それは、悲しい想いでした・・・
空を駆け巡り、運命を覆すためぶつかる者たち・・・
想いを砕く凶弾を、少年は凍らせる・・・
新たなる友と共に・・・
リリカル戦記・・・始まります。
リリカル戦記リュウケンドー!!
第六話「駆け巡る運命」
ヴィータたちがなのは達と対峙している頃、はやてとシャマルはスーパーに買い物に来ていた。
「今日は寒いな〜。やっぱり、温かいお鍋に限るな♪」
「そうですね。今日は、ご友人のすずかちゃんも来る事ですし」
「やな♪」
そう楽しく話しながら買い物を済ませて家に戻る最中、シャマルにシグナムからの念話が伝わってきた。
(シャマル)
(シグナム、どうしたの?)
(ヴィータ達だが、どうやら管理局によって結界に閉じ込められたようだ)
(ええ!?大変!!)
(私は今から結界内に突っ込む。シャマル、すぐ来れるか?)
(行きたいけど、はやてちゃんを家に送らな「シャマルさん?」・・・え?)
ふと名前を呼ばれ後ろを振り向くと、そこには笑顔で手を振る剣二の姿があった。
「あ、剣二兄〜♪」
「よ、ちゃんと帰ったぜはやて」
「うん、ウチは信じてたよ〜♪」
そう言って甘えてくるはやての頭を優しく撫でる剣二。
「シャマルさん。はやては俺が家に送りますから、シグナムさんたちを探してきてもらえますか?」
「え・・ええ。分かりました、お願いしますね」
「はいはい♪」
そう言うと、シャマルはシグナムたちのもとへと向かった。それを見送り、剣二ははやての車椅子を押し始める。
「今日は寒いななほんと」
「うん。やっぱりもうクリスマスも近いやろうし」
「だな。・・・お、今日は鍋か?誰か友達が来るのか?」
「うん。図書館で知り合ったすずかちゃんって娘と仲ようなってな♪今日ウチに遊びに来るんよ♪」
「お、そりゃ楽しみだwはやての友達なら、俺も会ってみたいし」
「うん、帰ったら紹介したるね♪」
「おうw」
そして、剣二とはやては家へと向かった・・・。
結界内にて。なのはとフェイトは互いにデバイスを構えたまま、ヴィータたちと対峙していた。
「どうして、闇の書を完成させようとしている理由、教えてもらいないの?」
「フン、そんなデバイスまで構えていて、話し合いを通そうってのがおかしいだろうが」
「・・・私たちは、あくまで話し合いで解決できるならそれでもいい。戦わないで済むほうが・・・出きればいいだけ」
フェイトがそう言っていると、上から結界を破る影が現れた。それがビルに着地したと同時に、フェイトが呟く。
「・・・シグナム」
「テスタロッサ・・・か」
フェイトはシグナムを見据えると、腰のホルダーを回転させ始めた。そして、ホルダーから一つのキーが射出される。
「・・・なのは、シグナムは私がなんとかする。なのははあの赤い帽子の娘を」
「・・・うん。私が勝って、事情を聞かせてもらうんだから」
そう言って、なのはもキーを手に取る。
「シュートキー!!」
「ハーケンキー!!」
「「発動!!」」
なのはとフェイトはそう言うと、互いにデバイスの形状を変化させた。そしてそのまま、上空へと飛び上がる。
「・・・さ〜て、アタシはアンタの相手でもしてやるよ」
アルフが見据える先には、拳を握り締めるザフィーラ。そして・・・。
「行くよ!!前回の借り、今返してやるさ!!」
アルフもまた、駆け抜ける・・・。
「こんばんは〜」
剣二とはやてが家に着いてからすぐに、すずかが家へと遊びにやってきた。
「いらっしゃいすずかちゃん♪」
「うん。・・・えと、後ろの人は?」
「ああ、剣二兄っていって、ウチの従兄弟なんよ」
「初めまして」
そのまま和やかなムードで進み、楽しく談話していた。すると、はやてが押入れからアルバムを持ってきたのである。
「ん、はやてそれって」
「うん♪“剣二兄”のアルバム」
それを聞いた瞬間、剣二は石化した。
「ちょ、ちょっと待て!!何故に俺のアルバムを〜〜〜!?」
「ウチを舐めたらアカンよ。剣二兄の写真を、昔からしっかり集めてるんやから」
「なんですとーーー!?」
「勿論、剣二兄の恥ずかしい写真もあるで〜〜〜♪」
「勘弁してくれ〜〜〜〜」
すずかが苦笑する中、はやてVS剣二の追いかけっこが始まった(笑)。器用な事に、はやてはチューンナップ(何を!?)した車椅子を自在に駆使し、家中を見事に逃げまくった。そして結局、剣二の色んな思い出が暴露されるのだった(苦笑)。
「フン、結局戦るんじゃねえかよ」
「私が勝ったら、話を聞かせてもらうよ。いいね?」
「やれるもんなら・・・やってみろ!!」
なのはに追跡されていたヴィータは振り返り様に、シュバルベフリーゲンを放った。それに気付いたなのはは、ギリギリでそれを回避する。すると、レイジングDハートが語りかけてきた。
『マスター』
「何、レイジングハート?」
『シュートキーの力を使います。“ドラゴンシューター”を唱えてください』
「分かった。ドラゴンシューター・・・・シューーーーート!!」
すると、レイジングDハートの先端から20発以上のドラゴンシューターが発射されたのである。そしてそれは一直線に、ヴィータのもとへと向かう。
「なっ!?だが、そんな数の玉をコントロールなんて出来るかよ!!」
ヴィータがそう言って上に飛んで避けるが、玉はそれぞれ4発分を残して16発がヴィータの周りをグルグルと回って拘束しだしたのである。
『ドラゴンシューターは、アクセルシューターに自動追跡システムを追尾しています。故に、貴方が本気で避けなければいくらでも追尾します。それに・・・』
レイジングDハートが一呼吸置くと、余裕があるように答えた。
『マスターがコントロールすれば、更に速度が上がります』
その言葉に応じるように、なのははアクセルシューターをコントロールするイメージでドラゴンシューターをコントロールする。すると、今までまだ視認出来たドラゴンシューターが、あまりの速さに見えなくなってしまったのである。
「なっ!?こんな事が!!」
「約束だよ。私が勝ったら、事情を聞かせてもらうんだから!!」
そう言って次の瞬間、なのははヴィータの周りを回っていたドラゴンシューターを爆発させた。それにより、辺りには桃色の煙が巻き起こる。
「くそ!!どこだ!!」
煙の中ヴィータが辺りを見回すと、突如ぶわっと一部の煙が吹き飛び、そこからマダンナックルを構えたなのはが姿を見せた。
「ナックルスパーク!!ドラゴンシューターのおまけ付きだよ!!」
そして次の瞬間、残り4発のドラゴンシューターごと、ナックルスパークを放った。ヴィータは障壁を展開するが、防御しきれずに吹き飛ばされてしまった・・・。
「はあああああああああああああああああ!!」
「やあああああああああああああああああ!!
ビル街を交錯しながら、フェイトとシグナムは斬撃をぶつけ合っていた。
「・・・そこ!!」
「甘い!!」
フェイトが一気に接近してバルディッシュを振り下ろすが、シグナムもそれを弾いて回避し、そのままレヴァンティンを振るう。しかしそれも、フェイトは障壁で防ぐ。
「やるな・・・」
「貴方こそ・・・」
フェイトとシグナムは互いに間合いを取った。そして、互いにデバイスのモードを切り替える。
「バルディッシュ・・・ハーケンモード」
『イエッサー』
「レヴァンティン」
『御意』
すると、バルディッシュは高出力の鎌へと切り替わり、レヴァンティンは連結刃へと変化と遂げた。
「プラズマスラッシャー・・・ファイヤ!!」
フェイトはハーケンを連続で振るった。すると、振るった先から複数の光の刃が、シグナム目掛けて放たれた。
「フン!!」
シグナムは連結刃を巧みに振るい、スラッシャーを叩き落す。しかし、その隙を突いて空中へと飛んだフェイトが、上空からハーケンを振り下ろしながら急降下してきた。
「そこ!!」
「くっ!!」
フェイトの刃は左腕の篭手を砕いた。しかし、レヴァンティンの刃がフェイトのマントを切り裂く。
「やるな・・・・テスタロッサ」
「貴方こそ・・・」
「だが、私も引く訳にはいかない。我が主を救うために・・・」
シグナムはそう言うと、元に戻したレヴァンティンを構えて空を駆ける。
「そして、元の日常を取り戻すために!!」
「こんのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
「くっ!!」
魔力を腕に凝縮し、アルフが拳をザフィーラに叩きこむ。
「前は結局うやむやになったけど、今回は負けないよ!!」
「あの剣士がいない今、お前に私を倒せるか?」
「倒せるかじゃない・・・倒すんだ!!」
アルフはそう言って間合いを取ると、腰を深く落とした。
(剣二・・・・アンタから習った技、今使わせてもらうよ)
そう言って、アルフは大地を蹴った。
「鳴神龍神流・・・・・・双牙(そうが)!!」
アルフの拳圧が最大加速になった瞬間、拳に空気摩擦によって出来た炎が出現した。そしてそれはザフィーラの障壁を貫き、ぶっ飛ばすのだった・・・。
その頃、結界外にいたシャマルを、クロノが追い詰めていた。
「抵抗するなら、弁護の機会はある。武装を解除してくれ」
(しまった。どうしよう・・・・このままじゃ)
すると突如、何者かがクロノを蹴り飛ばしたのだ。それによりクロノはそのまま、ビルへと突っ込んでしまった。シャマルが振り向くと、そこには仮面を被った男が立っていた。
「・・・貴方は?」
「使え」
「え?」
「闇の書の力を解放して、あの結界を破壊するんだ」
「でも・・・あれは!!」
「減った分のページはまた集めればいい。とりあえず・・・私が時間を稼ぐ」
そう言うと、男はトンと地面を蹴ってクロノへと向かっていった。
「・・・仕方がない。皆、今から結界を破壊の力を使うわ!!なんとか避けて!!」
「「「応!!」」」
シャマルの念話に皆は答えた。そして、結界の中心からなるべく離れだす。
「闇の書よ。守護者シャマルは命じます。敵を打ち砕く力を、今ここに」
シャマルは一呼吸置き、詠唱を終了した。
「撃って・・・破壊の雷!!」
次の瞬間、天から紫色の雷が落下してきた。しかし・・・突如結界外から雷を防ごうとクロノのツインスレイヤーバスターが放たれ、結界に直撃する寸前でぶつかった。それにより、雷は分散し、複数に別れて結界を破った。
「なっ!?」
「まじい!!」
「く・・・シグナム!!ヴィータ!!」
「え・・・」
「しまった!!」
「なのは!!フェイト!!」
シグナムとヴィータ、なのはとフェイトに雷が迫る。そんな時・・・。
≪・・・ガシャン≫
突如、蒼い影が結界をぶち破った。そして・・・。
「撃龍剣!!氷結斬り!!」
サメ獣王に乗ったリュウケンドーが、撃龍剣から氷の刃を雷めがけて放った。その氷が雷に触れた瞬間、みるみるうちに雷は凍り付いてしまった。しかし、唯一凍らせきれなかった雷が、シグナムへと向かう。
「間に・・・・・合えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
リュウケンドーはギリギリで回り込むと、落ちてきた雷を強引に弾き飛ばし、空へと吹っ飛ばした。
「お前は・・・」
「アクア・・・リュウケンドーだ」
そう言うと、リュウケンドーはアクアシャークと共に、姿を消したのだった。それに連なるように、シグナムたちも撤退するのだった・・・。
「ふぅ・・・なんとかなったな」
「ええ・・・・でもあの仮面の男はいったい・・・」
「んな事より、急がないとはやてを寂しがらせちゃうよ!!」
シグナムたちが家に向かって走っていると、反対側から剣二は走ってきたのだ。
「あ、剣二さん」
「剣二」
「けんじ〜」
「はぁはぁ・・・探しましたよ・・・ほんと」
「ごめんなさい!!中々皆と落ち合えなくて」
「すまなかった・・・」
「ごめん・・・」
「謝るより、今は走りますよ!!レッツらGO―!!」
そして、剣二を追いかけるように皆は走り出した。しかし、何故か皆は剣二の明るさにホッとするのだった・・・。
あとがき
W:「遂に中盤戦だ〜w」
剣:「今回は、アクアリュウケンドーとアクアシャークの登場だぜ」
シ:「助けてくれて・・・感謝する」
剣:「俺は・・・シグナムさんを助けたかった・・・それだけ」
シ:「剣二・・・」
シャ:「シグナム。独り占めはダメですよ〜」
は:「そやで、皆で独占しなあかん♪」
剣:「ちょ、ちょっと待て!!」
W:「・・・ハーレム」
剣:「なっ!?こうなったら、お前が美姫さんに渡そうとしていたラブレ」
W:「GAOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!」
ク:「な、なんだか騒々しいな。仕方ない、今回は僕だ」
デュ:『次回のリリカル戦記にロックオン』
ク&デュ:「ツインスレイヤーバスター!!」
新たなキャラも登場し、これからどうなるのか。
美姫 「アクアリュウケンドーとは、一体」
遂に中盤戦。
美姫 「今まで以上に激しい戦いが始まるのね」
一体、どうなるんだ!?
美姫 「次回も待っていますね〜」
ではでは。