()この話において、はやての家族構成に多少の変化があります。それをご了承の上で、お願いします。

 

 

 

それは、小さな願いでした・・・

 

 

 

二つの思いを知り、苦悩する意思・・・

 

 

 

そんな中、少年は突き進む・・・

 

 

 

二つの思いを壊したくないから・・・

 

 

 

リリカル戦記・・・始まります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リリカル戦記リュウケンドー!!

第一話「剣は振り下ろされた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は夕暮れ。とある家のポストに一通の手紙が届いていた。それに気づいたのか、家のドアが開き、車椅子に乗った少女が出てきた。そして、そのままポストを開き、手紙を手に取る。

 

 

「あれ、ウチに手紙がきてる。誰やろ・・・あ!!剣二兄(にぃ)が来てくれるんや!!半年後が楽しみや〜♪」

 

 

少女は嬉しそうに手紙を抱きしめながら、家に入っていった。その夜、壮大な運命に巻き込まれるとも知らずに・・・少女の名は、八神はやて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は流れ半年後。海鳴市に一人の少年がやってきた。ツンツンとした髪に蒼い瞳、青いジャンパーを羽織り、背中には竹刀袋を背負っていた。

 

 

「ここが海鳴市か〜。懐かしいな〜」

 

 

少年は辺りをキョロキョロしながら見ていると、ふと八百屋の前に立っている一人の女性が目に入った。長い赤髪をポニーテールにし、ジャケットを纏っていた。

 

 

「う〜む、主は青森のリンゴと言ったが、長野の方が安い・・・さて、どうするべきか・・・」

 

 

よく見ると、女性はリンゴを見ながら考え込んでいた。それを見た少年は、すっと八百屋の前に立った。

 

 

 

「おやっさん。この人にリンゴ半額で売ってやってくれよ」

「ん・・・どっかで聞いた声・・・」

 

 

店の主が少年の方を見ると、驚きの声を上げた。

 

 

「おお!剣二じゃねえか!!」

「お久しぶりっス」

「何年ぶりだろな〜お前がくるのは、あの娘も会いたがってる

ぜ」

 

 

剣二と店長は軽く雑談をした後、店長からリンゴを奢ってもらった(再会を祝して)。そしてそのリンゴを一個抜かして、隣りで悩んでいた女性に渡した。

 

 

「どぞ」

「いや、見ず知らずの私に渡すというのは・・・」

「困った時はお互い様ってやつっスよ」

 

 

剣二がずずいとリンゴを差し出すと、女性は参ったような表情でリンゴを受け取った。

 

 

「分かった。このリンゴ、ありがたく受け取らせてもらう」

 

 

それを聞き、笑みを浮かべる剣二。

 

 

「剣二、ここで油売ってないで、はやてちゃんに会いに行ってやれよ」

「う〜っす」

 

 

店長にせかされ、剣二は店を後にした。すると、先ほどの女性に呼び止められた。

 

 

「もし、一つ尋ねてもいいだろうか?」

「え、なんスか?」

「貴方が会おうとしているのは、八神はやてでは?」

「そうだけど・・・貴方は・・・」

 

 

剣二が尋ねようとした時、突然どこからか悲鳴が上がった。

 

 

 

 

 

 

「キャーーーーーーー!!ドロボーーーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

女性の声が響くと共に、前方から鞄をひったくった男がどかどかと走ってきたのだ。剣二の隣りにいた女性が動こうとするが、それより先に剣二が走ってくる男の前に立つ。

 

 

「鳴神龍神流の・・・」

 

 

少年が背中に背負っていた袋から、突如木刀が飛び出す。そしてそれは、自然と剣二の手の中に納められた。

 

 

「剣の冴え・・・・・」

 

 

左足を前に、右足を後ろに置いて踏み込む。

 

 

「思い知りやがれ!!」

 

 

そして次の瞬間、右足を前に持っていくと同時に、刃を思いっきり振り上げ、そのまま下ろした。そしてそれは、見事男の頭に打ち付けられた。それにより、男はふら〜んと地面にぶっ倒れてしまった。

 

 

「峰打ちだ、安心してお縄につきやがれ」

 

 

少年はそう言うと、再び女性の方を向いて、こう言った。

 

 

 

 

 

 

「従妹を知ってるなら名前言ってもいいよな。俺は八神剣二、はやての従兄弟だ」

 

 

 

 

 

 

これが、剣二と守護騎士シグナムの出会いだった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、時空管理局戦艦アースラ。その中で、艦長であるリンディ・ハラオウンはため息をついていた。

 

 

「はぁ〜」

「どうしたんですか、艦長?」

 

 

肘をついてため息をつくリンディに、一人の女性がお茶を持ってきた。女性の名は、エイミィ・リミエッタ。アースラのクルーの一人である。

 

 

「あ、エイミィ。ありがとう」

「どうしたんですか本当に?ボンヤリしてますけど」

「え〜とね・・・これ見てくれる?」

 

 

リンディはそう言うと、あるボタンを押した。すると、スクリーンの一つが切り替わり、ケースに収められたデバイスを映し出した。

 

 

「あ、これってもしかして!今度導入を考えられているデバイスでしたよね?」

「そうよ。通称【MADAN】デバイス。デバイスにキーを差し込む事で、臨機応変に能力を切り替えられる、新型のデバイス」

「でも、これってまだ適合者が見つかっていないんですよね?」

 

 

エイミィの言葉に、リンディが頷く。

 

 

「ええ。実際優秀な魔導師が握っても何の反応もしないわ。何しろ、私の息子のクロノでさえ発動できないようだし」

「クロノ君でも適合しないなんて・・・もしかして、またなのはちゃんみたいな民間人が適合者だったりして」

「ふふ・・・それもありといえばありよね♪」

 

 

 

 

 

 

そう言って、笑いが木霊する。この二人の言葉が、後に現実になる共知らずに・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へ〜、シグナムさんははやての家に居候してるんすか」

「まぁ、それに近いようなものだな」

 

 

二人ははやての家に向かって歩きながら、はやての話をして楽しんでいた。そんな中、ビル街の方角で光が上がるのを見て、シグナムが表情を変えた。

 

 

「すまない、先に帰っていてくれ。すぐに戻る」

「え・・・ええ?」

 

 

剣二が混乱している間に、シグナムはビル街へと駆け抜けていった。それを見た剣二は・・・。

 

 

「先に帰れといわれて、黙って帰る訳ないじゃんかよー!!」

 

 

やっぱりお約束通り、帰るどころかシグナムを追って走り出すのだった。しかし、ビル街に来た時にはシグナムの姿を見失っていた。

 

 

「どこ行ったんだろ・・・・ん、何だあれ?」

 

 

剣二がふと空を見上げると、黄色い光の鎌を持った金髪の少女と・・・・甲冑を着て剣を構えたシグナムの姿が見えた。

 

 

「し、シグナムさん!?何であんなところに・・・てか、なんで浮いてるんだ!?」

 

 

剣二がビックリしている中、二つの影は交錯する。金髪の少女が大きく鎌を振るうと、剣で受け流しながら一閃する。攻防がどんどん激しくなる中、金髪の少女が、黄色の光球を作り出し、シグナムへと放った。しかし、それはシグナムの甲冑により防がれ、弾きとんだ・・・・が、一つが流れ玉となり、剣二のもとへと飛んできたのである。

 

 

 

 

 

 

「う、嘘だろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

剣二が逃げる間もなく、光球は衝突した。それにより剣二は吹き飛ばされ、ビルの壁にめり込んでしまった。

 

 

「がはっ!!・・・・なんか・・・ついてね〜な・・・」

 

 

意識が朦朧とする中、剣二はぼやけて見えるシグナムたちを見ていた。すると、突如彼の心の中が疼き始めた。

 

 

(傷付けあう戦いなんて・・・俺は嫌だ!!あの少女も、シグナムさんも!!傷付くなんて絶対嫌だ!!俺が双方の敵になってもいい・・・だから、俺に戦いを止める力を!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「た、大変です艦長!!」

「どうしたの、エイミィ?」

 

画面を見ていたエイミィが声を上げたのを聞き、何事かと驚くリンディ。

 

 

「ま・・・MADANデバイスが、突如転送を開始しました!!」

「な、なんですって!!転送先は!!」

「それが・・・・今、通信にジャミングが入っているなのはちゃんたちのところです!!」

「・・・・・まさか、あの世界で誰かがデバイスに共鳴したというの!!」

 

 

リンディが驚いている中、MADANデバイスは転送過程をコンプさせると同時に、バチバチと火花を散らし始めた。そして、そのまま時空を歪ませると同時に、デバイスは転送された・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――キラン

 

 

突如、空に一つの光が輝いた。そしてそれは、流れ星のように落ちてくると・・・・・剣二にめがけてどんどん加速し始めていた。

 

 

「お〜い・・・まさか、俺に向かって落ちてくるんかーーーーーー!!」

 

 

予想通り、剣二に向かって光は落下した。パラパラと瓦礫の破片が舞う中、剣二の手には、黄金の龍の紋章が彫られたデバイスが握られていた。

 

 

「こ・・・これは」

『お前が、私を呼んだのだ。八神剣二』

 

 

突如デバイスが喋った事に、剣二は驚きの声を上げる。

 

 

「しゃ、喋った」

『細かい事はいい。八神剣二、私を引き抜いてキーを差し込め』

「は、はい!?」

 

 

突如の事にどうすればいいか混乱する剣二。しかし、デバイスが発した次の言葉で、全てが切り替わった。

 

 

『あの二人を止めたいのであろう。ならば、私がお前に力を貸す』

「と、止められるのか!?」

『それは、お前次第だがな』

「な、なんだってやってやる!!誰かを救えるなら、戦ってやる!!」

『その心意気、気に入ったぞ!!』

 

 

デバイスはそう言うと、突如輝き始めた。そしてその姿は、デバイスから剣へと形状を変えたのだ。

 

 

「これは・・・」

『このキーを差込むんだ』

 

 

宙に浮くキーを取り、デバイスに差し込んだ。そんな時、剣二はふと思った事を口にした。

 

 

「なぁ、お前の事・・・なんて呼べばいいんだ?」

『私か・・・私の名は・・・・・・撃龍剣(げきりゅうけん)と呼んでくれ』

「よし・・・・行くぜ、撃龍剣!!」

『応!!』

 

 

そして・・・・キーの力を発動した・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私はベルカの騎士。ヴォルケンリッターが【シグナム】。そして我が剣、レヴァンティン・・・お前の名は?」

 

 

シグナムが少女に尋ねると、少女は立ち上がりながら答えた。

 

 

「ミッドチルダの魔導師、時空管理局嘱託、【フェイト・テスタロッサ】。この子はバルディッシュ」

 

 

そう言い、バルディッシュを構えるフェイト。それを聞き、不敵な笑みを浮かべながらレヴァンティンを構えるシグナム。

 

 

「行くぞ!!」

「・・・こい」

 

 

二つがぶつかると思われた次の瞬間、突如一本の剣が回転しながら飛来し、二人の間をすり抜けた。二人が間合いを取ったのを確認したように、剣はヒュンヒュンと回転し、主らしき者のもとに戻った。

 

 

 

―――ビルの上に立つ影。

 

 

 

―――蒼き魔法服に、白き甲冑

 

 

 

―――右手には、先ほど投げた剣

 

 

 

―――そして顔には、剣を思わせるような仮面

 

 

 

「貴様・・・何者だ?」

「誰・・・?」

 

 

シグナムとフェイトが投げかける中、仮面の戦士はゆっくりと答えた。

 

 

「誰って尋ねられた以上、答えるのが礼儀だよな」

 

 

その声に、シグナムは聞き覚えがあった。

 

 

 

 

 

 

「俺は光と共に生まれし龍!!闇に蠢く魔を叩くために存在する者!!」

 

 

 

 

 

 

魂の響きと共に、戦士は名乗る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の名は・・・・リュウケンドーだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、全ての運命に新たな風を巻き起こす者が舞い降りた。

 

 

 

 

 

 

 

 


あとがき

 

剣:「は〜、やっちまったな〜」

W:「遂に始まっちゃいましたね()

シ:「そんな調子で大丈夫なのか?」

W:「大丈夫。話がややこしくなったら剣二とシグナムがラブラブって方向にするから」

シ:「なっ!?そこに直れ!!レヴァンティンの錆にしてくれる!!」

W:「ギャーーーー!!」

剣:「こんな調子で、話は次回に続きます()

 

 





投稿ありがとうございます。
美姫 「ございます〜」
という訳で、リュウケンドーとのクロスな訳ですが…。
美姫 「アンタ、元ネタ知ってるの?」
これがまた知らないんだな。
でも、その辺りも大丈夫そうだぞ。
美姫 「確かにね。それじゃあ、次回も楽しみに待ってましょうか」
おうともさ。
美姫 「それでは、次回で〜」
ではでは。



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