「ん〜、こうして二人っきりで話すのは久しぶり……ていうか初めてじゃないかなぁ?」
「そうだね……アンタとアタシがいるときは決まってアリアも一緒だったから」
軽く伸びをしながら告げてくる言葉にアイラは昔を思い出しながら返した。
アイラとリーゼロッテ、そしてリーゼアリアの三人でいたときの頃。まだ幸せが続いていたときの昔。
喧嘩も多くやって、時にはともに馬鹿をやって、それでもただ楽しかった取り戻せない過去。
その頃を思い出すからこそ今からの話題に怒りが沸き立ち、自然と向ける目もキツクなる。
「それで? こんなところで二人きりにならないといけないほどの重要なアイラの用っていうのは一体何?」
もう目つき的には睨むようなものになっていても、ロッテは恐れる様子は見せない。
昔からアイラにこういった視線を向けられることは少なくなかったから。だから今では慣れたようなものだった。
だからこそか、今向けられている視線が今までとは違うことも自然と分かってしまう。
今までの怒りしか灯っていないものとは異なり、失望の色が混じった静かな怒りの目。
しかし、視線は違うということは分かっても理由が分からない。だからこそ、彼女は本人に聞くしか術がない。
それ故、場所故にあまり刺激しない言い方を選び、ロッテは呼び出された用件を彼女へと尋ねた。
「…………」
尋ねられた言葉に対してアイラはすぐに口を開くことはしなかった。
睨む視線をロッテから外さず、下ろしたままの手を見ただけで分かるほど強く握っていた。
そしてそんな様子のまましばらく視線を交し合い、数秒後にようやく口を開き告げた。
「単刀直入に言う。あの仮面の男の正体……あれはアンタ、いやアンタたちだね?」
魔法少女リリカルなのはB.N
【第一章】第二十三話 隠されし真実
アイラの発言はロッテを驚かせるには十分すぎる一言であった。
現在起こっている闇の書関連の事件、それにたびたび出没している仮面の男。
それの正体が自分とアリアだと言われたのだ……驚くのも無理はないであろう。
だが、ただお前がそうだと言われただけ認める者などいない。なぜなら、そうだという根拠がないから。
だからロッテは驚きの後に笑みを浮かべ、その言葉を否定する一言を口にしようとする。
「女でありながら男に化け、二人による犯行をさも一人で行っているように見せる……中々大したものだよ。だけど詰めを誤ったね、ロッテ」
口を開こうとしたロッテを遮り、アイラは続けざまに言葉を放った。
続けて放たれたそれはロッテが危惧したこと。さも、先ほどの発言に根拠があるというような言葉。
それには開こうとした口は自ずと閉じられ、言葉を失うしかなかった。
そんな彼女に対してアイラは彼女にそれを認めさせるべく、自身の持つ根拠となる部分を口にする。
「闇の書の守護騎士の一人を捕らえようとした際に現れた仮面の男、そいつが放ったバインドに掛かるのはあれが初めてじゃない。ずっと昔……クライドもエティーナも生きていたとき、よくアンタらじゃれあって掛けられてたからねぇ……だから、覚えてるんだよ」
「……それだけじゃ根拠としては薄いんじゃないかな? たまたま似てたってことも考えられるわけで――」
「それにしては余りに酷似し過ぎてるんだよ。加えて闇の書とアンタらの関わりを見れば、仮面の男の正体はアンタらしか考えられない」
グレアム、ロッテ、アリア、この三人と現在管理局を騒がせている闇の書との関わり。
知る者はそれなりにいるこれとアイラが先ほど言ったことを加えれば、二人が仮面の男という可能性が高くなる。
そうでなくともアイラは三人と古くからの付き合いと言える……だからこそ、浮かんだそれが確信に変わってしまうのだ。
だからこそ彼女の視線は失望と怒りに満ちており、同時に嘘は許さないという真っ直ぐな光が灯っていた。
「はぁ…………やっぱり、アイラを騙すのは無理だったか」
視線を受けながら呟かれた一言は、アイラの放った言葉を肯定するというもの。
それに対してアイラに眼光は更にキツくなり、握っていた拳を音がしそうなほど強く握り締める。
「そもそも、この一件にアイラが関わるって知ったときから嫌な予感はしてたんだよね。父様や私たちと関わりを持っていて、闇の書が父様に齎したことを……アンタは知ってるから」
「……クライドの死が、こんなことをさせるほどアイツを追い詰めたってことだね」
その一言にロッテは頷く。そしてそれにより、アイラは全てに納得がいった。
闇の書がグレアムに齎した親友の死という現実。それがどれだけ彼を追い詰めたのかということが。
自分の失態と思っている事が招いた彼の死。それにより生み出された彼の妻であるリンディの悲しみ。
責任感と申し訳なさに押し潰され、追い詰められてこのようなことをしてもおかしくはない事実であった。
しかし、彼を追い詰めたのはそれだけではないということが、続けて放たれたロッテの言葉で判明した。
「それだけじゃない……同時期、とある二人が父様の前から消えたことも追い詰めた原因だよ。そっちも父様にとっては親友でもあったから、失踪したっていう事実は更に父様を苦しめ、追い込んでしまったの。クライドくんまで死に追い込んでしまった自分は、彼らにも見捨てられたってね」
「ジェドとアタシのことか……でも、あれは――」
「分かってるよ、見捨てたわけじゃないってことは。ジェドくんの性格を考えると、見捨てるなんてあり得ないからね。でもさ、本人はそうでも父様からしたらそうは思わなかったんだよ。時期が重なったから余計に、ね……」
クライドの死に重なって起こった、ジェドとアイラの失踪。
それはエティーナの死に関わる彼からしたら、見放されたと思っても不思議はないこと。
彼の性格等から見放すということはしないと思っていても、時期が重なったからこそそう思うことが出来なかった。
だからこそ彼は謝罪を行動で示した……クライドの死への償いと称して、今回の一通り出来事を引き起こした。
「でも、こんなことをしたらアイツもただじゃ済まないんじゃないかい? 下手をしたら罪を問われる可能性だって――」
「そこがジェドくんへの謝罪に繋がるんだよ。エティーナを救えなかった自分が管理局から退き、自分の全てを捨てることでね」
このまま誰にも気づかれない内に事を終え、職を辞職すれば罪には問われない。
昔、執務官長に就いた際にジェドとエティーナから凄いと言われ、そして自身も誇りに思っていた自身の職。
現場を退いた今でもある程度地位のあるそれを捨てることで、彼はエティーナの死への謝罪をするつもりなのだ。
確かにそれならば償いにはなるだろう……だが、だからといってアイラ自身は納得が出来ることではなかった。
「ふざけてるね……結局アイツは、アタシの言ったことを何も理解してないってことかい」
「理解はしてるよ、きっと。でも、理解することが自分を許すことに繋がるわけじゃない……被害者が許すって言っても、本人が必ずしも割り切れるわけじゃないってことだよ」
そこまで言うとロッテはアイラに背を向け、扉のほうへを歩き出す。
そして扉の前に立つと徐にアイラへと振り返り、閉じた口を開いて静かに告げた。
「父様や私たちのしてることが許せないなら、報告でも何でもすればいい。まだ話してないアンタの罪の全てが公になるっていう、覚悟があるならね」
「っ……てめえ……」
自身の言葉によって変わったアイラの目つきを一瞥し、ロッテは扉を潜って退室していった。
ロッテが部屋から去り、扉が音を立てて閉まるのをアイラはただ拳を握り締めながら睨むしか出来ない。
追いかけたところで説得なんて出来ない。かといって止めようと先ほどの内容を報告することも出来ない。
全ては未だ隠されている自分の罪のせい……ジェドと共にあったときに重ねてしまった、許されざる罪の。
この件が解決すれば全てを話し、捕まってもいいとは思っている。しかし、何も解決していない今はまだ捕まるわけにはいかない。
「くそっ!」
だからこそ、ロッテを追いかけることも出来ず、悔しげに握った拳を壁に叩きつける。
そしてただ、無人の部屋にて開くこともない扉を睨みつけるしか出来なかった。
扉に外来語で「通信室」と表記される一室、その内部にてモニタ前に座るアドルファ。
そして画面だけを見ながらコンソールを叩く彼女の膝には、一人の少女がちょこんと座って目を閉じていた。
それは一緒に部屋へと訪れたカルラ。目を閉じて微動だにしない辺り、眠っているのが分かる。
だが、自身の膝に座って眠っていても彼女は文句を言わず為すがまま。なぜなら、それは良くあることだから。
自分らと指して歳が変わらないカルラだが、外見と一致するほど子供っぽいところだってある。
だから自身も無意識にだが構ってくれる人を判別して共に行動し、こうして安心しきってたような様子を見せることもあるのだ。
「…………」
まあ、要するに先も挙げた通りいつものことであるため、アドルファは何も言わない。
それどころか、膝の上で静かに眠る彼女を愛おしく感じ、時折笑みを浮かべて撫でることもする。
そうしてしまうほど彼女はアドルファにとっても、他の面子にとってもなくてはならない存在なのだ。
「だからこそ急がないと……手遅れになってしまうっス」
今一度撫でた後に笑みを消し、元の真剣な表情へと戻してコンソールを叩き始める。
そして再びキーを叩き始めた数分後、通信室の扉が開く音がアドルファの耳に聞こえてきた。
それに彼女は振り向くこともなくモニタに集中していると、入り口から真っ直ぐ自分に向かって歩む音が続けて聞こえてくる。
近づくそれに彼女は入ってきたのが自分らの面子の誰かというのがすぐに分かった。
なぜなら、自分の仲間やジェドやシェリスを除いた他の者は、基本的に自分たちに近づこうとはしない。
それほど他の面々にとって彼女らの存在は異質なものであり、気を許されるような者ではないということである。
そしてアドルファのその読みは止まった足音の後に聞こえてきた声にて当たっていると判明することになった。
「通信室なんぞで何をしてるんだ、アドルファ?」
「ギーゼっスか……別に大したことじゃないスよ。ただ、――に報告する文を作成してるだけっス」
室内に入ってきた男性――ギーゼルベルトの言葉にアドルファは極力小さな声で返す。
それに彼は首を傾げるも、彼女の膝の上にいる存在に気づくと納得し、自身も声を小さく抑える。
「報告といっても大したことはなかったのではないか? 『剣』と『盾』の完成度に関しても、闇の書に関しても……報告するほどのことでもあるまい」
「前者に関しては確かにそうスね。でも、闇の書に関して以前報告したら、――にしても思うところがあるみたいス」
彼女の口にしたことに再度ギーゼルベルトは首を傾げるしかなかった。
『剣』と『盾』に関してのことで思うことがあるならまだしも、闇の書に関して思うことがある。
それは自分たちの目的を考えると不思議と思う他なく、それはアドルファとて同じ故に答えは返ってこない。
故に不思議は不思議のまま残り、結果として――の返答を待つ以外に知る術はなかった。
「ほい、送信っと……で、聞き忘れてたスけど、ギーゼはなんでここに?」
「いや、つい先ほどここから戻ったヒルデが放心してたのを見てな……一体ここで何があったのか気になったんだ」
「ああ……それはおそらく、これを見たからじゃないっスかねぇ」
そう口にしてコンソールを片手で操作し、一つの映像をモニタに表示する。
表示された映像に拡大されて映されるのは、年齢十歳程度の金髪をした管理局の魔導師たる少女の姿。
拡大されたその少女の映像を見たギーゼは当然の如く首を傾げ、これが先のとどう繋がるのか分からないという表情をする。
それにアドルファは僅かに苦笑を浮かべ、詳しく説明すべく映像を表示したまま口を開いた。
「どうやらヒルデはこの子にご執心らしいんスよ。名前は確か……」
「フェイト・テスタロッサだ。以前この地で起こったPT事件とやらの主犯に加担した……まあ、実質実行犯といえる少女だな」
「そうそう。で、何でも以前この映像を見たときに一目惚れしたみたいで、それから暇があったら見てるんスよね。しかも、最近では取って来いとか駄々捏ね始める始末……正直参ってるスよ、もう」
「むぅ…………女が女に一目惚れというのは、正直どうなんだろうな」
その言葉にはアドルファも呆れを表すように肩を竦めるしかなかった。
ヒルデという女性……彼女は彼女らの面子の一番の問題児であり、アドルファでさえも手を拱いている。
遊んでくれと纏わりついてきたり、今回のように駄々を捏ねたり……正直、女性というには精神年齢が低すぎる。
唯一彼女をあしらえる人物は面子の中に一人いるのだが、時折喧嘩になって大惨事を起こすことも珍しくない。
故に問題児となるため、誰もにとっていろんな意味で厄介な存在であった。
「ん? はやっ……もう返信が来たっスよ」
「暇なんだろう……ただ一人、あの場所に残してきてるわけだしな」
それにアドルファは苦笑しつつ、コンソールを操作して返ってきた文をモニタに表示する。
本来ならこんな文で書くという手間を取るよりも、実際に通信回線を開いて話したほうが手っ取り早い。
だが、――に関してはそれが不可能となる故、結果的にこういった手段でしか報告や話が出来ないのだ。
そしてそんな事態になってからずいぶん経ってる故にもう誰も文句は言わないし、言ってもしょうがないことは誰もが理解していた。
「ん〜……意味不明っスね。長年放置し過ぎてボケたんスかね?」
「知らん。というか、本人の前でそんなことを言ったら殴られるぞ?」
「大丈夫っスよ。――の前で言うなんて恐ろしいヘマはしないスから」
変なとこで自信満々に告げながら、アドルファは再度モニタに目を向ける。
しかし、何度読み返そうと自分たちには理解できないことばかり故、首を傾げる以外に出来ない。
そんな様子しか出来ない意味不明な文とは短く以下の通り……
『紅き夜』に対抗する術、それは『剣』や『盾』だけではない。
『鎧』『書』、そしてそれを扱える『守護者』……全てが揃わなければ我らの道あるのは破滅のみ。
命を繋ぎたくば、哀れに沈みゆく『書』を救え。この際だ、『剣』や『盾』の完成は後回しでも構わん。
そうでなくともアレはお前たちの妹、もしくは弟のような存在だ……救ってやるのが道理であろう?
では、次は良い返事を期待しておるぞ。
追伸……たまにはこっちに帰って来い馬鹿共が。暇で暇でしょうがないじゃろうが!
追伸の部分は非常に分かりやすい文句だが、本文がよく分からない。
自分たちも知らされていないような用語を用いてる上に、そこに関しての説明も文にはない。
ただ簡潔に言いたいことだけ言って終わり……相手の性格が非常に分かる一文であった。
「『鎧』、『書』、『守護者』……『書』はおそらく闇の書のことだろうと思うスけど、他の二つはなんスかね」
「分からん。それよりも、俺としては闇の書が俺たちの妹や弟のような存在というのが意味不明だな」
二人揃って頭を悩ます一文……しかし、かといって尋ね返すための返信も出来ない。
なぜなら返信したところで怒られるか、また意味不明な文が送られるに決まっているから。
アドルファが報告のために文を送った相手とはそういう人物であり、ある意味頭を悩ませる人物である。
「まあ、言うこと聞かないと煩いスからとりあえずこの方面で動いてみようと思うスけど……救うってどういうことスかね?」
「蒐集の手助けをしろということではないか? それ以外、救うという言葉で思いつくことはないが」
「う〜ん……そうスかね、やっぱり。でも、だとするとウチらの出番ないスよね……すでにシェリスちゃんが手助けしてるスから」
「確かにな……なら、これはシェリス嬢に任せておけばいいだろう。下手に手を出して、俺たちの素性が露見するのは避けたいしな」
続けて述べられたことに頷き、アドルファはモニタに表示された文を消す。
そして椅子ごと横へと振り向き、今も膝の上で眠るカルラの頭をコンコンと叩く。
《ん、んん……》
すると器用に念話で呻きを漏らし、彼女はゆっくりと閉じた目を開いた。
開いた目は寝ぼけているのか焦点が合っておらず、寝る前の状況も覚えていないのかキョロキョロと周りを見渡す。
だがすぐに頭は覚醒を果たし、焦点を合わせた目で後ろ向きにアドルファを見上げ、おはようと告げる。
それにアドルファは笑みを浮かべつつ返すとカルラはピョンと飛ぶようにして床に降り立ち、まだ眠いのか目を擦る。
「眠たければ部屋に戻って眠るといい……今はこれといって問題も起こってないしな」
《ん〜……そうする》
告げられたことに素直に頷き、カルラは若干まだ目を擦りながら部屋を出て行った。
そんな彼女を最後まで微笑ましそうに見た後、二人は再び真剣な表情を浮かべる。
「まあともかく、ウチらのすることは変わりなく……ということスかね」
「そういうことだな。――の意思は最優先すべきだが、先のことはすでに行っている……なら、『剣』と『盾』の完成に専念してもいいだろう」
「ま、指示に反して怒られるのはどうせウチだけなんスけどね……ああ、鬱っス」
命じられたことに反した行動をしたときのことを思い、本当に鬱そうな溜息をつく。
実際、――の言うことに失敗したときや反した行動をしたときに必ずお叱りを受けるのはアドルファのみ。
最近では目の仇にされてるだとか、自分だけ嫌われてるだとか、負の考えのみ抱くほどである。
だが、そのことにカルラを除き、ギーゼルベルトを加えた他の面々は慰めるということすらしない。
なぜなら、仲間といえど下手に口を出してとばっちりを受けるのは真っ平御免だからだ。
要するにアドルファは都合のいい生贄にされているということ……これだけ聞くと非常に哀れな人だとしか言いようがなかった。
「それも――曰く、愛だということらしいからな……有難く受け取っておけ」
「あれは愛じゃないっス……あの罵倒は決して愛ではないっス」
ふるふると首を横に振るい、アドルファはそれを断固として否定する。
そしてまだ怒られたときのことを思い出しているのか頭を抱えつつ青褪め、なぜか謝りながらガタガタと震えだす。
その様子を見るとギーゼルベルトとしてもどう言っていいのかもう分からず、ただ彼女が悪夢から覚めるまで待つことにした。
そうして傍から見れば奇妙な光景と映るこの状況は、この後三十分ほど続くことになるのだった……。
あとがき
仮面の男の正体は判明したが、その事実を報告することは出来ず。
【咲】 あれで抑止になるほどアイラ個人の罪って重いわけ?
ふむ、そうだな。少なくとも、知れれば重犯罪者と認定されてしまうくらいには重い。
【咲】 ふ〜ん……でもさ、そんなことして何で今まで誰も知らなかったわけ? 目撃証言があってもおかしくないじゃない。
いや、目撃証言は一応あったんだけど、酷く曖昧だったから重要視しなかったんだよ。
そっちよりもアドルファのほうが重要視されていたのもあってね。
【咲】 じゃあ、ロッテが知ってるのは何でよ?
一応当時、その目撃証言はある程度局員に広まったからね。その延長線上で彼女も知ったのだよ。
それでその証言に思うところがあり調べて、事件の黒幕がジェドと知って確信したというわけだ。
【咲】 なるほどねぇ……当時広まったってことは、やっぱり目撃したのは一般局員?
一般というか、クロノが任される前に事件を担当していた局員だな。まあ、その少し後に殺害されたが。
【咲】 アドルファに?
さあ、現在局に知れてるのがアドルファだけなのであって、目撃されていない面子がやったのかもしれない。
結局この件の真相は闇の中……本編で明かされるにしても、まだまだ先になるな。
【咲】 へぇ……で、話題が変わるけど、前回ヒルデが見てたのってフェイトだったのね。
ふむ。なんでヒルデがフェイトに一目惚れなのかというのはまだまだ秘密だがな。
【咲】 ちゃんとした理由があるのね。
当たり前だろ……ヒルデをただ精神年齢の低いお馬鹿だと思ったら大間違い。ちゃんと理由を持った行動だってするのだよ。
【咲】 ふぅん……それで、このことは近々本編に影響が出るわけ?
近いうちにはでんなぁ……少なくとも、一章や二章では特にここは関わりを持たない。
【咲】 つまり、関わりが出てくるのは三章以後ってわけね。
そういうことだ。
【咲】 そう。で最後だけど、今回また謎の人物が出てきたわね。
出てきたというのとは少し違うがな。まあ、名前も伏せてあるし謎というのは確かだ。
【咲】 それで、あれって誰なわけ? 見たところ、アドルファたちの上に立つっていうのは分かるけど。
伏せてるんだからそれはさすがに言えんが……一つ言うならば、アドルファたちの行動の大半はアレの指示だってことだ。
【咲】 じゃあ、この作品のラスボス的存在ってことになるの?
さあ、それは今後次第だな。
【咲】 曖昧ねぇ……にしても、今回分かることもあるけど、謎もまた増えたわね。
確かにな。だがまあ、以降の話で徐々に明かされてくるから楽しみにしていてくれ。
【咲】 はいはい。じゃ、今回はこの辺でね♪
また次回もお会いしましょう!!
【咲】 ばいば〜い♪
ロッテの方が今回は上手だったみたいだな。
美姫 「正体を掴んでも報告できず、だものね」
むむむ。今後は互いに静かに牽制し合う事になるかもな。
美姫 「どうなっていくのか、楽しみよね」
うんうん。次回も待っています。
美姫 「待ってますね〜」