(注)この話では、デバイスは英語ではなく日本語に略してあるのでご了承ください(作者の力不足ですorz)
それは、一つの奇跡でした・・・
ぶつかる思いを止めるため、己を殺す意思・・・
果て無き悪夢を、少年は切り裂く・・・
ただ・・・皆を助けたいがために・・・
リリカル戦記・・・始まります。
リリカル戦記リュウケンドー!!
第二話「魔弾戦士覚醒」
皆から少し離れた場所で、回復と防御の結界の中にいる少女がいた。名前は高町なのは。いわずとしれた、本編の主人公である。
「あれは・・・・・・・・何?テレビのヒーロー?」
なのははビックリしながら、その戦士を見ていた。そんな中、なのはのデバイス【レイジングハート】が答える。
『マスター。あれは恐らく、我々と同じデバイスです』
「あ、あれもなの?」
『はい。ただ、あの外見などを構築するシステムは、私も知りません』
「レイジングハートも知らないデバイスなんて・・・・一体・・・」
なのはは心配そうな表情で、上空を見続けるのだった・・・。
「リュウケンドー・・・」
「それが、貴方の名前・・・」
フェイトとシグナムは、突如現れた存在に戸惑っていた。そんな中、シグナムが先に動いた。
「管理局の者か?」
「管理局?そんなもんは知らねえ。俺はただ、そこにある悲しみを食い止めるために来た!!」
リュウケンドーはそう言うと、撃龍剣をシグナムに向けた。
「貴方を止める。こんな悲しみを、作らせるものか!!」
「出来るならやってみろ!!レヴァンティン、カートリッジロード!!」
『御意!!』
シグナムの言葉に答えるように、レヴァンティンに弾丸が装填された。それにより、レヴァンティンから強大な魔力が放たれ始める。
「さて、初戦闘だ。気合入れるぜ!撃龍剣!!」
『応!!』
撃龍剣が答えると同時に、リュウケンドーが動いた。空を斬るように加速し、そのまま刃を振るう。
「どりゃああああああああああああああああああああ!!」
「なんの!!」
リュウケンドーとシグナムの振るった刃が交錯すると、魔力の反発が起きた。それも一度二度ではなく、剣撃が繰り返される度にである。
「ちぃ!!剣撃が重すぎる!!」
『油断するな!!来るぞ!!』
撃龍剣の指示通り、シグナムはリュウケンドーを弾き飛ばし、レヴァンティンに炎を宿らせる。
「レヴァンティン!!叩き斬れ!!」
『了解!!』
「撃龍剣!!ぶっ飛ばせ!!」
『分かっている!!』
双方は互いの相棒とシンクロすると、まるで噛みあうような剣撃をぶつけ合う。レヴァンティンが迫れば撃龍剣でいなし、撃龍剣が振るわれるとレヴァンティンで弾く。まさに激闘と言っても過言ではないだろう。
「く・・・こちらが不利か」
「なら止めるか?」
「騎士の誇りにかけ、倒すまで」
「なら、こっちも全力で・・・ん?」
リュウケンドーはふと視界に、オレンジ色の髪の女性もとい使い魔【アルフ】と、銀髪の男性もとい守護獣【ザフィーラ】が拳をぶつけ合っているのが見えた。その戦いの中で、銀髪の男性が女性の頬をぶっ叩く場面が見えた。
「・・・すまん。ちょっと待ってくれるか?」
「逃げる気か!」
「誰が逃げるか!!貴方みたいなマジな騎士から逃げるのは恥。だが、あそこにいる男はどうだ!!」
リュウケンドーが指さした方向をシグナムが見ると、そこでは相変わらずアルフが不利な状況だった。
「ザフィーラがどうした?」
「ザフィーラっていうのか・・・・・あの野郎、女の肌に傷つけやがって!!女の肌は大事なもんだって事、分からせてやる!!」
リュウケンドーはそう言うと、二人が戦っている方向を向いた。そんな中、背中をシグナムに向けながら、一言告げる。
「五分だけ待っていろ。あの男の性根、叩きなおしてやる!!」
リュウケンドーはそう言うと、アルフとザフィーラがいる方向へと向かった。それを呆然と見ていたシグナムは、クスっと笑いながら呟く。
「今の時代。あそこまで熱き魂を持っている者がいるとはな。気をつけろザフィーラ、負けるぞ・・・」
そう言い、不敵に笑うシグナム。
「主のためだが・・・私の騎士道が疼く以上、待つべきだろう・・・」
「いっつ〜。やるじゃないアンタ。女の顔を兵器で殴れるなんてね」
「男女は関係ない。我は、主のために戦うまで」
「言ってくれるじゃない・・・・確かにアタシも、それには同「却下!!」・・・え?」
アルフが全てを言い終える前に、突如二人の間に何かが落下した。そこには、ザフィーラに向けて刃を向けるリュウケンドーがいた。
「あ・・・・アンタはフェイトを助けてくれた」
「静かに。傷に触る」
「あ・・・・え・・・・・」
アルフが混乱している中、リュウケンドーはザフィーラに目掛けて叫ぶ。
「テメエ何考えてやがる!!顔は女の命だぞ!!それを淡々と殴り飛ばすとは、男の風上にもおけねえぜ!!」
「そんなものは関係ない。我はあくまで」
「そんな理屈はどーでもいいんだよ!!」
リュウケンドーは撃龍剣を地面に突き刺しながら、ザフィーラを指差す。
「撃龍剣。アイツとは拳でやる・・・手出しするな」
『一本気な性格だな。だが、それでこそ私の相棒にふさわしい』
「んじゃ、ちょっと待ってろ!!」
そう言うと、リュウケンドーは拳を握り締めた。それにより、ボキボキを音を鳴らす。そして、そのまま地面を蹴って駆け出した。
「ウオりゃああああああああああああああああああああ!!」
「ぬあああああああああああああああああああああああ!!」
リュウケンドーの拳と、ザフィーラの拳が激突した。それにより、周辺のビルのガラスが軽々と弾け飛ぶ。しかしそんな事も気にせず、リュウケンドーは連続で拳を放ち続ける。それも、一発打つ度にその威力は上昇していく。
「テメエなりの使命があるから、信念貫くっての認めてやる。だがな・・・・女を傷つける奴は、俺が絶対に許さねえんだよ!!」
想いが力を増幅させ、ついにリュウケンドーの拳がザフィーラを捉えた。
「ぐ・・・がはっ!!」
リュウケンドーの放った渾身の一撃は、ザフィーラの頬に叩き込まれた。それにより、ザフィーラはビルをいくつも突き破って吹っ飛ばされた。
「倒しはしない。俺はあくまで、戦いを止めるだけだ」
リュウケンドーはそう言って、呆然とその戦いを見ていたアルフに近づいた。
「大丈夫ですか?」
「え・・・ええ。なんと・・・痛っ!」
アルフは立ち上がろうとするが、足の痛みで座り込んでしまった。おそらく、先ほどのザフィーラとの戦闘によるものだろう。
「・・・よし」
「え・・・・えええ!?」
何かを決意したリュウケンドーが起こした行動は、座っているアルフを抱きかかえる(お姫様だっこ)というものだった。突然の行動に、さすがのアルフも顔を真っ赤にしながら慌てる。
「ちょ、ちょっと!!」
「動かないで。無理をすれば、足を更に痛める」
「け、けどさ」
「傷つくのを、見たくないから・・・」
アルフはリュウケンドーの仮面の奥に、何かしらの悲しみを感じた。それにより、アルフはふっと力を抜き、リュウケンドーの首に手を回した。
「しょ〜がないわね。アンタに任せるよ」
アルフの言葉を聞き、リュウケンドーはタンと地面を蹴った。そして、フェイトがいるビルの屋上まで跳躍する。
「アルフ、大丈夫!?」
「大丈夫。なんか助けてもらっちゃったからさ」
そう言って、照れながらリュウケンドーに視線を向ける。それを見て、自然とフェイトの表情も緩む。
「アルフを助けてくれて、ありがとうございます」
「いいって。あ・・・そろそろ五分だな。じゃ、決闘の続きにいくんで」
そう言って、リュウケンドーは再びシグナムのいる方向へと跳んだ・・・。
「待たせたな」
「いや、ちょうどだ。それにしても、本当にザフィーラを倒すとは」
「倒してないぜ。俺はあくまで、戦いを止めるだけだ」
律儀に待っていてくれたシグナムに礼を言うと、リュウケンドーは再び撃龍剣を構える。
「いくぜ・・・・アンタを止めてみせる!!」
「面白い!!出来るなら・・・やってみせよ!!」
そう言って、二人は再びぶつかり合おうとした次の瞬間、突如とある方角から魔力の凝縮が感じれた。二人がその方向を見ると、そこにはボロボロのレイジングハートを構えるなのはの姿があった。
「何をする気だ」
「分からねえ・・・・けど、嫌な予感がする」
リュウケンドーがそう感じた次の瞬間、突如なのはの身体を貫いて、一本の腕が出現したのだ。それにより、息を吐くことすらままならないなのは。
「・・・シャマルか」
「何!!撃龍剣!!」
『探知した。4時の方角にあるビルの上だ!!』
撃龍剣のいう方角を見ると、ワームを作り出して手を入れている女性が立っていた。その手は、まぎれもなくなのはの身体を貫いているものであった。
「やり方があんまりだろうが・・・」
突如、リュウケンドーの身体からもの凄い闘気が溢れ始めた。それにより、さすがのシグナムも動きが取れない。
「ちいさな女の子の身体を貫くなんて、あんまりだろうがーーーーーー!!」
リュウケンドーの想いに呼応するように、撃龍剣が答える。
『リュウケンドー、マダンナックルだ!!』
「おっしゃ!!ナックルキーを!!」
『任せろ!!』
リュウケンドーの腰に付属していたホルダーが、撃龍剣の意思により回転をし始めた。そしてそこから、一つのキーがパシュンと射出され、リュウケンドーの手に収まる。
「ナックルキー!!」
リュウケンドーは、撃龍剣にナックルキーを差込み、装填した。それにより、撃龍剣にナックルキーに込められたデータが送信された。
『マダンナックル』
撃龍剣は姿を変形させると、龍の顔をしたナックルへと変わった。リュウケンドーはそれに魔力を最大限に凝縮すると、それをシャマルの操っているデバイスに向ける。
「倒しはしない・・・・けど、小さな女の子まで巻き込むなんて許せねえ・・・・それに、あんな酷い行動を起こした事が許せない!!」
リュウケンドーに右手に装備されたマダンナックルは、シャマルのいる方向めがけて、凝縮された魔力を射出した。
「喰らえ!!ナックルスパーク!!」
放たれた魔力は、一直線にシャマルへと向かう。しかし、間一髪で障壁を展開したザフィーラが前に立ち、それを防いだ。
「ザフィーラ・・・」
「引くぞシャマル。今は・・・・明らかに我々が不利だ」
「・・・そうね。シグナム、ディータちゃん。引くわよ」
シャマルの言葉を受け、騎士たちは結界を解除した。そしてそのまま、どこかへと消えていった。消える寸前、シグナムはリュウケンドーに一言告げた。
・・・「次こそ、正々堂々と戦おう」と。
「やれやれ・・・なんとか止めれたな」
『ああ。初戦闘にしては、上出来だ』
「サンキュ・・・さて、正体がバレる前に逃げますか」
リュウケンドーはそう言うと、なのはたちにバレないように姿を消したのだった・・・。
「う〜ん、剣二兄遅いな〜」
はやては外を見ながら、従兄弟が来るのをずっと待っていた。それを見ていたシグナムたちの表情は、あまり浮かないものだった。
(何かあったのだろうか・・・こうなったら、私だけでも探しに・・・)
シグナムが考えていると、ピンポーンとインターホンが鳴った。それを聞き、はやては車椅子を動かしてドアの前に立ち、ドアを開いた。すると、そこには大好きな剣二兄が立っていた。
「剣二兄〜♪」
「はやて〜。久しぶりだな〜♪」
剣二ははやてを抱き上げると、そのままリビングまで連れて行った。それを見た皆は、安堵の笑みを浮かべた。
「はやてちゃんの従兄弟さんですね。私、シャマルといいます」
「アタシはディータだ。名前忘れんなよ」
二人が自己紹介を終えると、そのまま剣二歓迎会が始まった。そんな中、剣二とシグナムは目を合わせると、互いに微笑み合うのだった・・・。
あとがき
W:「第二話書き上げました〜」
剣:「我ながら恥ずかしい台詞言いまくってるな〜(赤面)」
シ:「まぁ、それがお前のいいところだがな」
ア:「そ〜よね〜♪まさに男よね」
W:「いや〜もてもてだな(邪笑)」
剣:「ぐ・・・・あ!美姫さ〜ん。この作者、貴方が可愛いって言ってましたよ〜」
W:「なっ!?それ言うなって言ってただろうが!!こうなったら・・・」
剣:「ちょ、ちょっと待て!!いきなりリュウガンオーになるのは反則・・・ぎゃーーー」
・ ・ ・ ・ ・
な:「な、なにやらリュウケンドーVSリュウガンオーの特別バトルが展開されちゃいました(汗)。それでは皆さん、また次回会いましょう♪」
RH:『来週のリリカル戦記に向かって・・・』
な&RH:「『スターライトブレイカー♪』」
weyさん、目は大丈夫です……ぶぼらぁっ!
美姫 「うふふ♪ ありがと〜。いや〜、やっぱり分かる人には分かるのよ」
ピクピク……。
美姫 「この隠し切れない可憐さが」
……か、可憐な少女は、拳一つで人間をふっ飛ばさないとおも……ぶべらっ!
美姫 「うふふ♪ アンタは黙っててね」
……ピクピク。
美姫 「さて、無事(?)に八神家へとやって来た剣二」
勿論、互いの正体には気付いていない。
美姫 「シグナムの顔は見ているんだけどね」
それはお約束だよ。
美姫 「って、何普通に会話してるのよ!」
な、何で怒ってるんだよ。
美姫 「アンタ、さっきまで気絶して痙攣してたのに」
美姫、人間っていうのは、慣れの生き物なんだよ。
美姫 「慣れっていう問題じゃないわよ。まあ、アンタのソレは今に始まった事じゃないけど」
ふっ。
美姫 「いや、褒めてないからね」
ま、まあ、次回も気になるところかな。
美姫 「本当に。どんな展開を見せてくれるのかしら」
次回も楽しみに待っています。
美姫 「それじゃ〜ね〜」