それは、護り合う心でした・・・
勇気という仮面と、友情という仮面を被った二人の戦士・・・
二つの魂が覚醒する時、全てが爆ぜる・・・
思いという名の力が・・・
リリカル戦記・・・始まります。
リリカル戦記リュウケンドー!!
第八話「剣士と銃士」
場所は異世界の砂漠。そこでは、シグナムがレヴァンティンを片手に巨大なワームのような生物と戦っていた。時間のギリギリまで魔力を集めなければならないため、守護騎士ではシャマル以外の三人が、捜索に出ていた。
「やれやれ・・・こんなバカでかい相手だと・・・カートリッジも足りなくなる訳だ」
シグナムがそう言いながら、残りのカートリッジを確認しようとしたその時、突如地面が砕け、いくつもの触手が出てきたのだ。
「何!?」
シグナムはそれを薙ぎ払おうとするが時既に遅し。触手はシグナムの両腕と両足を縛り上げると、ギリギリとシグナムの身体を引っ張り出す。
「ぐ・・・・ぐああああああああああ!!」
激痛が駆け巡り、身体が引きちぎられそうになった・・・その時!!
「ウルフキー、発動」
『ルナティックウルフ』
突如、聞き覚えのある少女とデバイスの声が響いた。次の瞬間、シグナムを拘束していた触手は何かによって切断され、そのまま生物の身体はバラバラに砕け散った。シグナムがその何かを見ると、そこには銀色の鎧で覆われた月光の狼【ルナティックウルフ】が、その主である・・・フェイトを乗せて立っていた。
「・・・テスタロッサ」
「貴方を・・・止めに来ました」
「決着は・・・しばらく後にしたかったのだが、仕方ない」
そう言うと、シグナムはレヴァンティンをリロードさせ、構えなおす。それを見て、フェイトもルナティックウルフを下げ、ハーケンキーを差し込む。そしてそのまま、二人は互いの間合いを読みあう。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
ジリ・・・ジリとすり足で近づく二人。そして、二人の間合いが丁度重なり合った瞬間、風が消えた。
「やああああああああ!!」
「はああああああああ!!」
シグナムのレヴァンティンとフェイトのバルディッシュが交差する。火花を散らし、砂を巻き上げ、空気を切り裂きながら、どんどん加速していく。そんな中、シグナムが先に弾丸を装填し、魔力を増幅させた。
「紫電・・・・・・・・・一閃!!」
レヴァンティンの刀身に紫色の炎が纏われ、フェイトへと迫る。しかし、フェイトも何も手を打っていない訳ではない。即座にハーケンスラッシャー二発分をバルディッシュに纏わせ、高出力の大鎌もとい斧へと変化させた。
「アックス・・・・・・・・・スラッシャー!!」
二つの刃がぶつかった瞬間、辺りの砂は一瞬にして吹き飛んだ。そしてそのまま鍔ぜり合いが続き、二人が離れた間合いをとった瞬間、シグナムはカートリッジをロードさせ、フェイトはドライブキーを差し込む。
「バルディッシュ・・・」
「飛竜・・・」
そのまま、大気中の魔力を吸いあう二人。そして・・・
「金狼斬り!!」
「一閃!!」
二つの斬撃がぶつかった瞬間、大気・・・いや、世界が揺れた。
「ちっ・・・シグナムがやばいか・・・・手助けにいくか・・・・・・って、アイツ!!」
別世界で行動していたヴィータの目の前には、バリアジャケットを纏ったなのはの姿があった。
「お前・・・」
「お前じゃないよ!な・の・は!!高町なのは!!!」
「うっさい。名前なんかどーでもいいんだよ」
「じゃぁ、君の名前もどうでもいいの?」
「どーでもいいわけあるか!!鉄槌の騎士ヴィータだ!!」
まるでコントにした見えない光景が数分続いた後、なのはがヴィータの説得に入った。
「ヴィータちゃん・・・話してくれないかな?私たちにも、力になる方法があるはずだよ」
「フン、管理局の人間なんざ信用出来るか」
「私は管理局じゃないよ。民間協力者」
「フン、ただのお子様か」
「ヴィータちゃんだって子供じゃなーい!!」
なのはが思わずツッコミを入れた瞬間、ヴィータは鉄球を取り出し、アイゼンで叩き込んだ。それにより、強烈な炸裂音が辺りに音の振動波を発生させる。
それにより、耳を塞いでしまうなのは。
「へん!!逃げるが勝ちだってんだ!!」」
ヴィータはその隙に一気にその場を離れた。
「あっ!!」
『マスター。キャノンキーを差し込んでください』
「分かった!!キャノンキー!!」
なのははレイジングハートの言葉に従い、ホルダーからキャノンキーを取り出すと、それを差し込んだ。すると、レイジングハートの形状が砲撃用へと変化した。
「いくよ。久々の長距離砲撃」
なのはは標準を遠くのヴィータへと向けた。そしてそのまま、トリガーを引く。
「ディバイーーーーーーン・・・・・・・・・キャノーーーーーーーーーーーーーーーン!!」
魔力を凝縮した砲撃が、ヴィータへと迫る。そして着弾した瞬間、大爆発が起き、煙が立ち昇る。
「ちょっと・・・やりすぎちゃったかな?」
『いいんじゃないでしょうか?』
「う〜ん・・・だけど」
『相手も障壁を張っていたはずです。そこまで重傷は負わないかと』
二人が話し合っているうちに、煙が晴れていった。そして晴れたその場を見て、なのはは驚きの表情を見せた。
「あ、あの人って!?」
『クロノ執務官が注意しろといった相手のようです』
そう、煙が晴れたその場には、あの仮面の男が強力な障壁を張ってその砲撃を防いだのである。
「あ・・・・アンタ」
なのはが驚くように、ヴィータもまた驚いていた。そんな中、男がカードを放ち、なのはを拘束したのだ。
「バインド!?しかも、あんなに速く」
「やれ」
「え・・・」
「闇の書を完成させるんだろう・・・ならば、あの者を倒せ」
男の言葉を聞き、ヴィータは頷くと同時に一気に飛び出した。そして、バインドで拘束されたなのはに迫る。
「くっ!!」
「喰らえーーーーーーーーーーーー!!」
なのはもこれまでと思い、目を瞑った。しかし・・・。
―――ガキン
突如、何かがアイゼンを止めたのだ。なのはが恐る恐る目を開くと、そこには・・・。
「また、また来たのかよお邪魔虫がーーーーーーーーー!!」
そう。目の前にいたのは、剣を構えたリュウケンドーだったのだ。
「危ない危ない。ギリギリ間に合ったぜ」
「間に合わなくていいんだよ!!」
ヴィータが吼えながら叫ぶと、一気に間合いを取った。すると、男がヴィータの前に立つ。
「いけ・・・闇の書を・・・完成させろ」
「う・・・・うん」
男に導かれ、ヴィータはその場から姿を消した。そして、リュウケンドーと仮面の男が対峙する。
『リュウケンドー。奴は速度で勝っている。こうなれば、奴の動きを凍らせるぞ』
「おっしゃ!!アクアキー!!」
リュウケンドーはホルダーを回転させ、一つの鍵を射出させて手に取った。そしてそれを、撃龍剣へと差し込む。
「氷結武装!!」
すると、水で出来た龍が渦を巻くようにリュウケンドーに宿る。そして次の瞬間、水の力を宿したリュウケンドー・・・アクアリュウケンドーが立ち上がる。
「見せてやる・・・アクアリュウケンドーの力を!!」
リュウケンドーはそう言って、地面を蹴って駆け出すのだった・・・。
「ハァ・・・ハァ・・・」
「く・・・・やるな、テスタロッサ」
「シグナムも・・・・」
二人は肩で息をしながら、次の一手を考えていた。互いにダメージは多く、出血も長く続いているため、相手を出方を待つ時間が続いていた。
(ソニックフォームで・・・決めるしか)
(シュツルムファルケン・・・・捉えられるか)
互いが決めてを決めようとした、次の瞬間。
―――ズブリ
鈍い音と共に、フェイトの胸部から・・・腕が生えた。
「・・・え?」
フェイトが突如の苦しみに耐える中、フェイトの後ろには仮面の男が立っていた。そして、フェイトの胸部から生える腕はまさしく・・・ソイツのもの。
「テスタロッサ!!・・・貴様、何の真似だ!!」
「闇の書を完成させたいのだろう・・・ならば、奪え」
そう言って、男がフェイトのリンカーコアを摘出しようとした・・・その時!!
―――ターーーーン
突如、男の障壁を打ち抜く弾丸が放たれた。男はフェイトを離してその方角を見ると、そこには・・・・・・剛龍銃を構えたクロノの姿があった。
「・・・貴様」
「僕の妹になるかもしれない娘を・・・よくも傷つけたね」
クロノの恐ろしいまでの眼光が、男を捉える。そして、クロノは意識をクールダウンさせ、自身の相棒に語りかける。
「剛龍銃。僕がアイツに勝てる確率は?」
『以前の敗北も考え、勝率は35%』
「じゃぁ、僕と君とのコンビネーションなら?」
『勝率・・・120%オーバー』
「上出来だ!!」
クロノは答えると、懐から鍵を取り出し、それを剛龍銃へとセットした。そして、そのまま天へと掲げ、彼は叫んだ。
「剛龍変身!!」
クロノの叫びと共に、銃口から真紅の龍が飛び出した。そしてそのまま、クロノの身体へと舞い降りる。そして、クロノの身体は赤い龍を宿した銃士へと・・・姿を変えた。
「魔弾銃士リュウガンオー!!」
遂に、第二の魔弾戦士が降り立った・・・。
あとがき
W「あ〜やばい、更新が遅れまくってしまった(汗)」
剣「確かに。結構遅れてしまったよな?」
W「ほんと申し訳ない。けど、終幕は近いから頑張るさ」
剣「頼むぜ!!」
W「おうw美姫さん、頑張りますので、感想お願いします♪あと、管理人さんも感想よろしく!」
・・・・・・・・
ク「あれ、今回はこういう感じで落ち着いたのか」
剛『では、しめは私たちがとるという事で』
ク「そうだね。では」
剛『次回のリリカル戦記に向かって』
ク&剛「『ドラゴンキャノン!!』」
クロノも遂にその力を発動させる!
美姫 「その力はどのぐらい!?」
終幕へと物語が進む中、闇の書は、騎士たちは?
そして、時折現れる男は?
美姫 「一体、どんな展開を見せてくれるのか楽しみにしてますね」
それでは、次回も待っています。
美姫 「それじゃ〜ね〜」