とらいあんぐるハート3

Schwert und Gewehr(剣と銃の饗宴)』――das schmutzige Weltende(終末の穢土)――

GUARD OF 3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「脅迫された?」

 

 ロンドンからすでに1時間以上、エリスが運転する――シュペリーは戦闘技能はない職員だから来ていない――車中にいる。

 昨日の護衛訓練のことなどを話していたが、話はそろそろと今回の仕事のことに。

 

「ああ。クライアントの下に脅迫状が送りつけられたらしくて」

 

 護衛訓練に関しては、やはりエリスの予想通り、恭也は難なくこなしていた。

 元々恭也も御神流も『護る』ことに重点を置いた剣士であり剣術であり、護衛こそ本分とも言っていいわけだから、それも当然と言うべきだろう。

 ただ違うのは、エリスたちがどこまでも守備に回るようにする辺りを、恭也はたまに攻勢に出ることもあるということか。

 

「警察の方には?」

「いや、話してないらしい」

 

 護衛訓練の内容は先日の、かなり無茶苦茶な設定とは違い、普通の護衛任務。

 車から出るときの護衛方法を見たり、遠方からの狙撃への警戒などなど……。

 その辺りもエリスにすれば、1年前のフィアッセ護衛の際に見ているためわかりきっているので、

 これもまた、他の者に恭也の腕を確かめさせることと、恭也がマクガーレンのSPたちと息を合わせられるようにする辺りが目的だった。

 

「妙な依頼だな。脅迫状が来たとなればれっきとした脅迫罪が成立する。犯罪行為だ」

「そうだ。フィアッセの時も、警察には当然話していた。だが今回のクライアントは私たちにも言わないように念を押してきている」

 

 そして護衛訓練から数日後。すでにいくつかの正式な仕事もこなしてきた恭也は、エリスと2人だけで新たな仕事に就いていた。

 エリスから教えられるクライアントについての話には、胡散臭さがこの上なく漂う。

 マクガーレンが如何にプロの警備会社と言えど、あくまで民間企業であり、警察のような特権が与えられているわけではない。

 犯人を捕まえた所で逮捕とは言わないし、警察に犯人を渡さないとならない。

 犯罪を知って警察に言わなかったら、マクガーレン社とて法律で裁かれる。

 

「……裏がありそうだな。そのクライアントには」

 

 正面に向き直りながら厳しい表情で呟く恭也。フロントガラスに映る彼の顔を視界に入れたエリスもまた、重く「ああ」と一言だけ返す。

 要するに、警察に知られたくないということは、クライアントは脅迫されるような行いをしたことがあるということだとか、

 知られれば自分も罪に問われるようなことになるとか、そういう事情がある。

 少なくとも恭也やエリスはそう考えている。

 

「だが私たちはあくまで警備やボディーガードが仕事だ。警察のような捜査権や逮捕権はない。だからそこまで調べることはできない」

「とは言え、調べられることは調べたんだろう?」

「ああ、ちょっと待って…………これを見ておいてくれ」

 

 信号で止まったので、エリスは持ってきていたカバンの中からファイルを取り出し、それを恭也に渡した。

 再び走り出す車の中、恭也はファイルを開いてバインダーに挟んである資料に目を通す。

 

「アンソニー・リゲット、42歳。宝石や骨董品の鑑定を生業とする、か……」

 

 住所はかつて条約名となったことで日本でも有名なポーツマスから少し離れた郊外の山中。

 家族はおらず、両親は健在のようだが、実家はポーツマスから遠く離れたスコットランド地方にあって、関係は冷め切っているとのこと。

 付近に住民という住民はおらず、彼に関しての情報もあまり聞けず、

 彼に鑑定を依頼する者に聞いても、「腕は確かだが仕事以上の付き合いはない」とのこと。

 

「黒い噂も立ちようがないか、これでは」

「ああ。人付き合いがないし、せいぜい人嫌いなんだろうって程度だ」

 

 噂なんてものはある程度その人のことを知らないとならないわけだが、

 ほとんど姿も見ないし、そもそもそんな人がいたこと自体知らないと言う住民たちでは、まず話のタネにもならない。

 

「宝石や骨董品のコレクターらしいみたいなことが書いてあるが……」

「ちょっとしたコレクターたちの間では名前が上がってる。でも彼らに聞いても、顔を会わせたわけじゃなく、ネット上で知り合っただけらしい」

「……宝石や骨董品の鑑定人にして、同じものを集めるコレクターか……」

「多分、その辺りに裏がありそうなんだけどね」

 

 例えば、鑑定して欲しいと依頼されたものを偽物とすり替え、本物を自分のものにしてしまうといったことが考えられる。

 とは言っても、鑑定を依頼したものを失くされたことや転売されたようなことはないと、依頼した者たちは口を揃える。

 

「彼らも徒党を組んでいるという可能性は?」

「ないと思う」

 

 依頼した者たちはごく普通の宝石商だったり美術商だったりで、特に怪しいところはない。

 そもそも鑑定する際には必ずアンソニーの方から依頼人の下に来るため、偽物とすり替えることなどそうはできないとのこと。

 

「裏があるかどうかはともかく、表面上はトラブルもない。仕事上の信頼は固い」

「ただ妙に自分のプライバシーにはこだわるタイプか」

「そう。鑑定を依頼しても彼からやってくるから、彼の家に行ったことがある者はいない。こちらから行くと言ったら、つっけんどんに拒否されたって」

「家に招きたくない、と受け取るには充分だな」

 

 自分のコレクションを他人に見せたくないのか、「盗まれるかもしれない」と思うほどに疑り深い性格なのか。

 コレクターという者は、他人に見せたがらず、密かに収集するタイプと、自己顕示欲が強くて自慢するタイプがある。

 この情報を見る限り前者だと思われるが、その上で疑り深い、良く言えば慎重な人間だという条件を加えると……

 

「それでも俺たちを招いてまで護衛しろということは、それだけ切羽詰まっているのか……」

「かもしれない」

 

 車は山中の道の、勾配の小さい道を登っていく。道は舗装されているが、狭く、往来というものがない。

 

「しかしあれだな。なんとも中途半端な性格というか……」

 

 苦笑する恭也。彼の言わんとすることを理解して、エリスも同じく。

 人嫌いというわりにポーツマスという都市の近く。確かに家の近くに人はいないかもしれないが、山を下りればすぐに街がある。

 警察に言うなとちゃっかり釘を指すのはいいが、ちょっと考えても裏なんていくらでも探り出せそう。

 いざ探そうとなると確かに証拠は見つからないのが現実だが、怪しいというニオイだけはプンプンさせている。

 

「日本ではこういうのを何て言うんだっけ……ああ、そうだ。『頭隠して尻隠さず』だったか?」

「よく知っているな、エリス。はは、確かに彼は『頭隠して尻隠さず』状態だ」

 

 目的の人物の家らしきものが視界に入る。普通よりは大きいが、豪邸というほどでもない。

 何となくそうした辺りにもクライアントの性格が出ているなと、半ば呆れてしまう恭也とエリスであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「た、たった2人とはどういうことだ!? 普通ならもっとこう、何人も連れてくるものだろうが!」

 

 恭也とエリスを出迎えた男は、開口一番で怒鳴った。

 中肉中背で短髪、掘りの深い面長の顔。身なりはよれよれのカッターシャツにズボン。

 

「落ち着いてください。確かに普段ならもっと連れてきます。ですが今回のご依頼に関しては少々それが難しいのです」

「お前ら、本当にマクガーレンの人間か? 本当は俺に脅迫状送ってきやがった奴じゃないだろうな!?」

 

 エリスの話を聞いているのかいないのか、男は声を荒げて手に持っているゴルフパットをぶんぶんと振ってくる。

 その態度といい、目の下のクマといい、相当精神的に参っているのか……。

 実際、護衛の依頼にたった2人というのは少ない。

 不安になっているクライアントにとって数が揃っているとそれだけで安心を与えられるわけで、

 マクガーレン社はその「安心」を与えることもサービスの1つ。

 だが今回は依頼内容から数を揃えるには問題があった。

 

「リゲットさん。貴方はご依頼の際、『警察には言うな』と仰いましたね。そこなのです、問題は。なぜ言うことができないのでしょうか?」

「なぜって……そんなもの決まっているだろう! 警察に言ったら、即座に私が狙われる可能性がある!」

 

 それは実に正論である。

 警察に言うななどと書かれてなくても、脅迫状が送られてきた時点でそう言われていると受け取る方が妥当だろう。

 だがエリスがそれをわかっていないはずがなかった。

 

「その際、我が社は警察到着までお護りするからとお伝えしたはずですが、それでも警察を呼ぶなと仰ったそうですね? なぜでしょうか?」

「そ、それは……」

 

 そこまで警察に言えないということは、何らかの負い目があるということ。

 つまりクライアント自身が何らかの犯罪者である可能性があるわけで、明らかにその疑いがあるとわかるような場合、

 マクガーレン社としては、そうそう容易く「はい」と承諾はできない。

 もし自分たちのしたことが犯罪の肩代わりにでもなっていたとあれば、マクガーレン社の信用はがた落ちだから。

 だからとりあえず事情を聞くことを第一にしてエリスと恭也は来たのだ。

 大勢で来ると仕事を請け負ったと解釈されかねないし、それは警察や世間の信頼を損ないかねない。

 

「我が社は法に反する、もしくはそれに準ずるような依頼はお引き受けできませんので」

「お、俺が犯罪者だって言うのか!? 名誉毀損だ! 名誉毀損で訴えるぞ!」

 

 男の態度は、恭也としては焦りや恐怖で仕方ないと思うのだが、少々うんざりとしてくるのは否めない。

 が、エリスは慣れているためか、静かに覇気のある口調を変えないし、表情も全く崩れることはない。

 

「失礼しました。ですが当方としましても、脅迫という明らかな犯罪とわかっていて警察に通報しないわけには参りません」

 

 犯罪とわかっていて黙っていたら、それだけでマクガーレン社の信頼は落ちる。

 マクガーレンとて民間企業なのだ。会社の業績や世間からの信頼を無視するわけにはいかない。

 

「何より、それは我が社をこれまで信じてきて下さった方々への裏切りにもなってしまいますので。それは当方の本意ではないのです」

 

 幸い、山を下りればすぐそこにポーツマスという都市がある。それほど山深いわけではないし、警察もすぐに来れる。

 今呼べばほんの10分もあればすぐに。

 

「我が社はできる限り警察との連携を図りたいのです。なぜなら我が社ができるのは貴方の護衛であって、犯人の逮捕はできないのですから」

 

 護るだけでは根本をどうにかできず、次から次にクライアントを狙ってくる。

 エリスたちができるのはクライアントを護り、できても直接狙ってきた者を捕らえて警察に差し出すことまで。

 脅迫状を送り、クライアントを襲うよう指示した者たちまで探し出し捕らえることは不可能である。

 それができるのは警察であり、マクガーレン社に権利はなく、またマクガーレン社が扱う『護衛』の仕事外。

 だから警察との連携はどうしても必要なのだ。

 それに、このボディーガードや警備の仕事というのは自ずと犯罪に直結するため、警察との信頼関係は必要にして不可欠。

 

「もちろん、ご両親やお知り合いの方が狙われてしまう可能性もありますが、そこはご安心を。すでに我が社のSPたちを派遣してありますので」

 

 抜かりはない。

 アンソニーは親との関係も冷え切っているそうだし、知り合いも非常に少ない。

 安否を気遣っているかどうかはともかく、どちらにせよアンソニーが彼らを引き合いに出す必要もなくなった。

 

「これなら警察を呼んでも問題ないのではないでしょうか?」

「……そ、それは……だが、お前らみたいな若いの2人で警察が来るまで俺を護り通せるのか!?」

 

 

 

 

 

「護り通してみせましょう」

 

 

 

 

 

 即答のエリスに、アンソニーは気圧されたかのように一歩引いた。

 

「自己紹介が遅れました。私はマクガーレン本社所属のエリス・マクガーレンと申します。これでも現場にてSPたちを統率する職を預かる者です。

 若輩者ではありますが、これでも10分程度貴方1人を護り通せるくらいの力はあると自負しております」

 

 エリスはイギリスでも大企業のマクガーレン社の一人娘。それだけでも充分な名声を持っているし、なおかつ、二丁使いで有名だ。

 何度か新聞や雑誌でも取り上げられるほどで、一般人でも知っている。

 いくら人付き合いが少ないアンソニーとは言え、今の情報社会の中で知らないわけがない。

 

「そしてこちらは正確には我が社の者ではないのですが、諸事情で香港警防隊より我が社の方に派遣されてきた者でして」

「ほ、香港警防隊……あの最強最悪の法の番人か!?」

「その通りです。彼がいるというだけでも充分ご納得頂けると思いますが」

 

 恭也にしてみれば最強最悪だとか法の番人だとかの名前を利用するのは好きではないが、

 クライアントへの安心を与えるという意味ではその肩書きは非常に使えるわけで、今はただ静かに一礼しておく。

 

「これでも警察を呼ぶことはできませんか?」

 

 アンソニーは視線を外して、明らかに動揺と見て取れるほど落ち着かない。

 なぜそこまで警察を呼べないのか。もはや恭也にしてもエリスにしてもわかりきったことだが、アンソニーはそれでも言おうとしない。

 

(クロだな……)

 

 何らかの犯罪行為を犯してきた者なのだろう。

 恭也は心の中でそう断定する。

 こうなるとマクガーレン社としては警察に黙ったままアンソニーの護衛はできない。警察に黙っていなければならない理由がないから。

 

「申し訳ありませんが、警察を呼べない場合のもっともな理由がない以上、当方はご依頼を受けかねます」

「わ、わかった……警察を呼ぶのは構わないから待ってくれ!」

 

 ようやく理解できた――この際、『観念した』と言うべきか――のか、アンソニーは2人を応接室へ通した。

 自室として使っているようだが、コレクターのわりにそういったものは飾っていない。

 部屋に来るまでの廊下にしても、特にこれといった名画があったり、大事そうに置かれているようなものがあったりするわけではなかった。

 部屋に通された恭也とエリスはソファーを勧められるも、座ったのはエリスのみ。恭也は警察に電話をかけた後に部屋に入るものの、立ったまま。

 茶が出るわけでもなく、そうした気配りなど、今のアンソニーにはないようだ。

 

「それではリゲットさん。詳しいお話をお聞かせ願いますでしょうか?」

「あ、ああ……」

 

 両者の間のテーブルに一枚の紙と、丸いメダルのようなものを置くアンソニー。

 

「これが脅迫状ですね……」

 

 まずは紙を手に取るエリス。しばらくそれを見ていたが、それを恭也に渡し、エリスはメダルを手に取った。

 

 

 

 

 

『去る9月22日にお前が手に入れた、我らの神を示す宝を返せ。でなくばお前には我らが神の怒りが降りかかることになるであろう』

 

 

 

 

 

 それが脅迫状の文面。

 新聞や雑誌から文字を切り抜いて貼っている……わけではないが、パソコンで打たれているものらしく、筆跡鑑定をしても無駄。

 書いていることはありがちなものだが、ありがちだからと悪戯で捨て置けるものでもなかった。

 

(神……何らかの宗教団体か? それとも単に自分たちの力を誇大しての言葉だろうか……)

 

 何度も脅迫状を読み返し、そして吟味していく。

 メダルのような、その脅迫状に出てくる『神を示す宝』なる物に恭也は目を落とした。

 馬のような動物に乗った男性。それなりには時代物なのか、メッキがはがれていたり、動物の足の部分が削れていたりと損傷も見受けられる。

 

「神や宝というくだりが気になりますね、やはり。リゲットさん、何かそうしたものに関することはご存知ですか?」

「いや、私はそんなものは知らない。見つけたときは、個人的に年代物の一品に見えただけで……」

 

 そう返されるのはある程度恭也にもわかっていた。尋ねたエリスにしても同じだろう。

 知っていたらそんなもの、そうそう手に入れようとするはずがない。

 

「9月22日、というのも気にかかるんだが」

 

 恭也がそう呟くと、僅かにアンソニーが反応。一瞬だったが、目が揺れた。忙しなく瞬きし、焦点が定まっていない。

 

「……リゲットさん。9月22日、どこでこれを手に入れられたのですか?」

 

 エリスが恭也に目配せしてきた辺り、アンソニーの反応に気づいていたらしく、頷いて返した恭也が今度は尋ねてみた。

 

「ど、どこでって……ネットだよ。ネットでオークションに出されていたから、それを落札しただけだ」

「そうですか。ではもう1つ。落札したのが9月22日ですか? それとも送られてきた日が9月22日ですか?」

「そ、そこまでは覚えてない」

 

 手紙が入っていたという封筒の日付――郵便の消印には速達で"9月23日"とある――から考えると、

 脅迫状が送られてきたのは9月22日の数日後以内といったところだろう。

 

「……わかりました。ありがとうございます」

 

 内心では嘘だと思いつつも、それを表に出すことなく、恭也は軽く頭を下げた。

 『落札した日』が9月22日とすれば、問題のメダルが送られてきた日は脅迫状が送られてきた日と多少前後するくらいだろう。

 『送られてきた日』が9月22日とするなら、それからすぐに脅迫状が来たことになる。

 

(脅迫状が送られてきたことでこれだけ焦る男が、どちらにせよ前後数日中に送られてきた問題の物品を『手に入れた』日を忘れるとは思えん)

 

 今日の日付を思い出す――10月2日。9月22日からまだ10日だ。

 アンソニーからすれば恐怖の10日間だったのかもしれないが……。

 

(この男はとにかく、日付を当てているということは、犯人はそのオークションに関わっていた可能性があるな。

 そうでないとしたら、この男が手に入れたという情報を僅かな時間で突き止めたことになる。となると、相当な情報収集能力がある)

 

 単独犯より組織的犯行とも取れる。

 

「では我が社の方で調べますので、オークションの主催者なり、オークション名などをお教え頂けますか?」

「は? ま、待て! お前らは警察じゃないんだ! そこまで捜査する権限などないだろうが!」

「残念ながらその通りです」

「ならそんなことを聞く必要はないだろう!」

「いいえ」

 

 エリスとしてはその質問も予想済み。

 確かに警察でないのだから捜査権はないし、どんなに政府と繋がりのある、それも大企業のマクガーレン社とは言え、

 法律上は民間企業であり、特別な捜査権限や逮捕権限が与えられているわけではない。

 だがマクガーレン社は『ただ護衛するだけ』の集団ではない。

 プロなのだ。

 

「もし相手が誰かがわかれば、貴方が襲われる前に警察に知らせ、彼らを逮捕することが可能です。

 我々ボディーガードの仕事は危険からクライアントを護るのは当たり前ですが、

 それ以前に、極力事前に危険からクライアントを回避させるように動くのもまた仕事のうち」

 

 それがプロの手並み。

 事前察知と早い段階での危機回避措置を取ることで未然に危険を防ぐのが、本当のボディーガードの仕事。

 

「……わ、わかった。だがこんなことまで調べる必要あるか?」

「ええ。そのオークションにこれを出品した者は誰か。そして貴方と同じくこれを落札しようとした者は誰か。調べる必要があります」

 

 犯人の予想を立てていけば、アンソニーとオークションで争い、敗れた者が妬んだ末、このような脅迫状を出したといったことは充分考えられる。

 出品者を調べるのも、もしかするとそちらが脅迫状の差出人かもしれないからだ。

 

「出品者と落札者が何らかの目的でオークションという場を使って渡し合いをしようとすることもありますので」

 

 そうすれば、見た目にはオークションゆえにたまたまその落札者が手に入れたという形にできる。

 互いの関係を疑われたくない者同士が使う手。

 要はオークションという『公式』の場を使うことで正当化したいのだ。

 

「その間に貴方が入ってきて、それで貴方が結果として手に入れてしまった。そこでこのようなやり方で取り返そうとしたのかもしれませんし」

「た、たかがこんなメダル程度で……!」

「ですが、そのたかが(・・・)メダルを貴方が落札したのは事実です。

 見る者が見れば、たかがメダルも"喉から手が出るほど欲しい物"に変わることがありますから」

「リゲットさん。そもそも貴方がこれを手に入れたのも、貴方個人的には"たかが"というものではなかったからでしょう?」

 

 アンソニーは言葉にならない呻きを挙げながら引き下がる。

 コレクターならエリスと恭也の言い分がアンソニーにわからないはずがない。

 コレクターは時に普通の人には何でもないものを集めたがるが、コレクター自身にはとても価値ある物であるということ。

 ならばこのメダルとてそうした者から見れば価値ある物ということになるのだが……。

 

たかが(・・・)メダルか……この男、コレクターではないな)

 

 コレクターなら自分が興味を持って収集した物を"たかが"なんて言わないはず。

 そして廊下やこの部屋を見る限り、それらしいものが何一つ見つからないという状況も、その考えを実証しているように受け取れる。

 

「エリス、構わないか?」

「……まあ、どのみち警察ももうすぐ来ることだしね。ただし彼をあんまり追い込まないでくれ。いちおう、クライアントなんだからね」

「ああ、わかった。エリスは適当なところで俺を止めてくれたらいい」

 

 小声でエリスとやり取り。

 あまりクライアントの前でこういうことはしない方がいいのだが、今のアンソニーは爪を噛んで俯き、テーブルの一点を見つめているだけ。

 明らかに動揺していて、恭也とエリスには意識が向いていない。

 

「不躾な上、無礼なことですが敢えてお聞きしたい、リゲットさん」

 

 咳払いをしてアンソニーの意識を自分に向け、恭也は切り出す。

 

 

 

 

 

「貴方は……ブローカーではないですか?」

 

 

 

 

 

 リゲットが止まった。

 確信をもたらすにはあまりに適当すぎるその反応。

 

「貴方が警察に通報したくないのは、それがばれる可能性があったから。違いますか?」

「ちが…………」

 

 アンソニーは「違う」と言おうとしたのだろうが、恭也の静かな視線の前に反論できなかった。

 

「……リゲットさん」

「わ、私はブローカーなんかじゃない! 仲介をしていただけだ!」

「それで高額を受け取っていたのでは? もしくは高額でなくても法律に反するやり方で――」

「そこまでだ、恭也」

 

 エリスが恭也を止め、恭也もそれであっさりと止まる。

 彼女は姿勢を正した上で、頭を下げて謝罪を。

 

「申し訳ありません。クライアントに向ける態度ではありませんでした。彼の非礼をお詫びします」

 

 恭也も頭を下げる。

 アンソニーはそれで何とか落ち着きを取り戻したようだが、エリスはさらに続ける。

 

「リゲットさん。改めてオークションの主催者や名前についてお教え願いますか?」

「いや、だから、それは――」

「言えないと?」

 

 エリスがそれまでにない厳しい視線でアンソニーを射抜いた。

 そこには明らかな怒りが見て取れる。

 考えればすぐにわかることだ。

 エリスたちマクガーレン社の者は、皆揃って高い道徳精神を持っているわけで、それこそがマクガーレン社の1つの売りだ。

 その社長令嬢にして、社内で先頭に立っていく職にも自分から就くエリスが、その精神を持っていないわけがない。

 が、そんなエリスに、あろうことか犯罪者の犯行を隠すための護衛をしろなどと言われているに等しいこの依頼。

 依頼である以上、エリスはプロとして対応するが、『護る者』としてのプライドが目の前の男を許容できないわけだ。

 

 

 

 

 

「リゲットさん。私たちマクガーレン社は犯罪などから人や物を護るために在ります。

 その私たちが犯罪を護るようなことはあってはならないし、してはならない。私個人も、そんなことはしたくないのです。

 貴方が私たちをどういう思惑でお呼びになったかは存じませんが、私たちには『護る者』としての責務があると同時に誇りもあるのです。

 その誇りを汚されるような依頼には、プロとして、お引き受けすることはできません」

 

 

 

 

 

 技術だけでもプロはプロであると言えよう。

 だがマクガーレン社もエリスも、ただのプロではない。

 『護る』ための技術と、『護る』ことへの誇りと自信を兼ね備えた強靭な精神の持ち主たち――それが『マクガーレンの"プロ"』。

 同時に『香港警防隊の"プロ"』。

 ひいては、恭也にとって正しい御神の剣士足りえる条件。

 

「…………」

 

 アンソニー・リゲット。

 自分の身は護りたいけれど、そのために警察に悪事がばれるのは嫌で、でも依頼されたものを渡した時の高額の現金は欲しいという、

 あまりにも都合がよい考えが過ぎる男。

 彼に、恭也とエリスという"プロ"を欺き、利用しようという企みを完遂できるだけの度胸など、あるはずがなかった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、警察が到着した頃にはアンソニーも真実を話し終えていた。

 話を聞き終えた恭也とエリスが、気が抜けてだんまり状態になってしまった彼に代わって警察に事情を話し、彼は警察で身柄を預かるということに。

 

「…………」

 

 車の後部座席にアンソニーを乗せ、エリスの車はパトカー2台に護られる形で間を走っている。

 

(まあ、それほど重い罪にもならないと思うけど)

 

 バックミラーに映るアンソニーをチラリと見て、彼の傷心したような状態に小さなため息をつく。

 そこに映る男に、威勢のいいクライアントの姿はない。

 隣に座っている恭也と視線が合うと、彼は小さく苦笑してきた。

 

『大したものを密売していたわけでもないし、少々法に触れる行為を働いていた程度だから、すぐに出られるだろうよ』

 

 初老の刑事がそう言って"小悪党"と言っていたことを思い出す。

 麻薬とか危険物を取り扱っていたわけでなく、小遣い程度にやったことがうまくいって、

 そこに味を占めたのか、ちょこちょこと違法なオークションなどから手に入れたものを捌いていたらしい。

 時には出品者としても参加していたようだ。

 

『ま、これで闇市場を1つ摘発できるかもしれんからな。その証言をしてくれるなら、罪もその分軽減されるかもしれんよ』

 

 護衛の仕事とは言えないものになってしまったが、エリスとしてはそれほど悪いものでもなかった。

 

『さすがだな、エリス。あんなセリフを堂々と言うのは、それだけのものを持っている者にしかできんことだ』

『べ、別に君でもできるだろ、あれくらい』

『俺が言っても彼をたきつけてしまうだけだ。だがエリスは言葉だけで彼の"悪"を退治した。まさしく"プロ"だ』

 

 アンソニーもこれ以上、闇市場などに関わっていたら、これからの人生どこかでひどい目に遭ったかもしれない。

 彼なら仕事上の信頼だってあったわけだし、人付き合いもしていけば社会に復帰することもできるだろう。

 

『これもまた彼の未来というものを護ったようなものだ。そう思えばこの仕事も決して悪いものじゃない』

『ああ……そうかもしれないな』

『剣や銃をふるわずして護る。これはある意味、理想の護り方かもしれんな、エリス。うむ、たいしたものだ』

『……なんだかやけに褒めるな。どういう思惑があるんだ、恭也?』

『む、失礼な。俺は感心したと言っているだけだぞ』

 

 恭也に絶賛とまではいかなくても、賛同してもらえたことは嬉しい。

 ただ、「なんで私は素直に『ありがとう』と言えないんだろうか」とちょっと悲嘆に暮れるエリスであるが。

 

「どうした、エリス?」

 

 今度は大きなため息をついたエリスに、恭也が不思議そうに尋ねてきた。慌てて取り繕い……

 

「ああ、いや、何でもない。気にしないで――」

 

 気にしないでくれ――そう言おうとしたとき……

 

 

 

 

 

 前を走っていたパトカーが消えた。

 

 

 

 

 

 いや、消えたのではない。浮かび上がったのだ。

 

 

 

 

 

 突然起こった炎と煙に吹き飛ばされて。

 

 

 

 

 

「「「――!?」」」

 

 呆然としたままのアンソニーですら、その爆音と閃光には顔を上げ、体を恭也やエリス以上に反応させた。

 エリスは反射的にブレーキペダルを踏み込み、ハンドルを回した。

 車は爆発中心点を避けて右に動く。爆発で陥没した部分に左側のタイヤが落ちてガクンと斜体を傾かせる。

 けたたましいブレーキ音を響かせながら、車は爆煙を越えて道路を遮るようにして止まった。

 

 

 

 

 

 途端、同じく止まったもう一台のパトカーとの間に、吹き飛んだパトカーが上下逆さまで落ちてきた。

 

 

 

 

 

「「「…………」」」

 

 もはやクズ鉄が燃えているようなものだった。

 転がってきたタイヤがエリスたちの乗る車に当たって倒れ、

 ひしゃげたパトカーのボンネットからエンジンなどが内臓をぶちまけられたように散乱。

 漏れてきたガソリンに火が燃え移り、道路を黒く焦がしていく。

 

「っ、恭也、救急車を――!」

「待て、エリス!」

 

 タイヤが車に当たった音と衝撃で、我に帰ったエリスが車を降りて警官たちの状態を見に行こうとするが、恭也は彼女の腕を捕まえて止めた。

 

「もう……絶望的だ」

 

 手が見えている。窓だった部分から。

 だが燃え盛る車から逃げようとする気配なんてない。

 そもそも逃げ出そうとすらしない。できないのではなく、もうしないのだ。

 だって命がないから。

 

――――もう、死んでいるから。

 

 即死だろう。爆発の際か、もしくは逆さまに落下した時。

 爆発の際に死ななくても、落下した時に押し潰れた天井で圧死だ。

 

「恭也! せめて確認だけでもしに行くのが――」

 

 無事な方のパトカーから警官たちが出てきている。彼らと同じように確認くらいしに行くべきじゃないかと、そうエリスは言おうとした。

 だが恭也は彼女の頭を押さえ、外から彼女が見えないまでしゃがませた。

 

「いいか、エリス。無事なパトカーの方を見ろ」

 

 燃え盛るパトカーの先、無事なパトカーが止まっている。何事もないように、こちらにヘッドライトを向けて。

 

(――あの状況で何事も(・・・)ないように(・・・・・)?)

 

 エリスは咄嗟に爆発を逃れようとブレーキペダルを踏み込み、ハンドルを回した。

 もし同じタイミングでブレーキペダルを踏んでいたら、今頃無事なパトカーの方は、降ってきたパトカーに押し潰されているはず。

 なのに充分な余裕を残して止まっている。何事もなく。

 

「……初めからわかっていて止まった?」

「そうとしか思えん」

 

 そして今、仲間の下に駆け寄ろうとしているようにエリスには見えた警官たちが、

 燃え盛るパトカーなどどうでもよさそうに迂回し、こちらに近寄ってくる。

 

 

 

 

 

「エリス、車を降りろ! 反対側から!」

 

 

 

 

 

 恭也が叫んだ直後、窓ガラスが割れた。

 恭也に言われるまでもなく、エリスは同時に動いていた。

 

 

 

 

 

 警官たちの手に、普通の警官が持つにしては明らかに不似合いな――――サブマシンガンを確認したから。

 

 

 

 

 

 反対側のドアを開け、身を投げ捨てるように車から飛び降りた。

 後部座席のドアからも恭也とアンソニーが。

 アンソニーはもう震えまくって泣き叫んでいる。

 

「くそっ、完全にはめられたのか!」

「警察の中にまで紛れ込んでいるとは……!」

 

 タイヤの陰に身を隠し、車体の下から狙われないように。

 相当強力なサブマシンガンなのか、車体を貫通してこちら側にも抜けてきている。

 互いの声すらまともに聞こえないくらいの一斉掃射が…………止んだ。

 

「な、何だ! 何なんだ! 何がどうなってるんだ!?」

 

 アンソニーが叫んだことで、恭也とエリスも生きているだろうことはわかったのだろう。警官たちが舌打ちするのが聞こえた。

 

「さすがマクガーレンのじゃじゃ馬プリンセスと香港警防のニンジャボーイだな」

 

 挑発的にその警官は一度だけ撃ち込んできた。

 

「お前たちが脅迫状を送った者か!?」

 

 エリスがすでに銃を構えつつ、頭などは一切出さずに叫んで問うた。

 恭也も両手首に仕込んである飛針を抜いている。

 

「そんなことは知らねえしどうでもいい。俺たちは俺たちの目的のためにその小心者の小悪党が持ってるメダルが欲しいだけだ」

「目的……お前たちは脅迫状の送り主とは関係ないのか?」

「さあて。もしかしたら同胞が送ったのかもな。俺たちは上からメダルを奪取しろと言われてるだけだ」

 

 上という言葉から組織的な犯行と判断する恭也とエリス。

 ただその組織について、どうも脅迫状の送り主とは別のような感じがしないでもない。

 

「大人しくよこせ。さもねえと蜂の巣にしてやるぞ?」

「まあ、渡したところでほんの少し長く生きられるだけだけどな」

 

 嘲笑する警官たち。

 もちろんそんなことで冷静さを失うような恭也とエリスではない。互いに戦える準備にあることを頷き合う。

 ただ数は向こうが4人。こちらは2人だけの上、アンソニーという護衛対象を抱えている。

 無闇に仕掛けるべきではない。

 

「お前たちは何者だ?」

「教えるわけねえだろ、馬鹿が」

 

 もちろんそう返されることくらいは恭也とて予想済みだ。ただ相手はこちらが2人の上にお荷物を抱えているということで、少なからず驕りがある。

 

「警察にまで潜り込めるということは警察内部での権力闘争か何かか?」

「はっ、こんな国の馬鹿の権力争いなんざどうでもいいってんだよ」

「……こんな国、か。お前たち、海外の武装組織か?」

 

 断定するように言うが、恭也もそこまで確信しているわけではない。

 自分の国を"こんな国"扱いするなら、イギリスを嫌う外国人かもしれないとそう考えただけだ。

 

「おいおい、ちょっと話しただけでそこまで読むのかよ。やっぱすげえな、ニンジャってのは」

 

 外国人とは限らない。

 自分の国を憂うあまり、腐敗した政治を潰そうとしてこんなことをするものだっている。愛国精神が過ぎた結果と言うべきものだ。

 

「ご褒美だ。これを避けられたら教えてやってもいいぜ」

 

 カチンという音と共に、何かが投げられた。車の天井に辺り、コロコロと落ちてきた。

 

「「――っ!」」

 

 アンソニーを抱えた恭也とエリスは、2人の間に落ちてきたそれを視認した途端、落ちきる前に身を投げた。

 

 

 

 

 

 爆発。

 

 

 

 

 

 アスファルトが砕け、3人を襲う。

 耳鳴り。

 恭也は痛む左耳を押さえる暇もなく、さらに撃ってくる警官たちから逃れるために道路のガードレールを越え、急勾配の林の中へ。

 エリスもまた同じく。3人して木の陰に身を隠す。

 感心したような、しかし挑発的な口笛を鳴らして、ガードレールの所に警官たちが。

 

「やるじゃねえか」

「手榴弾とは……どこかのテロ組織のようだな、お前たち」

「ああ? テロ組織だ?」

 

 恭也の言葉が気に障ったのか、警官たちがサブマシンガンを乱射する。

 

「俺たちをテロリスト扱いとはふざけてやがんな。まさかてめえら、最近のイスラム系のテロリストと俺たちを一緒にしてんじゃねえだろうな?」

 

 テロリストとは言われたくないのはイスラム系だろうが同じだろう。最近ではテロリストと呼ばれようと構わないという組織もあるが。

 

「約束だったな。教えてやるよ。俺たちは義勇軍さ。イギリスなんて国から祖国を解放するためのな」

「祖国?」

 

 恭也は現在中東――イラクやアフガニスタンに展開する米英軍から、という意味かと思い、やはりイスラム過激派かと思った。

 が、エリスは全く違う組織に思い至っていて……

 

 

 

 

 

「……まさかお前たち、IRAか?」

 

 

 

 

 

「おう、正解だぜ、じゃじゃ馬プリンセス」

 

 IRA――『Irish Republican Army』。

 

「"アイルランド共和軍"か……!」

 

 知ってはいるが思い浮かばなかった組織の名前に、恭也は軽い驚きを覚えながら、エリスと苦い顔で向き合うのだった。

 

 

 

 

 

――続く――

 

 

 

 


あとがき

  T 「というわけで、GUARD OF 3のお披露目でした! 長らくお待たせして申し訳ございません!」(土下座

  F 「その分、構想の方を練り直し、よりよいものにさせられるかと思いますので、ひらにご容赦頂きたい所存にてございます!」(土下座

  T 「とまあそんなわけで剣と銃もようやく3話目ですけど、遂に事態が動き出しましたね〜」

  F 「そうですね。前半はアンソニーの正体破るくらいでしたが、すんなり護衛とはちょいと言い難い形で終わるかと思えば……。

     ま、そんなあっけらかんと終わらせる気は最初からありませんがね!? あっはっは♪」(マテ

  T 「そしてアンソニーなる人物……非常に面白い奴ですねw なんていうか、小心者丸出しみたいな?w」

  F 「ただの小悪党です。ええもう、それはそれはどこぞの駄作者の如く……ふっ、自分で言ってて虚しい……orz」

  T 「大丈夫ですよw そんなの私だってそうなんですから、あはははは♪」

  F 「あっはっは、気にしちゃ負けですよね! ですよねえ!? あっはっはっはっは……(中略)……ゴホン。

    さて、終盤に出てきたのは、現実に実際に存在する武装組織、IRAです。

    実はこのIRAは前に出てきた組織と……その先は言〜わない♪」(コラ

  T 「生殺しバンザイですね!w そんなわけですので、ここから先のことは皆様の目でお確かめくださいw」

  F 「恭也とエリスはIRAに対してどうするのか。そしてアンソニーの運命は!?w」

  T 「次回、銃と剣 GUARD OF 4をご期待ください!!」

  F 「それではこれにて失礼をば!」





すんなりと終わるかと見えて、
美姫 「やっぱりそうはいかなかったわね」
警察内部にまで手が回っているとは。
美姫 「恭也とエリスはどう立ち向かうのかしら」
おおー、とっても続きが待ち遠しいです!
美姫 「次回も待ってますね」
待ってます!



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