだろう? というわけでほら、さっさと出せ」

 

「相変わらず強引だね、君は……」

 

呆れるような溜息をつくが、表面上はジェドの変わらなさに苦笑を浮かべていた。

そして彼の指示通り、自分のデバイスである一枚のカードを彼へと差し出した。

差し出されたそれを頷きながら受け取るとジェドは椅子を反転させて机に向かい、早々にメンテナンスを開始する。

そんな彼の後姿にクライドはエティーナと向き合い、共に再度小さな苦笑を浮べ合った。

だが、一転してそんな和やかな雰囲気を醸し出す中、突如部屋の入り口たる扉が音を立てて開かれた。

 

「うぃ〜す、お届け物に上がりましたよ〜」

 

「失礼します」

 

来訪者は猫耳と尻尾、そして瓜二つの容姿というのが特徴の二人、ロッテとアリア。

容姿が瓜二つであるのに部屋に入ったときの態度は違い、アリアのほうが礼儀正しい。

だが、どっちにしても無断で施設に入っているわけなのだから、礼儀どうのはどちらも悪い部類だろう。

そんな二人の来訪にクライドは驚きを浮かべ、エティーナも驚きはするも来訪を歓迎するように笑みを浮かべる。

しかし、笑みを浮かべると同時に目がいったのは、ロッテが担いでいる見覚えのある少女の姿。

何やら非常にぐったりしており、俯けているから顔は分からないが、髪の色と着ている服で誰かは判別できた。

 

「アイラを送ってくれたの? ありがとね、ロッテ、アリア」

 

「あはは、どういたしまして。それにしても、ジェドくんは相変わらずだね。私たちが入ってきても全然気づいてないし」

 

担いでいたぐったり気味のアイラをエティーナへと預けつつ、横目でジェドを見る。

彼女が言うとおり声を発しながら入ってきたのにジェドは気づいた節もなく、今も机と向き合っている。

彼が部屋に誰か入ってきても気づかない理由といえば、大概はデバイスを構ってるからというものが多い。

故にロッテは彼について変わらないと告げ、直後に悪戯を思いついたのかそろりそろりと彼の後ろに歩み寄る。

 

「ジェ〜ドくん♪」

 

「ぬお!?」

 

至近まで歩み寄っても気づかない彼の背中に向け、思いっきり抱きつくロッテ。

しかもわざと胸を肩辺りに押し付けるようにして動揺を誘おうとしているところが中々策士である。

だけどロッテが期待した反応とは違って彼は大いに驚いた後、ロッテに気づくとすぐさま振り払う。

そして同時に立ち上がった彼は振り払った彼女と向かい合い、拳をふるふると震わせ始めた。

それに対してロッテは悪びれた様子を見せず、おふざけを続けるが如くエティーナの後ろへと隠れてしまう。

だが、反してメンテナンスの途中であんな事をされたのが腹立つのか、ジェドの怒りは収まらずゆっくりと近寄る。

 

「貴様……今日という今日は許さんぞ」

 

「ちょっとしたお茶目でそこまで怒るなんて短気だね、ジェドくんは♪」

 

その言葉が更にジェドの怒りを書きたて、青筋を彼の額に浮かばせる事となる。

しかし、それに反応したのはロッテでも他の誰でもなく、彼と向かい合う形となったエティーナであった。

 

「暴力はダメですよ、ジェドさん。ロッテを叱るにしても、ちゃんと言葉で叱ってください」

 

「ぐっ……し、しかしだな」

 

反論しようと口を開くも、言いながら浮かべる彼女の笑みを前にすると何も言えなくなってしまう。

それはいつもの事。ジェドは大概の者に対して遠慮など見せないが、エティーナに対してだけは弱い。

それが分かっているからロッテは敢えてエティーナの後ろに隠れた。そんな部分まで非常に策士である。

 

「相変わらずジェドはエティーナさんの尻に敷かれてるなぁ……」

 

「クライドくんだって似たようなものでしょ?」

 

そんな三名から少し離れた位置で呟くクライドの一言に対し、アリアはそう言って返す。

返された言葉にはクライドも思い当たる節がないわけでもなく、ただ苦笑するだけで返すのだった。

 

 


あとがき

 

 

今回、ようやくクライドとロッテ&アリアが出ました。

【咲】 これから先も出番はあるの?

ふむ、あるにはあるな。さすがに出番これだけというのもアレだし。

【咲】 ふ〜ん……でさ、前話のあとがきで言ってたエティーナの死の真相に繋がる部分って、中間にあったアレ?

そうだね。ジェドの行う研究の催促……それが真相に繋がる部分だ。

【咲】 でもさ、拒否する事って出来たりしないの? さすがに勝手な決定には文句も言えるでしょ?

相手がスポンサーだからねぇ……下手に文句を言って、支援を打ち切られると問題だろ?

【咲】 まあねぇ。

故に言えない。だからこそ、クライドに相談を持ちかけたというわけだよ。

【咲】 なんでグレアムじゃなかったの?

そっちでも良かったんだけど、ちょうど事件調査結果の報告で来るだろうと踏んでたからさ。

もっとも、誰に頼んでも決定が覆るかは微妙だけどね。これ、上層部の決定だから。

【咲】 ふ〜ん。ところでさ、前回あったエティーナの妊娠については何もないの?

ふむ、アイラを抜かすと他の人は全員知ってるからねぇ。特にリンディは、その手の事で相談もされてるし。

【咲】 ジェドは当事者だから知らされるのは当然として、グレアムとかロッテ&アリアとかクライドは?

クライドはリンディから、そこからグレアム→ロッテ&アリアという風に伝わっていったわけだよ。

【咲】 つまり、妊娠の関する祝いの言葉はアイラと出会う少し前にあったってわけ?

そういう事になるな。ちなみに、今は妊娠三ヶ月〜四ヶ月程度ってところだ。

【咲】 ようやくお腹が目立ち始める時期ね。

うむ。ここから数ヶ月後にリースとシェリスが生まれ、そしてその少し後に事が起こる。

【咲】 過去編もあと少しって事ね。

そういうことだな。てなわけで、次回からは催促の件について動いていく。

まあ、これがエティーナの死の真相とどう繋がるのかは後々分かるんで、お楽しみに!!

【咲】 じゃ、今回はこの辺でね♪

また次回会いましょう!!

【咲】 ばいば〜い♪




ロッテやアリアも登場〜。
美姫 「これが初顔合わせになるのね」
だな。今回は前回の事件とは打って変わって日常っぽいお話。
美姫 「けれど、結構重要そうな話もあったわね」
さてさて、これからどうなって現在に繋がるんだろうか。
美姫 「次回も待っていますね」
ではでは。



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