走りに走る。
行けども行けどもただ煙に包まれた中を。
進んでいる気がしない。かと言って床が動いて後退させられているわけでもないだろう。
しかし煙はなのはが走るのと同じ方向に流れているようで、それと心情的なものが相まって、
ぐんぐんと押し戻されている気がしてならない。
だから尚更足を速める。
「はあ、はあ、はあ、はあ……!」
体力がないのは自覚しているし、足が遅いのもだ。
それでも飛ぼうとは思わなかった。
いま飛べば、それだけで余計に進んでいる気はしないだろう。
せめてこの足を動かし、「前に進んでいるんだ」という確証がないと不安なのだ。
「っ、はあ、はあ……はあ……っ!」
不意に目の前で何かが光った。黒い光。
光と言うより、ただそこだけ何もない黒という感じだ。
所謂、太陽の黒点のように、そこだけ光を発していないからこそ逆に目立っているかのよう。
それが……近づいている。走れば走るだけ大きくなってくる。
ようやく「前に進み続けているのだ」という絶対の確証と、あそこが出口なんだと言う確信にも似た直感を得られ、
なのははようやく足を離し、初っ端から最大加速をかけて飛行する。
「行こう、レイジングハート!」
『Yes, my master! Let's go!』
接近するたびにその先が見えてくる。
どうやらその黒い部分は煙が開けているようで、その先に暗い外の光景が見える。
間違いなく――――出口!
なのはは迷うことなく突貫して……
『Master!』
「うにゃ!?――うぎゅう!?」
煙から飛び出した途端、目の前にあったのは……大木。
何とかレイジングハートが"ホールディングネット"を発動して直前で止めてはくれたが。
『M, master! Are you OK!?』
「はにゃ〜……ら、らいひょうふれす〜……う〜ん」
軽くネットの弾力性でポ〜ンと放り出されて尻を打ちかけるところを、
レイジングハートがさらに"フローターフィールド"で優しく受け止め、ゆっくりと地面になのはを下ろしてくれたが、
いきなりのことに目が回って呂律も回らないなのは。
何とか頭を振って、僅かにネットに当たった衝撃で痛む鼻を押さえつつ、なのはが後ろを振り向くと、
煙はもうすでにその先の景色が見えるほど霞んでいた。
『帰りたいなら今のうちだぞ?』
まるでそう言われているようだった。
だがなのはは立ち上がってレイジングハートを握りしめてその場に留まることで、
消え行く煙に対してそんなことを感じた、どこか弱気な自分を内に押し込む。
それが答え。
別に煙はなのはの意思を読んだわけでもないだろうが、それで完全に…………消えた。
「…………」
どれくらい煙の中を走っていたのかはわからないが、自分の息の激しさ、心臓の鼓動の早さから限界に近かったとはわかるものの、
体力がまだまだ足りない自分が全速力で走れる時間などそれほどでもないだろう。
「煙に入る前は夕焼けだったけど……すっかり夜だね、ここ」
『Yes』
すっかり日が暮れている。さすがに夕焼けが完全に落ちるほどの時間ではない。
つまりここは……明らかに違う場所。
周囲を見渡すと、街中の公園の林なんてさほど広くないはずだと言うのに、
ここは人気もなければ木々が途切れる気配もまるでない。
「……うん、少なくとも臨海公園じゃない。まずはここがどこか、本当に地球じゃないのかを調べないと――」
とそのとき、がさがさと背後の草木が鳴った。
咄嗟にレイジングハートを構えて振り向けば、そこには……
「……ダチョウさん?」
『……それにしては随分背が高い気もしますが』
「うん。それに足の爪が当たったら痛そうだね〜。あと目がギラギラして……」
実になのはを獲物だという目で見ている生き物が。
首が長く、頭部には鋭い嘴。体は鳥のようなのだが、足がまた長く、非常に足の先の爪は鋭い。
それと追いかけっこなどして常人では勝てないだろうとわかるぐらい、走りが速そうに見える。
要するに、ただでさえ足が遅いなのはが走って逃げても無駄というわけで……。
夜行性なのかはわからないが、それは足で地を軽く削り、身を沈めたと思いきや一気になのはに突撃をかました。
「"プロテクション"!」
"ラウンドシールド"でも防げはするが、物理攻撃に対する防御力としてはこちらの方が高い。
それをちゃんと使い分けることができる程度には、なのはも反射的な魔法制御と瞬間的判断力は身につけていた。
入局してからの1年以上という期間は短いようで伊達じゃない。
闇夜の僅かな光、そしてなのはの桜色の防御陣の光を反射する鋭い爪をもつ足で蹴りを放ってきたそれは、
なのはの強固な防御に阻まれ、さらに――
「"バリアバースト"!」
吹き飛ばす。
なのはも逆に吹き飛ばされかねないような、まだまだ制御に問題がある魔法ではあるのだが、
なのはより大きなその獣を吹き飛ばすには充分な威力。
獣は片足を上げていた状態だったので思いっきり体勢を崩して地を転がっていく。
「えっと、つい反射的にやっちゃったけど……だ、大丈夫かな、ダチョウさん」
ダチョウかどうか知らないが、とりあえず大丈夫そうだ。ムクリと立ち上がり、天に向かって吠えるほどだから。
――――間違いなく怒らせたようだが。
「お、お話は……できないよね、さすがに」
『……I think so, too』
再び突貫してくる。しかもさっきより速いし。
やるしかないとなのはも"アクセルシューター"を用意するが、獣は放たれた弾丸に対し、木々を盾にして迫ってくる。
動きは速いが、本来のなのはの、機敏な動きが可能の"アクセルシューター"なら問題などないだろう。
しかしここは森林。木や草などの障害物だらけの閉鎖空間である。
動きのいい"アクセルシューター"と雖も、速いがゆえになのはの制御が間に合わず、木々に当たり、
当たらないように動かせば地面に墜落し、その上、夜でまだ目が慣れないなのはには戦闘条件が不利にすぎた。
「それならもう1回!」
"プロテクション"と"バリアバースト"のコンボ。
俊敏な動きをする獣ではあるが、それほど賢くはないのか、同じやり方でまた吹き飛ばされる。
が、獲物を前にした際の執念深さはやはり獣ゆえらしく、再び立ち上がってきて……。
「き、きりがないよう……に、逃げよう、レイジングハート!」
しかし運動神経がそれほどよくないなのはの足では、
間違いなく大人の足でも逃げ切れないようなその獣の速度から逃げられるはずもなし。
『Master! Let's fly!』
「あ、そ、そっか!」
"フライアーフィン"を足に生み出し、大きく羽ばたかせてなのはは空中へ飛び上がる。
さすがに鳥科のような体をしてはいるものの空は飛べないようで、その獣は足を止めて恨めしそうになのはを睨み上げている。
「うん、地球じゃないね」
『I understand, too』
思いっきりの苦笑いを浮かべつつ、レイジングハートと共に1つ頷く。
動物全般に詳しいわけではないが、地球にあんな危ないダチョウ(?)がいるはずがない。
なのはの中のダチョウのイメージを一新してくれそうな獣である。
「それにしても……これからどうしよう……」
空に飛び上がったついでに周囲を見回すが、もともと夜ということもあって遠くになると何があるかまでは確認できない。
そして一帯が森林地帯なのか、光の1つもなく、あると言えばせいぜい夜空に瞬く星の光のみ。
下には今だあの獣がいるので下りられず、この分だとこの森一帯にあれと同じような獰猛な獣ばかりがいそうで……。
ところが突然、獣がピクリと何かに反応して森の中に視線を落とし、一吠えした後、なのはのときと同じように猛然と走り出した。
何だろうとその先を見てみれば……
「あ、危ない!」
そこには1人の人間が。
手に武器だろうか? 何か持っているが、彼は正面から突撃してくる獣にも目をくれず、なのはの方を唖然として見ている。
(あ……見られちゃった……って、そうじゃないよ、私!)
女の子が空に浮いているのだ。そりゃ唖然となるだろう。
魔法を使っているところを思いっきり見られてしまったが、今はそれどころではないと、
なのはは魔法弾を――見られたからと言って開き直ったわけではないが――生み出した。
が、その必要はまるでなかった。
「あ〜まあ、とりあえず晩飯は確保か」
彼はそんなことを言い、棒を構えて身を落とす。
ダチョウ(?)が蹴りを。が、それを棒で払った彼は棒を返し、そのまま獣のもう片方の足を払って倒れさせる。
止まらない。跳躍。倒れこんだ獣の脳天めがけて棒を振り下ろす。
悲鳴すら上げることなく、獣は長い首をパタリと力なく地面に落とした。
「さて……そこの空飛ぶお嬢さん。よかったら一緒に食事でもどうかな?」
「はえ?」
あっという間に片付けられ、自分の苦労は何だったんだろうと考え込んでしまっていたところに声をかけられ、
なのははそんな気の抜けた返事を返すのだった。
空と翼の軌跡
LOCUS OF 18
エア=レッテン。
ルーアン地方に存在する名のある景観は、白で統一されたルーアン市や、その市内のラングランド大橋を始めとした建築物、
マノリア村からの絶景などがあるが、このエア=レッテンもまたルーアン地方の重要な観光地。
ルーアン地方とツァイス地方の間にある関所でもあるエア=レッテンだが、関所の屋上は開放されており、
そこからかつて大掛かりな工事を行って作られた水道、その出口に当たる滝を眺めることができる。
「俺の故郷でも滝は観光名所とされることが多いが、ほぼ自然物だからな。対して人工の産物ながらこの景観はやはり壮観だ」
「や〜、たまに飛んでくる飛沫が冷たくて気持ちい〜♪」
エステルもヨシュアもここにはすでに遊撃士の仕事で1度来ていたらしく、
それでもそのときは仕事だからあまりゆっくり見ていられなかったらしい。
「仕事が終わった後に見物したんですけど、あの時はもういろいろとあって」
「あ、思い出したら腹立ってきた! あんの我侭公爵〜!」
「我侭公爵? ああ、デュナン公爵か……」
初めてエステルとヨシュアに会った日の夜、部屋を取られた2人が参っていたときのことを思い出し、
恭也もまた彼の我侭に振り回されたんだろうなと予想。
実際その予想は当たっていて、デュナン公爵は別の日にこのエア=レッテンを観光――表向きは公務としての視察――しており、
関所においてまた勝手な我侭を言い張って関所の兵士や訪れていた観光客を困らせていたのだ。
ほとほと参った兵士たちが、自分たちはいちおう王家の家来なわけで、
王族であるデュナン公爵に物申すには少々立場的に難しいからと、遊撃士に説得を依頼したというわけである。
「……本当にすいません」
「へ? 何でクローゼが謝るの?」
「あ、い、いえ、その……何となくです」
同じ王族としてクローゼが責任を感じるのは至極もっともだろう。
彼女を王族だと知っている恭也は、苦笑いするクローゼと目を合わせて『大変だな』『言わないでください……』と目配せを。
「わ〜、やっぱり空から見るよりも大きくて綺麗だよ〜!」
ティータが行きは空路だったために見られなかった滝に、身を乗り出して手をかざし、見上げては歓声を上げる。
「ティータ、危ないぞ」
「大丈夫だよ〜。そこまでおっちょこちょいじゃないもん」
頬を膨らましながら一度だけ振り返って恭也に言い、ティータはまた絶景を振り仰ぐ。
とは言え、おちおち見ていられんといちおう彼女のそばに立っておく恭也。
「キョウヤさんって意外じゃなくても過保護?」
「かもね」
「……ちょっとだけティータちゃんが羨ましい気もしますけど」
ティータの僅かに後ろに立って一緒に見ている恭也、その2人の姿を見て本当の兄妹みたいだなあと思いつつ、
しばし3人で恭也とティータを見て穏やかに笑う。
「アガットさんにもお礼を言いたかったんですけど、もうルーアンを発たれたと聞いてがっかりです」
ふと思い出したクローゼに、エステルは憮然として「放っといたらいいのよ、あんなツッパリ男は」と返す。
あの灯台で別行動を取って、それがアガットとの最後だった。
彼はすでに請け負っていた仕事の都合もあり、あの黒装束たちを追うべく、そのままルーアンを発ってしまっており、
クローゼは満足に御礼を言うことさえできなかったのだ。
「言ったところでどうせ『アンタのためじゃねえ』とか言うに決まってんのよ、アレは」
「全然全く見事に似てないから、エステル」
「あ〜、いちいちツっこまない! クローゼ、あんたも笑わない!」
「ご、ごめんなさい……ふふ」
「君は潜入任務とか極秘任務には向かないね。素直で正直すぎてわかりやすい」
「ぐっ……悪かったわね」
「いや、一応これって褒めてるんだけど?」
「どこがよ!? 文脈的に貶しの意味で使ってるでしょうが! だいたいヨシュアは演技が上手すぎるのよ!」
「そうですね。あのお芝居は本当にお上手でしたし」
「……そのことは言わないでクローゼお願いだから」
途端に感情も抑揚もない声を返すヨシュア。
絶対に目の錯覚ではないとわかるほど暗い影を背負い、俯いて前髪に隠れ、チラリと見えた琥珀色の瞳が物凄く虚ろだった。
中性的な顔立ちはクローゼから見るといいなと思うが、ヨシュアにとってはコンプレックスなのかもしれない。
何にしてもあの芝居でのお姫様役……と言うより、女装はヨシュアの前ではタブーらしい。
クローゼは口元に手をやって自分の発言を失敗したと思い、助けを求めてエステルを見るが、
彼女はこれぞ反撃の機会と取ったのか、爽快な笑みを浮かべてヨシュアの肩に手を乗せた。
「いや〜、あのヨシュアは綺麗だったわよ〜? それはそれはもう、クラムたちが見惚れるほど」
「エ、エステルさん!」
「……………………」
「あたしも女の子としての自信がもう萎えちゃってさ〜。もう、どうしようかしらね、クローゼ?」
「エ、エステルさん、そのあたりで止めておいた方が……」
いつもの仕返しの意味も多分に入っているのだろう。
クローゼは機関砲の如く止まらないエステルと、だんだんと色を失っていくヨシュアに、恭也とティータを振り向いた。
が、恭也は首を横に振って『もう手遅れだ』と返してくるし、ティータはヨシュアの様子に何かを感じたか、
恭也の後ろに隠れて怯えている。
「……エステル」
「あら、な〜に? お・ひ・め・さ・ま?」
もはやクローゼも助けに入れなかった。
自分がどんな爆弾に火をつけ、あろうことか油までぶちまけていることに気づかないエステルは、
いっそ素晴らしいとさえクローゼや恭也、ティータには見えていた。
「君が女の子なんていう自覚を持っていたとは驚きだよ」
「あら、失礼ね。まあ、ヨシュアの可愛さには負けるけどさ〜、あたしだってね〜」
「釣りとスニーカー集め。本当に男と変わらないね。少しは女の子としての魅力を磨こうとは思わない?」
「あ〜、偏見! 女の子だからって釣りやスニーカー集めしちゃいけないっての?」
「そうは言わないけど、せめて女の子としての自信を持ちたいなら、少しはその女の子らしさで男の僕に勝とうと思わないわけ?」
「あ、ヨシュア、自分が女の子らしいんだって認めた!」
「いいよ、認めてあげるよ。そうさ、僕は女の子らしいかもしれないね。中性的だし? 料理できるし? 掃除できるし?」
「……なに自虐的になってんのよ」
「君が言ったんでしょ。で、そんな女の子らしさを示す要素全てにおいて僕に劣る君が女の子としての自覚? 笑っていい?」
「いいわけないでしょ!」
そろそろエステルも自分がどんな爆弾に火をつけたか、わかりだしたらしい。
――――手遅れだが。
クローゼはどうしようかと思ってところ、後ろからティータに引っ張られて振り向く。
恭也が連れてきてくれと言ったかららしい。
見ると恭也は手招きをして早くこっちに来いと。とりあえずティータに連れられてエステルとヨシュアから離れる。
「遊撃士にはいろんなことを求められる。もしかしたら掃除しろとか病人の看病をしておいてとか依頼されるかもしれない」
「そ、そんなメイドみたいな依頼が来るわけ……」
「わからないよ? 今までだって食材集めとかデュナン公爵説得とか、いろいろあったし」
「そりゃそうだけど……」
「いつも僕と組めるわけじゃないんだし、そういうのきたらどうするわけ? 病人に出す食事に魚のフライかオムレツにする気?」
「お、おじやとかそれくらい作れるわよ!」
「僕が寝込んだとき、魚のフライが3回続けて出てきたことあったと思うんだけど」
「覚えてないわよ、そんなこと!」
「へえ。つまり僕には冷遇したけど、ちゃんと作れるんだ?」
「冷遇って、あのときは別にそんなつもりなんて……」
「覚えてるじゃないか」
「ゆ、誘導尋問!」
「こんな簡単な誘導尋問に引っかかる君が悪いよ。と言うか、これくらい子供でもスルーできるよ」
「うう……!」
「作れるんならいいけどね。じゃあ……ティータ」
「は、はい!?」
黒い影を目元に纏うヨシュアが今まで見せたこともないくらいに爽やかに満面の笑みを浮かべており、
そんな彼に話しかけられたティータは明らかに怯えて見せる。
彼とティータに挟まれる形の恭也としては、気配を殺して自分はいないのだと強調する以外ない。
というか、巻き込まれたくない。
クローゼも離れろと言われた意味がわかり、ティータには悪いが巻き添えを食らいたくないと一歩離れたところで。
「病気にかかったときに看病して欲しいとしたら、僕かエステルのどっちがいい?」
それはかなり卑怯な質問だとクローゼは思う。
実際、ティータはますますオロオロして恭也とクローゼを見てくるし、助けを求められた恭也もクローゼも冷や汗が出てくる。
3人の答えはおそらく一致しているが、それだとますますヨシュアが勢いづくだろうし、
かと言ってエステルと言おうものなら、自分たちにまでヨシュアが食ってかかってくるかもしれない。
(ここは無難にヨシュアとエステルで分けたいところだが……)
(む、無理だよ〜。私たち3人だもん。どっちかが2人になっちゃうよ?)
(そうなると俺たちの中のその1人もエステルと共にヨシュアの口撃の犠牲にならなくてはならんわけだ……)
(ティータちゃんはさすがに……私かキョウヤさんですか)
(いや……3人ともに助かる道はある)
(……キョウヤさん……一応言っておきますけど、それ、かなりひどいですよ?)
(ではクローゼ。人身御供になってくれるか?)
(ずるいです、キョウヤさん……)
恭也が言っている助かる道というのが、どういうものかは容易に想像がつく。
だがある意味、これはエステルの自業自得。
恭也はこれもエステルのその口の軽さと場の雰囲気を読むための試練だと言い、
そのあまりに都合のいい言い訳にクローゼも呆れはしたが、しかし反対する気にもなれない。
――――ヨシュアのこちらを見る笑顔がとても怖いから。
3人揃って心の中でエステルに謝る。
「ヨ、ヨシュアお兄ちゃん……かな?」
「キョウヤさんとクローゼは?」
「む、俺もまあ……ヨシュアか? 別に変な意味はないんだが」
「わ、私もその……ヨシュアさん……でしょうか」
「クローゼーーーー!!」
「ご、ごめんなさい、エステルさん……!」
結果として、エステル1人を犠牲にすることによる3人が助かる道を取ったわけで。
エステルの叫びが心に痛いクローゼである。
が、この結果も予想済みと言うかの如く、ヨシュアの口撃が再開される。
「この差をまずは埋めようよ、エステル」
「わ、わかった! わかったからもう止めて! これ以上はあたしの女の子としてのなけなしの自信が……!」
「だからさ、女の子らしさで男の僕に全てにおいて負けている時点で、そんな自信は意味ないから」
「あうっ!? い、意味ないって、そんなはっきり言わなくても……」
「せっかくレシピ手帳あるのに、エステル、ほとんど見てないでしょ。メモもだいたい僕がやってるし」
「け、結構ヨシュアの知らないところで見てるのよ?」
「料理の中には混乱する思考を抑えたり、毒を中和する成分を含んでいながら普通の料理としても美味しいものもあったりするのに」
「いや、だから、ホントに見てるってば! ほ、ほら、ちゃんと作ったことあるじゃない!」
「あのクッキーのことかな? なぜか敵にぶつけると威力があったね。何あの『びっくりクッキー』?」
「何って言われても……ちょ、ちょっと試しに『魔獣の羽』とか『魔獣の種』を入れたらああなって」
「試食した僕は口の中で弾けるあれのせいでとんでもないことになったんだけどね?」
「うう、そ、それについては謝ったじゃない……」
「他にも、使うと爆発して大ダメージの『デンジャラス肉玉』だったっけ? あれを料理として出してくるとは思わなかったよ」
「こ、攻撃用のものとは知らなくて……」
「僕は攻撃用のものはレシピ手帳に赤いペンで『攻撃アイテム』と書いたはずだけど?」
「……き、気づかなかったのよ」
「どれだけ注意力がないの? クラムにバッチを取られたときもだけど、それって遊撃士として問題だよ?」
「…………」
「他にも――」
「ごめんなさい! ホントにごめんなさい! 謝ります! あたしが全て悪かったです! ごめんなさい!」
調子に乗ったら痛い目に遭う。
少しはそれをエステルもわかってくれるとありがたいものだと恭也はため息をつき、
クローゼは完全に色を失ったエステルを回復すべく、ティータと共に彼女のそばへ。
2人ともひどいと返すエステルに、クローゼとティータは必死で謝り、
謝る必要ないよと声をかけるヨシュアにはもう許してあげてくださいと。
「そのへんにしておけ、ヨシュア」
「キョウヤさんにもこの際色々と言っておきたいんですけど……」
「……まだ根に持っているのか?」
「そりゃ僕だけ女装させて自分は逃げたんですからね」
「……すまん」
今この場でヨシュアに敵うものは誰一人として存在しないようだ。
ヨシュアももう満足したのか、エステルに言い過ぎたと言い、今度は拗ね出したエステルをヨシュアが宥めるという形に。
とりあえず恭也もクローゼやティータと一緒になって。
――――結局10分はかける羽目になったが。
(あの口撃から10分で立ち直れるというのもどうかとは思うが……)
それは言わないでおく恭也である。
エステルとヨシュアはどちらからともかく頷いて、そろそろだろうと切り出した。
「あまりゆっくりしてると暗くなっちゃうし、早めに着いて動きたいから……そろそろ行くよ、クローゼ」
エステルとヨシュアはティータを連れて、これからツァイス地方へと向かう。
目的はもちろん、遊撃士推薦状取得の旅と、そしてあの黒い導力器を調べてもらうためにラッセル博士に会いにいくこと。
ティータの祖父だから彼女の紹介さえあればすぐにでも会えるだろう。恭也の名前まで出せば、尚のこと。
ルーアンからツァイスに陸路で行くには、このエア=レッテン屋上通路の先にある、
山を貫いて掘削したトンネル――カルデア隧道を使う。
「そうですか……エステルさん、ヨシュアさん、本当にありがとうございました」
せいぜい1ヶ月程度とは言え、エステル・ヨシュアとクローゼの3人はすでに打ち解けた友人同士。
親しき仲にも礼儀あり。
やはり少しばかり寂しそうにしながらも、クローゼは頭を下げて礼をした。
「こちらこそありがと。すっごく楽しかった! 学校に通えるなんて思わなかったし、これもクローゼのおかげ」
「貴重な経験をさせてもらえたよ。クローゼだけじゃなくてハンスやジルとも友達になれたしね。ありがとう」
学園のみんなにもそう伝えてほしいと改めてクローゼにお願いし、エステルが手を差し出すと、
クローゼは握り返そうとし、でもそれだけでは足りないと、エステルに抱きついた。
「ちゃんと伝えておきますから……お2人と一緒にいられて、友達になれて、とてもよかったです」
「あたしも……ホントにありがとう、クローゼ」
少し驚いたものの、エステルもそっと抱きしめ返し、お互いもう少しいたいと思っていることを確かめるように。
でもやっぱりそんなことを言っていたらいつまでも離れられないのだからと、戒めるように離れる。
「また、会えますよね?」
「もちろん。ね、ヨシュア?」
「うん。それに、クローゼが助けてほしいときは必ず来るから」
遊撃士であり、そしてその前に友人だから。
静かに離れるエステルとクローゼに、ヨシュアもはっきりと返し、そして今度は恭也の方を。
エステルと共に恭也の方にも礼を言い、
そして恭也もまたクローゼを護れたのはエステルとヨシュアのおかげであることに礼を返す。
「ツァイスでもしっかりな」
「はい。恭也さんもまたいつか」
「ああ。そのときはお互い正遊撃士になっているといいな」
ヨシュアと固い握手を交わし、恭也はティータのことを、ツァイスにいる間もできれば気にかけてやってくれと頼んでおく。
すでにエステルとヨシュアにとっても妹のようなティータゆえ、2人は言われるまでもないと快諾した。
「ああ、ティータ。これを」
忘れていたと半ば慌てて懐から紙片を取り出し、ティータに渡す。
「これ何、キョウヤお兄ちゃん?」
「漬物の作り方だ。博士がなくなったと言っていたのだろう? さすがに作って持たせるわけにもいかんからな」
「あ、うん。わかった。おじいちゃん、喜ぶよ」
そうだといいなと返し、恭也は頼んだぞとティータの頭を撫でる。
もう少しそのままでいたそうだったが、もう行かないと迷惑がかかるからと我慢したティータを連れ、
エステルとヨシュアは関所の奥、カルデア隧道入口へ。
そこに立っている兵士にすでに済ませておいた通行許可の証明書を見せ、兵士が確認して開いた鉄格子をくぐり、
3人は照明こそあるものの、やはり薄暗い隧道内へと歩を進める。
「「それじゃあ」」
「クローゼお姉ちゃん、またね〜! キョウヤお兄ちゃんも頑張ってね〜!」
鉄格子が閉じる前に一度だけ振り向いた3人に、手を振り返して笑いかける恭也とクローゼ。
そして鉄格子が閉まり、3人の後ろ姿がゆっくりと薄暗い空間に消えていくと、手を下ろし、
恭也とクローゼはしばし彼らが消えていった先を互い無言で見続けいた。
「……寂しいか?」
「それはもちろんです。キョウヤさんもですよね?」
「まあ、な」
しかしクローゼはどことなく楽しげにしながら「でもいいんです」と踵を返して歩き出す。
「またしばらくしたらお婆様の誕生日がありますし」
「ああ、女王生誕祭か」
そう言えばもうそんな時期になるんだなと、クローゼの半歩斜め後ろを歩きながら恭也は空を振り仰いだ。
女王生誕祭に王族が集まらないわけにはいかないし、クローゼにとっては義務感よりも、
大事で大好きな家族である祖母の誕生日なのだから祝ってあげたい気持ちの方がはるかに強い。
もしかすればエステルとヨシュアも王都に来ているかもしれない。
(さすがに難しいところだろうが、それは言う必要のないことだな)
エステルとヨシュアは本当に珍しいのだ。
大事件が起こり、それに関わり、だからこそ各地で推薦状を早々ともらっているが、
本来ならこんなに早く推薦状をもらえることはほとんどない。
恭也の場合は単にゆっくりとやろうと思っていることもあるが、今回のような大事件がそうそう起こるわけでもないし、
エステルとヨシュアにしても、普通に考えればツァイスでまでそんな事件に遭遇するとは思いにくい。
だがそれとこれは別。
僅かに見える横顔から再会を心待ちにしていることがわかるクローゼに、会えるはずがないなどと言えるはずもなし。
そも言う必要もない。
「強く願えば、本当に叶うこともある……か」
「そういうことです」
ちょっと驚いたふうながらも、クローゼは恭也の独り言にちゃっかりと返してくる。
何に驚かれているかは言うまでもないだろう。
「俺がこういうことを言うのがそんなに珍しいか、クローゼ?」
「はい♪」
「即答するな。クローゼ、よもやエステルの遠慮のない辺りが感染ったのではないだろうな?」
「あ、今度エステルさんに会ったら今の言葉、告げ口しちゃいますよ?」
エア=レッテンを出た2人はルーアン市へ戻る道中に着き、アイナ街道を進む。
「キョウヤさんも、もうすぐルーアンを出ちゃうんでしょう?」
いつものような言い合いは、どれだけやっても飽きることがない。
恭也と向き合う形で後ろ向きに歩いていたクローゼが、おもむろに背中を向けてそう切り出した。
「そうだな。推薦状をもらった以上、ゆっくりしているとは言っても長居はできん」
支部に所属する準遊撃士は、遊撃士協会と地方の宿が提携を結んでいるために一般客より安い料金で滞在できるわけだが、
もう推薦状をもらっているというなら、それに甘えていつまでも特別料金で滞在などしていられない。
何も追い出されることはないし、支部に所属しているのなら推薦状をもらおうともらうまいと仕事は入ってくる。
仕事をしているのだからそれでいいと言えばいいのだろうが、やはり少しでも早く正遊撃士になることが望まれるもの。
「本当ならクローゼが王都に戻るまで護衛を続ける気だったのだが……もうお役御免だからな」
「キョウヤさんお1人の責任じゃありませんから、それは誤解しないでください」
「ああ、わかっている。ただ何にしても、俺がもうここに留まっていなければならない理由はない」
あくまで"いなければならない"理由がないのであって、恭也本人が"いたい"理由ならばある。
ちゃんとクローゼが戻るまでの間は護衛でなくとも何か彼女のためにしてあげたいし、
孤児院の子供たちの面倒だって見てやりたいし、個人的に釣りのし甲斐がある地方でもあるし……しかしだ。
「それに今回のことで、"準"遊撃士がやはり大事な時に動きづらい身分であることもよくわかった。
正直なところ、彼に仕事を取られた時は悔しかったし、歯痒い気分だった」
協会規約だからやむをえないことはわかっているが、やはり理解と納得は別。
放火の件を、恭也は自分が調査して犯人追跡がしたいところだったものをアガットに取られてしまったとき。
護りたいものを壊されておきながらその件に関わることができなくなったあのとき、
エステルとヨシュアを宥めはしたが、恭也も本心を言えば文句を言って無理やりでもついていきたいところだった。
孤児院の子供たちのために何か……何かしてやりたかったのだ。
たまたま事件がエステルとヨシュアと共に恭也も関わる形に発展したものの、それは本当に"偶々"だ。
「だからクローゼがクラムたちを学園祭に呼んでやったり、寄付金を募ったりしたと知ったときは、
尚更俺は自分がまだまだだなと思ったよ」
いろんな形で、できる形で、やれることをやる。
クローゼがしたことはそういうこと。
何も事件を追うだけがクラムたちのためにできることではない。それは『できること』のほんの一端。
本当に大したことをしたわけではないとほんのり頬を染めるクローゼ。
恭也はそれを微笑みながら視界の端に捉えつつ、前を向いて自分の考えを伝え続ける。
「まだまだなら、早く1人前にならないといかん。
もちろん、正遊撃士になったところで身分的に一人前になれるだけで、人としては未熟だ。
例えばカシウスさんとて正遊撃士だが、俺が正遊撃士になれたところでカシウスさんとではまるで器が違うだろう?」
「カシウスさんをこの場合比較対象にするにはちょっとどうかと思いますけど……」
「まあ、そうなんだがな」
2人して吹き出すのを止められない。
カシウスを基準に考えるのは誰が見ても間違いだろう。彼は別格・破格の類だ。
彼を並べて比較対象にできるような者など、それこそ彼と同じランクと実力の持ち主くらい。
それこそクローゼの祖母――このリベール王国現国家元首、アリシア女王くらいの器量持ちでなくば。
「結構前にアネラスさんも正遊撃士になれたと聞くし、エステルとヨシュアを見ていたら少々俺もじっとしていられなくてな」
「アネラスさんって誰ですか?」
「ああ、俺がツァイスにいた頃に準遊撃士として旅をしていた女性の剣士だ」
また模擬戦をしようと約束していることを思い出し、そのときまでに恭也は自分も正遊撃士になり、
正遊撃士として彼女と相対したかった。
クローゼにとっては女性との約束、しかも何だか剣士同士として通じているような恭也とアネラスに、
少々複雑な思いを抱かないわけではなかったが、そんなものは吹き飛ぶ。
「クローゼも前に進んでいるし、焦らないわけにはいかない」
「え? 私ですか?」
「クローゼも半年前、初めて会ったときは迷っていたろう? だがあのときからクローゼは少しずつでも前へ進もうとしていた」
今回の件で、クローゼ自身が自覚しているかどうかはさて置いても、間違いなく彼女の歩みは止まらず進んでいることは明らかだ。
それを見ていて、恭也としては"ゆっくりでいい"とは思えなくなった。
「これでも、俺も男なんでな。
クローゼのような女の子が必死でやっているのに、男の俺がいつまでものんびりとやっているわけにもいかない」
恭也にプライドがあるのは言うまでもないことで、クローゼもそれくらいわかっている。
だが半年前にあんな説教さえ自分にしてくれた恭也が、自分を見て焦りだし、
男としてやらなければならないと思ったなどと言われると、クローゼも恥ずかしい以前に驚きであった。
何でもないように前を見ている恭也――僅かに瞬きが多い辺り、言ってて恥ずかしくなってきたのだろう――を、
クローゼはしばし見上げて凝視してしまう。
「あ〜、なんだ……と、とにかく俺も負けていられんと思ったと、そういうことだ」
「あ、あの、えっと……恐縮です」
2人して頬を染め、片方は瞬きをしつつ視線を空に向け、片方は俯いてしまい、もはや魔獣でさえも呆れそうな光景である。
クローゼの頭に、先ほどの嫉妬の感情などもはや欠片も残っていなかった。
恭也の言っていることが、エステルとヨシュアと別れたばかりなのに、
今度は恭也とまでそうなるということであるのはわかっている。
だがこれは必要な別れであって、互いに互いの道の邪魔をしてはいけない。
「次はロレントですよね」
「ああ。そこで最後だ」
同時に、これは再び2人の道が交わることがわかっている。
エステルとヨシュアたちと同じこと。再会を約束しての別れ。
「クラムくんたちがちょっと寂しがりそうです。エステルさんにヨシュアさん、ティータちゃんまでいなくなってしまいましたから」
「……悪いとは思うのだがな」
話せばわかってくれるとクローゼが元気づけ、
正遊撃士になった暁にはツァイスとルーアンを拠点にして行動すればいいだろうと提案する。
「ツァイスにもいないと、ティータちゃんが寂しがりますもんね」
「やれやれ。行ったり来たりになりそうだな」
「頑張ってください、"みんなのお兄ちゃん"♪」
「面白がってないか、クローゼ?」
「いえいえ」
王女らしい上品な笑み。しかしそこらの女の子と変わらないちょっとした悪戯。
そんなクローゼを、恭也は軽くその額を小突いて返す。
どことなく、そんな日常的になったやり取りがしばらくできなくなるんだなと寂寥を抱きながらも、
こんな日常を護りたいと願う恭也であった。
――続く――
あとがき
クレ
ソラツバ18でしたがいかがだったでしょうか。あれですよね、もう私のいいたい事はわかりますよね?
恭クロ! 恭クロ!
大事なことだから二回言いましたw
もうこの回はこれしかないでしょう。
なのはがついに軌跡世界にーって大事なことがあったけど、私の脳は常に恭クロを優先させるのですw
会話の端々に初々しさとかフラグとかが見受けられてニヤニヤしっぱなしでしたw
19も恭クロてんこもりであることを期待しつつ。
※ ちなみにフラグ云々はクレ個人の妄想であり、実際にそうであるかは保障しません。
シンフォン
こんにちは、おひさしぶりです。自作をいつまでたっても出さない、直さないダメ人間のシンフォンです。
いや、ほんと管理人さんご迷惑かけます m(_ _)m。
さてさて、今回またまたあの娘が登場しましたね。我らの問題児。可愛さあまって、憎さ億倍。
困ったちゃんめ、どう苦しめてくれようか……はっ!? いかんいかん、どうも他三人が黒いので汚染されそうだ。
私だけでも清い心を保たなければ。
恭也サイドはついにルーアンを離れますね。
読者達にはじれったいかもしれませんが、この作品は『物語』。
一人一人の出会いと別れ、省略できない先へと続く繋がりは大事にしなければいけません。
そういうわけで、駆け足ではなくじっくりと歩くつもりで楽しんで下さい。
それでは、また。FLANKERさんに熱い応援をよろしくお願いします(笑)
enna
さてさてこん〇〇は、ennaでございます。ソラツバ18をお送り致しましたが、如何でしたでしょうか?
エスヨシュ&ティータのお見送り、ほのぼのとした雰囲気で進むはずだったこの話……。
一体何時から、真っ黒ヨシュアの逆襲の話に変わってしまったのでしょうかw
……多分これはFLANKERさんが真っ黒成分に毒されたからに違いない、うんきっとそうだ(何
とゆーわけで、真っ黒ヨシュアはイコールFLANKERさんの意識代行、ということでファイナルアンサーw
で、ではでは、次のお話もどうぞお楽しみあれ!
……最近、TSヨシュアと恭也のカップリングが頭の中に浮かび上がり、ありだな!と思ってしまったennaでした〜w
FLANKER
貴方の後書きは常に恭クロだな! いや、もうちょっとそれ以外の後書きをくれ! それと次回は恭クロないぞ?(嗤
汚染って何だ!? 私は巷で流行の新型インフルエンザウイルスか!?(爆
誰が黒いだ! 黒いって言うなああああ!!(泣
そしてそのカップリングは危険だ! このソラツバではやらんぞ?(笑
……とりあえず上の失敬だったりいつも通りだったりな方々にツッコミだけはしておくFLANKERです。
ソラツバ18でした〜。8月中に出せなかったのが悔しい……!
毎回このスピードとはいかないまでも、せめて一月に二話くらいのペースは維持したい……。
二話続けて大してストーリーが進んでいないので、その点については申し訳ありません。
ただ、私には絆を1つのテーマにしていると『空の軌跡』から感じられまして、
シンフォンさんが仰っておられるように、そうした繋がりを描くのは『空の軌跡』を題材にする以上は必須かと。
それを言えばとらハやリリなのも『絆』が大事なテーマに見えますしね。外せないんですよ。
次回で恭也もルーアンを離れ、以降はツァイスのエスヨシュ・ロレントの恭也・エレボニアのなのはと、
この3視点を核にストーリーを進めます。
ツァイスのエスヨシュ視点はほぼゲーム通りですので、このあたりは省きます。
ちょこちょこと恭也サイドなどで動向が出てくるので、時間軸はそれでお分かり頂けると思いますので。
空の軌跡を知らない人にはそれではわかりにくいでしょうけれど、後で何があったのかはちゃんと書きますので。
次回からの3〜5話程度はいろんなキャラの、それぞれの視点での話になります。
その最初の次回は、王国軍情報部のあの人たちです。
なのはが遂にこっちの世界へと到着したな。
美姫 「来て早々、ちょっと襲われたけれどね」
まあ、その辺はなのはも魔法少女として頑張ってきたからか、どうにか逃げ切ったけれどな。
美姫 「でも、なのはが出会った人物は誰なのかしらね」
恭也となのはが出会うのも楽しみだけれど、それぞれが新たな人と出会ったり、というのも読んでて楽しいです。
美姫 「本当よね。次はどんな事が起こるのか楽しみだわ」
少しずつ洗脳されてきた所為か、恭クロに染まりつつあるだけに恭也の旅立ちは少し悲しいですけれど。
美姫 「次回の王国軍情報部のお話も待ってますね」
待ってます。