蒼色の石を受け取ってから数時間後、調整を終えたジェドは椅子に深々と腰掛ける。

少し気落ちしてしまうことを思い出した故に、表情もどことなく影が見えるものだった。

そんな様子で机に向かい、彼は調整の際に見たデータを手元の紙に記しておく。

本来ならそういったものはコンピュータに打ち込んで保存するのが普通だが、こういったことは基本的に彼は紙に書く。

というのも、コンピュータで行う作業がそれなりに多いため、作業途中で保存したデータを開くのが面倒らしい。

だからジェドは多くのデータを紙に記し、背表紙に題名を書いたファイルに閉じて手の届きやすい場所に置くことにしている。

まあ、手間を考えればどちらでも面倒なのは変わりないと思うが、こういった部分こそが彼が『変わっている』と言われる由縁なのだろう。

 

 

――ガチャ

 

 

データを記している最中、彼はドアが開く音を耳にする。

そして同時に疑問が浮かぶ……今度は一体誰が部屋に入ってきたのかと。

彼の部屋は基本的に他の研究員でも立ち入りは出来ないため、入ってくる人間は一人しかいない。

その一人――シェリスは数時間前すでに来たため、これは除外される。

だとすれば一体誰なのか、と検討も付かずに疑問を浮かべるが、それは後に聞こえた声で分かることとなった。

 

「博士〜、失礼するっスよ〜」

 

声質からして女、加えて『ス』の部分が強調される特徴的な喋り方。

この二点だけで彼は誰なのかが分かり、僅かに溜息をついて椅子ごとそちらへと向く。

すると向けた視線の先には、予想通り見覚えのある女性の姿があった。

研究員が身につける衣服ではない上下白の服、薄い紫色のセミロングの髪をした女性。

そんな姿の女性に彼は呆れ混じりの声で僅かに責めるように告げる。

 

「入ってから言うのは止めろと、以前言ったはずだが?」

 

「え〜、でもシェリスちゃんは何もなしに入るじゃないっスか〜」

 

「あの子は娘だから特別だ。 お前は娘でもなければここの研究員でもない……ならそれくらいして当然だ」

 

「固いっスねぇ〜……そんなんだから――ちゃんやアイラさんに愛想尽かされたんじゃないっスか?」

 

口元に僅かな笑みを浮かべていることから、それはからかってのものだと分かる。

しかし、ジェドに対してその一言は言ってはならないものだった。

その証拠にその言動が成されたことで彼は睨みつけるような視線を女性へと向けている。

視線からは怒りや苛立ちなどを通り越し、僅かな殺気さえも窺うことが出来る。

 

「あははは、冗談っスよ、冗談。軽いジョークなんですから、そんなに睨まなくてもいいじゃないっスか〜」

 

だがその視線を真っ向から受けても彼女は平然とした顔をしていた。

それどころか浮かべた口元の笑みも消さず、更にからかうような口調でそう告げる始末。

彼からその視線を受けることに慣れているのか、それとも元々殺気混じりの視線自体に慣れているのか。

理由は分からないが、怯え一つ焦り一つ浮かべぬ彼女の様子を見る限り、ただの女性ではないことが分かる。

 

「……ふん」

 

彼からしても睨む程度でその女性が表情を変えるとは思ってはいなかった。

故に不機嫌そうに鼻を鳴らし、再び椅子を回転させて机と向き合い、紙にデータを記し始める。

その様子に女性は再度おかしそうに笑い、ゆっくりと彼の近くへと寄っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法少女リリカルなのはB.N

 

【第一章】第八話 条件付きの協力体制

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジェドが再びデータの記述を始めてからは至って静かなものだった。

先ほどまで彼をからかっていた女性もまだ笑みは浮かべているが、隣で静かに書かれる内容に目を落している。

何が面白いのかは知らないが、書き進められていく内にその笑みは僅かに深まっていった。

しかし、ジェドは女性のそれを気にすることはなく……というよりも興味なしといった様子で書き続ける。

そんな無言で作業が続き、ペンを走らせる音だけが室内に響くこと二十分弱、彼女はようやく口を再度開いた。

 

「あの子のデータ、いつ見ても凄いっスねぇ。保有魔力量、瞬間最大出力、変換効率……資質だけ見るとSランクじゃないっスか」

 

「当たり前だ……誰の子だと思っている」

 

「うわっ……親馬鹿全開な発言っスね〜」

 

女性がそうツッコミを入れても彼は全く気にせず、ペンを走らせる手を止めない。

その様子に彼女も気を悪くした風もなく、何がおかしいのか笑いを上げるだけだった。

 

「でも、他のがやばやばっスね〜……身体能力や近接戦闘技術なんて絶望的っスよ」

 

「ふむ、シェリスに限らずうちの娘たちは元々体を使った戦いが苦手だからな」

 

「それにこれ……制御能力が標準より低めというのも魔導師としてはヤバイんじゃないっスか?」

 

「確かにな。だが、それでも魔導師として高い戦闘能力を見せているのだから問題はないだろう」

 

「そういうもんっスかねぇ?」

 

「そういうものだ」

 

首を傾げながら呟く言葉に彼は短くそう返す。

それに女性は僅かに納得できないながらも、まあいっか的なノリで気にしないことにした。

そもそもこればかりは思考するだけ、考えるだけ無駄な話題なのだ。

シェリスは制御能力を抜かした残りの資質が非常に高く、魔導師として非常にいい土台を持っている。

しかし、身体能力やらの基礎能力や、近接戦闘技術に関しては反して絶望的と言える数字を叩き出している。

そのため資質はSランクであるのに、総合で見るとAAA−という三ランクも下がった値になってしまう。

それでもシェリスは実際に戦うと非常に高い戦闘能力を発揮し、――やアイラにしか負けたことがないという。

悪く言ってしまえばとても非常識な存在……だからこそ、魔導師としてのシェリスのことは悩むだけ無駄なのだ。

 

「あ、そういえば忘れてたっス……博士、少し早いっスけどアレのデータを提出してもらえませんかねぇ?」

 

「アレ? …………ああ、――の稼動データのことか。ちょっと待ってろ……」

 

思考を止めてから女性が放った言葉でジェドは机の引き出しを開いて漁りだす。

そして僅かな間を空けた後、数枚の紙の束を取り出し、女性の手に渡して作業を再開する。

しかし、目的のものを手に入れた女性は紙の束を見詰めて若干呆然とし、後にげんなりしたように再度口を開く。

 

「なんで――の稼動データまで紙に書いてるんっスか……普通にディスクに書き込んでくださいよ」

 

「ふむ、ディスクの在庫がなかったものでな。ちょうど手元に白紙の紙があることだし、作業ついででそれに書いた」

 

「はぁ〜……前回のデータのときもそんな理由でしたっスよね? 正直、これを打ち直すこっちの身にもなって欲しいっス」

 

「それくらい自分でやれ」

 

容赦ないその言葉に女性はがっくりと項垂れ、書類の記載事項に軽く目を通す。

が、軽く目を通すだけで済ますはずだったのに、気になるところが見つかり読み進めていく。

そして結局は全部目を通してしまうことになり、それでも疑問に思った部分を口にした。

 

「ん〜、概ね問題ないっぽいスけど……この『最終工程に関しては稼動に難あり』ってなんっスか?」

 

「――とアイラがここを去った理由だ。おそらく――の段階で――が何らかの誤作動を起こし、その結果予定していたものよりも不安定なものが出来た。だからあの子たちは不満に思い、出て行ったに違いない」

 

「いやいやいやいや、そんなわけないっスよ!! 何自分勝手な解釈書き込んでるんっスか!?」

 

「む、自分勝手な解釈ではない。これはちゃんとした証拠に基ずく結論であって、間違っても――」

 

「はいはい、親馬鹿な解釈はもういいっス……はぁ、こんなんそのまま上に提出したらうちらの信用がガタ落ちっスよ」

 

講釈を開始し始めるジェドを無視してそう返し、項垂れながら女性は部屋を後にした。

彼女が部屋を出て行った後も、彼は気づかずに自分の考えを無人の部屋に響かせ続けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グレアムとの話を終えたアイラは応接室を退室し、部屋の前にいた面子に驚いた。

というのも他者の予定関係なく自分が勝手にグレアムを連れ込んで話を開始した故、待っているとは思わなかったのだ。

そのため、アイラは部屋を出てその面子を見るや否や、何でこんなところにいるんだと正直に聞いた。

すると全員が全員呆れ顔を浮かべ、待っていた理由を簡潔にアイラへと伝えた。

伝えられた事項はそもそもアイラも聞いているはずのことであるため、聞き終わった後に彼女は乾いた笑いを浮かべる。

そんな皆の様子をグレアムは僅かに苦笑しつつ見た後、クロノに一言二言言って通路の奥へと去っていった。

 

「じゃあ、僕たちもそろそろ行きましょう。かあさ――艦長も待っていることですし」

 

クロノの一言に皆は同意するように頷き、応接室から少し離れた部屋へと歩き出す。

その間、誰も話さずしばし無言が続く中でオリウスは念話にてアイラに話しかける。

 

《ねえねえ、あの人がアイラの会いたくなかった人なの? どうして会いたくなかったの? もしかして恋人だったとか?》

 

《質問は一つずつにしなよ……ていうか最後のは撤回しな。 あいつの恋人なんて……うぅ、考えただけでも鳥肌が立つ》

 

実際立ち始めた鳥肌にアイラは両手を回して両腕を掻き始める。

念話が聞こえていないわけなのだから、傍から見ればおかしな人丸出しな行動である。

幸い最後尾を歩いているため、そういった視線を向けられることはなかったが……。

 

《む〜……じゃあ、一つずつ聞いたらちゃんと全部答えてくれるの?》

 

《さあね……質問の内容によるよ。ちなみに、さっきの質問に関しては最初のがYESということぐらいしか答えないけどね》

 

《結局何も答える気がないってことじゃん……ぶ〜、アイラのケチ!! 怠慢馬鹿猫!!》

 

かなり酷い言いようではあるが、それでも言いたくないのかアイラは苦笑するだけ。

何と言われても自分の過去を話すことはしない……その理由はアイラ自身が語りたくない以外にももう一つある。

それはオリウスにとって聞かないほうがいい内容だから、聞いてはならない内容だからという理由。

いや、もう一つあるというよりも、どちらかと言えばこちらの理由のほうが強いのかもしれない。

それほどまでに過去のことがオリウスに齎す影響は大きく、とてもじゃないが語れるはずなどありはしない。

 

《(まあ結局はアタシのわがままさね……どう足掻いても、いずれは知ることになるわけだし)》

 

だけどそれでも、アイラは今これを話すことは絶対にしない。

オリウスはまだまだ子供だから、辛い過去の現実に耐えられるわけがないから。

彼女自身が話すときが来るとしたら、それはこの子が――――

 

 

――今よりも、心を強く持てるようになったとき……

 

 

それまでは何と言われても言うわけにはいかない。

他のないオリウスのために……オリウスの心を護るために。

それが過去を話さない理由であり、アイラ自身の決意でもあるのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく廊下を歩き、一同はようやく目的の部屋へと辿り着いた。

部屋の内部に入ると室内にあるソファーにはリンディが座っており、手には湯飲みが握られている。

それだけで恭也たち三人を除いた一同は何を飲んでいるかが分かり、僅かに顔を引き攣らせた。

それほどまでに現在リンディの飲んでいるもの……通称『リンディ茶』は有名であるということだ。

だがリンディがそれを飲むのはいつものことであるため、皆は顔を引き攣らせるだけで何も言わず対面に腰掛ける。

すると皆が腰を下ろしたのを合図にしたかのようにリンディは湯飲みを前の机に置き、皆をここに呼んだ用件を話し出す。

最初に成される話の矛が向くのはなのはとフェイトの二人……内容は、今回起きた事件に関してのことだ。

なんでも今回なのはを襲撃してきた者の一人が第一級捜索指定の掛かっているロストロギア、『闇の書』という代物を持っていたらしい。

加えて運び込まれたなのはのリンカーコアから大半の魔力がなくなっていたところを見ると今回の襲撃者の断定は容易につくとのこと。

そしてここからが肝心の用件なのだが、今回の襲撃が『闇の書』関連であることが断定されたことでリンディたちがこの事件の担当になった。

しかし、あくまでリンディたちが担当というだけで民間協力者のなのはやまだ嘱託魔導師になったばかりのフェイトには関わる理由がない。

それに前の事件と比べると危険度が違うため二人に手を引く気はないかということを尋ねる……それが呼び出した用件だった。

これに対して予想通りというか二人はリンディの提案を拒否し、民間協力者として、嘱託魔導師として、この事件に関わる意思を伝えた。

伝えられた意思に前の事件で二人の性格がよく分かっているリンディとクロノは何も言うことなく、これを了承するように頷いた。

 

「で? 二人の意思確認が終わったところで聞くけど、あたしらにも同席願った理由はなんだい?」

 

なのはとフェイトに向けられた話が終わるや否や、アイラは単刀直入に尋ねた。

元々面倒くさがりな性格からして、回りくどい言い方が嫌いだというのがよく分かる言葉である。

そしてその言葉には恭也とオリウスも同意見であるのか、二人へと意識を向ける。

 

「私たちの管轄になったこの事件の解決に協力していただけるのか……それを尋ねるためです」

 

「ふぅん……手伝って欲しい理由は、教えてもらえるんだろうね?」

 

射抜くような視線を向けてくるアイラにリンディは一度だけ頷き、理由を話し出した。

語られた理由は二つ……一つは至って単純、この事件を解決するのに腕のある魔導師はいればいるほどいいということ。

元々人員不足が悩みの種の管理局からしたら『闇の書』が関わっていても局員を多く派遣することなど出来ない。

そのため今回の事件で襲撃者と交戦し退けた(直接見たわけではないが)三人の協力があれば心強いということだ。

そして二つ目となるのが、少し前に話したジェドの娘、シェリス・アグエイアスに関してである。

なんでも武装局員の追従をものの見事にあしらいながら逃げる彼女の反応を管理局はとある世界でロストしているらしい。

その世界というのがなのはたちの住む場所、第97管理外世界であるとのこと。

ここでロストしたとなれば当然この世界にいる可能性は高く、もしかしたら今回の事件の際に出くわす可能性も否定できない。

故にシェリスをよく知っているアイラとオリウスがいると何かしらの対処が打て、あわよくば彼女を捕まえることが出来るかもしれない。

だから総合してオリウスが選んだ主である恭也も含め、リンディはこの三人が手を貸してくれれば心強いと考え、提案したというわけだ。

 

「なるほどねぇ……つまりあんたたちからしたら、二つの事件が同時に解決できるかもしれないチャンスというわけだね」

 

「そういうことになります。ですがあくまで一方的な都合に変わりはありませんから、どうするかはあなたたちの判断にお任せします」

 

「任せるって言われてもねぇ……どうするよ?」

 

《ん〜、まあこのまま逃げ続けるよりも、むしろ管理局と共にあったほうがいいのは確かだね。それに、もしシェリスを捕まえることが出来たのなら、あいつの真意を聞きだせるかも……》

 

「ジェドの真意、ねぇ…………ま、あんたがいいならアタシも反対はしないよ。ただ、一つだけ条件はあるけどね……」

 

「条件、ですか……?」

 

「そ、条件。まあそんなに難しいことじゃないさね……ただアタシらはアタシらの事情を極力優先させてもらうからそれを許容しろってことだけだから」

 

彼女たちの事情は管理局のそれとは似て非なるもの。

だから今回の事件に協力はするが、自分たちが関わる用件は極力優先させろ。

アイラの提示した条件とはこういうことであり、それが分かったリンディは了解したとばかりに頷く。

そもそもリンディたちからしたら駄目元で提示したことなのだから、こういった条件であれば首を横に振るなど出来ない。

まあ、アイラとしてもこれには自分に主導権があると分かるからこそ、条件という形でこう言ったわけだが。

 

「あんたもそれでいいだろ、オリウス?」

 

《元々私は反対してないけど……ま、それでオッケーだよ》

 

「ん、恭也は……聞かなくても答えは決まってるか」

 

「む……」

 

アイラの言葉に反論したくなるが、何も言い返せずに恭也は憮然とする。

実際九ヶ月という月日を一緒に過ごすだけでも恭也のなのはに対する甘さははっきり分かる。

そして恭也自身も(美由希を除く)妹に甘いと言われていつも否定はするが、内心ではそれを認めていたりする。

そのなのはが危ない目に合うかもしれないのだ……妹に甘い恭也が放っておけるわけがないのだ。

とまあそんなわけで三人が全員協力を受け入れたことにリンディは今一度頷き、ゆっくりと腰を上げる。

 

「では、アースラの皆がいる所に場所を移しますのでついてきてください。そこで皆にあなたたちを民間協力者という形で紹介しますので」

 

「もちろんなのはとフェイトも一緒にきてくれ。そこで同時に今回の事件に関して決定されたことを発表するから」

 

同じく立ち上がり告げてきたクロノの言葉に頷き、なのはとフェイトは腰を上げて二人についていく。

それに恭也とアイラも立ち上がり続けて歩き出すが、部屋を出て少し歩いた辺りで歩きながら口を開いた。

 

「本当に良かったのか? あれだけ管理局と関わるのは嫌だと言っていたのに」

 

《いや〜、もうこうなったら関わらないのは無理じゃん? こっちがあの提案を断っても管理局が私たちから目を離すとは思えないし》

 

「そうだねぇ。それに本当にシェリスがこの世界にいるなら、尚更アタシたちが独自で動くのは避けたほうがいいんだよ。確かにあの子はアタシたちを連れ戻すことに執着してるけど、同じくらい実験材料を集めることにも固執してるんだ」

 

《あいつのお願いだから当然と言えば当然なんだけどね〜。ま、そんなわけで今回の事件を管理局が追っていてそこになのはがいる以上、放っておけばなのはが危険に晒されちゃうの。私たちやあいつ以外の人にはまるで容赦がないから、あの子》

 

それはつまり、自分たちも協力することでなのはたちと共にあり、危険度を和らげようということ。

アイラたちを連れ戻すことが目的のシェリスは強行手段に出はしても、彼女たちを殺そうとすることはない。

だが反対に対象が彼女たちでなければ容赦がなく、殺すか実験材料として持ち帰るかの二択しか考えないのだ。

だからこそ、アイラたちがなのはたちと共に行動することでもし見つかった際の優先対象を自分たちに移すしかない。

そうすればなのはたちに脅威は向かなくて済み、最悪でも彼女たちだけは無事で済むということでもある。

 

「ま、アタシたちも簡単に捕まりはしないけどね……もし襲い掛かってこようものなら、師としてお仕置きしてやるさね」

 

「師?」

 

《あ〜、そこは話してなかったっけ? アイラはシェリスの魔法や体術のお師匠なんだよ〜》

 

「……そうなのか?」

 

「なんだい、その嘘だろって疑る目は? そりゃまあアタシだって師匠なんて柄じゃないことぐらい理解してるけど、それでもガキに教えるぐらいは出来るよ」

 

人は見かけにはよらない……まさにその一言が当てはまることである。

怠慢、負けず嫌い、若干キレやすい、この三点だけでもアイラが師匠向きではないことがわかる。

そのため恭也は僅かに驚きを浮かべたのだが、それがお気に召さないアイラは若干拗ねた口調になる。

そんなアイラに再び表情を変えて苦笑しつつ、二人は先をゆく者たちの後を歩いていった。

 

 


あとがき

 

 

ようやく管理局との対面編が終わった……。

【咲】 ここってA’sの話からするとまだ三話目くらいよね?

だな。ああ、妙に長くなってしまった……。

【咲】 腕がない証拠よね。

ぐ……ま、まあそこはいいとして、恭也たちが管理局と協力体制になることになったわけだが。

【咲】 まあ、なのは&フェイトルートってのなら当然の成り行きよね。

そうだな。そんなわけで、次回からは海鳴に戻っていろいろとあるわけだ。

【咲】 アースラスタッフとの対面は?

端折る。恭也とアイラが紹介されるだけでアニメと大して変わらんし。

【咲】 ふ〜ん……でもさ、海鳴に戻っていろいろあるって言うけど、いつになったら二回目の戦闘があるの?

ん〜……二、三話くらい先になるかな? 明確には言えんが。

【咲】 ん〜……でも確か、シェリスの戦闘シーンが近々あるとか言ってなかったっけ?

あ〜……それはまあ、次の戦闘であるかもな。

【咲】 はぁ……頭に浮かんだことをそのまま言うからこうなるのよ。

むぅ……。

【咲】 そういえばさ、今回の話ってなのはとフェイトが出てるわりには会話がないわよね?

原作どおりのことしか話してないからなぁ……ほぼ端折ったらああなった。

【咲】 駄目駄目ね。

うぅ……で、でもまあ、次回以降は会話も増える予定だからそれで許してくれ。

【咲】 それを判断するのは私じゃなくて読者だけどねぇ……で、シェリスの戦闘シーンが次のであるかもってことだけど、やっぱり敵側よね?

それは確実だな。まあ、ヴォルケンの面子と組むかはまだわからんが。

【咲】 現状ではシャマルとしか会ってないしね〜。

ふむ。でもまあ、組むというよりシェリスが一方的に手助けする可能性は高いよ。

【咲】 どうしてよ?

前回ジェドがシェリスに言ったことを思い出していただけると分かると思う。

【咲】 前回? ……ああ、そういうことね。

そういうことだ。ま、実際どうなるかは次回以降をお楽しみにだな。

【咲】 相も変わらずね。じゃ、今回はこの辺でね〜♪

では〜ノシ




恭也たちも管理局に協力する事になったな。
美姫 「まあ、条件付きだけれどね」
とは言え、無茶な条件でも何でもないしな。
これで管理局側は戦力アップ。
美姫 「で、闇の書陣営にもシェリスがつくかどうかね」
うーん、どうなるんだろう。
美姫 「次回も楽しみにしてますね」
待っています。



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