このSSはとらハ3とG線上の魔王のクロスオーバーです。

とらハ3はALLエンド後、G線上の魔王は椿姫ルートを通ったという設定になっております。

尚、G線上の魔王からはキャラが一人しか出ないということになると思います。

以上のことを了解した上で、読んでみようと思う方はどうぞお読みくださいませ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

剣士と勇者の海鳴事件簿

 

行き倒れ少女は無一文

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冬が過ぎ、春へと差しかかろうとする頃の海鳴市。

まだまだ寒さが残っているのか、先日積もった雪が道路の隅などにちらほら見える。

そして今は夜ということもあり、息を吐けば目に見える白い吐息へとなっている。

春に差しかかろうとしていても日差しがなければまだ冬。そう言っても不思議はないほどの気温だった。

そんな中、海鳴市にある駅から大きな鞄を一つ持っている少女が一人、姿を現した。

 

「うぅ……さむ」

 

少女は鞄を持ってないほうの手で服越しに反対側の腕を軽く擦る。

吐く息をやはり白く、心なしか寒さによって小刻みに震えているようにも見える。

そんな少女の服装はこの街の学園にものではない制服のみ……これでは寒くてもおかしくはない。

そして少女の容姿は服装よりも目立つ。特に右目を隠すほどの前髪と膝下ほどまでの後ろ髪が特徴的だ。

しかもその髪は整えられているわけでもなく、無頓着なのかぼさぼさと言ってもいいほど乱れていた。

夜ということもあり、一見して少女の容姿と雰囲気を合わせると幽霊なのではと思えるくらいである。

 

「と、とりあえず……宿を探さないと」

 

誰に言うでもなく少女は呟き、鞄を持ち直して駅から街中へと歩いていく。

宿やらがある場所までは駅から差して遠くもないものの、近くもない故に歩けばそれなりに掛かる。

故にこの時間もあって普通の人ならタクシーやらを利用するのだが、少女はそれをしようとは思わない。

なぜならこの少女、はっきり言って懐に余裕があるとはお世辞にも言えず、何日食いつなげるかを考えることで必死。

そのため無駄遣いなどは一切出来ず、お金を掛けない徒歩という手段で探し歩くしかないのだ。

 

「ああでも、宿を取れるほどお金あったかな……」

 

歩き出してからしばしして、もう少しで宿などがある街中へと差しかかろうとしたときに思い至る。

それは非常に根本的な問題であるため、彼女の知り合いでもいたのならば呆れるしかないだろう。

とまあそんなわけで今更ながらに思い至ったそれを確かめるべく、少女は制服のポケットを漁りだす。

だが、ポケットにはお目当てのものである財布は見当たらず、首を傾げえながら立ち止まって鞄を漁りだした。

 

「あれ? ここにもない……」

 

漁りだしてから一分弱、鞄の中にもないために顔には僅かに焦りが浮かび上がる。

そして再度確認すべく制服のポケットを探し出すが、それでも財布が見つかることは一切なかった。

財布がポケットにも鞄にもない。この事実を認識すると同時に、少女はポケットに手を突っ込んだまま乾いた笑いを上げる。

 

「あ、あははは…………もしかして、落した?」

 

尋ねるような口調だが答えなど返ってくるはずもなく、一陣の風が彼女を通り過ぎる。

その途端、少女は弾かれたかのように鞄を持って逆走していく。落としたであろう財布を探すべく。

 

 

 

探し出してから一時間半後、努力空しく財布が見つかることは無かった。

落したのならば道端のどこかにあるはずなのだが、ないということは誰かが拾ったということ。

この時間に出歩く人がいるというのは珍しいが、それでも全くいないとは断言出来ない故の結論。

そしてその結論が示すのは現状ではどうしようもないということ。だからこそ、少女はいつにも増して暗い雰囲気を纏う。

そんな雰囲気のままでとりあえずは警察に捜索届けを出しておくべく近場の交番へと向かい、事情を話す。

その際にいろいろと聞かれもしたが適当に真実を混ぜながら答え、家に帰りますのでと告げて交番を後にした。

しかし、交番の警官にはそう言ったが実際は帰る家などあるわけもなく、文字通り路頭に迷うように街中を歩いていた。

 

「はぁ……どうしよう」

 

財布がなければ宿も取れない。加えて、食事を取ることさえも出来ない。

お先真っ暗という表現が当てはまるこの状況で、表現通り目先が霞みだしてしまう。

そこで少女は思い出した……お金の節約とか言って、朝から何も食べてないということを。

 

「ああでも、ここで寝ちゃったら凍死……」

 

今夜の気温もあり、確かに路上で気を失うのは凍死する可能性が極めてある。

しかし、空腹から来る目の霞が徐々に強くなり、足も心なしかふらつきが見え始める。

もう自分の意思ではどうしようもなくなってきている。それを自覚しても尚、力を振り絞って歩き続ける。

だが、足が住宅街の路上へと差し掛かったとき、少女はもう限界というように近場の電柱へと背を凭れた。

 

「見送ってくれた皆に何と言っていいのやら……」

 

雲で隠れて星が一つも見えない夜空を見上げ、数日前までいた街の友たちを思い浮かべる。

彼らを思い浮かべたまま自ずと目を閉じ、空腹で力の入らなくなった身体は電柱に凭れたまま下へ落ちていく。

確たる意思と遂げるべき目的を持ってこの街に着たのに、終着点が空腹による気絶からの凍死。

正直なところ非常に笑えない話ではあるが、腰を下ろした少女の口元にはなぜか笑みが浮かんでいた。

そして笑みを浮かべたまま完全に身から力がなくなり、少女の意識は自ずと闇へと落ちていった。

 

 

 

 

 

同時刻、住宅街の路上を歩く青年と少女という二対の影があった。

こんな夜更けに外にいるというのは本来感心できないことだが、この二人にとってはこれが日常。

毎日毎日続けている夜の鍛錬のための外出。そして今はそれからの帰りであるというわけだ。

 

「今日も冷えるね、恭ちゃん」

 

「そうだな……もうすぐ春と言っても、気温はまだ冬のようなものだからな」

 

少女――美由希の言葉に対して、僅かに白い息を漏らしながら青年――恭也は告げる。

だが、二人の服装は言葉とは裏腹で、鍛錬用のシャツ一枚とズボンという非常に薄着な服装である。

鍛錬の服装が基本的にそれだというのは分かるが、周りに人がいれば寒くないのかと思えてしまう。

しかし夜更けということもあって人通りはなく、二人の服装等を不思議に思う人は見受けられなかった。

 

「でも今日は一段と冷え込んでる感じがしない? ほら、息もいつもより白く見えるし」

 

「俺にはいつも通りにしか見えんが、いつもより気温が低いのは確かだな。さっさと家に帰って風呂にでも――――ん?」

 

言葉を途中で止め、恭也は不意に足を止める。それに合わせ、美由希も首を傾げながらも足を止めた。

そしてどうしたのかと尋ねようとするが、恭也の視線が真正面から離れないためにまずはそちらに視線を向ける。

すると視線の先、少し前のほうにある電柱の根元にて腰を下ろしている一人の少女の姿があった。

こんな冷え込む夜更けにそんなところで何をと思うが、それは当人しか分からない事ゆえに歩み寄る。

人によっては発見しても素通りすることもあるが、もしものことも視野に入れている二人はそんなことはしない。

 

「あ、あの……こんな時間のこんなところで、何をしてるんですか?」

 

歩み寄った矢先に美由希は少女へと尋ねる。だが、その声は少しおどおどした感じが見られた。

それはおそらく、目の前の少女の容姿と雰囲気によるものだろう。一見すると、電柱の下に幽霊がいるようにしか見えないのだから。

しかし、美由希が声を掛けたにも関わらず、座り込む少女は返答を一切返すことはなかった。

それどころか俯いている顔さえも上げない……そのことを更に不気味に思ったのか、美由希は恭也へと助けを求める。

物理的な攻撃が効かないからというおかしな理由で幽霊嫌いの美由希にすれば、それは当然と言えば当然の反応。

それ故に恭也は僅かに溜息をつきながらも一歩前へと出て、もう一度少女へと声を掛けた。

だが、やはり少女は言葉を返してはこず、不信に思った恭也は肩を叩くべく手を少女へと伸ばしていった。

 

 

――その瞬間、少女の身体は電柱からずれ、横へと倒れた。

 

 

倒れた途端に美由希は一際大きく震え、恭也に関しても僅かな驚きが表情に混じる。

そしてそのまま呆然とすること数秒後、我に返った恭也は少女へと近づいてその身体をゆっくりと抱き起こす。

するとここに座り込んでから僅かに時間が経っているのか、少女の身体は冷え切っているのが伝わった。

それは拙いと言えば拙い状態……下手にこのままにすれば、凍死の可能性が出てきてしまう。

そのため恭也はすぐに思考を巡らせて結論を出し、少女を背中に背負って立ち上がる。

 

「美由希、悪いがそこの鞄を持ってくれ」

 

「あ、うん……」

 

指差された少女のものだと思われる鞄、それを美由希は頷くと同時に手に持つ。

それを恭也は確認すると少女を背負いなおし、少し早足気味で美由希と共に帰路を再び歩き出した。

 

 

 

 

 

そこまで距離が離れていないためか、歩き出してから程なくして家へと帰宅した。

帰宅した家は今の時間もあってか静かであり、誰もが眠りについているということが容易に分かる。

だがまあ、それが好都合でも不都合でもないため、特に気にもしないで恭也は少女を自室へと連れて行こうとする。

冷えているとは言っても今はまだ致命的とは言えないため、布団に寝かせればおそらくは大丈夫と言えるからだ。

しかし、そうしようとした瞬間に気を失っている少女の口から、ぽつりと短い言葉が漏れた。

 

「お腹……空いた……」

 

寝言にしては非常に器用なものだが、同時に少女がなぜあんな場所で行き倒れていたのかが分かる。

空腹によって歩く気力を失い、あの場所で倒れた。簡単に言えばこういうことなのだと。

まあ、それに関して疑問が浮かばないと言えば嘘になるが、そこからは本人に聞かないと分からない。

そして意図していなかったとはいえ、理由を知ってしまった以上は無視も出来ず、少女を美由希に預けて簡易な料理を始める。

レンや晶ほどではないが、少なくとも美由希が作るよりはまともな料理が出来る故の役割担当だった。

その意図が読み取れたそうでないのか、美由希は少しだけ不満そうな顔をしながらも従い、少女をリビングのソファーへと連れて行った。

 

 

 

――そして、それからおよそ三十分後……

 

 

 

「んぐ、んぐ……ぷはぁ、助かったぁ!」

 

料理の匂いで目が覚めたのか、少女はソファーに寝かされてから二十分程度で起きた。

そして場所が違うことに困惑する中で美由希の説明を受け、納得すると同時に料理が用意されていることに目を輝かせた。

そのことにちょっとだけ美由希は苦笑しながらも、そろそろ出来たかなと少女を食卓(すぐ隣だが)へと案内した。

案内されたそこにて用意されているのは豪勢とは言えないが、それでもそれなりに量のある料理の数。

時間もないということで簡易なものしか作れはしなかったが、少女にとっては用意されているだけでも有難いこと。

それ故に食卓に着くと同時に大げさなまでの礼を言い、同時に了解を得ぬままに箸を取って食べ始めた。

そしてそれから十分して食べ終わり、今に至るというわけであった。

 

「いや、ほんとありがとうございました。見ず知らずの自分を保護してくれたばかりか、料理までご馳走していただいて」

 

「いえ、そんなに感謝されることではないですよ。普通に考えて、あの状況を無視するわけにもいきませんから」

 

「そうすか? このご時世で行き倒れの人、しかも自分みたいなキモイ女を保護しようなんて考える人は少ないと思うんですけど」

 

自分をキモイというところはともかく、確かに少女の言うことはもっともなことでもあった。

行き倒れの人間など今のご時世では極めて少なく、いたとしても見掛けた人が保護する可能性も少ない。

もし保護したとしても相手は少女……邪な理由であるという場合を考えても不思議ではない。

少女がそう思っているのではないかと考えた恭也は、苦笑しながらも弁解しておくべく口を開いた。

 

「大丈夫ですよ……別に貴方を保護してどうこうしようなどとは考えていませんから」

 

「ああ、そこは別に心配してないですよ。それなりに人数の住んでいる家内で暴行とか、普通はないでしょうから」

 

少女の発した言葉によって、恭也と美由希の中で一つの疑問が発生する。

それは、なぜ自分たち以外の人間がこの家にいるということを、少女が知っているのかということだ。

少なくとも家に入ったとき、少女の意識がまだなかったのは恭也も美由希も確認している。

だから靴の数などで確認したということはない。更に言えば、美由希がついていたのだから家内を出歩いたということもない。

ならばなぜ分かるのか……その疑問を顔に浮かべる二人に対して、少女は僅かに笑みを浮かべながら答えを述べた。

 

「台所のほうの棚にある食器の数……あれ、たった二人で住むには多すぎる量ですよね? ここから見えるだけでも大皿は二か三、小皿に関してはそれの倍かもっと上の数……明らかに二人だけで使うには不自然な数です。そして同時に食卓の椅子の数もそうです……ここから考えるに、少なくともお二人以外に三、四人は住んでいると予測できます」

 

「確かに、そうですね……ですが、来客用に揃えてあるという可能性もあったのでは?」

 

「そうですね。確かに可能性的にはそれも考えられます……ですが、だとすればほとんどの椅子やテーブルの各場所に染みや傷があるのはおかしくですか?」

 

少女の言ったとおり、僅かとはいえ各椅子には染みや傷が少しばかり見受けられる。

テーブルに関してもそうだ……だとすれば、少女の言うことは正しい。二人だけならば、各椅子が配置されている場所に早々傷や染みは出来ない。

相当来客が多いという考え方も出来るが、普通に考えればそれらが多く残るほど頻繁に人が来るとは考えにくい。

つまり結論を言うと少女の推測は概ね合っており、二人は感嘆の息を吐くしかなかった。

 

「す、凄いですね……食事に専念してるように見せて、そこまで観察してるなんて」

 

「いやいや、これはもうクセみたいなもんすから。それより申し訳ありません、保護していただいた上にご馳走までされたのに生意気な真似して」

 

「いや、気にしなくていいですよ……聞いている側からしても、中々面白かったですから」

 

「そう言っていただけると有難いです」

 

そう言って苦笑を浮かべる少女に釣られ、恭也と美由希も同じく笑みを浮かべる。

そして恭也は少女の相手を美由希に任せ、空になった食器を持って洗うべく台所へと移動した。

 

「ところで……んっと」

 

「あ、自分は宇佐美です、宇佐美ハル。勇者って呼んでいただけると嬉しいです」

 

「えっと、じゃ、じゃあハルさんと呼ばせてもらいますね。あ、私は高町美由希です。それで台所で食器を洗ってるのが兄の高町恭也です」

 

美由希から紹介された恭也は台所から軽く会釈をし、少女――ハルもそれに同じく頭を下げる。

ちなみにそのとき垣間見えた表情はどことなく不満そう。おそらく、勇者と呼ばれなかったことが不満なのだろう。

そのことに美由希は今一度苦笑を漏らし、先ほど話そうとした用件を改めて尋ねるべく口を開いた。

 

「それでですけど、ハルさんはどうしてあんな場所で行き倒れてたんですか? お腹が空いていたというのはさっきの食べっぷりで分かりますけど、それなら何処かの店で食べれば良かったと思うんですけど」

 

「あ〜、えっとですね、話せば長くなるんですが……」

 

ちょっと深刻そうに言ってくるハルに美由希は身を引き締める。

一体どんな問題を抱えてあんな状況になったのか。それは様子を見る限りではただ事ではないと考える。

だから理由をちゃんと聞いて出来れば手助けをするべく、口にされようとする理由に耳を傾けていた。

 

「財布落としちゃったんですよね、財布。だから、食べようにも食べられなかったんすよ」

 

「……え、そ、それだけですか?」

 

「そうですけど?」

 

「みじかっ!?」

 

思わず突っ込んでしまうほど、理由は簡単で短いものであった。

しかも告げた当の本人は先ほど深刻そうな表情が消え、のんきにお茶を啜っていた。

 

「あ、あの……財布を無くしたにしてはずいぶんと落ち着いてますね?」

 

「慌ててもどうにもなりませんからねぇ。警察にも届けを出しましたし、今思えば大して額も入ってませんから……まあそれでも、全財産ですから見つけたいとは思いますけど」

 

「……失礼ですけど、一体いくら入ってたんですか?」

 

「二千円ですけど?」

 

「……全財産?」

 

「ええ」

 

「少なっ!?」

 

またも突っ込んでしまう美由希。反して落ち着き払っているハル。

全財産が二千円であるからということ故なのだろうが、それでも全財産を失って落ち着いているのはどうなのだろうか。

加えてもし財布が見つかったとして、一体どうやってこれから過ごすつもりなのかも疑問である。

しかしまあ、そこの疑問はとりあえず置いておくことにし、美由希は別の質問をハルへとぶつけた。

 

「ところで、ハルさんがこの街に来たのは旅行か何かですか?」

 

「いや、転校すよ。ですから下宿先も決まってるんですけど、ここから少し離れてますから今日のところは宿を取ろうと思った矢先……」

 

「財布を無くして途方に暮れていたってことですか……って、転校?」

 

「そうすよ?」

 

「えっと、もしかしてハルさんの転校先って……風ヶ丘、ですか?」

 

「よく分かりましたね?」

 

「え、ええまあ……今日来るはずの転校生が来ないって、ちょっと噂になってましたから」

 

実際、下級生のほうでも僅かに噂が流れるほど風ヶ丘ではその話が広まっていた。

転校生は普通初日で遅刻や欠席がほとんどない。だからこそ、異例故に話が広まるのはもっともなこと。

そしてその噂の人物が目の前の少女であると知ったため、美由希としては驚く他ないというわけである。

そんな中でようやく皿洗いを終えた恭也が食卓へと戻り、椅子に腰掛けてハルへと口を開いた。

 

「下宿先が遠い、加えてお金もないということは今日のところは行く当てがないということですね?」

 

「まあ、そういうことになりますねぇ……」

 

「なら、今日のところは家に泊まってはどうですか? 幸い明日は日曜ですから、朝になったら下宿先とやらに案内も出来ると思いますし」

 

「それは自分としては有難い申し出なんすけど……さすがにそこまで迷惑を掛けるわけには」

 

「かといってこのまま出てもまた路頭に迷うだけでしょう? だったら、好意に甘えておいたほうがいいと思いますが?」

 

「……わかりました。では、お言葉に甘えさせてもらうすよ」

 

恭也の言うことは確かであるため、さすがに路頭に迷いたくないハルは頷いた。

その後、ハルの寝床はとりあえず恭也の部屋ということにし、恭也はリビングのソファーで眠ることで一日が終わりへと向かう。

 

 

――これが恭也とハルの、ある意味運命とも言える出会い

 

 

――守るために剣を振るう剣士と、抱く憎しみから“魔王”を追う勇者の物語の始まり

 

 

――ある種奇妙な出会いと言えるそれは、後の奇妙な関係へと繋がっていく

 

 

――しかし今はまだ二人とも、そんなことになるとは思いもしなかった

 

 

――そう……今は、まだ

 

 


あとがき

 

 

短編連作にするにはおかしな終わり方になったなぁ。

【咲】 これじゃあ完全に長編のプロローグの終わり方よね。

長く長編ばかり書いているとこうなるってことかねぇ……。

【咲】 かもしれないわね。

とまあそんなわけで短編連作とするべく書き上げた話。今回は恭也とハルの出会いだ。

【咲】 事件は起こらなかったわね。

いや、ハルとしては財布を落とすという事件が起きたじゃないか。

【咲】 些細な事件じゃない。どうせ見つからず仕舞いか、後になって見つかりましたってな感じでしょ?

そういうことになるな。まあ、今回のはハルにとって重大とはいえ、深刻な事件ではないかな。

【咲】 次から事件が起きていくわけ?

ふむ、そういうことだな。最初は一体どんな事件にすべきか、現在検討中だ。

【咲】 “魔王”に関わる事件も追々出すわけ?

どうするかなぁ……そもそも、“魔王”の目的は前の街でしか果たせないことだから、こっちにいるのは普通に考えておかしいし。

【咲】 確かにねぇ……まあ、そこも追々考えていけばいいわね。

そういうことだな。では、今回はこの辺にて!!

【咲】 また次に会いましょうね〜♪

では〜ノシ




G線上の魔王とのクロス〜。
美姫 「短編連作との事だけれど」
いやー、これからどんなお話が出てくるのか、楽しみだな〜。
美姫 「次回も待っていますね」
ではでは。



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