始めに・・・・壊れは好きですか?

いえ、冗句? です。今回はイロンナ人達が、ブッ壊れています。下手したら某悪霊退治の魔神様か壊れてしまった神父並みかもしれません。(←勿論、過大評価です。私にそんな腕は在りません)

残念な事に本当です。尚且つ突っ込み処満載です。

それでもOK!! 寧ろ突っ込んで犯んゲフン・・・ヤるよ!! と思われる猛者な方は↓へ。

御免、ソレ無理だわ・・・と思われる賢者な方は戻るを選択してください。お願いします

 

 

最後に、もう一度。壊れは好きですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日が昇る。人によっては黄色く見えるかも知れないが、日が顔を出し朝が始まる。何時も平和な海鳴市の朝、犬の散歩をする老人が、ジョギングをする腰周りが気になる女性が、新聞配達の兄ちゃんが同時に耳を塞ぎ、高町家の住人が揃って目を覚ました

 

 

「なんだってぇぇーーーー!!!!!」

 

叫んだ恭也の手から、一枚のメモが落ちた

 

その日の事を高町なのははこう語った。

「あの日の兄は何処か壊れてました」・・・・と

 

 

 

 

W,Sが行く!!

 

全ての元凶は衛宮士郎の隣でうきうきが隠せずに「オラ、わくわくしてきたぞ!!」とでも言いたげな表情の高町士郎だ。

朝起きると、そこは何時もの部屋では無く船の上だった。

 

いや、冗談じゃなくて本当のことなんだ!! 信じれないかも知れないが、俺は寝ている所を拉致されても気付かない鈍感じゃない。なのに何故船の上に居るのかって? それは士郎さんが凄いからさ!!

 

と、良い具合にテンパッている衛宮士郎に向けて高町士郎はこう言った

 

「突然の事で驚いてるかもしれないが、シロ君。俺達は之から北海道に行く!!」

 

何故? と思っても衛宮士郎は状況を整理できずに頷くだけだった

 

「何故北海道に行くかというと、全ては愛娘の為だ。シロ君も覚えているだろう、昨日の夜の事を」

 

〜回想〜

 

「・・・アレ? 今日のミルクティー・・・何時もと違う?」

 

首を傾げてなのはがそう言った。それに高町桃子が答える。

 

「あら? 分かった? そうなのよ。何時もミルクを買っている農場がね、今月で閉まっちゃうから他の所のを買ってみたんだけど・・・・之は・・・ミルクティーには合わないわね」

 

桃子は一口飲んでからそう言った。

 

「そうなの? 私は特に変わった様には感じないんだけど・・・・凄いね、さすがお母さんとなのは。」

 

美由希の言葉に頷く恭也と士郎s。恐らく妻と娘、そして妹の舌への歓心と当たり前だと云う自慢を含んだ二人と違い。衛宮士郎は美由希と同じように純粋に驚く。まあ、良く考えれば分かって当然の二人なのだ。高町桃子はパティシエと云えど本場で修業したプロ、高町なのははミルクティーを好んで良く飲む。

そう考えると、翠屋の将来も安泰な物だ。

 

その時の少し残念そうな高町なのはの表情が、仕方ない事と云えど可哀想だなと思った。衛宮士郎であった。

 

回想終了

 

 

「大丈夫だシロ君。書置きもしてきた。怒られることは何も無い

 

そうやって締めくくる高町士郎に衛宮士郎は、なら大丈夫なのだろうと思った。

混乱している所に、大丈夫だという言葉を使われ誘導されている事に気付かず。

人を誘導するのには、混乱しているか動揺している時に尤らしい事を言うのが定石だというのに。

 

 

 

Side 高町家

 

「・・・店は恭也が出てくれれば大丈夫だけど・・・」

 

「ああ、ソレよりも心配なのは・・・・」

 

「「シロ君だ(ね)」」

 

恭也と桃子は同時に言った。

 

「? シロ君がお父さんと一緒に居たら心配なの? あんなに仲が良いのに?」

 

なのはの言葉に恭也はクワッ!! と目を見開き、イロイロな物が混じった声で言った。

 

「いいか、なのは。父さんなんだぞ? 母さんと一緒になって少し・・・いや、かなりまともに成ったが父さんなんだぞ!! 修行の一環だと言って四歳だった俺を熊が多く生息する山に、小太刀を持たせて放り込んだり。旅に出れば路銀を使い果たしたり。詭弁を使って旨い事立ち回ったりして普通じゃ考えられない事を、平気で遣らかす父さん何だぞ!!

 

「え・・・あ・・・うぅ?」

 

何を言って良いのか分からず、言葉に詰まるなのは。しかし、恭也は止まらない!!

 

「そんな父さんの影響をシロ君が受けてみろ!! 間違いなく・・・なのはを持っていかれる!!(←はい、此処テストで出ますby作者)美由希!! お前も呆けている場合じゃ無いんだぞ!! 」

 

「えぇ?! 私も!!」

 

「シロ君との模擬戦の時に行われる精神的攻撃が、今よりステキに成るかも知れない」

 

「イヤァァァーーーーーーー!!」

 

その叫びを至近距離で聞いたなのはは、気が遠く為るのを自覚しながら思った。

 

(あっ、今日はアリサちゃん達が遊びに来る日だった。)

 

 

 

Side W,S(もう、之で良いよね?)

 

太陽が真上に昇った頃、衛宮士郎は高町士郎から受け取ったリュックの中身を倉庫の様な一室で確認しながら思った。

 

(服と下着の代えが三つずつに、懐中電灯にライター。俺のクスリが約三箱に、ノートと筆記用具? 何に使うんだ之?)

 

「・・・・・日記でも付けるか? 如何思う? ダン」

 

(ソレが宜しいかと、なのはさん達に聞かせて上げれば喜ぶと思いますし。マスターがマスターで在る事を確認するのにも、有用だと思います。)

 

そうだな。と衛宮士郎は短く吐き、高町士郎の元へ向かった。

その頃、高町士郎は甲板の上で何故か気配を殺して物資の陰に隠れていた。

 

 

密航だから仕方ない

 

 

Side out

 

少し長くなるので、ダイジェストっぽく日記形式で御贈りします。

 

 

北海道への旅。一日目。

さて、今日から少しの間だけ日記を付ける事にしたのだが・・・初めてなので、如何書いて良いかが良く分からない。

取り敢えず、今日在った事を大まかに書くことにする。

まず、船旅だと思っていたのは間違いだった。

途中で降りた此処がドコだか分からないが、今日は野宿だ。士郎さんがドコから調達した食品を焼いて食べた

此処からは、ヒッチハイクと徒歩で北海道へと進むらしい。飛行機を使えば良かったのでは?と聴いてみたが、ロマンが無いと言われた。

旅とは奥が深いモノだ。

今日はもう寝る事にする。士郎さんとの深夜の鍛錬後なので、良い具合に疲れた。

 

 

二日目

今居る土地は宮城県だ。此処には士郎さんの昔なじみという高杉一狭という人の家に泊めて貰っている。なんでも、士郎さんが武者修行をしていた時に殴り込んだのが縁となっているらしい。今も一緒に酒を飲んでいる。今日の夕方に突然訪問したのに、笑って泊めてくれた当たり仲が良いみたいだ。

昔から在る武家という事で、この家には懐かしさを覚えた。恭也さんと同じ年の息子さんと二つ下の娘さんが居るらしいが、今は他県の学校に行っている為。家には居ないらしい。

これから、夜の鍛錬なので今日は此処で終わる。

 

 

三日目

今日は強行軍だった。現在の場所は秋田である。

昨日行った訓練で士郎さんに、「シロ君・・・一つ技を覚えてみないか?君のスピードなら、対一の時の切り札に成るかも知れないんだが・・・」と言われた。

取り敢えず、今日は野宿だ。夜は定食屋で食べたが、米が美味い。

疲れたので今日は之で終わりにする。夜の鍛錬も今日は休みだ。

 

四日目

 

有りの儘に起こったことを書く。起きたら車の中だった。なんでも、気前の良いトラックの運ちゃんに乗せて貰ったらしい。ソレよりも可笑しい事が在る。

俺は何時移動させられたんだ?

ソレだけが謎である。今度恭也さんに聞いてみよう。教えてくれるか如何かは分からないが・・・・

今は、船の中である。現地に着いたら如何するのか? と訪ねたら、迎えが来ているとの事。今日は既に宿を取って貰っているらしいので、朝までソコで休み朝一で出発するらしい。

この人の人脈は如何為っているのだろうか?

 

五日目

 

今は隠れ里に居る。冗談ではない、地域の地図を見れば載っている。此処も士郎さんが修行時代にお世話に成った場所との事、周りの人達を見れば疑う余地は無いだろう・・・宴会してるし。

車に乗って五時間以上半日未満も掛る此処は、山に囲まれており車が通った道も獣道に近い物が在った。道は広かったが・・・尻が痛い。

日が暮れる頃に確認できたミルク・・・というか牛乳は、美味しかった。之なら紅茶にも逢うだろう。交渉の方も素早く纏まった。決して多くは無いが少なくない量の牛乳を、送ってくれる代わりに猪を退治して欲しいらしい。

猟友会に頼めば良いのでは無いかと思ったが・・・何やら理由が在るらしい。

そう云えば山の中に、もう使われてはいないと思われる。小さな工場が有った、もしかしたらソレが関係しているのかも知れない。幸いな事に、此処は電気が通っており端末も在る。隠れ里とは言っているが、町と変わらない。今日は一眠りして、明日から調べる事にする。

 

 

 

Side 衛宮士郎

 

朝、士郎さんと軽く流す程度に動いた俺はパソコンを借りて頼まれた猪に関する事を調べる事にした。別に猪自体を調べる訳ではない。その周りを調べる。朝のランニング中に出会った役場の人に聞いたが、やはり猟友会には何度か連絡した物の断られた様だ。最初は町の人達で退治しようとしたらしいが三人が意識不明の重体、彼等を救助した場所には大きい蹄の跡が有った事から猪の仕業と判断できたらしいが。足跡と照らし合わせるとその体躯は通常の猪よりも大きいとの事。

この時点嫌な感じはしていたのだが・・・・・・パソコンの画面を見ると溜め息がでそうになる。山の中に在った小さな工場は、既に倒産した製薬会社の物。ソコの元重役は国会議員、他にも後ろ暗い事が出てくる。俺はダンにデータを保存するように言って、士郎さんに報告に行く事にした。

 

 

 

士郎さんの部屋に行くと士郎さんは真剣な顔でニュースを見ていた、何か重大な事件でも起こったのだろうか? と気になったので、俺もニュースを見ることにした。

 

「・・・・・次のニュースです。一ヶ月程前から各地で猪や熊等の動物が人里に下り、作物を荒らすという事が多発しており・・・・・・・・・・・・・」

 

これは・・・不味い予感がする。

 

「・・・・・・・・・・・・・それでは、現場の工藤アナ〜。」

 

「はい、私達は今。○×市●×町にやってきております。昨夜未明にちょうど私達が立っている隣のこの民家に、熊が侵入するという事件が起こりました」

 

「なぁ、シロ君。」

 

「はい、これは嫌な予感がします」

 

「あぁ、新聞を確認したんだが・・・・この近くの山道まで取材しに来るらしい。しかも、生の特番で」

 

「うわぁ・・・」

 

「直ぐに出よう。朝聞いた話から推測するに奴らは気が荒そうだ。」

 

「直ぐに、仕度してきます」

 

 

俺達は、直ぐに山の中に入った。幸い退治してくれと頼まれた猪の発見ポイントは、宿を出る前に貰った地図に記して在ったのでソコを重点的に周る事に成った。発見といっても足跡だけだが・・・・無いよりはマシと云うものだ。

 

なのだが・・・・・之は無いだろう。

猪が通常より大きいという事は、知っていたし覚悟もしていたが・・・・・

 

「なぁ、シロ君・・・アレを見てくれ。・・・如何思う?」

 

「すごく・・・大きいです(ドスファンゴです)。」

 

うん、なのはがオンラインでやってるゲームに出てくる猪にそっくりである。

三十メートル程離れた木の上で、俺は士郎さんにそう言った。此処からでもでかいのが分かる。士郎さんも流石に驚いたのか、凝視している。『魔術』を使えば一撃で終わるが・・・その跡が酷い事に成るので使えない。夫婦剣の投影とかなら大丈夫だが・・・・

 

「シロ君・・・アイツ、俺達に気付いてる。」

 

思考の海に埋没していた自分を引っ張り上げるその声に反応して、顔を上げた瞬間。俺達は全速力で逃げる事にした。戦術的撤退である。木・・・障害物が多すぎる此処では向こうが不利だと予想したが・・・・・・・

 

「ブギィィィィィィィィィィィィィィ!!」

 

メキメキと自然破壊しながら追ってくるその姿を見れば、その考えは無くなる。猪突猛進というのは嘘で在り、本当の事だった。ソレは獲物を見つければ猛進し、自分の行動を妨げる障害を粉砕して。常に俺達を狙ってくる。如何に曲がろうとも、地面を蹴って華麗に曲がる。その姿を見て、質量保存の法則はドコに行ったと思ってしまう自分の頭に苦笑した

 

「シロ君」

 

「はい?」

 

「向こうには連絡を入れたから、道に出ても大丈夫に成ったぞ」

 

「では、合図は任せます」

 

俺と士郎さんは、簡単に話してから略同時に剣を抜いた。

 

猛スピードで直進してくる猪の横をすれ違いざまに切りつける。

厚い毛皮と筋肉。ソレとスピードが邪魔をして、浅く切ることしか出来ない。士郎さんもそうなのか、渋い顔をしていた。地面を擦る音がする。猪は此方に視線を向けて、鼻息を荒らげていた。

 

「シロ君・・・まだ、型だけしか見せてないけど・・・出来る?」

 

「・・・・・・俺は出来ません。なので、士郎さんの技術・・・・借りていいですか?」

 

「OK。 俺もいい加減、桃子の顔が見たい。」

 

「奇遇です。俺もなのは達の顔が見たいですし・・・・そろそろテストらしいので、現国の復習を手伝ってあげないと・・・・」

 

俺は夫婦剣を投擲して、今にも此方に突進しようとしていた猪を牽制し、構えを取った。元の型に自分為りの型を咥えたモノだが、俺には此方の方が在っているようだ。

 

 

 

Side 高町家

 

「はぁ・・・・」

 

「なのは、士郎の事が心配なのは分かるけど・・・アンタ、溜め息付きすぎよ?」

 

「そうだよ。なのはちゃん。シロ君なら大丈夫だよ。それに、なのはちゃんのお父さんも強いんでしょ?」

 

高町家の正午。テレビを見ながら溜め息を付いたのが次女の高町なのは、次に声を掛けたのがなのはの親友である。アリサ・バニングスと月村すずかである。

リビングのソファーにはその三人とは別に、なのはの兄と姉である高町恭也と美由希が苦笑しながら座っていた。

 

「でも・・・・心配だよ」

 

友人の言葉に、それでも二人の事が心配だと言うなのはの言葉に美由希が言った

 

「なのは、大丈夫だって。お父さんは言うまでも無いけど、シロ君は私達より強いんだよ? 恭ちゃんが負けたの見てたでしょ?」

 

「うぅ・・・そうだけど・・・」

 

この二人の会話に驚くアリサ

 

「ねぇ、なのは」

 

「何? アリサちゃん。」

 

「私の聴き間違いかもしれないけど・・・・士郎って恭也さんに勝ったの?」

 

「うん。シロ君はもう勝てないからしたくないって言って、よく私の部屋に来るよ?」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

し〜んと静まるリビング。原因はなのはの言葉なのだが・・・彼女は「ん?ん?」と首を傾げていた。

 

「嘘ぉ!!」

 

「なのはちゃん・・・流石にソレは信じられないよ」

 

「ホントだよ。ね、お兄ちゃん」

 

くるりと三人の視線が恭也に集まった。恭也は溜め息を一度付くと、ソレが事実だという事を二人に話した。その話を聞いた二人の反応は・・・・

 

「・・・士郎って本当に人間?」

 

「(もしかしてシロ君は・・・私達と同じ・・・でもそんな感じはしないし・・・)」

 

という。士郎人外説だった。その反応になのはが「人間だよ?!」と弁護しているのを眺めながら、恭也はチャンネルを回して普段は余り見ないニュース番組に換えた。恭也は以前在った襲撃未遂から朝と夜のニュースに新聞は必ず見るようにしていた。之は高町士郎も同じで些細な事でも見逃さないようにと、最低限の情報の一環としている。

そして、チャンネルを換えた瞬間に恭也は今日は特番生中継だったなと思いだして・・・息を呑んだ。それは隣に居た美由希も同じだった、その二人の姿を見たなのは、すずか、アリサの三人は「何だろう?」と思いテレビに視線を移した。

 

「シロ君に・・・お父さん!!」

 

なのはが声を上げた。それなりに大きい声だったので近くに居たアリサ達は耳を塞いだが、恭也と美由希はその声が聞こえない位に集中していた。

画面の中の二人は小太刀を構えて何かと向かい合っていた。画面に映る自分達の父であり剣の師は後ろに居るテレビ局関係者達に気付いているようだが、ソレを無視しているようだ。

 

画面の二人に魅入る

 

初動は同じ。しかし、与える印象は違った

 

画面に映る父の姿は幼い頃から・・・今も尚、憧れ続ける。完成された『御神の剣士』の姿。自分が知る限り、何よりも雄雄しく、美しい戦士の姿。

 

その隣に移る父と同じ名を持つ少年の姿は、異状なまでに『自然』だった。故に惹きつけられる。放つ技は父と同じだろうに、工程は違った。それでも美しいと感じてしまう程に、当たり前の様に構える彼の姿に弓を重ねる事が出来た。

 

 

 

Side W,S

 

鼻息も荒く、獣が大地を削った。馬鹿げた質量を持った体躯が、その大きさに見合わない速度で二人に突っ込んでくる。

だが、その程度の事で退く事は無い。退けば犠牲が出る。

二人は自分達の後方に人が居るのを知っていた。片方は純粋な身体能力で、もう片方は異能の力で、後ろに居る人を放置したのは己に対する戒めだ。

 

この程度で退くのならばこれから先、護りたい者など護れるはずが無い

 

故に、争いは一撃で終わった。同時に放った同じ技で・・・

ガクリと膝を衝いた。情けない事に視界がぼやけ、頭は痛い。足は震えが泊まらず、右肩から右腕が付いた時の衝撃を殺しきれずに痺れ、体中が軋みを上げている。

 

「大丈夫か? シロ君」

 

「はは、ヤッパリ・・・まだキツイみたいです。視たのは型だけですし・・・」

 

「・・・そうか。取り敢えず、此処から離れて直ぐに帰ろう。顔が割れるとイロイロと面倒臭そうだしな」

 

士郎さんはそう言うと、俺を担いでその場を離れた。

でも、士郎さん。神速を使わないで下さい。

 

その後、俺達は・・・というか俺は士郎さんに担がれたまま飛行機に乗せられて、その日の夜には海鳴市に着いた。そのまま家には帰らずに居酒屋に直行、家には朝帰るらしい。昔は一仕事終えた後は居酒屋に寄ったりして、酒を飲んで遊んだらしい。恭也さんを連れて旅をしていた時もソレは変わらず、結婚してからは店も忙しく着ていなかったとの事。

 

「本当なら、恭也とも来たかったんだが・・・・」

 

「断られたんですか?」

 

「いや・・・アイツ、俺の息子の癖して下戸なんだよ」

 

と会話している姿が、翠屋の常連客に目撃されたらしい。

 

子供が酒を飲んでも誰も注意しない。これぞ、高町士郎クオリティ。

かなり関係ないかも知れないが、今から数週間と在るニュースがマスコミを賑やかせる。とある国会議員の辞任やとある県知事が逮捕されたりと・・・因みにそのニュースが流れ出した頃から、高町恭也が翠屋でリスティ・槙原を目撃する様になる。

 

 

 

その後(次の日の朝・高町士郎の場合)

 

「・・・・・・それで?」

 

「いや・・・その・・・桃子さん? 書置きしましたよ?」

 

「そうね・・・でも、之は書置きとして如何なのかしら?」

 

高町士郎の目の前に突きつけられたメモには、こう書いてあった。

 

ちょっと、シロ君と行ってくる。

 

「・・・・・・・」

 

「ねぇ、あなた。久しぶりに・・・じっくりとお話しましょう

 

ガシッと腕を掴まれ、廊下を引きずられながら士郎(懲りない男)は口早に言った。

 

「も、桃子さん!? 一応、俺が出て行ったのは店と娘の為であり決して久しぶりに暴れてやろうとか!! 息子とスキンシップ〜!! とかが理由では無いので!! いや、確かに書置きとは言い切れないけども書置きはしたし!! 心配掛けたのは心底反省しているので少しお手柔らかにして欲しいなぁ〜なんて思ったりしちゃっているんですが!! その辺如何でしょうか!!」

 

昔から、偉い人が言い続けた事がある。それは、精霊や何処かの王様が言った言葉かもしれない。その言葉は・・・

 

「・・・ふぅ」

 

「(これは・・・・いけそうか!!)」

 

「あなた。今日はお店がお休みですから、じっくりとお話しましょうね♪

 

「グレードアップしちゃった!!」

 

魔王からは逃げられない

 

 

その後(衛宮士郎の場合)

 

「ソコの漢字間違ってるぞ?」

 

「え? あってるよ?」

 

「点が一個多い。それと、その前の文も間違ってる。」

 

「え・・・あ・・・・・・」

 

「ん。今日のおやつ抜きまで後五つだな」

 

「ニャァァァァ?!」

 

衛宮士郎は、高町士郎がラスボス戦をしている最中。高町なのはの家庭教師的な事をしていた。決して恭也の目が怖かった訳ではな。無いったら無い!!

 

「むぅぅ〜。でも今度のテストで八十点以上取れたら、約束護ってね。」

 

「あぁ。その代わり、七十点以下だったら一週間おやつ抜きで六十点以下だったら、美由希さん手料理を食べてもらう」

 

なのはに電流が奔った!!

 

「そ、ソレは無理だよ!! というか、聴いてないよ?!」

 

「む、失礼な。美由希さんの手料理、アレから三回に一回は普通に食べれる用に成ったんだぞ?」

 

「それでもだよ?! しかも三回に一回って・・・微妙すぎるよ。ていうか、偶にシロ君が寝込むのって三回に一回を引けなかったからなんだ・・・・」

 

幸運Dを舐めたらいけない。

 

「それじゃあ効しよう。八十点以上だったら、一週間俺がおやつフルコースを作るのに加えて。一回だけ、なのはの言う事を聴く。どうだ?」

 

「・・・本当になんでも聴いてくれる?」

 

「まあ、出来ない事以外でなら・・・」

 

「じゃあ、ソレで良いよ。約束破ったらダメだからね?」

 

 

衛宮士郎はこの発言を後悔することに成る。

 

 

終わり

 

 


あとがき

 

やっちまった感が否めない。・・・・・BINです。

今回は自分に挑戦? 的な感じで・・・ギャグが難しいです。

↓におまけが在りますが、読まなくても大丈夫です。全く関係ないので

 

 

 

 

 

おまけ

 

「えへへ・・・シロ君八十点以上取れたよ!!」

 

夕食後のまったりとした空気のリビングに、高町なのはの笑顔が咲いた。

それを見て、高町士郎は表情を緩めまくってなのはを褒め

高町恭也は、「凄いじゃないか」とかと笑顔を浮かべ

高町美由希は、妹が苦手とする教科で高得点を取った事に純粋に驚き

高町桃子は、「頑張ったわね」と優しく微笑んだ。

 

「それで、なのは。何か俺にお願いする事は在るのか?」

 

衛宮士郎は、約束を果たそうとなのはに聞いた。

 

「あのね・・・あの」

 

少し恥ずかしそうにするなのはを、可愛いと思いながら衛宮士郎は何故か寒気を感じ。冷や汗を垂らした

 

「今日ね。一緒に寝て欲しいなぁ〜なんて」

 

空気が凍った。恭也の周りだけ

 

「い、いや。なのはさん? もっと違う事の方が良いと思うよ?!」

 

「約束・・・破ったら嫌だよ?・・・私知ってるよ。お父さん達と寝てた事とか、お兄ちゃんやお姉ちゃんとお昼寝した事が在るの・・・・」

 

「はい、マモリマス(俺・・・死んだな・・)」

 

士郎撃沈。恭也覚醒。桃子覚醒。美由希呆然。士郎(父)唖然。

 

「ふぅ(シロ君、少しお話しようか。互いに鍛えた「武」で!!)」

「あらあら(良くやったわなのは!! さすが私の娘!!)」

「あ、あはは。なのはも積極的だね〜(なのは、それはシロ君への死亡フラグだよ!!)」

「さ〜てと、シロ君風呂に行こうか!!(さてと、今夜は恭也を何とかしないとな)」

 

 

終わり?




あははは、士郎さん何をやってるんだか。
美姫 「中々楽しい旅よね」
どこが!? とは言え、シロの方はそれに対して文句はないみたいだしな。
美姫 「まあ、その辺りが士郎の人徳ってやつかもね」
得な人だ。おまけではシロはちょっと危ない事になっているけれどな。
美姫 「果たして、この後無事だったのかしらね」
あははは。
美姫 「本編の方も楽しみにしてますね〜」
ではでは。



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