それは、一つの出会いでした・・・
二つの温もりを知り、苦悩する想い・・・
皮肉な運命を変えようと、少年は奮闘する・・・
絆を・・・守るために・・・
リリカル戦記・・・始まります。
リリカル戦記リュウケンドー!!
第四話「家族の温もり」
クロノの目の前には、信じられない光景が映っていた。先ほど自分が放った大量の剣を、炎の刃で一瞬のうちに叩き斬ったのである。
「これが・・・MADANデバイスの真髄・・・【キーシステム】」
クロノがS2Uを向けると、ファイヤーリュウケンドーは撃龍剣を構えなおす。
「さすがだね。MADANデバイスの能力を使いこなすなんて」
「ギリギリだったさ。間一髪撃龍剣が新しいキーを装填してくれなかったら、ただではすまなかった」
「だが、こうして生きているのが現実だ。・・・やはり、投降する気はないんだね?」
「当たり前だ。俺は、俺のやり方で皆を護ってみせる!!」
「ならその決意・・・力として見せてみろ!!」
クロノはそう言うと、S2Uを構えて呪文を詠唱し始めた。すると、先端にエネルギーが集中されているのが目に見えた。
「な、何をする気だ?」
『マズイな。あの者が今から撃とうとしてるのは、二連式の魔導砲だ』
「二連式!?それじゃぁ、一発目を避けた後に追撃がくると?」
『そうだ。この場合、今のファイナルキーでは一発を止めるのが限界だ。こうなれば、相打ち覚悟で新たなる力を使う』
「新たなる・・・力?」
リュウケンドーと撃龍剣が何かを話している間に、クロノはS2Uにエネルギーを充填させていく。すると、リュウケンドーはホルダーを回しているのが見えた。
「・・・何をする気だ?」
クロノが何事かと見ていると、突如リュウケンドーの上空に紋章が浮かび上がり、一匹のサポートアニマル【ファイヤーコング】が出てきたのだ。
「ご、ゴリラ!?」
さすがのクロノも驚きを隠せなかった。そりゃそうだろう、戦闘中に、ゴリラを召喚するバカはそうはいない(苦笑)。
「な、なんだ〜こいつは!?」
『メカ獣王。ファイヤーコングだ。ファイヤーリュウケンドーになっている際に召喚可能な獣王だ』
撃龍剣の説明に、コングがゴンゴンと自分の胸を叩いて吼える。
「・・・ほんとゴリラだな(汗)」
『だからゴリラだと言ってるだろう』
撃龍剣が突っ込みを入れる中、ファイヤーコングはその外見を変え、キャノンモードへと姿を変えた。そしてそのまま、リュウケンドーと合体する。
「こ、これは・・・」
『ファイヤーリュウケンドー【キャノンモード】だ!!あの者の魔導砲に、この力を持って対抗するぞ!!』
「よ〜し!!いくぜ!!」
そう言うと、リュウケンドーは二連砲に魔力を凝縮し始めた。大気に存在する魔力まで吸収し、まさに魔弾が発射されようとしていた。そして次の瞬間、二つの力が・・・激突した。
「ファイヤーキャノン!!」
ファイヤーリュウケンドーの魔弾が放たれ・・・
「ツインスレイヤーバスター!!」
クロノの双魔砲が放たれた。互いの砲撃は一発目まで相殺したものの、二発目はリュウケンドーに直撃、クロノには障壁による緩和ながらのダメージとなった。
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「くぅぅぅぅぅぅ!!」
クロノはなんとかビルの屋上に転げ落ちるで済んだものの、リュウケンドーはビルを幾つも突き破って、姿が見えなくなってしまった。
「く・・・今日のところは引き上げよう。それにしても・・・く・・・なんて強さだ」
そう言って、クロノは傷付いた体のまま姿を消した。そんな中、アルフは吹き飛ばされたリュウケンドーを探し回っていた。
「どこ!!どこなの!!返事しておくれよ!!」
必死になってアルフが探していると、地面に倒れている一人の少年を発見した。アルフがよく見ると、先ほどチンピラから救ってくれた少年だったのである。
「な、なんであの子が・・・よく見たら怪我してるじゃないか!!まったく、なんでこんなに被害者が増えるのよーーー!!」
考えた末に、アルフはフェイトたちのいるマンションへと向かう事にしたのだった・・・。
「ん〜!いい天気になったね〜フェイトちゃん」
「うん。本当に」
なのはとフェイトはマンションのリビングで、お茶を飲みながらまったりと日向ぼっこをしていた。
「とりあえず、今はレイジングハート達の回復を待ってないとね。そうじゃないと、あの赤い帽子の娘にも太刀打ちできないし」
「うん。私も・・・今のままじゃシグナムに負ける」
二人は前回の戦いで、強さの差を知らされてしまったのだ。それゆえに、もう二度と負けないと、心に誓ったのである。そんな中、フェイトの部屋のドアがドンと開かれ、アルフが血相を変えて入ってきた。
「アルフ?・・・どうしたの、その人!?」
「ごめん!!さっきまたアイツ等に出くわして、巻き込まれちゃったみたいなのさ」
「また彼らが!?」
「でも、なんでアルフさんは無事だったの?」
「それが・・・・またあの蒼い剣士に助けられたんだよ」
「蒼い剣士って・・・フェイトちゃんやアルフさんが言ってた、私を助けてくれた人?」
そう、なのはは実際リュウケンドーの事が自分を助けてくれた事を知らず、戦いの後にその事実を知ったのである。
「と、とりあえず!!今はベットに寝かせておこう!!」
「え、えっと・・・救急箱は・・・」
「何か体にいい物って・・・ええと」
三者はそれぞれアタフタしながら、剣二の看病をし始めたのだった。そしてそれから二時間後、剣二は意識が虚ろながら目を覚ました。
「あれ・・・・ここ・・・は・・・・なんか・・・重たいな」
剣二がふと重みを感じ、お腹の辺りを見ると・・・・そこには心配しすぎて寝てしまったアルフの姿があった。
「あ・・・あれ・・・この人って「目が覚めました?」・・・え?」
突然の声が剣二が顔を上げると、そこにはお粥の入った皿を載せたおぼんを持ったなのはと、飲み物の入ったコップを持ったフェイトが立っていた。
「君たち・・・は・・・・?」
「そこに寝ている者の家族です。話は聞きました。アルフを助けてくれて、ありがとうございます」
「とりあえず、お粥食べてください。身体・・・怪我してましたから」
出されたお粥と剣二はかみ締めるようにモグモグと口に運んだ。すると、暖かさが身体に浸透し、ポカポカし始めた。
「・・・うん、凄く美味しいよ」
「ほ、ほんとですか?!よかった〜」
「それほど熱くないんだけど、身体の心まで温まりそうだよ」
剣二が褒めると、えへへと嬉しそうに微笑むなのは。そのまま剣二がお粥と食べ終えると、フェイトが持っていたコップを渡した。香りを嗅ぐと、ほのかに
チョコレートの匂いがした。
「・・・チョコレート?」
「はい。なのははパティシエのお母さんから色々学んでいるので、こういうのは得意なんです。ね、なのは?」
「うん♪」
それを聞き、剣二は無意識になのはの頭を撫でていた。
「ひゃ、ひゃう!?」
「ありがとう・・・助かったよ」
「い、いえ・・・アルフさんを助けてくれた人ですし」
そうは言ってるものの、なのはは顔が真っ赤だった。それを見てて、少し寂しそうなフェイト。すると、もう片方の手でフェイトの頭も撫でた。
「・・・あ」
「君もありがとう。この身体を、手当てしてくれたんだね?」
「は・・・はい」
「本当に感謝する・・・ありがとう」
剣二に撫でられ、幸せそうに微笑むなのはとフェイト。すると、剣二の上で寝ていたアルフが目を覚ました。
「・・・あ・・・・目を・・・覚ましたんだ」
「大丈夫ですか?」
「あ・・・うん。それより、貴方こそ大丈夫なのかい?さっきは酷い怪我をしてたけど、何があったのさ?」
「それが、俺もよく覚えてないんです。気が付いたら、ここにいたって感じですから」
アルフは一瞬だけ、剣二がリュウケンドーではないかと思ったが、剣二の身体からは魔力が発せられてないため、それはないだろうと考えを頭から消した。
「とりあえずさ。しばらくはここに居ればいいよ」
「え・・・でも、俺なんかがいたら迷惑でしょうし、家族の方も」
「でも、まだ身体は治ってないんだし・・・とりあえず、家の人に連絡だけ取ってみたらどう?」
「そうですね・・・ちょっと、電話借ります」
剣二はそう言って電話の受話器をとると、はやての家へと電話をかけた。
『もしもし?』
「あ、はやて?」
『あ〜剣二兄。どしたん?』
「あ〜ごめんな。俺、少しばかり家帰れなくなっちまったわ」
『え〜!いったいどないしたん?』
「ちょっとトラブル巻き込まれちゃってな。大丈夫、二日もすれば帰ってくるから」
『ほんまに?』
「絶対だ。俺が、はやてとの約束破った事は?」
『・・・一度もないで♪』
「うし!じゃぁ、皆にも伝えておいてくれな」
『は〜い♪』
剣二はそう言うと、受話器を置いた。そして振り返ると、三人に頭を下げた。
「そんじゃ・・・少しばかり、お世話になります」
それを聞いた瞬間、三人の表情は明るくなるのだった・・・。
「主はやて、剣二はいずこへ?」
夕食になり、はやてとシグナムたちは夕食を取っていた。そんな中、シグナムがはやてに尋ねたのである。
「ん〜、剣二兄なら野暮用で二日ほど帰らんそうやで」
「そうなんですか・・・残念ですね」
はやての言葉を聞き、がっかりするシャマルとそれに続くシグナム。すると、はやてはピーンといたずら的なひらめきを思いついた(笑)。
「なぁ、シグナムにシャマル」
「なんでしょうか?」
「何、はやてちゃん?」
「二人・・・剣二兄が好きやろ?」
「「なっ・・・・なななななななっ!!」」
全く同じ反応に、はやてから笑みがこぼれる。
「あはは、やっぱり好きなんや〜♪でもあかんで、剣二兄はウチと結婚するんやから」
「あ、主はやて!さすがに結婚というのは・・・」
「だ、ダメですはやてちゃん!!結婚っていうのはちゃんと互いの気持ちとか〜・・・」
完全にパニくり出す二人。そんな中、はやては更なる追撃を続ける。
「でも〜ウチ心広いから、一夫多妻ってものありやね♪」
「なっ!?」
「えっ!?」
「あはは♪顔真っ赤やで〜♪」
完全にはやてに翻弄される二人を見て、ヴィータとザフィーラはため息をつくのだった。
「・・・これがあの、ヴォルケンリッターの将かよ」
「全くだ」
「「はぁ(ため息)」」
ご愁傷様、ち〜ん♪
「へ〜、剣二は剣術をやってたんだ」
「はい。鳴神龍神流って流派で、古来より魔物を倒すための力を得るためのものなんだよ」
「へ〜・・・あの、私にも学べますか?」
「う〜ん・・・正直フェイトちゃんの型と合うかどうかなんだよな〜」
「そうですか・・・」
「でも、教えれるものなら教えてもいいよ」
「あ、ありがとうございます♪」
剣二はフェイトとアルフと一緒に楽しく話していた。それに対し、なのはは帰ってきたリンディやエイミィと一緒に料理を作っていた。
「へ〜、結構かっこいいですね彼」
「ええ。フェイトもなついているし、アルフも凄く楽しそうだわ」
「あれ、そういえば・・・クロノ君は?」
「あ、そうだった。実はね、クロノ君はさっき怪我をして休養中なんだよ」
「えっ!?クロノ君が怪我するなんて、誰と戦ったんですか?」
「あの・・・リュウケンドーって存在よ」
リンディの言葉が聞こえ、剣二は一瞬表情を曇らせる。しかし、すぐに表情を戻し、フェイトたちとの会話に戻った。すると、ついウトウトと眠気が剣二を襲っていた。
「あれ・・・眠い・・な・・・」
「あ、やっぱりまだ身体が完全じゃないのよ。ほら、しっかりやすんでなさいよ」
そう言うと、アルフは剣二の頭を自分の膝に乗せた。そしてそのまま、剣二の頭を撫で始めた。すると、剣二はあっという間にす〜す〜と眠りに落ちてしまった。
「・・・凄いねアルフ。剣二さん、すぐに眠っちゃった」
「疲れてたのよ、きっと」
「でも、羨ましいですよアルフさん」
「え・・・ちょっとなのは?」
「私も・・・」
「フェイトも!?」
結局、なのはとフェイトも剣二に寄り添うように眠ってしまった。それを見ていたリンディとエイミィは苦笑しながら、夕食にラップをかけはじめたのだった。
あとがき
W:「今回は、安らぎという日常を描いてみました。主になのは側だけど」
な:「アルフさんは本当に剣二さんと仲いいですね」
ア:「え・・・いや〜そうでもないけど」
フェ:「アルフ・・・羨ましい」
ア:「お、落ち着いてフェイト(汗)」
W:「ま〜結論。皆剣二が好きって事で」
な&フェ&ア:「(////////)」
剣:「・・・美姫ファン(ぼそ)」
W:「ブチ・・・・・・ド〜ラ〜ゴ〜ン〜キャ〜ノ〜ン〜!!」
剣:「今回は負けないぜ!!魔弾斬り!!」
ドカーーーーーーーーーーーーーン(大爆発)
は:「な、なんやえらい事になってるな〜。でもまぁ、明日は明日の風が吹くっちゅーやつやろな♪」
リ:『次回のリリカル戦記へ向け・・・』
は&リ:「『ラグナロクブレイカー♪』
いやいや、益々ややこしい人間関係が出来上がっていく。
美姫 「まだ、なのはたちははやての事を知らないしね」
今度、これらがどうなっていくのか。
美姫 「楽しみは尽きないわね」
次回も楽しみだー!
美姫 「次回も待ってますね〜」
ではでは。