空と翼の軌跡

LOCUS OF 14

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 息を整えながら目の前に高くそびえるバレンヌ灯台を見上げるエステル。

 横でヨシュアとクローゼも同じように。

 そして2人の正面には、

 マノリア村で同行することになった赤毛の髪に身の丈ほどもある大剣を背負う青年――アガットの背中があった。

 

「本当にここなんだろうな?」

「間違いありません。ジークがそう言ってますから」

 

 チラリだけ振り返るアガットに、クローゼは腕に止まっているジークと一度目を合わせた上で頷いて返した。

 

「大丈夫です、アガットさん。ジークは信用できます」

 

 エステルもヨシュアに追従して首を縦に振った。ジークの優秀さなど、もう充分にわかっているのだ。

 アガットとしてはどんなに優秀だろうが鳥ではないかと言いたいかもしれないが、3人が3人とも断言する様子に、

 特にそれ以上追求したりはしなかった。

 何より、彼としては遊撃士としての鼻が反応している。

 

『ここが怪しい』と。

 

「本当についてくる気か、嬢ちゃん?」

「お願いします」

 

 犯人がこの灯台の中にいるというなら、これ以上民間人のクローゼを踏み込ませるべきではない。

 マノリア村でエステルたちは放火犯を探しているはずのアガットと会い、そのまま共に行動することになった。

 今回ばかりはちゃんとした理由があるのだから、エステルたちも引き下がらず、アガットも仕方ないと了承したものの、

 クローゼの存在はやはり見過ごせないらしい。

 ちなみにティータは自発的にマノリア村に残っている。子供たちのそばにいてあげたいとのこと。

 むしろその方がいいということでティータには残ってもらっていて、

 もしかしたら後からやってくるかもしれない恭也への伝言役もお願いしておいた。

 エステルたちとて、遊撃士なら民間人を危険な場所に連れて行くのは褒められることでないとわかっているが、

 クローゼの気持ちもわかるし、彼女の腕は決して足手まといとなるものではない。

 

「クローゼの腕はあたしが保証するわ。足手まといどころか、むしろ頼りがいがありまくりよ」

 

 ヨシュアの方にも目を向けるアガットに対し、ヨシュアもまた頷いて返す。

 

「……ま、少なくともお前よりは役に立つかもな」

「な、何ですってーーーー!」

 

 こういう返ししかできない辺りはアガットらしいと言えばらしいのだろう。

 それでも婉曲な同行許可であることに変わりはなく、クローゼは礼を言いながら頭を下げた。

 エステルも納得はいかないが、いつまでも言い合っている場合ではないのでここは黙っておく。

 

「行くぞ」

 

 言い合っているうちに息を整えている辺りは、4人ともさすがというものだろうか。

 アガットを先頭に、クローゼを間に挟むようにしてエステルとヨシュアも続く。

 灯台の古びた扉を開く。と、正面に何者かの姿が。咄嗟に構える4人。

 

「――お前ら。ここで何してる?」

 

 灯台の中は暗いが、それでもすでに夜の海道を走ってきただけあって、すでに全員夜目が効いている。

 真っ先に彼らの正体に気づいたアガットが、目を細めて言った。

 

『…………』

 

 だが彼らの返答はない。

 

「シロだと思ってたけど……あんたたちだったわけね! レイヴン!」

「ルーアンから姿を消したと聞いて来たが……何やってんだ、お前ら!」

 

 振り向いた、全部で10人はいるだろうレイヴンの不良青年たち。

 ここに彼らがいるということは、テレサ院長や孤児院の子供たちを襲った犯人であることになる。

 そして孤児院の放火という件に関しても同一犯であると思われている。

 これはアガットがやって来た理由だ。

 襲撃事件発生直前、彼はルーアンからレイヴンたちが消えたとの報を受けていたので、急ぎ向かってきたというわけである。

 

『…………』

 

 エステルとアガットがいきり立って怒鳴っても、なぜか彼らは何も言わない。

 ただエステルたちの怒りに反応したように、手に警棒を構えて静かに近づいてくる。

 

「みんな、構えて」

 

 クローゼの前に立ち、ヨシュアは双剣を抜いた。

 それはエステルにしてもアガットにしても同じ。

 レイヴンたちの様子がおかしいことは言うまでもなかった。

 クラムの件の際は、あれだけ挑発するように返してきた彼らなのに、どこまでも無言。

 彼らの性格なら、もし本当にこんな事件を犯したとすれば、「今さら気づいてやんの、ば〜か」くらいは言いそうなものだ。

 それに……

 

「おかしいと思ったんだ。僕らですらどうにかなったこの人たち相手に、正遊撃士のカルナさんが気絶させられるなんて」

「だろうな。カルナの奴なら遠距離攻撃手段を持たねえこいつらなんぞ、近づけることなく撃退するだろうよ」

「それにカルナさんの傷、どう見ても打撲の傷じゃなかったもんね。あれは刃物みたいなもので斬りつけられてできたものだし」

 

 未だ意識が戻っていないカルナはマノリア村に収容されている。

 彼女を見たとき、エステルはその体に切り傷があったことを思い出して、今のレイヴンたちが持つ警棒でできる傷ではないと判断。

 

「お前がそんなことに気づくとはな。少しは見直してやる」

「……いちいちあんたって男はムカつくわね」

「成長したね、エステル」

「ヨシュアまで言うか!」

「僕は褒めてるんだけど」

「え、え〜っと……皆さん、もうちょっと緊張感を持った方が」

 

 操られているのか、意識が希薄らしい状態でも馬鹿にされているとくらいは察することができるらしく、

 レイヴンたちが警棒を振り上げて襲いかかる。

 それぞれの得物で受け止める4人。

 

「――なに、こいつら!? 力が強っ!」

「身体能力まで上がってるのか……!」

 

 戦術オーブメントでも持っているのだろうかと思ったが、至近距離で睨みつけたことでそうではないと気づいた。

 彼らの目は光がない。完全に操られている。

 戦術オーブメントは使い手の精神面が重要だ。イメージや意思が必要不可欠。

 この状態で、戦術オーブメントを使えるわけがない。

 

「薬か、催眠みたいなものでしょうか?」

「そんなところだろうね」

「へっ、そんなモンでどうにかできると――思ってんじゃねえよ!」

 

 3人分の警棒を重剣で止めきっていたアガットが、その腕の筋肉を一瞬認識できるほどに盛り上がらせ、

 レイヴンたちの警棒を押し返す……だけにとどまらず、そのまま壁まで彼らを吹き飛ばした。

 

「すごい馬鹿力ね……」

 

 元々重剣を使うとか、見た目のガタイや性格辺りとかから、パワー重視の戦士タイプであろうことはわかっていたが、

 それでもアガットの力には恐れ入るエステルである。

 "重剣のアガット"の名は伊達ではないということだろう。

 

「負けてらんないし!」

 

 力がないことを女性だからと言い訳するつもりはない。

 それでもレイヴンたちよりは腕力でもあるつもりだ。基礎体力はみっちりつけてきていたのだから。

 だが力だけがエステルの戦い方ではない。火属性のクオーツをつけているが、あくまでそれは補助的。

 棒の支点の軸をずらす。力で押し込んでいたレイヴンメンバーの体がよろめく。

 こちらに倒れこんでくる青年の横をすり抜けるようにして回転。

 棒は使わず、手刀一閃。首を打って気絶させる。

 

「せいっ!」

「やっ!」

 

 ヨシュアも刃を立てずに、腹を打って気絶させる。

 ジークがレイヴンの青年に飛びかかって慌てさせ、そこにクローゼが柄で同じく腹を打つ。

 

「数が多いな、メンドくせえ」

「エステル、"ファイアボルト"だ! 当てるんじゃなくて」

「――な〜るほど! わかった!」

 

 即座に意識を集中。火球を生み出す。

 

「みんな、しゃがんで目を閉じて!」

 

 4人は互いに背中を向け合い、しゃがみこむ。

 頭上に向かってエステルは火球を撃ち、自らもしゃがんで目を閉じ、火球を爆発させた。

 

 

 

 

 

 暗い灯台の中で、火球が太陽のように閃光を放つ。

 

 

 

 

 

「今だ!」

 

 4人が一斉に立ち上がり、レイヴンへ攻撃を仕掛ける。

 

――――レイヴンたちは夜目が効いている中での突然の閃光に、完全に目をやられてしまっている。

 

 彼らが満足に反応できない中で、4人は次々に気絶させていく。

 最後のレイヴンの青年をアガットが「この馬鹿が!」と豪快に吹き飛ばして――彼は容赦ない――片付く。

 

「やるじゃねえか」

「へっへ〜ん。少しはわかった? あたしの実力」

「何いきがってやがる。今のはヨシュアの咄嗟の思いつきを褒めたんだよ」

「〜〜〜〜!」

 

 鼻で笑ってアガットは倒れているレイヴンたちの様子を調べにいく。

 その途中で、ヨシュアの思いつきを即座に理解した辺りは褒めてやると言って。

 

「……素直じゃない奴」

 

 ヨシュアが苦笑しながら毒気を抜かれたエステルの肩を叩き、そのままアガットのそばへ。

 クローゼはやっぱりヨシュアとの連携はお見事ですね、とアガットとは違って微笑んでくれる。

 忘れるなとばかりにジークもエステルの肩に止まって翼を広げた。きっとよくやったなと言ってくれているのだろう。

 

「……やっぱり薬ですね」

「ああ。メシにでも盛られたか……その上催眠とは手の込んだことしてくれんじゃねえか」

 

 本当の敵は上にいる。

 そう判断し、とりあえずレイヴンたちは一箇所にまとめて横に寝かせておく。

 彼らに謝りながらアーツで治療するクローゼに、アガットはお人好しだなと言いながらも一応の礼はしておいた。

 

「終わったんならさっさと行くぜ。逃がしたなんてあっちゃ、それこそ骨折り損だからな」

 

 走り出すアガットに、エステルたちも続いて階段を駆け上がっていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、恭也はナイアルと共にルーアン市内を駆け回っていた。

 報告はとっくに終えている。ならばエステルたちの下へ向かわないといけないのではというものだろう。

 もちろんそんなことはわかっているし、この行動もその一環としてのものだった。

 

『恭也、君は彼の護衛を頼めるかい?』

 

 ルーアン市部のジャンにマノリア村の男性と報告した後、レイヴンたちが倉庫街から姿を消したことを聞き、

 さらにその件でアガットがマノリア村へ向かったことも知った。

 行き違ったらしいことに舌打ちした恭也はすぐに自分も向かおうとするが、ジャンはそれを止めて別の仕事を回した。

 ナイアルの護衛を。

 

「こんな所で誰に会うんですか?」

「ちょいとな」

 

 いま恭也たちがいる場所は、ルーアン市南街区の波止場だ。船に積荷を載せたり下ろしたりする大型機械に隠れるように。

 

「相手はちょっとワケありでよ。お前さんも黙っててくれよ?」

「相手が犯罪者だったりするのでは、遊撃士としてそれはできませんよ」

「勘違いするな。そんな奴ならジャンが許さねえよ。安心しな、普通の一般人さ。ただちょっと今は正体ばれるとやばいんだよ」

 

 ナイアルはタバコを取り出して火をつける。吸うか、と聞いてくる彼に、恭也は体に悪いだけですよと返す。

 これがないと仕事はできんとナイアルは楽しそうに煙を吐きながら肩を竦めて見せた。

 

「その人も護衛する必要があるということですか」

 

 ナイアルはタバコをふかしながら静かに頷き、恭也が見たことのない真剣な顔になってある紙を渡してきた。

 さすがに夜だから暗くて見にくいのだが夜目が効いているし、元より深夜の鍛錬などで暗闇には強い方だ。すぐに見えてくる。

 

「…………これはまた」

「へへ、わかったか?」

 

 得意げに鼻の下を指でかくような仕草を取るナイアル。

 紙に書かれているのはちょっとした帳簿の内容だった。市の財政などが書いてある、要するに公文書の類だ。

 そんなものを一般記者のナイアルが持っているのはおかしいかもしれない。

 要求すれば市の財政は見せられる範囲で公表されることもあるし、

 ちゃんと素性が知れている記者にならある程度は見せてもらえるかもしれない。

 だがこの紙に限って(・・・・・・・)それはありえない。

 

「裏帳簿ですね?」

「そういうことよ。会う相手ってのはカジノの店員でな。

 お前さんも聞いたことくらいはあるんじゃないか? ダルモア市長の黒〜い噂」

「金を使い込んでいる、くらいなら。どこでもありそうなスキャンダルだと思ってましたが……」

 

 要するにその噂が本当だったかもしれないということ。

 だが別に個人がお金をギャンブルにつぎ込むことはどうこう言うことでもないし、ギャンブルも法を守ってのことなら問題ない。

 ただつぎ込んだ金がどういうものだったかが問題なわけである。

 

「市の公金だったと?」

「その可能性大だ。実はダルモア市長の私有財産をちょこっと調べたんだけどよ、これがまた結構使い込んでてな〜」

 

 恭也はダルモア市長のことを思い浮かべながら、あの好意的な紳士の裏を垣間見てしまった気分になる。

 人である以上は世界が違おうが変わらないんだな、とため息をつきながら。

 とそのとき、人の気配を感じる。小太刀に手を回し、ナイアルを陰に。

 

「……大丈夫だ」

 

 ナイアルが人影を確認し、そう呟いた。

 

「それにしても……こんな危険なことに手を出すとは、貴方もとことんまで記者ですね」

「俺の武器は筆なんだよ。真実を日の下に晒し、人々に知らせることが記者である俺の仕事だ。必要なら危険だろうがやる」

 

 特ダネやスキャンダルを追い求めているだけの軽い人間ではない。

 記者としての仕事にプライドを持って、真実を(・・・)追い求めるために自分の足で駆けずり回る。

 彼は嘘だろうとスキャンダルにだけ飛びつくような記者などではなかった。

 

「その気概には称賛しますよ」

「ありがとさんよ。んじゃ今度、この前の続きとしてお前さんの取材を――」

「それはお断りします」

「つれねえなあ、お前さん♪ さてと……よう、よく来てくれたな」

 

 相手はナイアルと同程度の年頃に見える男性。

 キョロキョロと周囲を気にしている辺りから、自分のしていることの危険さを理解しているらしい。

 ナイアルのインタビューに小声で答えている。内容は市長がカジノでかなりの額を使い込んだことなどのようだ。

 

(これと放火や襲撃事件に関連性か……確かに、考えてみれば市長にとっては都合がいいことばかりだな)

 

 ナイアルと男性は工作機械を背にして話している。後ろから狙われることはない。

 横は両側とも海だ。船などに乗っていては見つかりやすいだろうから狙撃の可能性も低い。

 もちろん念を押してコンテナで横もガードしているが。

 あとは正面。恭也はナイアルと男性の前に立って警戒。

 

(レイヴンを犯人に仕立てれば、市長にとって面倒な彼らを排除できるわけだし、

 襲撃で強奪した義捐金にしても、自分のものにすれば使い込んだ財産の埋め合わせにできるわけか)

 

 ダルモア市長にとって確かにプラスになることばかりだ。

 

(だが現時点では理解しがたいこともあるな)

 

 1つ目――レイヴンをどうやって犯人に仕立てたのか。

 元々市長とレイヴンの仲は悪い。毛嫌いし合っていたのは恭也も目にしている。

 あれはフリだったのだろうか? そうなると、よほどこれは計画的。もしかしたら金でレイヴンを釣ったのかもしれない。

 2つ目――レイヴンに正遊撃士であるカルナを気絶させることができるか。

 不意を突いたとしても、カルナがレイヴン相手に後れを取るとは思えない。

 3つ目――なぜ孤児院を放火したのか。

 もちろん、レイヴンがやったことにするための理由作りかもしれない。でもなぜわざわざルーアンから離れた孤児院を狙ったのか。

 ただ罪を着せるためだけなら、ルーアン市内でもいいはず。

 

「リゾート計画ってわけかよ」

 

 ナイアルが呆れたような声を出しているのが聞こえる。警戒を怠ることなく、そちらにも意識を向ける恭也。

 

「ええ。海沿いはとても景色がいいですからね。

 あそこは今でこそ森林が広がっていますけど、少し伐採してしまえば逆に自然たっぷりのリゾートになりますから」

「リゾート計画で一儲けして借金やらをパーにしようってか。こりゃよくできてる」

 

 ナイアルの言う通りだ。本当によくできている。

 リゾート地にお世辞にも綺麗とは言えない孤児院が立っていたら、傍目にもリゾート地としての格好がつかないだろう。

 街を愛し、市民のためを思う紳士市長。古くからルーアンに根付いてきた貴族の家の出。

 それらは全て……仮面だったのだろうか。

 

 

 

 

 

(貴方は自分の財産のために、優しい女性と子供たちの温かい家を奪い、犠牲にしようというのか)

 

 

 

 

 

 ナイアルたちに恭也の顔は見えない。

 彼らに背中を向けたまま、恭也は拳を握り、誰もいない正面の空間を睨みつけていた。

 

 

 

 

 

(多くの人が彼らを助けたいと寄付した金銭を、自分の欲に継ぎ足そうというのか!)

 

 

 

 

 

 恭也の瞳の奥で、そこにダルモア市長が嗤っている姿が映っている。

 義捐金の束を手にダルモア市長が見下ろす先には、テレサ院長とクラムたち。そして……クローゼが。

 

 

 

 

 

(クローゼの気持ちを……踏み躙ろうというのか!!)

 

 

 

 

 

 手首に仕込んでいる飛針を取り出す。即座に後方上空に向かって投擲。

 

「ギャワン!?」

 

 犬のような鳴き声だった。その声質は本来なら獰猛な獣とわかるほど低く怖気を誘うだろう。

 しかし今、その声は悲鳴として上げられ、怖気ではなく、気持ち悪さだけを木霊させる。

 

「な、何だ何だ!?」

「ひいいっ!?」

 

 工作機械の上からナイアルたちの喉笛にでも飛びかかろうとしたのだろう。

 恭也の飛針によって逆に喉笛を貫かれた大型の犬、というより狼のような魔獣が海に落ちていく。

 

「ナイアルさん。それと貴方も、そこを動かないようにしてください」

 

 意識を集中。"アースガード"を発動し、ナイアルを。続いてもう一度発動して男性を。

 

「すぐに片付けますので」

「あ、ああ……」

 

 仲間がやられたことで怒ったか、姿を見せ始める、先ほどと同じ魔獣。1……3……5匹。

 気配は……他にはない。どうやらこれで全部らしい。

 珍しい類の魔獣ではない。犬に似ているからか、頭がよく、手懐けて軍用犬のように使われている魔獣だ。

 

「"アタックドーベン"か。お前たちはきっと誰かに手懐けられただけなんだろうが……」

 

 小太刀を抜き放ち、同時に殺気を飛ばす。

 

「今の俺は機嫌が悪い。御神不破流の前に立ったこと……いや、その前に、今の俺(・・・)の前に立った自分たちを恨め」

 

 "シルフェンウィング"。

 一気に距離を詰め、アタックドーベンたちの中心にいた1匹に小太刀を突き立てる。

 殺気に明らかに怯んでいたアタックドーベンたちは驚きつつも、なめるなとばかりに恭也に四方から飛びかかる。

 が、しゃがみこんで後退しながら『皓月』を立て、アタックドーベンの腹を裂く。

 

「残り3匹。来い!」

 

 一斉に追撃を仕掛けてくるアタックドーベンたち。壁にしていたコンテナに宙返りで乗りかかり、跳び箱の要領で反対側へ。

 

――――意識を集中。

 

「ふん!」

 

 コンテナを蹴りつける。すでに中身が空だったことを確認済み。

 火のクオーツをつけていたため、恭也の筋力は通常より上がっている。

 コンテナは別のコンテナとの間にアタックドーベンを挟みこんだ。悲鳴。1匹分。

 

「残り2匹」

 

 『調子に乗るな』。まるでそういうかのように恭也を囲い込むアタックドーベン。

 同時に攻撃を仕掛けたり、コンマの差を開けてきたり。

 

「ちっ、よく飼い馴らされている」

 

 さすがに爪と牙は目障りだった。右肩に僅かにかすったようで、服が裂けている。

 牙は毎回恭也の喉笛を狙ってきているが、それゆえに牙は見切りやすかった。

 恭也の周囲を走り回り、止まらない。止まったら狙われると本能で察しているらしい。

 

「いい見極めだ。だがそれが今回は災いしたな」

 

 

 

 

 

 集中していた意識を『解放』へ。

 風属性攻撃アーツ発動。

 

 

 

 

 

"エアリアル"!」

 

 右の『八景』を掲げると同時に、恭也の足元から風が巻き起こる。

 風属性アーツには大きく分けて3種類の攻撃系アーツがある。

 1つは圧縮された空気の塊で切り裂くタイプ。1つは雷撃を放つタイプ。そしてもう1つが、竜巻を起こすタイプ。

 恭也が使ったのは最後の竜巻タイプ。その最も初級のアーツがこの"エアリアル"だ。

 上級の"エアロストーム"ともなれば、真空の刃で切り刻むことができるが、

 "エアリアル"は石つぶての混じった弱めの竜巻を起こすものである。

 

"神速"!」

 

 そして有効範囲は竜巻の及ぶ範囲全て。当然中心にいれば恭也とてアーツに巻き込まれる。

 だから恭也はアーツ発動と共に即座に退避。

 アタックドーベンたちにそれは不可能。

 石つぶてに叩かれ、竜巻に巻き上げられながら、苦痛の唸りを上げ、残る2匹は上空高く舞い上げられて海に落ちる。

 

 

 

 

 

「……くそっ」

 

 

 

 

 

 倒した。終わった。

 それでも恭也の気が晴れることはない。むしろ魔獣に八つ当たりした自分が逆に腹立たしい。

 

「冷静なお前さんも、さすがに怒るときは怒るんだな」

「……見苦しいところをお見せしました。すいません」

「いやいや、逆にサッパリしたぜ」

 

 アタックドーベンたちの目的は間違いなくナイアルたちだ。罪を隠すための口封じというところだろう。

 だからこそ、ナイアルたちも姑息なやり方に対し、恭也が思いっきり戦ってくれたことでせいせいした。

 

「行こうぜ。こいつをジャンに見せればすぐにでもダルモア市長を追及できる」

「ええ」

 

 小太刀を納刀し、恭也は続けて警戒だけはしながら、ナイアルともう1人の男性と共にその場を速やかに離れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギルバート! あんたって奴は!」

 

 エステルはクローゼを狙った全身黒装束の男の攻撃を棒で受け止めながら叫んだ。

 目は逸らさない。逸らしたらやられる。

 

「エステルさんから離れて!」

「ふっ……」

 

 クローゼの剣の突きを逃れ、男は後退。

 

「この野郎が!」

「はああ!」

 

 一方でもう1人の黒装束の男と戦っているヨシュアとアガット。

 恭也の双剣を受け流し、アガットの重剣を躱す男。さすがにまともに重剣は受ける気になれないだろう。

 

「ちょこまかとウゼェ……!」

 

 4人は灯台の屋上である、フォクトという灯台守の老人がいる制御室にて戦闘を繰り広げていた。

 距離を開けて対峙するエステルたちと黒装束の男2人。そして黒装束たちの中心には碧い髪の青年が。

 彼の名はギルバート。ルーアン市長であるダルモアの秘書だ。

 エステルたちも初めてルーアンに来て恭也とクローゼに案内してもらった際、

 ダルモアの傍にいた彼と会っているために顔は覚えていた。

 

「ギルバート先輩! どうしてこんなことを!?」

 

 クローゼにとっては、学園のOBであるギルバートは先輩ということになるのだ。

 ギルバートはクローゼの悲痛な問いにも、あっさりとした顔で答える。

 

「わからないかい、リンツくん? 彼らみたいな者は美しいルーアンの街と名を汚すだけの害でしかない。

 僕は街の名誉と誇り、そして治安のためにやってるんだよ」

「確かにレイヴンの人たちが治安悪化の原因の1つであったことは否めませんが……人を躊躇いなく害呼ばわりですか」

 

 レイヴンとの戦闘後、屋上まで駆け上がった際に聞こえてきた会話で、

 ギルバートとこの黒装束たち、そしてダルモア市長こそが放火・襲撃の真犯人であることがわかった。

 レイヴンはやはり体よく犯人として利用されただけで、放火の目的はリゾート計画のために邪魔な孤児院を潰すため。

 襲撃及び義捐金強奪は、再び孤児院が建たないようにするためでもあったらしい。

 

「リゾート計画。これもまたルーアンの活気を取り戻すためだ」

 

 ある意味でギルバートにしてもダルモア市長にしても、街への愛からくる行動である。

 

――――少なくとも、きっかけだけならば。

 

「こんなやり方は間違ってます! どんなに街のためでも、人を犠牲にしてまでの街作りでは、人は魅力なんて感じません!」

「大丈夫さ、リンツくん。要はばれなければいい」

 

 街作りをしていれば、自ずと対立する出来事は起こる。

 例えば今のルーアンは商業と観光業で発展する北街区と、今でも水運業を続ける南街区で構成されている。

 この2つの街区は互いに派閥の分裂状態を示しているとも言えるのだ。

 ルーアンをより商業と観光業で盛り上げるか、伝統の水運業を再び盛り上げるか。

 こうした争いがあり、どんな策をとってもたいがいどちらかが負けるか、どちらともが痛み分けの妥協策となる。

 

「だがこの策なら、街の者に負担はない。レイヴンのゴミ連中と、せいぜいみすぼらしい孤児院が消えるくらいさ。

 どうだい? ゴミ掃除はできるし、被害は少ないし、それで最高の利益を上げられる。理想的な施策じゃないか」

「みすぼらしい孤児院!? アンタ、もう1回言ってみなさい! ぶっ飛ばすわよ!」

「怖いなあ。いいかい、ブライトくん。別に孤児院の院長や子供たちを見捨てるわけじゃない。ちゃんと手厚い保障はするさ。

 だけどね、彼らも彼らで悪いんだよ。何度も立ち退けと言ってるのに聞かないんだから」

 

 テレサ院長は何度なくそれを拒否し続けてきたらしい。とうとう強制的に、ということだ。

 

「強制っていってもやり方ってモンがあるでしょうが! ヘタしたら院長先生と子供たちは死んでたかもしれないのよ!?」

「先輩、取り消してください。そして院長先生と子供たちに謝ってください!

 例えどんなに見た目がみすぼらしかったとしても、あそこは院長先生と子供たちにとっては大事な家だったんです!」

 

 勘違いとは言え、クラムがレイヴンの下に詰問しに向かったことから、どれほどダメージがあったかは明らかである。

 死ぬかもしれなかった。小さな子供たちに、それは一生もののトラウマにもなりかねない。

 大勢の者に理想的だろうと、その裏で泣いている者がいるという事実を見て、エステルもクローゼも黙っているわけにはいかない。

 

「まだわからないのか。君たちもとことん頭が悪いね」

「てめえよかマシだろうよ」

 

 ギルバートがそこで初めてアガットに目を向けた。それまでギルバートはアガットを眼中に入れていなかったのだ。

 アガットはレイヴンの元リーダー。要するにアガットが今でこそ遊撃士だろうが関係ない。

 彼にとっては今でもアガットは不愉快で害でしかない人間なのだ。

 

「少なくとも、てめえみてえな奴に街の面倒見てほしいなんて思わねえよ、誰も」

「暴れるだけ暴れて街の名誉を汚しておきながら、遊撃士になったからっていい気になるな!」

「……そうかもな。いくらでも文句言ってくれて構わねえよ。けどな、お前だけには言われたくねえ。

 嫌われ者同士、てめえは俺と一緒にルーアンの街から追放されようじゃねえかよ!」

 

 重剣を勢いよく突き立ててアガットは咆えた。ギルバートは情けない声を上げて数歩後ずさる。

 

「ギルバートさん。貴方は自分が今、ルーアンの街の名誉を汚しつつあるのに気がつかないんですか?」

 

 ヨシュアも双剣を構えて琥珀の瞳を冷たくして睨んだ。

 

「僕とエステルが住んでいたロレントの街は、他の街ほど何があるってわけじゃないですけど、皆が誇りに思う街でした。

 僕たちも温かくて好きです。でも、もしあの街が貴方がしたようなことでできていたとしたら、僕たちはそんなふうには思わない」

 

 思えない。

 

「先輩。街がよくても住むのは人です。その『人』に問題があれば街も問題です」

「そうよ。ロレントのクラウス市長なんか優しいしいつもみんなのためを思ってくれるし」

 

 思っているのは僕も同じだと言うギルバートだが、エステルもヨシュアも決定的な違いを理解している。

 確かにギルバートのしたことも街を思ってのこと。

 

「でも先輩のしたことは、結局先輩の勝手な思い込みのみ。街の人の意見を聞いてますか?」

 

 街のためを思うなら、街の者がどうしてほしいのか、どういう街にしたいかを知らなければならない。

 市長や公務員たちの思い込みのみでは市政にならない。それは押し付けになりかねない。

 もちろんルーアンの街の者全ての意見を聞くことは不可能だ。

 妥協は必要になるだろうし、時に一部の意見に答えられないこともあるだろう。

 

 

 

 

 

「少なくとも欲に突っ走ったダルモア市長に賛同している時点で、あんたの言う"街のため"ってのはその範疇にないわ!」

「先輩、本気でルーアンのためを思うなら……ちゃんとみんなの前で謝ってください」

「ギルバート。てめえを放火及び襲撃事件の容疑者として逮捕・拘束する。大人しく縄につけや」

「貴方たちもです。武器を捨て、投降してください」

 

 

 

 

 

 ギルバートは怒りか恐怖かで震え、傍の黒装束たちにエステルたちを始末しろとがなり立てる。

 だが黒装束の男たちは変わらずエステルたちを見ていた。

 聞いているのかと詰め寄るギルバートに、鬱陶しそうに顔を向けて……彼の首根っこを掴んで。

 

「な、何をする!?」

 

 仲間割れだろうかと思った。

 だが黒装束が躊躇いも感じさせないほど鮮やかにギルバートを羽交い絞めにし、取り出した銃をその額に押し付けた。

 

「こいつを殺されたくなければそこを動くな」

「おっとこいつだけじゃないぞ? そこの爺さんも人質だ」

 

 睡眠薬か、それとも気絶させられたのか、フォクトは未だに机に背を預けて座ったまま。

 彼に銃口を向けながら、黒装束の男は動かないエステルたちを見ながら背後の階段の方へ移動していく。

 

「き、君たち、自分のやっていることがわかっているのか!? 雇い主にこんなことをするなんて――」

「勘違いするな、小僧。お前のような下衆を雇い主だなどと思ったことはない。

 どう聞いていても、お前の言動より彼らの言動の方がこの街のためになる」

 

 どっちの味方なのかわからないことを言いながら、黒装束の男たちは階段を上り、外へ出る扉を開けた。

 

「逃げ場なんてねえぞ? ここは灯台のてっぺんだぜ? それとも飛び降りでもする気かよ」

 

 アガットの言葉に、黒装束たちはニヤリと笑った。心配無用と。

 ギルバートは勘違いしたのか、飛び降りなんてごめんだと暴れだし、

 黒装束たちはうるさいとばかりに彼の膝に銃口を押し付け――――撃った。

 途端にギルバートは出血する足を押さえて蹲り、床を転げ回る。『痛い! 死ぬ!』と連呼しながら。

 

「我らはここで失礼する、遊撃士の諸君」

 

 扉から出ていく男たち。すぐさま動くエステルたち。

 やかましいギルバートは自業自得とばかりに放置。アガットなど、扉の前で転げ回る彼に邪魔だと言って蹴り飛ばすほどだ。

 クローゼは決して許しているわけではないが、それでもギルバートを介抱する。

 

「いねえ? どこに……」

「アガットさん、これを!」

 

 扉の外は強い風が吹き荒れる。手すりもあるが、下手をしたら飛ばされて落ちそうなほどだ。

 すぐに行き止まりの通路の先に、彼ら黒装束の姿はなく、代わりにロープが。

 

「な、なんて用意周到な奴らなの!」

「やってくれやがるぜ」

 

 アガットが覗き込む。彼は灯台の真下に黒い人影を視認すると、判断は早かった。

 

「俺は奴らを追う。お前らはギルバートの馬鹿をルーアンまで連れて行ってジャンに渡してこい。あと報告忘れんな」

 

 それだけ言って、彼は迷いなくロープを手にして滑り降りる。まるでそうした訓練でもしていたように鮮やかなまでに。

 この高所からだ、相当の度胸持ちだろう。アガットという人間を見れば、それくらい誰でも想像つくことだが。

 

「あいつ……ホント勝手」

「でも判断も早いし度胸もあるし、間違いなく優秀な遊撃士だろうね。エステル、僕たちもやるべきことをやろう」

「OK!」

 

 取って返すエステルとヨシュア。中に入ると治療が終わったのか、クローゼが頷いてきた。

 

「イタイイタイイタイイタイ! まだ痛い! 死ぬ! 死んじゃう!」

 

 ……本当にうるさい奴だ。

 

 

 

 

 

――続く――

 

 

 

 


あとがき

  ク「というわけで対談です。この指とーまーれー」(ぇ

  シ「ぼきっw」

  F「ちょ、いきなり"ぼきっ"て、あーた……w」

  e「や、そこはこう、なんだ……その場の勢い?w」

  F「勢いですか……あ〜じゃあ、私も。出だしはクレさんに任せたんやけど、イマイチやし」

  ク「じゃあやらすなあああああああ!」

  F「というわけで久しぶりの投稿に久しぶりの対談! 何かもう出だしがアレなので私が出だしの如き勢いで!」(マテ

  e「ノリだw しかも無視だw」

  シ「え〜読者の皆さん、ちょっとお待ちください」

 

  ――仕切り直し中――

 

  F「ていうか、上のはマジでどっからが出だしだったのよ?

  ク「ご自由に解釈してください

  F「意表をついて"ぼきっ"のとことか?

  e「そこかよっ!?

  シ「や、ありえないから

  e「とゆ〜か。ツッコミの血が止めることを許さないのだ

  ク「てか早く後書き対談やろうよ

  シ「というわけで、この指と〜ま〜れ〜からやり直しで

 

  ――再開――

 

  ク「クレです。対談始めまーす。みんなー、このゆびとーまれー」(な○はヴォイス 

  シ「ういうい、よろしくw シンフォンです」

  F「久しぶりの対談や! はりきっていこか〜w てなわけでFLANKERでございます」

  e「いつの間にか、全員のレベル90以上に上げてSCまでクリアーしてる、ennaでありますw」

  ク「上げすぎw まあそれはさておき14ですが、どうよ?w」

  シ「個人的にはやられたって思ったわw 展開的にアリなんだけど、想像してなかったw」<恭也サイド

  F「や〜まあ、途中からエステルたちと一緒にっていっても、着いた頃にはどうせ終わってるし、それは虚しいやん?

    ならば〜ってことでw」

  e「そういうところにこだわりを作る、それがFLANKERクオリティーw」

  ク「"恭ちゃん、怒る!"の回でしたw」

  シ「そして、後に始まるギルバート伝説の始まりの回でもありましたw ソラツバではどうなのか知りませんがw」

  F「ソラツバだからこそ、

    そのヘタレぶりもより磨きがかかっていたりすることも無きにしも非ずだったりするとかしないとか」(どっちだ

  e「まあ、哀れさがいい味出してますよ、相変わらずw」<ギルバート

  ク「ギルバート大好きだーw」

  シ「まあ、この4人の中では、誰よりもクレさんが得意とする分野かもしれないw」<ギルバート

  F「じゃあいずれギルバートの外伝をクレさんに書いてもらうことを今ここに宣言してまおか。はっはっはw」(マテ

  e「うわ、本人の了承すらせずに決めるとは、鬼だなw」

  ク「っていうか私もう恭クロ書いたからいいじゃんよー」

  シ「きっと、ツッコミたくても今回の会話の順番が順番だから、回ってこないことをやきもきしてたに違いないw

    まあ、ギルバートの話はさておき、本編に戻りましょうw」

  F「灯台での戦闘も終わり、恭也側の戦闘も終わり、とうとう原作通り市長邸へ乗り込むことに!」

  e「いよいよ終盤戦、でありますね〜」

  ク「ですねー。っていうかここで私は空気を読まずに恭クロな場面をもっとと要求する」

  シ「では、私は空気を読むのでまじめに答えるとw ルーアン編の終盤、市長邸といえばあれが起動する場所ですね。

    恭也がこの世界にやってくる原因になったアレw」

  F「とりあえず要求する前に執筆を少しやってくれええええ!…………ごほん。

    そして忘れちゃいけないのが、なのは。いろんな要素が絡んで、そしていったいどの要素がどんな事態を巻き起こすのか!」

  e「急展開になる……かもしれない今後をぜひお楽しみに!」

  4「「「「それでは〜」」」」





この指と〜まれ!
美姫 「はぁぁぁっ!」
ぶべらっ! ……も、最早、指どころの騒ぎじゃないよね、これ……ガクッ。
美姫 「真似なんからするからよ」
酷い、酷いわ!
美姫 「はいはい。今回は恭也も怒こっちゃいましたね」
仕方ないだろう、これは。本当に市長は。これだから権力者ってのは信用できないんだよ。
美姫 「はいはい、それ以上は色々と危ない発言になりそうだからその辺にしておこうね」
へ〜い。ともあれ、次回はいよいよ市長の所へと乗り込んですね。
美姫 「なのはの話題が出てきたということは、もしかすると?」
もしかするのかな。うおー、とっても待ち遠しいじゃないですか!
美姫 「次回も楽しみにしてますね」
待ってます!



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